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『笛物語』

音楽、フルート、奏法の気付き
    そして
  日々の出来事など

フルート奏者・白川真理

6月の設え

2021-06-14 22:59:17 | テーブルコーディネート
テーブルクロスをかけかえて、さて、と振り向くと、もうそこにピピが。



その後も、窓の側にも、やってきて、カーテンチェックをしているところが映り込んでいました。



流石の「現場監督猫」です。

銀線細工とすりガラスで出来た器は、ミュンヘン留学中に成り行き&勢いで女子3人で旅した時のギリシャ土産。
中に入れた白い大理石の小石も、その折、ナクソス島の海岸で拾ったものです。
1泊3000円くらいで1週間滞在したペンションの名前は「アリアドネ」。

もう35年近くも前になる・・

貝殻は、夫の故郷、高知の宇佐の海岸で。これまた20年以上も前。



そして、昨年7月末に生徒さんからいただいた豪華花束に入っていたルスカス。
流石に、緑の色は少し褪せてきましたが、それでも、元気です。
11カ月めとなりました。

本当に不思議な植物です。

クッションカバーも取り替えました。
2018年、ポルトガルに旅行した時、乗り換え時間待ちのイスタンブールの飛行場で購入したもの。

海外どころか、国内の旅行もままならない状況ですが、こうしてしまい込んでいた様々なものをセンターピースにすることで、ずっと忘れていた色々な楽しかった想い出が急に蘇ることもあり、感慨深いものです。

庭の紫陽花も20個以上も花を付けて、今年は大豊作です。
いつもなら、部屋の中にも沢山飾るのですが、紫陽花は百合と同じくは猫には毒、ということなので、部屋の中はがまん。

臨家との境目に咲いて、こちらからは観られない花を切って、青い壺にドンと活けました。





Spatial.chat

2021-06-08 23:10:13 | 日常
スペチャルチャット。

略すとスペチャ。

オンラインの最先端?らしいのですが、先日、ようやく、このスペチャでの練習会に参加することができました。

毎年7月の一週目の土曜日に約1000人が集う、母校香川県高松高校の同総会。

このコロナ禍で、昨年は中止となりましたが、今年も中止だなんて?

と昨年幹事をやるはずだったH8年卒の面々が企画して、今年はオンライン開催となりました。

それも、このスペチャを使って。

Zoomなどでも飲み会はやってきたけれど、これは初めて。

最初は、上手く入れずに、いじけていましたが、先日、ようやく参入が叶いました。

入れる、入れないの条件は、なにが違うかはわからないのですが、多分、気まぐれパソコンのせい。

バーチャル空間の中を移動でき、近くの人の声はよく聞こえるので、そこで会話、というシステム。

Zoomと違って、近くの少人数で「密」な会話が出来るのが面白い。
移動して、沢山の皆様と「久しぶり」「はじめまして」とやっておりました。

久々にお会いする先輩方・・80歳以上でも、使いこなしていらして素晴らしい。

補足説明をしてくれているH8の方からは、
「あ、僕もブラバンだったんです。白川さんは大先輩ですね!」と話しかけられ、

思わず「え~~?!大??ダイはいらんわ!」

まあ、20歳違えばしょうがないか。

こんなやり取りも、通常の立食パーティーみたいに自在。

ずっとこの総会には出ていなかったけれど、オンラインなので試してみた、というこれまたブラバン時代の一年先輩とも卒業以来、お会いでき、ネットならではの良さも。

Zoom同様に自分の画像を映して、お互い顔を見ながら会話できる。

こんなシステム、誰が考え付いたのでしょう・・

本当に世の中の進歩にびっくりですし、そのシステムで、こうして集えたことにもびっくり。

諦めずに、何度も試みてみて、本当に良かったです。

「何か新しいことをやる」

というのは、年々難しくなってくる。特に不得手な分野では。

でも、ほんの少しだけ、頑張ってみれば、こうした面白い世界が広がっているのだなあ、と、とても嬉しく、また感じ入りました。

あと何回か、練習会があり、本番は7月10日。

今回は参加費も無料だし、オンラインなので、地球上の何処からでも気軽に参加できます。

もしかしたら1000人超えてしまうかも??

