PLANET LULU GALAXY!

ルルの日記

Dinosaur Jr - Just Like Heaven

2022-04-14 20:21:11 | 音楽

Dinosaur Jr - Just Like Heaven

 

60年代なんかは頻繁に行なわれてたのに(ひとつの曲を繰り返し、各々のミュージシャンがテーマにすること)、前世代へのリスペクトをあらはす、カヴァーをその時代(80〜90年代)、珍しく行ったバンドだった…

 

そんだけみんな(進化しようと… 自己の表現でベストを尽くす感じの)前のめりだったわけだけど。。。  どこか冷静で、自己を形成した、媒体への敬意を忘れなかったのだな。。。

 

と、思ったら、別にニール・ヤングの影響なんかうけてないもん… たまたまそうなっただけ…とか言ってる掴みどころのなさもまた良し(^^;(ギター🎸、及びフロントマンJマスシス

 

キュアーは手放しで好きだったみたいだけどね パンク(なかでもハードコア)志向で、オルタナティヴ❓ 何、それ食べれるの❓🍖 的なスタンスが、“渋谷系”のスタンスをも思い起こさせる…

 

新しいもの(シーン、scene)ができる、宇宙🪐の爆発の途中💥


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Here Comes Your Man - Pixies

2019-06-01 17:50:00 | 音楽

Here Comes Your Man - Pixies

 

90年代オルタナオルタネイティヴ)数珠繋ぎ…

 

Pixies🐒


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回想 1992年 モノトーンマリアコーデ

2018-06-04 00:34:55 | おしゃれ&美容



古いアルバム帳📘を掘り返してたら、こんなのも見つかった。。。📘👀

1992年⏳ 20歳(成人式は勿論?行かなかった。。。)  駒沢公園で酒飲んでた日の(*_*)🌿(S君とかと  吉祥寺ハッスルブラックフィスト行った後  徹夜明け。。。(-_-)zzz  ブラックフィスト=ノイズ、ジャンク、オルタナティヴなどをかけてたクラブイベント


トップス、オゾンコミュニティのマリアプリントロンT👸⛪️

ボトムス、ヒステリックグラマーのウエスト〜腿あたりにかけてめっちゃスリムな縦縞ベルボトム(フレアシルエット)パンツ🔔

腕には、ヒステリックグラマーのノベルティーの青い腕時計⌚️💙

足元は(写ってないけど)ドクターマーチンの編み上げブーツ(ブラック🖤)

(写ってないけど)腰回りには、下北沢ミゼラブルで買ったチェーンベルト⛓


腕時計💙⌚️以外モノトーン🖤🔲🔳(イベントが“ブラックフィスト”だからコンセプトを合わせた。。??)


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Un chien Andalou de Luis Buñuel

2014-02-13 22:33:55 | 映画
Un chien Andalou de Luis Buñuel


突然想い出した。。!!! アンダルシアの犬。。。(この映画も閲覧注意  初めて知ったのは多分“映画の魅惑”の文章から... アヴァンギャルドフィルムという項目で... 文を読んでイメージが沸き立ちワクワクした。。。 20年ほど前... 音楽はリヒャルト・ワーグナーのトリスタンとイゾルデ、これも昔の私の愛聴盤....

眼球フェチだった私は(痛がりながらも。。)この映画が大好きだった。。。(ブニュエルのリボン、眼球にひと結び...) 6年ほど前、福島県の裏磐梯でもう一度観ることが出来て感激


80年代半ばに生まれたオルタナバンド、ピクシーズもこの映画をモチーフに曲(詞)を書いてましたが.....


