『笛物語』

音楽、フルート、奏法の気付き
    そして
  日々の出来事など

フルート奏者・白川真理

第108回 音楽家講座 in 鶴見  7月20日(火)

2021-07-22 01:21:49 | 音楽家講座・甲野善紀先生を迎えて
今度こそ・・と思っていたのに、またしても、時短開催となってしまいました。

でも、こうして開催出来るだけでも、ありがたい。

パソコンが昨日から不調で、ようやく先程回復しましたが、それでも立ち上がるまでに30分もかかってしまいました。

よりによって、音楽家講座当日に故障とは・・

お申し込みに返信できないままの方も複数名いて、失礼してしまい、申し訳なかったですが、甲野先生にツィートをお願いしてあったこともあり、皆様、私からの返信がなくても参加してくださり、良かったです。

今後も、この鶴見での講座はキャパもあるので、当日の返信がなくとも、どうぞご参加くださいませ。

・・・

指揮者の岩城宏之が、美空ひばりのことを語ったエピソードをお話されました。

「誰もが、自分だけのために歌ってくれていると感じる歌手」

これは、私も経験したことが。

ドミンゴ、カレラス、パバロッティ、カヴァリエ、フレーニ、バルツァ・・

オペラやコンサートで聞いた名歌手たちは、みな、そのように感じられたものだった。

その極意にも通じる、という先生の摩訶不思議な技。

「人間は思っている以上に、こうした相手の思念を察知する能力があるのです。」

拳を出しているけれど、自分の気持ちの中では、その拳が肘のところにあって・・

また、もう既にそれはもう相手の向こう側にあって・・

前回に続き、Aダッシュの技も。

なんだか、もうみんな催眠術みたいだけれど、実際には、みな足元から崩される。

先生の手の力感は全くなく、それなのに、(いや、それだからこそなのだろうけれど)目にも止まらぬ速さで相手に到達する。

「イメージではなく、これは、もうリアルに自分の中の真実としてあるものです。
出来るはずだ、というポジティブ思考的なものは、むしろ、出来ないことが前提になっているものだから、それとも違います。」

このイメージと内観の違いは未だによくわからない。

そもそもイメージの定義もあやふやだ。

ポジティブ思考的な発想も、ある場合には役に立つこともあるかもしれないが、先生の技の中ではバッサリと斬り捨てられる。

初参加の方が3名が個別指導を受けられましたが、もう何度もその変化を目撃している私や常連の皆様も驚くような変化でした。

上質のコンサートホールである鶴見の会場では、本当にその変化がよくわかる。

紐、そして祓い太刀によって変化するのは、奏者の身体だけでなく、心もなのだろう。






この二つが共に変化することで、響きも、音楽も瞬時に変わる。

緊張するのをなんとかしたい、という方には掌の真ん中をくぼませるための手の内の作り方と、紐を。

また、歩行が困難になってきた親御さんのために、何か、という方には、鎖紐による四方襷、そして身体が繋がる手の内を。

誰が作っても、それなりに効果があるからこその手の内ですが、やはり先生のものは、なんだかその奥底が違う気がする。

いつもは袖の中に隠れていて見えない肘周辺の様子を見て、改めてびっくり。

どう養っていけば、あのような様子になるのだろう・・?









最後に木刀で、「何故か、ふとやってみようという気になって、やってみたら、出来たんですよ。」

と「燕返し」を披露してくださいました。

「昔は、ここで、詰まって止まってしまうので、やってみようという気にもならなかったのですが、それが何故か・・」

というその技は本当に美しく、もっと見ていたかったです。

木刀の重さが無くなって、宙をひらりと舞うような様子は、生まれて初めて見るものでした。

まるで、舞の様。

昔、東慶寺コンサートの折に先生にお願いし、先生の真剣による剣舞とイサン・ユンのソリというフルートソロの現代曲で共演していただいたことを想い出していました。
先生の舞を見ながら演奏することで、かつてない世界に入いり込めた貴重な経験。

次回の音楽家講座では、真剣での燕返しをお願いしてみようと思います。

次回は8月31日(火)、同会場(横浜市鶴見区民C.サルビアH.3階音楽ホール)です。今度こそ、通常開催出来ますように!





最新の画像もっと見る

コメントを投稿