親不孝娘

　今年のお盆休みもそろそろ今日あたりで終わりなのだろうか。テレビでは毎年恒例の帰省ラッシュの映像が流れていた。子どもが生まれて6年目。今年は、初めて実家に帰省せずに、夏休みを終えようとしている。

　理由は、母が、6月に膝の手術をして、まだ入院中だからだ。父が一人で慣れない家事を引き受けているというので、本当なら手伝いに帰った方がよさそうなものだが、何とも腰が重い。

　両親は、父の定年を機に、田舎で暮らし始めたせいか、どうもあまり人脈が広がっていないらしい。隣近所の付き合いも、子どもを通じての友達も、会社関係の友人もいないとなると、案外、年寄り二人の暮らしは煮詰まっているようである。

　実家に帰っていろいろと手伝うのはやぶさかではないのだが、何しろ話し相手がいないのか、ずいぶんと愚痴をこぼされたり、同じ話に何度も付き合うのは少々疲れる。たまに電話して様子を伺うだけでお茶を濁したこの夏。少しの罪の意識と解放感。世間的には、やはり親不孝の部類に入るのだろうか。