アンダルシアの犬 [DVD]
クリエーター情報なし
アイ・ヴィ・シー


ワーグナー:楽劇「トリスタンとイゾルデ」全曲(4枚組)
クリエーター情報なし
Brilliant Classics



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BJORK - I REMEMBER YOU (SUBTITULADO)

2013-05-12 16:08:09 | 音楽

BJORK - I REMEMBER YOU (SUBTITULADO)

 

そういえば、ビョークがシュガーキューブスをはじめた理由  ラジオから聴こえてくるチェット・ベイカーを聴いて「チェットをオルタナ風にやったら面白いんじゃないか」とのアイデアが湧いて突き動かされてバンドをはじめた・・・という逸話を耳にしたことがあります・・・(微妙に間違えてたら御免なさい。。。 もしかしてシュガーキューブス、ではなく、ソロ、だったかも。。。←うろ覚え


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Re-Trick 青山D'sBarライブ報告、ミュージシャンの魂の宿る場所。

2007-06-29 23:33:34 | 音楽
やっと普通の(健康的な)生活日記などが書けそうな今日この頃・・・。

今日はお母さまとのランチは中止になってしまい(お母さま、腰痛お大事に...泣泣)・・・、荻窪のカフェ“ひなぎく”でひさしぶりの小箱ちゃん(ルルにLUSHを教えてくれたり、ときめくお店を教えてくれたり、いろんな“乙女情報”を教えてくれるお友達。)とお茶して来ました☆

小箱ちゃんも7月にご夫婦で沖縄旅行に行くので(彼女は自分のパワースポット、ソウルスポットは沖縄だ!と言っていて、かなりの沖縄通であります・・・。)沖縄行きの話をしよう!と集合するも、話題は多岐にわたりました・・・(^_^;)
ちなみに私たち夫婦の沖縄行きは8月末です・・・♪ わくわく・・・

いろいろ話したけど・・・年齢肌に効くコスメを教えてもらったり・・・(笑)
(小箱ちゃんと20代半ばで出会ってからおよそ女らしくなかった私が、今普通に美容のことを気にしたりしてるのが感慨深いし不思議である・・・笑)

一番、あぁ~~~と思ったのは、“子供が出来たら”というはなしをしていて、私は女の子が生まれたら絶対過干渉&娘ベッタリの母親になりそう・・ってこと・・・(^_^;)
前回の記事から2度目のご紹介になるケド、月夜の宝石さんの“チャイナスリッパ”の記事のマドンナみたいにしょっちゅう娘を連れて“母娘ファッション”なんぞも楽しみつつ歩きたいもん!!んで「ママ、うざい!」って娘に嫌がられたり・・・(T_T)(←妄想が激しくなってきました・・・笑)

さて!!

昨日は青山一丁目にあるD'SBARに私が夢中になっているバンドRe-Trickを観に行ってきました!!!
2ステージ分、ガッツリとかなり濃ゆ~く観ることができて、ルル感激~~
会場のアダルトな雰囲気と相まって、客層も長きに渡るJAZZファン(と見られる)の人、長きに渡って音楽シーンを見てきた業界の人etc.etc.・・・といった感じで、勿論私みたいに30代の人もいれば(やっぱりじゅうぶんアダルトやがな~笑)、20代の人も居そうな感じだったけど...
でも全体的に大人目の雰囲気でした。
それでいて我が子をみつめるように(?)会場がアットホームな雰囲気・・・(^_^;)
それでもルルは椅子に座りながらも椅子を倒しそうな勢いで(マグマのDrクリスチャン・ヴァンデみたいに・・笑 でも椅子が倒れても、彼みたいに“空気椅子”でドラム叩く・・ではなく音に乗りまくってたと思う・・・笑)ぐおーーーー!!!っと盛りあがってしまった~~~!!!!
最初は会場のオサレな雰囲気にもじもじしてたくせに・・・(笑)
2ステージガッツリ・・・、
オリジナル曲もガッツリ☆☆
カヴァーも、いつもストリートで魅せてくれるチック・コリアのスペイン(大好きになりました♪携帯のJAZZ配信サイトからダウンロードするくらい・・・笑 Re-Trickのカヴァーはドラマチックで泣きが溢れてて、聴くと往来の真ん中で泣きそうになるよ・・・泣 尋常じゃない泣き・・・。)、

チック・コリアのこのアルバム↓うちに飾るようになったんだけど、うちのとはジャケ違いだなぁ・・・。うちのサイトと“Galaxy”繋がり・・・(^_^;)(追記...今電話でダンナさんに聞いたらうちのやつフランス盤だそう...)
Hymn of the Seventh Galaxy
Chick Corea & Return to Forever
Polygram

