ペパキャンのサバイバル日記

円形脱毛症で髪の毛がなくなりました。今はスキンヘッドライフ満喫です。
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「底辺校」出身の田舎者が、東大に入って絶望した理由について

2018-05-07 13:27:13 | 日記・エッセイ・コラム
少し前の現代ビジネスの記事でツイッターなどでは良く取り上げられていたのでご存知の方も多いかと思いますが。
「底辺校」出身の田舎者が、東大に入って絶望した理由
この記事を読んで、なんだかわかるなぁ、でもモヤモヤするのはなんでだろう?と自問自答しておりました。

私自身は高卒の両親に育てられましたが、両親は教育には熱心な方で、父の転勤で何度も転校しましたが、いつも両親が家を探す時は、教育環境の良いところでした。
私自身は短大卒ですが、弟達は大卒で、従兄弟など親戚も皆大卒です。さすがに東大はいませんけどね。

夫の両親も良く似た考えで、夫も大学を出ておりますし、夫の親戚筋も皆きちんと高等教育を受けています。

両親の世代は高度経済成長期と呼ばれ、それなりに勤め人の給料も上がっていましたので、せめて子ども達にはきちんと高等教育を受けさせたいっていう気持ちがあったのだと思います。

ではなぜ私があの記事に引っかかってしまったのか?

それは今の家に引っ越してくるまで約20年間暮らした前の家の状況にこの文脈で語られる釧路(地方と置き換えても差し支えないでしょう)が酷似していたからです。

大阪市内ですよ。釧路ほど東京からは離れておりません。新幹線に乗れば2時間半で東京なのにです。

何故そう思ったのか、いくつか羅列してみます。
これは私の肌感覚なので個人的な意見です。記事と同じように私は社会学者ではないし、統計を取ったわけではないですので、予めそこはお断りしておきます。

1.三世代同居が当然のようにある。

これは子どもを生んで、いわゆるお母さん友達と知り合ううちに分かりました。勤めていた時は地域の人と交流がなかったので、勤め先の先輩や同僚が当然のように核家族を作っていたので、ある意味ショックでした。だって江戸時代じゃないんですよ。平成の今でも普通に同居するとかカルチャーショックでしたね。性的役割分担の非合理性や男女共同参画といった言葉は彼らの頭の中にはないような感じでした。
ま、勿論、子育てという場面においては同居や近居はメリットも多い事は後でわかりました。

2.新大阪へのアクセスが悪い

直線距離ではとても近いのに、実際に公共交通機関で新大阪へ行こうとすると、バス、私鉄、地下鉄の3つを乗り継がねはならず、非常に不便でした。勿論、伊丹空港や関西国際空港へもアクセスが悪いです。
これは何を意味するかと言いますと、ずばり需要がないのです。しょっちゅう東京や福岡、あるいはソウルや台北に行っている人はもっと空港や新大阪駅へのアクセスが良い所に住むのです。
私達が住んでいた地域はそういう都市とは結ばれていないいわば完結している地域だったのです。
学校や職場、パート先、ショッピングから娯楽までが同じ区内で完結するということです。

3.政治、経済、文化への関心が薄い

上でも述べました通り完結しておりますから、あまり外の世界に興味がありません。皆、テレビの地上波と紙の新聞が大好きでそれが唯一の情報源です。政治、経済、文化、国際と言った言葉とは無縁の世界に生きています。芸能人のスキャンダルやワイドショーは大好きです。子どもの話題の次は必ずテレビのネタ、ご近所の噂話と決まっていました。映画の話をした時に何か話が通じないと思ったら彼等は小学校で無償で貸し出すDVDの話をしていて驚いた覚えがあります。TSUTAYAですら高いと言われて、映画館に足を運ぶ習慣がないと知った時は衝撃でした。また別の日には「明日選挙だね。」と話したら「ええ?選挙なんか行くの?」と、驚かれました。いや選挙行くでしょ。

4.本屋、図書館が絶望的

大きな本屋は梅田に行かないとないです。街の本屋は漫画と雑誌しか置いてありません。それもどんどん廃業へと追いやられます。図書館は宿命的に古いし、ラインナップも悪いです。しかも街の外れにしかありません。
これでどうやって本好きな子どもに育てるのかと、本が好きな私はガッカリしたのを覚えています。パソコンですぐにAmazon 会員になりました。

5.行動半径が狭い

2とも関連しますが、とにかく男性も女性も行動半径が狭いです。地元が大好きです。それでもたまには梅田(一番近い繁華街が梅田)に出るかと思いきや、梅田は広くて分からないから行かないと言います。東京から来た人や地方から出て来た人には梅田は確かに複雑な街ですが、大阪に住んでいて梅田に行かないってどういう事なのか意味がわかりませんでした。私は大阪で最初に勤めた先が梅田だったので、梅田は地上、地下共に全てわかります。そう言うと皆に驚かれたのですが、私にしてみれば生まれた時から住んでいるこの土地で阪急電車で20分もしない梅田が分からない方が驚きでした。

6.高等教育への関心が薄い

一応私立系の大学がいくつかあるにはありますが、あまり熱心に大学について語る人を見たことがないです。
記事ほど酷くはないですが、あまり大学という所に興味がないのかなという印象は受けました。実際親御さんが夫婦共に大卒の家庭は子どもが中学生に進級するタイミングで私立に入れていました。我が家はそんな余裕がなかったのでどうしようもなかったのですが。でも中学受験は首都圏に比べれば遥かに遠い存在です。一学年で3人くらいでしょうか。それくらい稀有な事でした。

7.国際情勢はよそ事、インバウンド何それ?

およそ国際情勢とは無縁の地域ですので、これだけ海外からの観光客が押し寄せていても所詮はよそ事です。
海外旅行やホームステイなどにも全く興味がありません。ニュースで関西国際空港の賑わいを見ても自分達の生活とは直結して考える事はほぼないと思われます。シリアの内戦や北朝鮮情勢もテレビで報道されても全部よそ事です。私が時々しているホームビジットの話をしても通じるものがありませんでした。

8.ITリテラシーが低い

まずパソコンで何かググるという習慣がありません。家にパソコンがない家庭も多いです。生活保護を受けているとかではなく、寧ろクルマを2台、3台所有しているような家庭でもパソコンがなかったりします。
もちろん今はスマホくらいは持っていると思いますが、主婦に限って言えばLINE以外で使用しているものはないくらいです。PTAの役をした時にワードやエクセルを使えるのが、私と後一人しかいなかった時はえええ?と思いました。私より10歳も若い世代の人たちですら、簡単な文字入力や書類整理、写真の管理がパソコンで、出来ないなんて!記事にもありましたが、そもそもインターネットを使って何かをするという発想がないのです。
PTAの広報誌の原稿は全て手書きのものが我が家の郵便受けに入れられており、全て私が手入力しました。

少々長くなりました。勿論住んでいて良い人にも沢山出会いましたし、子どものお友達も沢山出来ましたので、悪い所ばかりではないのですが、一度、「格差」を語る時は釧路も大阪もあまり関係が無いような気がして思いつくままに書いてみました。

この記事には反響が沢山あったようで、その後もありますので、お時間のある方は是非。




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