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幸福のありか

2010年09月24日 19時25分11秒 | 一期一会

 

私は幸福を探している
こっちにあるのかな?
それとも、こっちかな?
まさか……この中?
ない……
しょうがない、ミルクでも飲むか
……う!? うまいっ!
幸福は哺乳瓶の中にあったのかー♪

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


人生論・幸福篇

2010年09月23日 21時13分32秒 | 一期一会

 

「ここから出してくれえ~っ」
「お~い、誰か~っ」
「ううっ。もう一生、ここから出られないのか……」
しかし、その時、私は気付いた。
扉は最初から、開け放たれていたのだ。

「な、な~んだ……」
「よ~し、脱出だ!」
「うまうま~!」
「ふふふ。人生なんて、こんなもんだぜ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


人生論・不幸篇

2010年09月23日 07時37分38秒 | 一期一会

 

 

ぴーちゃんは、閉じ込められるのが嫌いだ。

外に出たくてたまらない。

ケージの柵の隙間から出られるわけはない。

だが、出ようという努力をする。凄まじい努力だ。

決して、諦めない。

もう必死だ。

無我夢中である。
だから、扉が開けられても、気付かない。

ほら! そこから出られるじゃないか。

これでもまだ、気付かない!

扉が開かれているのに、気付かずに、努力し、悩み、苦しんでいる。
きっと、人間も、同じことをしている。

これを書いている私も、読んでいるあなたも、同じことをしている。

ただ、それに気付いていないだけなのだ……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


至福のぢゅわ~っ

2010年09月22日 22時48分22秒 | 一期一会

 

 

さて、トイレである。

トイレの使い方を覚えて貰わねばならないが、成猫用のトイレでは大きすぎるので、お菓子の空き箱を使うことにした。

体重350グラムでは、まだ排泄マッサージも必要であろう。
要は、親猫が局部を舐めて排泄を促す動作を、再現すればいい。私のやり方は、こうである。

まず、ぴーちゃんを、トイレに誘導する。それから、ウェットティッシュ(ノンアルコール)を数枚、適当に畳んで、局部にあてがい、その上から、私の手指で、もにょもにょする。
ぴーちゃんはもちろん暴れるが、やがて、体の力が抜けて……熱い液体がぢゅわ~っと浸み出てくる。おしっこである。

ぴーちゃんにとっても、私にとっても、至福の時である。
ぴーちゃんは、(一・二度、そそうをしたけれど、)すぐにトイレの使い方を覚えてくれた。
おしっこに関しては、もう問題ない。
だが、うんちができることを確認するまでは、排泄マッサージを続けねばならないだろう。

ちゃんとうんちができたその時には ―― うんちのうたを高らかに唄おう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


なまえをつけましょう

2010年09月22日 19時03分14秒 | 一期一会

 

 

さて、仔猫はオスだろうか、メスだろうか。

局部を見る限りでは、どうもメスのように見えるが……。
だが、読者もご存じの通り、生後二ヶ月くらいまでは、外見だけで性別を判断するのは困難とされている。
名前を付けなければならないが、男の子でも女の子でも「共用」できる名前がいい。
警察官に保護されたので、当初、「ケイ」ちゃんという名前を考えた。
頭の模様が「P」の形をしているので、「ぴー」ちゃんまたは「ぴい」ちゃんという名前も考えた。

それらをボランティアさんに提案した結果、ぴーちゃんに決定したのである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


ミルクを飲みましょう

2010年09月22日 09時18分05秒 | 一期一会

 

 

一夜明けた。

仔猫は元気である。
とても元気である。

とにかくケージから出たいらしい。
ウェットフードは、自発的には食べようとしない。
方針を転換し、離乳を急がないことにして、ミルクを用意した。

(のちほど、ボランティアさんが粉ミルクを差し入れて下さった。フードやトイレ用の砂も。)
哺乳瓶も買ってきた。

(のちほど、また別のボランティアさんが、現金も出して下さった。)
膝の上に抱き上げて……
さて、飲んでくれるだろうか。
おお!
「腹ばい」の状態で飲ませるのが望ましいそうだが、なかなか教科書通りにはいかないものだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


こねこがうちにやってきた

2010年09月21日 21時07分56秒 | 一期一会

 

 

仔猫を預かることになった。
体重、350グラム。
すらりと長い尻尾。

外傷や外部寄生虫は目視では確認できず。

健康そうに見える。
被毛は白色だが、頭のてっぺんに、黒ないしグレーの模様がある。アルファベットの「P」の形に見える。

川岸に捨てられていたそうだ。
(まだ乳飲み子なので、もしそのままだったら、カラスにやられるか、飢え死にするか、どちらかだったろう。)

夕刻、通りかかった人の通報により、駐在所のお巡りさんが保護。
お巡りさんからボランティアさんへ、次にまた別のボランティアさんへ、そして私へ、という順に情報が伝わったというわけである。

駐在所で、ボランティアさんと一緒に、お巡りさんから話をうかがう。
「仔猫は今、本署にいる」とのこと。「このままなら、明日にはセンター送りになる」とのこと。(センター送りになれば、おそらく、安楽死。)

そこで、ボランティアさんは、保護する決定をなさった。そして私が、授乳や排泄の世話をすることになった。
私はお巡りさんの車に乗せてもらって、本署まで行った。

本署の、薄暗い廊下のすみに、段ボール箱があった。

仔猫は、その中にいた。
その仔猫を、拙宅まで、連れてきたのである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


過去に戻れ!

2010年09月21日 20時57分19秒 | 一期一会

 

 

課長 おむ耕作 ファイル15


いまや社長となった、おむ耕作である。

だが彼は、経営戦略上、取り返しのつかないミスを犯してしまった。
「このままでは、我が社は倒産だ……」
「ううっ、社長! 心中お察しいたします!」

開発部長、おかか豊作である。
「一週間……いや、せめて三日間、時間を戻すことができたなら……」
「一つだけ方法があります」
「私が開発した、タイムトンネルを使うのです!」
「何っ、タイムトンネルだと!?」
「そうです……過去に戻るのですっ!」
「よし決めた! タイムトンネルを用意してくれ!」
「ははっ!」
耕作はタイムトンネルを通過して……過去の自分に戻ってしまった。

「お、おいっ、何かおかしいぞ!?」
「しまった、失敗だ!」
「なんとかしてくれ~っ」