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こんなのもあった!!チック・コリア☆ 私の大好きなマッドハッター!!(このアルバムめちゃくちゃ欲しいナ~...)
マッド・ハッター
チック・コリア, ゲイル・モラン, エディ・ゴメス, ハービー・ハンコック, スティーブ・ガッド
ユニバーサルクラシック

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今日23歳のお誕生日を迎えた亮くんのベース(ますます屋台骨らしさがアップ!!)から始まるキャロキンのSo Far Awey、そしてルパンのテーマ、2度に渡る(お客さんが離してくれないのだ・笑)アンコールの2度目に演奏してくれたのは、あのマイルス・デイヴィスのMilestonsだった!!!

このアルバム↓4曲目!!
マイルストーンズ+3
マイルス・デイヴィス, ジョン・コルトレーン, キャノンボール・アダレイ, レッド・ガーランド, ポール・チェンバース, フィリー・ジョー・ジョーンズ
ソニーミュージックエンタテインメント

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しかも、勢い情熱共に、希望溢れる若かりし頃のマイルスの曲がRe-Trick氏たちにピッタリ!!!何だか観る側の希望を甦らせてくれる彼らのステージの特性にぴったりであり、素晴らしい“締め”でございました・・・

記事、遅くなりましたが、素敵ベーシスト亮くんお誕生日おめでとうございます☆☆

今日、6月29日は1966年のこの日にビートルズが来日した・・という、日本のビートルズファンにとって特別な記念日ですが・・・、
ブログのお友達で私の心の友(←ジャイアンっぽい。。??いえ、ジョー・コッカー〈←ジャケ怖すぎ。。〉です。。昨日D'sバーで流れてた“ウッドストック”でジョー・コッカーが出てたし・・・(^_^;)←亮くんがウッドストックめちゃくちゃ詳しかったのにビックリ!!)、guitarbirdさんもお誕生日おめでとうございます♪♪

↓ハードロックカフェでも流れるお誕生日の定番曲、The BeatlesのBIRTHDAYをどぞ!!!

The Beatles-Birthday

The Beatles (The White Album)
The Beatles
Toshiba EMI

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↑もちろんLULUも夢中になったこのアルバムから・・・ディスク2のしょっぱなデス


亮くんへ、私の中で“一度死んでしまったロック”とは(イヤ、二度死んだかも...007みたいに・・・爆)90年代オルタナのことですよ~(爆)(←そうゆうお話をライブの後にしてた。。)
だから(?)Sugar Salt業も頑張ってねっ!!
もちろんRe-Trick業は一番で!!(爆)

P.S.ちなみに、1966年の日本来日時、武道館コンサートの後、ジョンは警備の網を抜けて、お忍びで銀座、青山かいわいにくりだして、骨董品店などを見て回ったそうです・・・。
それで“プロモーターのツケ”で大量の買い物をしたそう・・・(笑)(←ひとつ前の仕事でこの記事書きました☆)

(Re-Trickさんたちもいつかそんな感じになってネ!!(笑)
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Caterpillarと共に、Just Like Heaven..♪

2006-10-27 18:44:04 | 音楽

以前、museさんへのコメントの中で、The CureのキャタピラーのYouTube画像をアップする予定があったとお話ししましたが、(この話引っ張ってごめんなさい。。)BS&Tへの熱がおさまらない中ではありますが、あまりにもこの曲が思い出深すぎるし、どうしてもアップしたい気持ちがあったので、出します!(museさん、見てみてくらさーい♪♪あっ!もちろん皆さまもっ!)

