2015年11月5日(木)、世界遺産・平泉中尊寺で開催中の「中尊寺菊まつり」(10月20日~11月15日)を見に行ってきました。中尊寺本坊の入口付近に設けられた特設会場に沢山の菊の鉢が展示されていました。その3は、「盆栽作りの部(2)」です。
(上と下3つ)優等賞 「花王」栗駒・千葉一二さん
(上と下3つ)「森の椿」栗駒・蘇武次男さん
(上と下3つ)「初島」栗原・菅原則夫さん
(上と下3つ)「黄虎」栗駒・小野寺洋治さん
(上と下2つ)「みその」栗駒・菅原則夫さん
(上と下4つ)「神代」栗駒・佐藤清男さん
キク(菊)キク科 キク属 Chrysanthemum morifolium
日本にはキク(菊)の野生種が沢山あるが、栽培のキクについては、中国から渡来したものであることに疑いはない。キクの祖先は中国の北部に自生するチョウセンノギクと、中部に自生するハイシマカンギクの交雑品から出発し、唐の時代には園芸品が存在したらしい。日本には奈良時代には伝えられたと考えられている。
キクの品種改良が急速に進んだのは江戸時代で、大小さまざまなタイプのキクの品種が生まれた。栽培ギク(家ギクとも呼ばれる)は頭花の大きさによって、大菊、中菊、小菊の3つに分けられている。
小菊は頭花の大きさが直径9㎝未満の小形のもので、庭や畑でごく普通に育てられている。よく枝分かれして沢山花が咲くのが特性である。花形としては一重、八重、千重、丁子咲き、ポンポン咲きがあり、特異なタイプとしては伊勢菊に似た薊菊、ポンポンタイプの魚子(ななこ)菊、貝咲菊がある。
特別な栽培方法として発展したものに懸崖(けんがい)作りと盆栽作りがある。懸崖作りは、枝が長くのびてよく枝分かれする小菊を使い、枝が垂れ下がるように仕立てる。長い逆三角形にびっしりと花をつける形と、あまり形を整えない自然な形に垂れさせた文人作りの2つがあり、一重や丁字咲きの花形が好まれる。
盆栽作りは、枝の伸びが悪い小形の一重咲きや丁字咲きの品種を使う。浅い鉢に植えて盆栽風に枝ぶりを整えた仕立て方で、マツやスギをかたどったものが多い。石につけて育て、岩山に生える老樹を形作ったり、同じ株を何年も育て続けることなども行われる。[山と渓谷社発行「山渓ポケット図鑑3・秋の花」より]
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