きっともうすぐ

2011年03月27日 17時02分23秒 | B地点 おかか

 

 

「なかなか桜が咲かないなあ」
「今年は遅いですね」

「去年の今頃は、花見を楽しんでいたよなあ」


(※参照、「『狂』宴の後の反省」(前年の同月同日))

「今年は、異常気象なんでしょうか?」
「いや、そういうわけでもなかろう」
「つぼみは、ふくらんでいるからな」
「ほら、見ろ」
「あんなに、ふくらんでいる」
「だが、なぜか、まだ咲かない……」
「あと何日か、かかるだろうな」
「早く咲かないかなあ……」
その時 ―― 小さな赤い花が、おかか先生に話しかけた。
「おかか先生、おかか先生」
「私は、もう咲いていますよ」
白い花も、喋り始めた。

「そうですよ、おかか先生」
「私だって、だいぶ前から咲いています」
「桜だけが花じゃないんですよ、おかか先生」

「そ、そうだな! お前の言う通りだ」
「私たちのことも、忘れないで下さいね」

「すまん。悪かった。お前たちも、とっても美しいよ」
「てへへっ。私としたことが。桜のことばかり考えていたよ」
「ねえ、おかか先生」
「ん? 何だい?」
「先生は、花とハナせるんですね」
「ふふふ。だじゃれの才能が開花したな」