The Cure - The Caterpillar(←こちらをクリック♪)

The TopThe CureFiction/Sire/Rhinoこのアイテムの詳細を見る

↑The Caterpillarが入ってるアルバム「The Top」



私は20代半ば頃に、


“孤独がどれくらいの速度で君を進ませるか知ってる?
 四方八方手を尽くして、まるでキャタピラーのごとくだよ”


・・という詩を書いたことがありました。もちろん“君”というのは私のことであり、自分のことをキャタピラー(芋虫)に例えたわけです・・・。家で地を這いずるような気持ちで、四方八方に積まれた本に手を伸ばして、知識の触手を伸ばそうとしている自分がキャタピラーっぽいな..と思ったのですが・・。
この詩はいつでもそらで詠めるほど、私自身に密接した詩でした。

(・・・ほんとはこんなことどうでもいいな。。スミマセン。。)

ちなみにPLANET LULU GALAXY!の一番上を彩るウィリー・ボガニーによる「不思議の国のアリス」のイラストレーションにも大麻をふかす(原作ではそう...)芋虫君がチェシャ猫ちゃんの上にチョコンと乗ってますが・・(^_^;)



もう一つ、これは以前gakuさまとお約束をしていた曲ですが、
この前YouTubeを見ていて、メチャクチャじーーんと来た映像。
The Cureによる元祖“Just Like Heaven”

Kiss Me, Kiss Me, Kiss MeThe CureElektraこのアイテムの詳細を見る

“Just Like Heaven”入りThe Cureアルバム“Kiss Me, Kiss Me, Kiss Me”


この曲は90年代初頭にDinosaur JRがカヴァーしていたことも思い出します・・・。
こちらもなかなか良い感じ!(ギタバさま、何回か話題に昇った、“脱皮後にオルタナ版ニール・ヤングと呼ばれるようになる”Dinosaur JRでございます~!)
Dinosaur JRによるフィードバックギター・テイスト“Just Like Heaven”

 

You`re Living All Over MeDinosaur Jr.Mergeこのアイテムの詳細を見る

↑“Just Like Heaven”入りDinosaur JRアルバム「You`re Living All Over Me」

The Cureのフロントマン、ロバート・スミスとDINOSAUR JRの中心人物、J・マスシスの共通点というと、これは私の命名ですが・・、どちらも〈くすぐり系クマちゃん〉だということでしょうか・・?(2人ともだんだんクマちゃんになってきた。。上の映像ではそうでもないのですが...)
母性本能をくすぐるクマちゃん体型のミュージシャン、ということで・・

コメント (4)
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小説(無題)

2006-01-30 16:40:16 | 小説
 それは、いつか会ったことがある少年の顔だった。

 彼女と僕が出会ったのは電車の中。
 僕の20歳の最後の日と21歳の誕生日のはざまに彼女と出会った。
 
 いつか会ったことがある少年の顔だった。


 
 僕は、島で生まれた。
 
 根拠も理由もない、傲慢な意味なき自信に満ち溢れた、嫌味な子供だった。

 それは、四方八方からその場所を取り囲む、のん気にも、不気味にも見える、凪
いた海のせいだったのだろうか・・・?

 とにかく、毎日僕は、海を見ていた。

何も動かない、何もやってこないように見えるその海は、外側から僕の自信を支えていた。

 四兄弟の内の、いくぶん年の離れた末息子だった僕は、家の中の、上にいる男たちの権力におびえながらも、その分外ではその権力に守られ、強く出ることができた。
 根拠のない自信とは、そこらへんから生まれたのだろうか?

 僕は、狭い島の中の、極小な少年の社会の中では、自信に満ち溢れた権力者だった。
 友人はいなかった。でも僕は、権力者の立場にいるだけで満足だったから、友人はいらなかった。


 彼は、ハードルの選手だった。
 小鹿のような、しなやかな肢体。向かい風をうけながら、空気を動かしながら、ハードルを乗り越えて、走りぬけていく。
ゴールに着いた時には、満足げな笑顔を浮かべた。
あふれんばかりの笑顔。少しの屈託も感じられない。
一体なんで、あんな顔ができるんだ?

