書き手も続きが"読めない"リレー小説デス |
「ロKンローライフ」
この物語はある無名のギター野郎が
紆余曲折を経て武道館のステージに立つまでを
余すところ無くドラマ化したものになるはずであーる
前回のお話はコチラ
第12話 「計画」
そんな計画があったなんて想像もしなかった・・・・。
-----------1年前------------
「おい、ケイン、アレだ、アレが決まったから、
オマエ、・・・・・ちゃんとアレしとけよ、
あぁ、俺に言われる前にアレしとけば大したもんだ
ホントだぞ。ホントだぞ、オマエ」
事務所に顔を出したケインに対し
椅子にどっかと腰をかけたリッキー山口が投げやりにまくしたてた。
ここはこの業界でもそこそこ名の知れたレコード会社「NOH」の関西事務所。
ケインがリッキーのその言葉の意味を理解するのに
そう時間は掛からなかった。
「そうですか。・・・・で、いつ頃なんです?」
「来年のこの時期になるだろうな!あぁ、春だ。
これはアレだぞ、オマエ、・・・・かなりデッカイぞ。うん、
いいか、心して準備しとけよ!あぁ?」
「・・・・まだ・・・もう少し時間もらえませんか」
「オマエ、アレだぞ、これを逃したらオマエ、ホント無いぞ」
「分かってます、ありがたい話です。でももう少し"アイツ"らとちゃんと話しますんで」
「まぁ、アレだ、オマエ、さっさとケリつけろよ」
「はい・・・・」
ケインはリッキーに軽く一礼するとスタジオに向かった。
この頃、すでにケインは「NOH」専属のコーラスヴォーカルとして所属していた。
だがそれまで親しんで組んできたバンドと縁を切る事ができず、
会社に所属しながらもバンド活動を続けていたのだ。
規則違反ではあったがケインをスカウトしたリッキーの計らいもあり、
デビューまでは続けてもいいという条件でやってきた。
だが、どうやらその日は決まったようだ。
ケインはスタジオに向かう道中ふと思った。
「・・・・せめてアイツだけでも」
ケインにとって"アイツ"のギターは自分の声に一番合うと感じていた。
これまでにもリッキーに推薦してきたのだが
「ギターやる奴なら山ほど居る」と体よく断られてきた。
バンドの解散よりも大切な何かを失いそうなそんな気持ちのケインだった。
-月日は流れる。
未だバンドのメンバーに何もいえないまま年末を迎えた。
「NOH」ではケインのデビュー準備と平行して重要な会議が開かれた。
本来は呼ばれる事の無いこの会議にケインも出席していた。
「・・・という事でここまでの経緯をまとめると、
プロアマ問わず全国8ブロックに分けて各地で予選を開く。
ブロック優勝者は予定してる野外フェスの決勝戦に出場。全国優勝を決めると・・・」
「ははっ、こりゃまたえらい大掛かりやなぁ」
「ウチにとってもココで決めておかないとますます厳しいんだよ」
「例のタイアップの子も販促増やした割にはイマイチ伸びてないって?」
「それだけにこれでケインには頑張ってもらわないと」
「ダンサーもつけるって決まったんだろ?」
「まぁ、アレでつよ、間違いないでつよ。これでキレたらたいしたもんだ」
「"優勝してデビュー"よりも"デビュー直後に優勝"なら話題もハクもつくって事だな」
「そううまくいくかね。いざフタ開けてみたらイマイチ乗りきれないかもなぁ」
「それはそれで、アレですよ。そのための予選ですよ」
「ああなるほど、しかし毎度毎度ゲッスイ話やなぁ」
ケインにはデビューの話以外はレコーディングやらレッスンなどで
フロントの話は全く聞かされておらず寝耳に水だった。
だが、なぜこの会議に呼ばれたのか薄々気付いたケインは
会議が終わった後リッキーに声をかけた。
「今の何?何の話?」
「あぁ、オマエは深く知らなくてもいいが、アレだ、イベントやるんだ」
「ええ、で、それにオレも出るって話ですよね?」
「まぁアレだ、・・・・結果的にはそうなるな」
「結果的に???」
「そうだ、・・・・つまりアレだオマエも予選に出るんだ」
「それって」
「そういうことだ、オマエ、アレだぞ、(口を)滑らすなよ」
「・・・・・・」
大よその見当がついた。
どうやらケインをデビューさせると同時にイベントで優勝させる算段らしい。
レコード会社にとってCDの売上が厳しい現在、新人で博打を打ちづらい。
そこで新人をデビュー後にプロアマ無差別イベントに参加させ優勝。
一気にインパクトをつけようといういわば出来レースだ。
しかも希望していたソロではなく流行のダンスチームと組ませるらしい・・・。
「はぁ・・・・・」
自分の歌が認めてもらえてるのは分かってる。
だからこそここまでプッシュしようとしてくれているんだ。
そう感じながらもやっぱり納得できなかった。
モヤモヤした気持ちのままケインは"アイツ"に電話した。
「今度のライヴ、クリスマスやったっけ?ちょっと気合い入れよう」
「おう、んじゃ新曲でもテイクしてみよか」
「ああ、・・・・で、終わったらちょっと話がある」
「は?何やねん?」
「まぁそん時に・・・とにかく楽しくやろう」
「なんじゃそら?」
-やがて春がやってきた。
・・・・・・・・
ケインと電話していた時、
オレはまさかそんな事になっているなんて当然知らなかった。
ケインがあのライヴの夜、あそこまで怒っていたのは、
てっきり彼女とデートできなかったからだとばかり思ってた。
でも、この時ケインは決心していたんだ
ライヴの結果次第でバンドを取るかデビューを取るかを・・・・・。
ユキムラと飲みにいった時に聞かされた
「NOH」が協賛するイベント「天下一音楽会'06」
その予選にユキムラのバンド、ケリーカリーも出る。
頼みとはギターのサポートで参加して欲しいという事だった。
ありがたかったが返事は保留した。
実は葵から"奴"も出るって聞いていたからなんだ。
第12話「計画」 終わり
この小説はフィク・・・ってかまたぐなよ!って事です
で、お知らせ兼あとがき。
このリレー小説「ロKンローライフ」はココでアップすると同時に
seesaaのウチの支局(いつの間に作ったんだ)で
全話続けて読めるようにしておきました。
コチラからどうぞ→ota-broadcast seesaa支局
CM
ども、みのもんたです。
奥さん、もう食べましたぁ?
ソイジョイ、大豆の栄養がたっぷり!
僕も毎日食べてます。
今じゃすっかりファンなっちゃいましたよ
おかげで栄養過多ぎみです。
CM終わり
で、本題はまたしてもこういうわけわかめな伏線を張ったワケです。
一応補足、天下一音楽会には別にバンド形態じゃなくても参加できます。
"アイツ"がこれを受けて出るのか出ないのか。
それは次回オイラに回ってくる前に誰かが決めてくれるかな??
そういえばアイツはギターヴォーカルで何を演ってるんだろう。
その辺も誰かが決めてくれるかな??
ってか「ユキムラ」出すのはアンフェアだぜ!!
って事で次回はそんな誰かがアップします
あ、リッキー山口の山口は長州藩からきているという話は
アレだ、(口を)滑らすなよ。