とても楽しみです。

ヴィンテージリネンのウクライナ刺繍ワンピース 本番用

2021-06-05 22:25:51 | 音楽・フルート
今朝、届いたので、早速着用し、音出ししました。

・・想像していた以上に凄い・・

身体とワンピースの間に空気の層が沢山あるのも、きっと良いのかも。
そして、腕と楽器が軽い。

音出し、とか言いながら、結局は

シャコンヌ2回、そしてチェロの無伴奏組曲を1番から4番まで順に。でお昼となり時間切れとなりましたが、不思議なくらい急に上手くなっている。

何が起きているのかは不明ですが、ついこのあいだまで、苦労していたところが、スルルっと出来るようになっているのが、最早、不思議を通り越して、気味悪いくらいです。

結果、より楽曲の表現への理解も進み、

「そうだったのか!?」

という発見も沢山あって、なんというか幸せだ。

もちろん、ウクライナワンピースの力だけではなく、先日の音楽家講座での、甲野先生から受けた無意識下の影響はかなりあるだろうけれど・・

下駄が隠れる長さで、少し引きずるくらいなのですが、これもまあ、エレガントな感じなので、そのままに。



生地もワイルド過ぎず、でも逞しい力強さのある手織りのリネン。
刺繍は裾の茶色も、袖のグレーも草木染の糸。








刺繍の分量も地味過ぎず、派手過ぎずの良い塩梅で、音楽の邪魔をしない感じも好ましい。

普段のドレスの時に付けるジュエリーも思いの他、馴染んで、良い感じです。

ターバン風ヘアバンドも麻。
下には丸紐を仕込んでいます。



ここまでせずとも?とも思いましたが、これまた、かなり響きは違うし、このワンピースには似合うので、採用。

今までは、シルクのロングドレスが一番、と思っていて、もちろん、他の化学繊維のものよりは響きが良いのは確かなのですが、シルクのドレスでも、みな内側の裏地はポリエステルだし、胸元の内側にあるパッドはシリコンっぽい素材。
これをなんとかしたい、と試みたこともあるのですが、やはり奇麗なラインを作るためには必要で、仕方なく、という感じでした。

この身体のラインを奇麗に見せる作りは、当然のことながら、胴体にフィットする形状なので、纏う空気の量は少ない。裾の部分だけだ。

でも、このウクライナワンピースは・・
生地にも厚みがあり、ふんわりと身体から離れるので、胸元のラインを気にすることもない。

最近、特に逞しくなってきた腰回りも隠せる。
 (「隠せてないよ。」と夫は言うけれど・・)

昔、全裸で吹くと、とても良い音に、という実験をしてみたことがあって、甲野先生に報告したら、

「何か、テントみたいなものを設えて裸で入って、そこから手と顔だけ出しての、というのも良いかもしれないですねえ。」

と冗談ではなく仰った。

「・・いや、下駄を履いて吹いているだけでも、異端なのに、流石にそこまでやると・・」

どんなにそれでよい演奏ができたとしても、見世物小屋的になってしまうのは否めない。

音楽よりも、他のもの(テント!)に興味関心が移るのは、やはりよくないし、避けたい。

なので、そのご提案は却下させていただいたのですが、考えてみると、このウクライナワンピースは、かなりそのご提案に近い。

もちろん通常の下着はなしで、代わりに腰巻の様な筒状の木綿に丸紐を通して腰下まで覆うチューブトップのようにしたものを中に着ている。

これは、普段のロングドレスの時も同様です。

ゴム、プラスチック、シリコン的な素材が使われている衣類は、日常の暮らしの中では確かに便利で、私も沢山持っているけれど、眠る時、そして演奏する時は排除。

ヴィンテージリネンのウクライナ刺繍ワンピース

2021-06-02 23:21:31 | アンティーク
このところ、古いウクライナワンピースに夢中です。

ヴィンテージのウクライナワンピースは2018年、カプースチンを調べている中で、偶然、知りました。

ネットで見て、可愛いな、とは思ったものの、価格もそれなりで、凝り性の性格なので、マイブームになったら大変大変、と敢えて見て見ぬ振りをしていました。

それに2019年はコンサートで忙しかったし、春にエジプトに行ったので帰国後は、エジプトがマイブームでした。

   ‥ああ・・あんな日々があったのねえ・・とため息。

2020年前半はコロナショックで、お洒落する気にもなれず、後半は「水月・浮雲」、CD[エーテルブルー」の作成作業、諸々で忙しかった。

2021年、楽譜、CDも完成、発売となり、ほっとした心の隙間に忍び込んできたのが、あの封印していた「ウクライナワンピース」。

リリース記念のお祝いだ、と言い訳しつつ、遂に3月、麻で、草木染の糸の刺繍のものを購入してからは、すっかり虜になり、ウクライナワンピースの泥沼にはまってしまいました。・・いわんこっちゃない・・

