platea/プラテア

『ゲキxシネ五右衛門ロック』『The Musical AIDA』など、ミュージカルの話題作に出演の青山航士さんについて。

まるでジンジャーのように

2006-05-18 | ビューティフル・ゲーム
 『テネシー・ワルツ』への青山さんの出演予定がわかったため、ここに書くのを少し遅らせましたが、元IRA幹部のスパイ殺害事件に続き、わずか15才のカトリックの少年マイケル・マッカイルヴィーン君がピザを買いに外出した際に、やはり10代のプロテスタントの少年達に暴行され亡くなるという事件が、5月8日、アイルランドのバリミーナで起きてしまいました。
 『ビューティフル・ゲーム』のジンジャーと同様、何も政治的な活動はしていないのに、ただ「カトリックである」ということだけで暴行の対象にされたのです。
 葬儀では遺族の希望により、フットボールチームのセルティック(カトリック)とレンジャーズ(プロテスタント)のユニフォームを着た少年達が力を合わせて彼の棺を運びました。作品中「決勝戦」のシーンで私たちが目にしたような、グリーンとブルーのユニフォームです。1000人以上の参列者があり、町全体がこの少年の死を悼んでいたということですが、残念なことに参列者の車への投石もあったそうです。

BBCニュース
 
 マッカイルヴィーン君のお父さんは、「もしも息子の死がバリミーナの町の新しい未来像を導く事が出来たら、彼の死は無駄ではない」と話されたそうです。
 青山航士さんも『ビューティフル・ゲーム』公演パンフレットの出演者コメント欄で、自分たちが演じ伝えることで犠牲になった人たちの救いになれば、と語っておられますが、亡くなられた方たちが語りかけていることに耳を傾けていれば、今は出口のない不幸のように思えても、何かしら未来を築く事ができるのではないかと私も思います。投石をしたという人の心が、どこかでそんな想いと出会うことを願わずにはいられません。