 僕は、生まれて初めて、他人に羨望と嫉妬を覚えた。
 そして、生まれて初めて、家族以外の人に、興味を持った。

 彼は、権力などには、全く興味がない風(ふう)だった。
 ただただ感覚的に生きているように見えた。

 走る、越える。
 走る、越える。

 僕は、教室の窓から、ただ彼を見ていた。
 彼の体は、羽がはえてるかのようだった。
 ハードルを跳び越えるその瞬間、空にとけこむかのようだった。

 美しく、完璧な瞬間だった。



 中学2年生になったくらいから、僕自身を囲んでいた頑丈な外枠は、しだいに周囲ととけ始めていった。
 ハードル少年B(ビー)に興味を持ったことをきっかけに、学校の中に居る、他の人物にも興味を持ち始めたからだ。
 いろいろな人がいる。人は、個人個人いろいろな特性を持っている。ひじょうに興味深い。
 自分とはちがう、他人の中の世界に、興味をもち始めた。
 その内、友人すら出来始めた。これは、悪くなかった。案外。
 時間が止まったかのような、小さな島の中の、小さな子供たちの社会。(少し先の未来に来るであろう、学歴社会、競争社会の中のしのぎをけずる争いなどは、凪の中の海の遠くに見える、ぼやけたユーラシア大陸みたいなもんだ。)その中で、ひまつぶしをするには、一人よりも、多勢の方がすごしやすい。
 とにかく、僕にとって、この時期は、ものすごく楽しかった。

 Bはある時僕に言った。
 渡り廊下を、友達と談笑しながら歩いてる時、ポンと肩に手を置くやつがいた。
振り返ると、Bだった。
 ヤツは、例の屈託のない笑顔を浮かべながら、僕に言った。
 「君、丸くなったよね。その方がずっといいよ。」
 どうやら、彼も、僕を見ていたらしい。


 僕は、18歳の時に、その島を出た。
 何もかもが、飽和しはじめたからだ。
 家族の中も、島も、すべてが狭くるしかった。
 Bは、その島に、残った。




 僕は、20歳の時に、彼女と出会った。
 正確にいうと、20歳から21歳に移りかわるその間・・・。
 僕の視界に、彼女が映った時、ハッとしたのは、彼女がBに似ていたからだ。
 彼女は僕を見た。一瞬、目を見開き、口元をキュッとしめ、緊張したようだが、すぐに表情を崩した。
 「○○くんだよね!話は聞いてるよ!今日は、イン?アウト?私の方はアウト。人とケンカしてきたばかりなんだ!」
 たたみかけるように、一度に話し始めた。

 僕は、彼女の崩れた表情に、興味を持った。

 ところで、元権力者の僕の元にも来るべくして来る競争社会のことだが、僕にはくだらない争いのように思えたので(島育ちだし、本土のことは傍観的にみる。なんつって。)自ら、枠の外に出ることにした。僕はそんなことには、興味がない。
 東京に出てくれば思うことだが、このスバラシイ世の中は、何をしても生きていける。
 何でも受け入れてくれる」、スバラシイ都市、トウキョウ。
 出てきてよかった!あんな、小さくて息苦しい孤島から!
 スバラシイよ!人生ってスバラシイ!
 ただただ、アホウみたいに素晴らしい時期だ。10代から20代にかけて見た、桃源郷みたいに素晴らしい時代。(あぁここは、おぼろげに見えた、ユーラシア大陸?イヤ、僕はそれをさけて来たから逆側だね。ってことは、ここは、オージーか!?ドロシーがたどりついた、オズの国?!)
 モゥ、大陸さえ転がせそう。僕は、はしゃぎまくってた。調子に乗りまくってた。
 大学生だったし、島の実家が裕福なので、何も心配はなかった。

大学の授業が終わると、夜はクラブに行ったり・・・遊びまくってた。
学校に行かないで年上の友達と音楽バナシしたり?さすがトウキョウには、音楽にかなり詳しい奴等が集まってくるね。

 僕が音楽を聴き始めたのは、中学生の頃だ。
 その頃、日本ではYMOの全盛期だった。
 僕は、一番仲の良かった次兄の影響で、クラフトワーク、ディーボ、トーキング・ヘッズなどを聴いていた。同時に長兄がプログレッシヴロックを聴いていた影響で、キング・クリムゾン、イエス、ジェネシス、ピンク・フロイドなどの有名どころを聴いていた。あと、一番影響を受けたのは、フランク・ザッパだな。
 これだけでも、わかるでしょ?僕がサラブレッド並の偏屈人間として培養されたこと。