初めて外に着て行ったのは、4月2日の新宿でのコンサートの日。
恩師・青木明先生とのツーショットで着ているものです。


それまでも、麻のワンピースは好きで、アデュートリステスやサマンサモスモスなどが定番でした。

でも、今は大好きだったはずの、そのワンピース達の魅力も色褪せ、袖を通す気にもならない。

シルエットや色彩は、断然、そちらの方が素敵で、若干太ったスタイルもカバーしてくれているにも関わらず。

ウクライナワンピースはボテっとした丸いシルエットで、夫には

「余計、太って見えるよ」と不評。

実際、そうだなあ、と思う。

でも、それが気にならないくらい、気に入っています。
もう、そういうのはいいの。

とにかく着心地が良く、気分が上がる。

時代を経たリネンは、逞しいけれど優しく、柔らかく肌に馴染む。

独特の風合いです。

100年くらい前のもので、糸は手紡ぎ。そして手織り。

中には、庭に麻の種を撒くところから始まっているものもあるらしい。

もちろん、手縫い、手刺繍。

細かいギャザーも魅力的。

3月頃から着始めて驚いたのは、寒い時には暖かく、暑い時には涼しい。

手紡ぎの空気を含んだ糸,生地が温度や湿度を調整しているのかもしれません。

さらに、ギャザーを駆使したふんわりしたシルエット。
これにより、中に沢山の空気を含むことになるので、それも良いのだと思います。

でも、それだけではない、何か不思議な力もある気がしていました。

それは、母の着物を着た時に感じたのと似ている、

「守られている」

という感覚。


元々が、ウクライナ女性の仕事着だったからなのか、何やら意欲的になって、働き者になれる。
身体が動きやすいし、一日外出していても疲れない。

胸の開きがザクっと大きいのは授乳するのに便利だからだそうで、それも育児しながら日々の仕事に励む逞しい女性像が浮かびます。

縫ってもよいのだけれど、アクセサリーによって開け具合を変えられる方がいいな、と思いつき、一粒真珠のタイタックで止めています。

特筆すべきは、腕が軽くなること。

面白いことに、ウクライナワンピースの刺繍は、殆どが、腕にあります。

それも、二の腕、ムエタイで何か結んでいるあのあたり。

「なんだか、入れ墨している気分だなあ」とも思っていた。

それで、先日の講座の帰途、甲野先生にその話をしたら、

「ああ、それはそうでしょうね。例えば手の甲に何か模様を描いただけでも、身体は大きく変化しますからね。」

と、まさに、我が意を得たり。

きっと入れ墨も、呪術的意味合いや装飾の役目と共に、こうした実際の身体の変化を促し、動きやすい身体となるための知恵という側面もあったのでしょう。

ウクライナワンピースの手刺繍も、魔除けのために一針、一針、施されているそうです。
模様も細かく様々で、これにも色々な意味があるらしい。

衿元は、琥珀や珊瑚のネックレスをし、それが魔除けとなっていたので、刺繍はなかったり、あっても、あっさりしたものばかり。

アクセサリーの効果についても、昔気付いた時は

「重いネックレスをするとフルートが軽くなる!?」

と大騒ぎしていましたが、身に着ける洋服の刺繍まで、とは改めて驚きました。

とにかく、昔、着物熱に罹患した時、メイザーやトリファリのビンテージコスチュームジュエリーに溺れた時と同様に、久々に夢中。

外出時だけでなく、家事の時にも着ているのは、着物の時と同じ。

レッスンなども、多分毎回、同じワンピースで行ったりしている。

まだ汗ばむ季節ではないので、襟ぐりや袖口をベンジンで拭いて休ませて、と着ています。

そして、先ほど、下駄が隠れるくらいのロング丈を発見。

実は本番用に、一着欲しいな、と思っていた。

かなり悩みましたが、この日記を書いて、決意。
・・他で節約しよう・・


通常丈のもので練習もしていますが、フルートの音は、よりふっさりとし、それまでのドレスよりも断然良いです。

何より、身体が、喜んでいるて、より演奏することが楽しくなる。

もちろん、他の共演者、出演者との調和がある時は、普通のロングドレスにするけれど、その必要がないコンサートでは、麻のウクライナワンピースで演奏してみたいです。

幸いなことに、また、青木先生からお誘いいただき、9月1日に新宿・ドルチェ楽器のアーティストサロンでのコンサートに出演します。
服装はまちまちで、前回は普通の恰好の方もいらしたので、絶好のチャンス!?

長くても、何やってもいいよ、と仰っていただけたので、久々にバッハのシャコンヌを吹こうと思います。

ギャザーたっぷりの古いウクライナワンピースやシャツはヨーロッパの古いシャツの原型とも言われていて、むしろ、バッハの時代の洋服にも近いのではないかしら?

麻の素朴さ、そして甲野先生曰く「麻はいいですね」の言葉の通り、麻が持つ何かしらの不思議な力は、きっとバッハに似合うはず。

・・とこうやって、沢山の理由を挙げて・・深夜のポチッを久々に。

ロングの麻のウクライナワンピース、試したいと思っています。

また近くなりましたらご案内いたします。
どうぞお越しくださいませ。