そんな映画もあった

2009年03月25日 17時51分00秒 | B地点 おむ

 

 

たいした雨でもなかった
待っている間に、僕はまどろんだ
目覚めると、雨はもう上がっていた
「ん」
「止んだようだな」
「……お前、今、眠っていたろう?」
「ええ。ちょっと」
「……あれっ?」
「なんだか、いい香りがする」
「でも花の香りじゃない。雨の香りでもない」
「何だろう?」
「何の香りだろう?」
「わからない」
「わからない……」
「夢の香りじゃないのかい……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


平凡な奇蹟の軌跡

2009年03月25日 17時02分00秒 | B地点 おむ

 

どうってことない、スナップ写真
ただの猫の、ありふれた振る舞い
けれど、これまでの経緯に、イキサツに、様々な出来事に、「歴史の重み」に、思いを致す時、
この猫が今ここにこうしているということは、ほとんど奇蹟に近い、希有な出来事だと思える
何度か書いたことだけれど、日常が奇蹟で、奇蹟が日常なのだ

(私は何の信仰も持たないけれど、もし信仰心が芽生えるとすれば、恐らく、こういう思いが起点になるだろう)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


雨滴の記憶

2009年03月25日 16時21分00秒 | B地点 おむ

 

「雨が降ってきたよ」
しとしと しとしと
「色んなことを思い出すよ……」
ぽたぽた ぽたぽた
「ね、先生! 去年の今頃、ちょうどこんな日があったでしょ! 憶えてるでしょ?」

「ん?」
「そりゃあ、もちろん」
「……忘れた」
「……」

「……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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