「しかし、残暑が厳しいな」

2009年08月22日 17時42分00秒 | B地点 おむ

 



オムイ外伝シリーズ 第三部(武芸帳篇) 第35話


抜け忍オムイは、公儀の放つ追っ手と闘いながら、今日も諸国をさすらうのだった……。
「……すっかり秋草が茂ったな」
「もう夏も終わりだ」
「しかし、残暑が厳しいな……!」
「どこか涼しい所に移動しよう」
「上の方に行ってみるか……」
「む、ここがいい」
「眺めもいいぞ」
さて、ちょうどその頃。

追忍は、公儀隠密の隠れ家にいた。
手裏剣と爆薬を補充するために、戻っていたのである。
これが爆薬である。

「ふっふっふ……」
「この大量の爆薬で、オムイを木っ端微塵にしてくれるわ!」
「は~っはっは~!」
「……しかし、残暑が厳しいな」
「まさか、この暑さで爆薬が自然発火するなんてことは……」
「……ふふ。いや、いくらなんでも、そんなことはあるまい」
ところが、そんなことがあったのである。

「おわっ!? ば、爆薬に火がーッ!」
ちゅど~ん
「むッ!? 何だあれは?」
どどどど~~~ん
「……花火か?」
「ぐはーーーッ」
「た~まや~ッ」