翌日は、朝6時から「おつとめ」が本堂でありますとお坊さんから言われていました。
自由参加ですとも。
もちろん参加するつもりでしたが、目覚めたのは5時45分!
オー、ノー!なんたる寝坊!いつもなら5時には起きている私が!!
長袖のパジャマに冬用の大きな掛け布団でちょうどいいくらいの涼しさが、どうも寝坊を誘ったようです。急いで顔を洗って身支度して本堂へ。
本堂の中は薄暗く、お香の匂いが立ち込める中、お坊さんたちの朝の読経が始まりました。
びっくりしたのは椅子。私は正座が苦手なので、困ったな~と思っていたので、これは助かりました。お坊さんたちの奏でる読経が時に同調し、時にハモり、なんとも言えない厳粛な気持ちになります。ゆらゆらと蝋燭の明かりがその雰囲気に見事にマッチして、眠気半分、仏教ハイ半分と言ったところでしょうか。
そしてその読経が終わりに近づいたころ、お坊さんたちの口から
「へんじょーこんごーなーむーだいしー、へんじょーこんごーなーむーだいしー。」のフレーズが。
んんん?
「へんじょうこんごう」(「じょう」と「ごう」にアクセントをつけて読みます)ってどこかで聞いたことある!
私の頭の中のサーチエンジンが全開に(笑)
そしてある仮説にたどりつきました。
私がまだ子どもだったころ、自分の話がまわりくどかったり、無理難題を何度もしつこく親に頼むと、よく母の口から
「もう、そんな、へんじょうこんごう言いなさんな!」と、たしなめられたのでした。
あの「へんじょうこんごう」は、この朝の読経の「へんじょうこんごう」と同じなのではないかと。
母は徳島県の生まれで、バリバリ真言宗の地域です。
これは絶対何か因果関係があるに違いないと。
朝食の時にお坊さんに「へんじょうこんごうなーむーだいし」の意味を尋ねると、
へんじょうこんごうは遍照金剛(弘法大師を指す)なーむーだいしは南無大師のことと。
直訳すれば弘法大師さま、ああ、大師様ですね、と。なーるほど。
家に帰って早速「へんじょうこんごう言う、方言」で検索をかけたらやはりヒットしました。
主に真言宗が浸透している地域では「何度もしつこく言う」「拝み倒すように言う」ことを
「へんじょうこんごう言う」と言うのだそうです。ビンゴ!!
子どものころから謎だった言葉。へんじょうこんごうの意味がスカッとクリアーに。
でも方言になって、庶民の言葉になるほど浸透しているってある意味すごいですよね。
ビバ、弘法大師!です。
で、翌朝、気持ち良く晴れたので、朝食後は奥の院の去年行けなかったところまで歩きましょう(途中までバス)ということになりました。
朝日を受ける岩の上の苔。きれー。苔はかなり私の心をわしづかみにしますね。なぜか。
緑も朝露に濡れてみずみずしく生き生きとしています。今風にいえばマイナスイオンでまくりっ!て感じでしょうか。
バス亭目の前の交番です。え?交番?という感じの雰囲気のある建物ですね。
奥の院への参道を歩くと紅葉がたくさんあるエリアに。ここは紅葉の時期(高野山だから10月くらいでしょうか)に訪れるといいかも知れません。
この景色が一番参道の雰囲気を象徴しているかも知れません。杉木立、無数にあるお墓。
このお墓は赤ちゃんを二人抱いているのが珍しくてパチリ。聖母マリアもキリストを抱いていますが、普通一人でしょ。
お墓の上にびっしりと生えた苔。苔ーーーーっ!!
これが豊臣秀吉を含む一族が眠るお墓です。階段を上ったところに祀られてあるのですが
お墓自体は至って、普通。普通過ぎて、この札がなければ絶対見つけられません。
こちらの仏像群の裏側にはとてもきれいな川が流れておりまして、せせらぎの音がしました。
冷たそうーーー。実際とても冷たく清く澄んだ水でした。
で、一番奥のご祈祷場所(名前忘れた、難しい名前だった)は、写真撮影禁止でしたので、写真はありません。かなり大きな建物で、「東日本大震災」の張り紙もありましたし、実際燃え盛る炎の前で、熱心にご祈祷されておりました。
私たちもゆっくりと手を合わせて拝みました。
これはちょっと古いですね。懐かしくなって思わず。
こちらは無縁仏の塚です。ピラミッド状に積み上げてあります。この問題は1200年経った今でも解決できていないですね。残念ながら。
さきほどのもみじの美しそうな場所にはこんな碑がありました。東北の碑も近い将来建てられるのかも知れません。
お昼前に宿坊に一旦戻って、次は写教体験です。
本来ならば墨をするところから始めて、精神統一したいところですが、そこは、ほれ、現代版ですから筆ペンで。
約1時間で終了と手引には書いてありましたが、私はみっちり70分かかりました。
一方、性格が超雑な夫は50分足らずで終了。
頭の中を空っぽにして、一文字、一文字、丁寧に書いていく作業は確かに心洗われます。
が、心洗われる境地に至るまでに、最近キーボードばかりで手書きの文字を書いていない事実にまず、愕然とします。調子が出てきたのは半分を過ぎてからではないでしょうか。
お昼を過ぎたので、そろそろ大阪に帰らねばなりません。梅もそろそろ家に帰っている時間でしょうし。
最後に宿坊本覚院さんへの入口ショットを撮って、電車の時刻に間に合うように帰ることにしました。
昨年はお盆だったのと、ものすごく暑かったのを覚えていますが、今年は比較的人が少なかったことと、涼しかったのがよかったです。宿坊初体験もなかなかいい経験になりました。
宿坊はやはり旅館とは違って、華やかさや豪華さはないですが、粛々とした気持ちになります。私が見た限りこの二日間はたった3人のお坊さんがフロントから掃除から食事の支度、配膳、お布団の上げ下げ、掃除、もちろんおつとめを含む仏事、全てのことをとりしきっていました。シンプルで質素で清潔でしたね。
難波に着くとやはり下界は暑くてうんざりしましたが、仕方ないですね。
でも、家に帰ってびっくりしたのは、お泊まりから帰ってきた梅が家中を掃除して、雑巾がけして、風呂もトイレも洗面所もピカピカに磨いてくれていたことでした。洗濯機もまわしていたみたい。
普段私がいたら絶対にやらないのに。ヒュー!
「可愛い子には旅をさせろ」と言いますが
「可愛い子を置いて旅に出よ」も一つの手かも知れません。(笑)
以上、高野山レポこれまで。
お酒が飲めるなら、ぜひ体験してみたいデス(笑)。
梅くん、やるね~[E:good]
そういうのって、やぱり育ち方なんだと思う。
ダンナ用に爪のアカ、もらいたい[E:catface]。
お酒飲めましたね~。宿坊でも。
金剛峯寺の近くにはコンビニもありましたよ~~。
トイレもウォシュレットついてたし。
昔はそんなにサービスよくなかったと思います。
たぶん、世界遺産に指定されていろいろ改善されたのかも
知れません。
梅、案外頑張ったと思います♪ハイ。
まあ、くるみん家もしょっちゅう旦那様一人暮らしじゃないですかーーー。