 僕が行ってたクラブは、80Sのニューウェーヴ、ネオサイケから、90Sのジャンク、オルタナティヴ的な音楽を中心にかけていた。(あとノイズなんかも・・・)
 それらは、僕のもろ好みってわけじゃないけど、なんか新しい世界って感じで、クラブの空間そのものに高揚した。
 
 彼女も、そのクラブに来ていた。
 週一回くらい、そのクラブで顔を合わせることになった。
 彼女は、ソニックユースとか、マッドハニー、昔の音楽だったら、ヴェルヴェット・アンダーグラウンドとか、ストゥージースが好きだと言っていた。
  
 ソニックユースがかかると、彼女は音楽に合わせて踊り出す。
まるでハードルを跳び越える時のBの姿のようだった。森の中で、猟師から逃げまわる小鹿のようでもあり、音楽から追い立てられているようでもあった。

 僕は、島から出て来た、ダサい大学生だったけど、それもキャラクターだという自信はあった。だって僕は頭がいいし、島での元権力者という実績もある。正統な戦いをしなくても、ニュートンやアインシュタインやコリン・ウィルソンみたいに、中島らもや、フランツ・カフカやフィリップ・K・ディックみたいに、いずれは、伝記にもなる人間に成れると信じてた。

 その時のことを考えてみろ!
 今は、まだ、その序章なんだ!



 そのうち、彼女は、そのクラブのDJと恋に落ちた。


 わかってる。競争社会は幻想だと思ってるけど、人はとかく、その幻想にまどわされやすいものだ。
 王道の競争社会は、避けて通ったけれど、他の道でも競争なんてある。いくらでもある。

 彼(DJ)は、僕が一目置く存在だった。年は同じだったけれども・・・。
 見てくれがかっこいいってわけじゃない、きっと。少し、母性本能をくすぐる容姿っていうの?
 背は低いし、痩せてて、中性的な雰囲気で・・・。黒ずくめの“うすい”印象・・・。彼女はそういうところに、魅かれてたんだと思う。

 でも、外見の印象なんて、意味がないよ。
 彼は、故郷の××では、いけてない、さえない類だったかもしれないけど、ここ、トウキョウでは、同じ幸うすい人種が、集まってくるから、(僕を含めて)そこが重宝がられる。土着が意味をなす、故郷の土地がらとは違って、ここトウキョウでは、うつろいやすいのが魅力、消えやすいのが魅力、浮き足立ったのが魅力。
(しかし、彼女には、彼の故郷でのありようが透けてみえなかったのか?やはり、女っていう生きものは、愚かだ。思慮が浅い。ほんと、憤懣やるかたない。)

 彼(DJ)は、僕の友達だった。僕が彼を認めたのは、音楽の知識量が膨大だったからだ。僕は脱帽した。彼を認めた。それが一時的なものでもね。
 まぁ、未来の偉伝の為に必要なのは、目の前に仮想敵国を作ること。それが地道な努力かもしれない。トウキョウでは、常に二番手でいること。それが追い落とされない為の賢人のやり方だ。

 しかし、僕は落ち込んだ。
 東京に出てきて、はじめての挫折感だ。

 彼女なんて、すぐに征服できそう」だったのに。
 だって、彼女は、僕の島の友人にそっくりだったから。
 彼は、僕を見ていた。

 彼と彼女なんて、同じようなもんだ。
 一体どこが違うんだ?同じような容姿で、同じような身のこなし。

 しかし、彼女は僕を無視しているかのようだ。
 初めて会った時は、あんなに、おびえて、あんなに僕をみつめていたのに・・・。



 ある時、彼女から電話があった。どうやら、彼(DJ)に、振られたらしい。
 僕は、冷たくあしらってやった。

 女なんて・・・愚かだ。
 容姿は同なじだが、島にいるBの方がずっと美しい。高尚だ。完璧だ。ずっと、尊い。

 女なんて、大嫌いだ。
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