おかしな男“J一君”
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この男の話は涙なくして笑えない話です。
正月過ぎのある日の夕方の話しです。
仕事が終わって彼は帰っていきました。
雪のため道路の側溝に脱輪した車が立ち往生していました。
相手は若い女の方でした。
彼は軽トラックで交差できません。
雪国のため道路はどうしても狭くなります。
自分の荷台からスコップを取り出し、相手方に向かっていきました。
彼女は車を側溝から脱出してくれるのと思い喜んだそうです。
だが彼は、あっと驚く方法をとりました。
立ち往生した車の反対側の雪の壁を崩して、
きれいに自分の車が通れるだけ除雪しました。
そして何も無かったように、通り過ぎていきました。
その後に私が通りその話を彼女から聞きました。
なんとも情けなくて、最後まで他人のふりをしました。
私はライトバンです、スコップは常に積んでいましたので、
雪をよせてジャッキアップして脱出させてあげました。
よほどありがたかったのか、翌日現場に缶コーヒー1箱届きました。
運よく、J一君がその場にいなかったので助かりました。
あれから20年いまだにJ一君は独身です。
ここで一句 「譲り合い 助け合うのも マナーです」