親子の面会交流を実現する全国ネットワーク(OB)

親子が自由に交流出来るよう、面会交流権の拡大や共同親権・共同監護社会の実現を目指して活動しています。

●「離婚・別居後の親子の面会交流に関する法整備と支援を求める意見書」 請願の趣旨、理由 (埼玉県HP)

2011年08月09日 13時08分05秒 | Weblog
http://www.pref.saitama.lg.jp/page/gikai-gaiyou-h2306-6.html

夫婦別居・離婚後の親子の面会交流を担保する特別法制定と面会交流支援について国への意見書提出を求める請願(採択)

〔請願の趣旨〕
 我が国では、両親の別居・離婚後に、子どもと同居している親(同居親)が、子どもと別居している親(別居親)との面会交流を拒み、親子の生き別れになっている例が多くあります。
 両親不和の被害者である子どもの視点に立つとき、子どもが双方の親と自由に会い親子交流を通して人格形成を進めることは必須であると思われます。昨今報道されている痛ましい児童虐待事件の中には、もし別居親と子どもの交流が継続していれば、別居親が子どもの変化に気づき未然に防げたと推定されるものも数多く存在します。もちろん、逆に、離婚により、虐待からようやく逃れることができたケースもありますので、それを考慮していただくことも必要かと思われますが、これらの問題解決を目指して、2011年5月27日に、国会にて民法改正案が可決されました。改正趣旨は『子どもの発育に必要不可欠な親子交流』の担保です。この趣旨を確実に実務へ反映させる為には、特別法と民間・行政一体の支援体制が必要不可欠と思われますので、その整備について国への意見書提出を求めます。  

〔理由〕
 現在、日本では毎年約25万組の夫婦が離婚し、そのうち約14万組には未成年の子がいます(平成20年人口動態調査)。ところが、離婚後はどちらか一方の親だけが親権者となる単独親権制度を採用していることから、離婚時における子どもの奪い合い(連れ去り)が多発しています。また離婚・別居後に、子と同居している親(同居親)が、子と別居している親(別居親)との面会交流を拒むことにより、子と別居親の交流が断たれている事例が多くあり、このことが、増加しつつある児童虐待の遠因になっているという指摘もあります。
 このような状況が生ずるのは、裁判所の運用に問題があると言われています。(参考図書:コリンジョーンズ著「子どもの連れ去り問題」)家庭裁判所は、同居状態から子を連れ去る親の行為は合法とする一方で、同居していた家に子を連れ戻そうとする親には略取誘拐罪を科す運用を行っています。加えて、裁判時点で、子の身柄を確保している親に親権を与える運用が常態化しています。
 この運用実態の為、両親が不和となった場合、子の親権を奪われまいとして、先に子を連れ去り身柄を確保する親が多発します。さらに、別居親と子との絆を徹底的に断ち切ることで親権争いは優位に持ち込めるので、実の親による子の連れ去り、引き離しが横行することになります。
 今回の民法改正により「面会交流」の文言が条文に加わるだけでは、実質的な「面会交流」は担保されません。調停での約束(覚書)や審判結果に従わない同居親が後を絶たない現実に対して、何ら強制力がないからです。
 子を連れ去られ、引き離された親が子との面会交流を求めて全国の家庭裁判所に審判や調停を申し立てる件数は年々増えており、平成20年度中の新規受理件数は、審判1020件、調停6261件に上がっています。その結果、何年も子に会えていない親が全国に相当数います。
 これは、親子の面会交流の権利性規定がない為、裁判所の実務が裁判官の恣意的運用に任され、現状維持から脱却できないからです。「親による子の連れ去り禁止」、「親子の引き離し禁止」、「別居・離婚時における子の養育計画策定の義務化」などを法律で規定し、夫婦の不和により親子の絆が断たれることがないよう、真に子の福祉に適った裁判所の運用に改善していく必要があります。
 また、このような法律を定めることは、同居親にとっても利益があります。養育計画策定の義務化は、母子(父子)家庭の貧困問題解決の特効薬となります。離婚夫婦間において、子への養育費支払い率が低い主因は、別居親と子との関係断絶です。子と別居親との交流が守られることにより、必然的に子の経済的養育環境も豊かになることが期待できます。
 親が離婚・別居しても子が双方の親と面会交流しやすくする為、支援環境の整備(親子カウンセリング、親子交流センター)や専門スタッフ(心理士、子の代理人としての法律家など)の育成、そしてそれらを担保する法整備が急務です。
 もちろん、逆に、離婚により、虐待からようやく逃れることができたケースもございますので、それも考慮いただいた上で、国に対し、「夫婦別居・離婚後の親子の面会交流を担保する特別法制定と面会交流支援」について速やかに具体的な検討を進め、民法改正趣旨の実現を求める意見書を提出していただけますよう求めます。