都立高専交流委員会ブログ

都立高専と城南地域の中小企業(特に製造業)との交流・連係を図り、相互の利益と地域社会・地域経済の発展を目指します。

来年度以降のカリキュラムについて、ご提案させていただくことになりました。

2013年06月16日 | Weblog
 
   都立高専 来年度以降のカリキュラム の 提案について 
  
   
 
 本年初より意見交換が進み、
 来年度以降 の 学校のカリキュラム改定 について、
 
 3つの 新カリキュラム を ご提案させていただくことになりました。
 
 夏休みの特別講義で選択科目、来年度以降の入学者に実施するものです。
 3年生を対象とする場合、実際の実施は、平成28年度以降となります。
 
 新カリキュラムの概要について、ご案内いたします。
 実施の概要について今月中に決定し、内容を実施までに確定することになっており、
 下記記載の内容を含め、実施までに再検討していきます。
 
 また、特別講義による選択科目となるため、
 実施の条件が整わない場合、実施しないことも可能です。
 (カリキュラムの枠組みを作成しないと実施できないが、
  すべてのプログラムを実施する必要はない。)
 
 キャリア教育/日本産業論 は、
 そのまま、新カリキュラムに組み込まれることになりそうです。
 私どもを中心に企画させていただく、産学連携の授業となりますが、
 実施の有無、内容を、実施までに詰めていくことになっております。
 
 Ⅰ.キャリア教育  Ⅱ.日本産業論  は、授業科目として実施
 
 Ⅲ.21世紀世界の焦点=中国 と 日系企業の海外展開 については、
 
 現在実施されている海外語学研修と同様な
 学外単位として認定していく方向で検討していくとのお話をいただき
 打ち合せを進めていくことになります。
 
 以下が、ご提案させていただいた概要(最初の案)となります。
 
 
 
    新カリキュラムの概要について(ご提案)       
 
 
 
Ⅰ.キャリア教育
 
 
1.就職/社会人になること、進路=職業選択の意味するもの
  (企業経営者の講義を中心に)
  TAKE 中心の人間関係 から GIVE 中心の人間関係 へ
  企業の採用活動 と 学生の就職活動、そのどこが間違っているのか?
  …… 企業の慢心 と 学生の甘え を超えて
  (企業経営者の講義を中心に)
 
2.社会の中でキャリアを積み上げるとは? 
  どういうことを意味し、何が要求されるのか?
  組織のなかで生きる上で、要求されることとは何か?    
  (企業経営者の講義を中心に)
 
3.進路選択オリエンテ-ション
  (企業/卒業生とのコミュニケ-ションの中で学ぶ)
  ① 企業が求めるもの / 学生の疑問と心構え  
  ② 先輩(卒業生)が教えるもの / 学生の疑問と心構え
 
4.社会人基礎学力 初期研修 (専門家による研修、ワ-クショップ)
  社会人基礎学力の診断 / ビジネスマナ-、社会人基礎能力初期研修
 
5.これからの社会で要求されるものを知る
  (企業経営者/専門家による入門的講義)
  ① 経済のグロ-バル化と我が国産業界の変容  
  ② 自立した社会人に要求される「技術者倫理」
 
6.まとめ (参加者一人ひとりが、自らの課題を明確にする。)
 
 
 
Ⅱ.日本産業論 
 
   形成、発展、グロ-バル化とその変容、これからの課題
 
 
 (我が国近代産業の自主的基盤とその展開)
 政府の「殖産興業」(輸入プラント/お雇い外国人)による
 明治初期の官営工業は、その多くが破たん、
 官営八幡製鉄所も、高炉閉塞により操業もままならず、ドイツ人技術者が逃亡します。
 こうした中で、我が国近代産業の基礎はどうつくられ、
 どのような軌跡を描いて発展しようとしたのか?
 
 (戦後の経済成長 …… 挫折を乗り超え、独自の産業集積へ)
 第二次大戦の断絶をへ、戦後の日本の産業が積み上げてきたものは何か?
 
 (転形機に問われたものは何か)
 世界経済グロ-バル(国境を超えた一体)化/移行期の課題
 日米通商交渉、我が国は何を失ったのか? どう闘ったのか? など
 
 (世界経済グロ-バル化の進展と我が国産業、企業の課題)
 世界経済のグロ-バル化による連続した市場環境の変容は、どのように進んだのか? 
 我が国企業は、これとどう闘い、我が国の競争力基盤はどう変容(深化)し、
 グロ-バル化への対応をめぐり、我が国の産業構造は、どのように変化したのか? 
 特に、リ-マンショク、震災などをめぐり、我が国産業の問題は、どう露呈したのか? 
 これを踏まえ、これからの我が国産業と企業の課題をどう理解するのか?
 エンジニアが創造的な活動を進める上で、
 企業の壁、我が国資本主義固有の問題は、どのように現れ、それとどう闘うか?
 
 第一線の研究者、グロ-バル経済の前線で戦う企業人を講師に招き授業を組み立てます。
 
 
 
Ⅲ.21世紀世界の焦点=中国 と 日系企業の海外展開
 
  (「中小企業家経営塾 大連 学生海外派遣」の授業化)
 
 
 冷戦終結による世界経済のグロ-バル(国境を超えた一体)化と
 改革開放が連動することにより、中国経済は飛躍的に拡大、
 世界経済の構造が一変するとともに、
 東アジアは、
 世界の生産センタ-として、深い域内分業が組織されるようになりました。
 
 中国経済の市場化は、
 グロ-バル化によって外資企業によって持ち込まれたものですが、
 世界経済が大きな壁にぶつかったリ-マンショック以降、
 中国国内では「国進民退」が進み、中国の経済改革も、
 最も「硬い骨(困難な課題)」が残されていることが明確になりました。
 
 中国の国際社会への「歴史的復帰」は、
 21世紀世界の最大の焦点でありつづけるでしょう。
 このことを正面から受け止めること抜きに、我が国の将来もありません。
 
 大連市は、
 戦前/戦後を通じて、我が国と最も深い関係をとり続けてきた中国の都市です。
 この大連市の日系企業、市政府、高等教育機関などを訪問、研修させていただき、
 これからの日中関係、日中経済の課題を実地で学習していきます。