ゲイリーマンのカミングアウト的思考

長年サラリーマンしながらLGBT活動。45歳にしてフリー。同性愛者らが自分らしく生きられる社会を地方から目指す。ミラー版

自然の摂理に反する同性愛を教育で取り上げていいのか?

2016-02-17 21:54:25 | Weblog
・男女の恋愛と同性愛を同列に扱うのはどうか?

・自然の摂理に反することを推奨していいの?

・性的マイノリティの人々の苦悩は分かるけれど、多くの親は男女の結婚をしてほしいと願っている。男女の愛を進める方が大切では・・

・主催者はどう考えて、今日のような研修をしているのか


当事者が聞けば、憤って卒倒しちゃいそうな言葉ではあります・・(辛)

これは、松山市内のPTAや先生方が120名集まる人権懇談会で、性的マイノリティの話しや丹原東中の取り組みを聞いたPTAの方から出た言葉でした。

性の多様性の中に、異性愛が入ることが納得できない気持ちを述べられたようにも感じました。
子どもにはこう育ってほしい!という親の願いや価値観から外れることへの恐れでしょうか。

このような発言を3人くらいが手を上げて出してくれたでしょうか。

不安で、突いて出てきたのでしょうか。
同性愛や性別違和の話を初めて聞き、混乱した人もいるでしょう。
学校は、これからどうしようというのだ!と焦る気持ちだったでしょうか。

このような文章を読むと、大変なやりとりがあったように思われた人も多いと思いますが、これはPTAの皆さんや先生方が一緒になって性的マイノリティについて考える時間をつくることが出来たからこその対話です。

自分も、その場にいて、「またか」と悲しくなりながらも、こういう方々にどう伝えたらいいだろうと頭めぐらせていました。

しかし、丹原東中の校長先生や、松山市内の教員の方や、そして同じPTAの方と思う別の方が、どう考えていくといいのかという事を、自分が答えなくてもしっかりと発言してくれていたのでした。

当事者が矢面にたっての対話をしなくてもいい状況が、この松山では起き始めたのだと思いました。これはすごいことです!

出た言葉は、充分に差別的で、当事者の尊厳を破壊してしまう恐ろしい発言ですけれど、このように分かりやすい発言を出してくれたおかげで、中身の濃い議論が出来たのでした。

大変ですが、理解を進めていくというのは、こういった対話を繰り返した先のことだと思います。

当事者だけの思いを伝えるだけでなく、当事者外の人同士が、どう考えていけばいいかと話し合っていく時間をどう作るか?それこそが、理解を促進する過程だろうと思います。

自然の摂理という言葉で、他者を貶めてしまねばならない不安とは何でしょうか?
そういった考えを持つ人たちに寄り添って、こう考えた方がいいよと伝えてあげられるのは、当事者ではない人たちかもしれませんね。

差別言動だ!撤回せよ!禁止だ!と責め立てただけでは、シャッターは降り、解決しないのでしょうね。

タブー視せず、このような対話の時間に挑戦してくれるようになった松山は、力強いなと感じます。自分たちの活動も、こういう段階まで持ってこれたのだなとも思えたことでした。

こういう場に立ち会う当事者は、大変な精神力が必要です。
でもしっかりと脇を固めてくれる人々が増えています。その人々にとっても、今日はまた学ぶことが多かったと思います。

そういった経験や実践が、また次の切り開きをしていくだろうなと思います。

先生方からも、性的マイノリティの課題に向き合うことによって至った考えが述べられていました。そして、今回なにより感心したのは、同じPTAの方と思われる方から、素晴らしい思想が語られたことです。

「個人の価値観や理屈では分からないことが人にはある。その違いを尊重するというのは大変なことだけれど、それを人間は人生をかけて修行していかねばならないのだろう」

30分ほどでしたが、参加した大人同士が性的マイノリティの議題で忌憚なく話せた!
ようやく重要なスタート地点に立てたのかもしれない!
そんなことを考えた一日となりました。

主体性を学ぶことになった丹原東中の生徒の成長を見た今日の大人たちは、自分自身の生き方が問われたのではないかと思います。

市民同士がしっかりと向き合い、よりよい社会にするために、尊重のある社会をつくるにはどういう工夫や考える機会をつくっていけばいいだろうか?
当事者以外の人々をたくさん巻き込んで、その知恵を出し合えるシステムを作っていかないといけません。その道は簡単なことではありませんが、試行錯誤の挑戦こそが、道を少しづつ切り開いていけると思います。

大変難しいことですが、LGBTの仲間たちには、出来るものから自分たちのことを他者に分かるように伝える訓練や経験をしていくことが必要であるし、無理解な人には、より近づいてでも対話するくらいの精神力も必要になります。

初めて性的マイノリティのことを考え始めた人たちに、考える時間というのも必要でしょう。

また当事者だけが矢面に立たなくても、頑張ってくれる人々も出てきています。
どうしたらいいか、先に想像をした人々の考えを伝え合えることも大事でしょう。

そして、一緒になってこの課題に向き合う機会を時間をどう増やしていけるかを考えていければ・・必ず見つかるはずだと思います。
もしかすると、今日もそれに気が付いた人もいたかもしれませんね!

今日も大変な一日でしたけれど、果敢にこのような会合を作ってくれた松山市人権教育推進協議会の皆さんに感謝したいと思います。

やれたからこそ、次への気づきがあったはずです。

これから全国で、性的マイノリティへの理解を促進してく方法が模索されていくような未来があるだろうと思いますが、その時にまた、愛媛が先端を行っているかもしれませんよ~!

僕は自分の生まれたこの町の力を信じています。
そう信じられる奇跡に、既に立ち会ってきていますから!

これからもよろしくお願いします。



(性的マイノリティの研修・講演依頼は)
レインボープライド愛媛
http://rainbowpride-ehime.org/
エディまで
deep8822@yahoo.co.jp
コメント
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