platea/プラテア

『ゲキxシネ五右衛門ロック』『The Musical AIDA』など、ミュージカルの話題作に出演の青山航士さんについて。

All Shook Up/プレスリーに会いに

2007-10-20 | ALL SHOOK UP
 前にも少し書きましたが、プレスリーの邸宅、グレースランドには今も世界中からファンが集まり、命日の8月16日には広い敷地一杯にファンの捧げたキャンドルの火がゆれるそうです。プレスリーは生前、彼を一目見ようとするファンにいつも追いかけられていたそうですが、特大(?)ファンとしてはやはりビートルズの名前が挙がるんじゃないでしょうか。
 ジョン・レノンはエルヴィスを知って人生が変わったと話したともいわれ、他のメンバーもプレスリー・ファン。マネージャー同士が知り合いで連絡をとり、65年のビートルズ3度目のアメリカ公演の際、プレスリーのビバリーヒルズの邸宅でこの超大物スター同士が対面したそうです。彼らのファンが一斉に追っかけたりしたら地震が起きるんじゃないか、と思わず心配になりますが、実際その時の混乱は凄かったようです。「極秘だ」とスタッフには口止めしながら、パーカー大佐は情報をリークして騒動を大きくし、話題作りに最大限活用したと語っている記事も目にしました。
 ・・・で、その様子なんですが、例えば彼らが一緒に演奏したのか、ということ一つとっても、読めば読むほど語る人によって食い違いがあり、芥川龍之介の『藪の中』ではないけれど、皆それぞれにとってのプレスリー、あるいはビートルズを語っているような気がしてきます。大スターといわれる人はファンの一人一人に「自分のために歌っている(演じている、踊っている)」と錯覚させるほどの強い魅力があるといいますが、その場にいたという人たちの談話も興奮未だ冷めやらず、という感じで、ちょっと素面ではないような
 『All Shook Up』は、若き日のプレスリー/チャドが小さな町の人々を変えてしまう瞬間を切り取った舞台のようですが、その後アメリカだけでなく、実際に遠いイギリスのリヴァプールの青年の人生も変えたのだと思うと、人の想いのうねりのようなものを感じてしまいます。そんな何十万、何百万という想いを一身に受けたプレスリーが42才でこの世を去ったのも、無理のないことだったのかもしれません。

追記:先日、総閲覧数が24万pvを超えました。拙文、読んで頂いて本当に有難うございます。