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抜け忍オムイは、公儀の放つ追っ手と闘いながら、今日も諸国をさすらうのだった……。 |
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「……すっかり秋草が茂ったな」 |
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「もう夏も終わりだ」 |
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「しかし、残暑が厳しいな……!」 |
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「どこか涼しい所に移動しよう」 |
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「上の方に行ってみるか……」 |
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「む、ここがいい」 |
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「眺めもいいぞ」 |
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さて、ちょうどその頃。
追忍は、公儀隠密の隠れ家にいた。
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手裏剣と爆薬を補充するために、戻っていたのである。 |
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これが爆薬である。
「ふっふっふ……」 |
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「この大量の爆薬で、オムイを木っ端微塵にしてくれるわ!」 |
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「は~っはっは~!」 |
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「……しかし、残暑が厳しいな」 |
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「まさか、この暑さで爆薬が自然発火するなんてことは……」 |
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「……ふふ。いや、いくらなんでも、そんなことはあるまい」 |
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ところが、そんなことがあったのである。
「おわっ!? ば、爆薬に火がーッ!」 |
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ちゅど~ん |
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「むッ!? 何だあれは?」 |
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どどどど~~~ん |
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「……花火か?」 |
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「ぐはーーーッ」 |
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「た~まや~ッ」 |