ペパキャンのサバイバル日記

円形脱毛症で髪の毛がなくなりました。今はスキンヘッドライフ満喫です。
見た目問題当事者としての情報発信中!

デパートラプソディー

2011-09-27 14:48:24 | 日記・エッセイ・コラム

いつの頃からか、百貨店にそんなに行かなくなった。そんなに昔の話ではない。

ここ10年か、15年くらいの間に・・・だ。

子どもの頃、休日に家族総出で百貨店に繰り出すのは、ちゃんとした(少なくとも私にとっては)

レジャーだった。近所では決して売っていないような洋服や玩具をゆっくり時間をかけて選び、

大食堂でお子様ランチを頼んで、屋上の遊具で遊んで、きれいな雑貨やアクセサリーを見て、ショウウィンドーに飾られているマネキンを見るだけでも、それはそれは非日常の世界へいざなってくれる、いわば百貨店はマジックボックスだったのだ。

社会に出て、一人暮らしを始めても、結婚しても、私の百貨店に対する思い、それはたぶん憧れに近いようなものだったけれど、その思いは損なわれることはなかった。

お給料が出ればその日のうちに百貨店に足を運び、バーゲンと聞けば、いそいそと出かけ、友の会に入会して積み立てをしてみたり、5%オフのクレジットカードなんかも作ったりしていた。

そう、梅が生まれて、体型が元に戻ったときだって、ベビーカーを押しながら、店員さんに梅の面倒を見てもらいながら、試着室に入る時のワクワクは続いていた。

もちろん今だって百貨店に入る時のあの独特の高揚感は忘れてはいない。

なんとも言えず洗練されたあの空気に包まれるだけで、自然と胸が高鳴る。

だが。

だが。

最近はどうもそのワクワク、ドキドキの高揚感が、ちょっと少ないのだ。

いや、ちょっとどころではない。

だいぶんすり減ってきているではないか。

なぜ?

なんで?

先日、らすかるさんと久しぶりに阪急百貨店を上から下までぐるりと歩いてみた。

なるほど、増床されただけあって、なかなかの品ぞろえではないか。

ちなみに阪急は別にメンズ館があるので、私たちが見て歩いたのは物産展の他は、もっぱら婦人用品ばかりである。

なのに。

着る服がない。

もっと言えば、あの「欲しい!」という欲望がない。

ないと言えば嘘になるかもしれない。

正直に言えばあの値札で買うのはやっぱりもったいないと思ってしまうのだ。

理由はたぶん一つや二つに絞れるものではないと思うのでいくつか思いつくままに書きだしてみる。

●自分の体型や年齢が変わって百貨店に陳列されている品々との間にいろんな意味で乖離現象が起きていること。平たく言えば似合う服が限られているということ。

●そもそもオシャレな服なんか買ったって、着て行く機会がないこと。デートに誘われたり、結婚式の二次会の予定が入っていたり、そういう派手な場所に行くチャンスがぐっと減ったこと。

●百貨店と同じようなデザインで、少し妥協すればネットでその半値、いや1/3くらいの価格でそれなりのものが手に入るようになってきたこと。

●あまりにも普段着がユニクロやその他の安物一辺倒で通していて、それに慣れ切ってしまい、外見はおろか、内面までブス子になり下がっていること。

●地球温暖化に伴い、私の中では大阪は5月から10月までを暫定的に「夏」と定義しており、秋冬物にお金をかけるのはもったいないと(出番が少ない)と思ってしまうこと。

●そもそも女性雑誌を読まないので、頭の中でどんなものが流行っているのかを把握できていないこと。

●上記と矛盾するがそんなすぐに流行ったり廃ったりするものに流されてたまるか!という屁理屈をこねてみること。

●スキンヘッドに似合う服装のお手本がどこにもないこと。

●自分の体型の変化(加齢に伴う変化)に自分の意識が追いついておらず、ついつい、似合いもしない若い人向けの服にばかり目を奪われ、実際に試着した時の、あのがっかり感があまりにもひどいので、少々試着に対してチキンハートになっていること。

●梅が成長するに従って、彼にかけるお金が増えたのにもかかわらず、収入は以前のままなので、どうしても私のファッションよりもそちらを優先せずにはいられないこと。

ざっと思いつくだけでもこーーんなに百貨店を敬遠する理由があるわけだ。

百貨店の方が変わったのではない。

私自身や、私を取り巻く環境が私を百貨店から遠ざけているのだ。

なんだ、これ?

浮気男の言い逃れみたいじゃない?(笑)

でもね。やっぱりこの世の中から百貨店がなくなってしまうのは、とっても寂しいと思う。

梅田や難波や天王寺、ああ、どこでもいいや。

ターミナルと呼ばれる駅の界隈には、いつ行ってもフレッシュで、最先端のファッションをほうら、これでもか!と見せつけてくれる百貨店があって欲しいと思う。

たとえ、それが単なるノスタルジーだとしても。