釜石の日々

岩手県釜石市に移り住んで16年8ヶ月が過ぎ、三陸沿岸部の自然の豊かさに感動する毎日。

「家計直撃」

2014-02-28 19:13:41 | 社会
今朝は風が少し出ていたが、いつもと違って、その風に冷たさが見られなかった。まるで春の朝と言う感じだった。気温は8度で、日中も13度まで上がり、昼休みにはコートを着ないで外を歩いても寒くはなかった。川の白鳥たちも変わらず、浅くなったところで毛繕いをやっていた。八幡神社へ行く途中の坂道に面した家の庭先で、雪が融けたところに福寿草が咲き始めていた。周囲にはまだ雪が残っているので、福寿草の黄色い色がひときわ目立っていた。この福寿草が咲くと、もう春がそこまで来ていることを実感出来る。近くを通る人にも気付かれずにひっそりと咲いている。 今朝の岩手県地方紙「岩手日報」は一面トップに『値上げ続々、家計直撃』と題する記事を載せた。4月から消費税が増税されるが、多くの企業が製品に増税分を上乗せすると発表している。NHK受信料や電気代なども上昇し、円安や原材料高による値上げもある。JR各社や大手私鉄の運賃も値上げが決められた。一昨年には中学生以下の児童手当に所得制限と支給額の一律化や住民税の15歳以下の年少扶養控除廃止、すべての化石燃料への地球温暖化対策税(環境税)の導入が行なわれ、厚生年金保険料の値上げも行なわれている。又、昨年は給与所得控除に上限が設けられ、復興増税として、所得税に2.1%の定率増税が行なわれ、今年6月からは住民税でも1000円の定額増税が期限付きで実施される。今年からはさらに診療報酬の0.1%増により医療費も増額され、新たに70代になる人の医療費負担も1割から2割に増える。来年には軽自動車税も現行の1.5倍となる。厚生労働省が出す「毎月勤労統計調査」は勤労者の所得が減り続けていることを示している。派遣労働者など非正規雇用が拡大され、安定した所得が確保される正規雇用が減少しているため、総体としての勤労者の所得は減少している。日本の経済を牽引して来た自動車や家電産業が新興国との競争で喘ぎ始めて来た。円安によりかろうじて利益を確保出来たが、輸出量が増えたわけではない。敗戦後の日本は疲弊した国土の中から、目覚ましい経済発展を遂げたが、当初は日本製品は米国では安いが粗悪な製品と見られていた。その低評価を努力で覆し、信頼される製品に高めて来た。今、それを新興国が行なっている。米国市場には韓国製品が多く入っている。家電や自動車の分野で。中国には500社もの自動車会社が乱立している。無論粗悪な自動車も含まれているだろう。しかし、いずれ淘汰されて行き、韓国車と同様米国市場に進出して行くだろう。日本は戦後、アジアではなく、米国へ顔を向けて来た。日本と米国の絆は強固なものと勝手に思い込んでしまっている。しかし、米国は少なくとも経済に関しては今や日本より中国を重視している。韓国車も一度は日本に進出したが、日本では見向きもされず撤退してしまった。その同じ韓国車を米国は受け入れている。米国の輸入最大の相手国は今や中国であり、米国の輸出相手では日本より中国の方が多くなっている。もはや米国国債の保有を含めて米国は経済的には日本より中国との結びつきを強めている。経済活動としては当然だろう。米国の4倍の人口を持つ中国は米国が最も重視する市場なのだ。日本の為政者はそんな米国と中国の経済的な結びつきを考慮せず、単に米中の政治的立場の相違のみをよりどころにして、中国との対立を煽っている。日本の現在の自動車や家電はいずれ間違いなく斜陽化せざるを得なくなる。政府が円安誘導しなければ利益を確保出来ない「保護」産業にすでに落ち込んでしまっているのだ。そしてそれに替わる産業を育てていない。かっての製鉄や造船と同じ道を自動車や家電産業が辿っており、下る坂道は現在は一層急峻になっている。首相は自らの政策である「成長戦略」の意味を理解していない。成長戦略の中身は単なる既存産業の保護政策でしかない。新たな産業を生み出す努力を企業も同じく怠っている。日本の産業の未来は暗い。家計へのしわ寄せは長期的に続いて行くだろう。歴史を振り返れば、国の経済の落ち込みが長期化し、国民の生活が苦しくなった時に、為政者は国民の不満を逸らすために意図的に戦争を起こして来た。アベノミックスへの失望はやがて広がって行くだろう。首相はその失望を他へ向けて行く可能性がある。
雪解けの福寿草

進まない除染と汚染水処理

2014-02-27 19:17:36 | 社会
今日はまた一段と気温が上がり、春の空気を感じさせてくれた。雲が多い日となり、夜半には雨の予想になっている。朝から日中は職場の裏山にはゴイサギは見られなかった。昼休みに甲子川へ出てみると、変わらず、白鳥たちがいてくれた。それぞれ毛繕いの最中であった。遠く、西を見ると、愛染山は雲で覆われ見ることが出来なかった。昨夜と一昨夜に見られたオリオン座やカシオペア座は今日は見ることが出来そうにない。気温が上がりさらに今晩雨が降れば、残った雪もかなり融けてしまうだろう。雪が融ければ、下から植物が少しずつ新芽を出して来てくれるだろう。 今月21日、東京電力は福島第一原発のタンクから約100トンの高濃度汚染水が溢れた問題で、タンクにつながる汚染水の配管の弁で操作ミスがあった可能性があると発表した。最初、東京電力は汚染水の漏洩が発覚した時、弁の故障と説明していた。これに対して、昨日、原子力規制委員会は、事故は容易に防げたにもかかわらず、安易な対応で事故が発生・拡大した背景には東京電力の企業体質があるとみて、事故時の対応マニュアルがどうなっているかなど安全管理体制を詳しく調べる方針を決めた。溢れた汚染水は原子炉の冷却に使われたもので、冷却後に放射性セシウムは除かれているが、超高濃度の放射性ストロンチウムなどはまだ含まれており、敷地内には34万トン超がタンクに貯蔵されており、25mプール1000杯分にもなる。汚染水が漏れたのは、すでに昨年4月17日に容量の97.9%まで注水が終わっていたタンクに通じる配管の流れを止める3つの弁が開かれたままであったためであった。タンクにはさらに満水警報まで付いていたが、警報が鳴っても、警報を切ってさらに汚染水の注入を続けることが常態化していた。昨日の原子力規制委員会では事故が起きたことよりも、事故が起きていることすら気づかず、大幅に対応が遅れたことへの批判が相次ぎ、「あまりにも稚拙で企業の体質、安全管理のあり方など根深い問題がある」「だれがミスをしたかではなく、なぜ警報が鳴っても適切に対応できないのか、その理由を調べることが大切だ」などの批判が委員から出たと言う。東京電力は事故後も安全管理がずさんであることがたびたび指摘されて来た。にもかかわらず、こうした事態が事故後3年が経とうとしている現在でも変わっていない。すでに海にも超高濃度の放射性ストロンチウムが大量に流れ出ている。3日前にも東京電力は昨年8月に地上タンクから漏れた汚染水約300トンについても過小評価していたと発表している。ストロンチウム90などβ線を出す放射性物質濃度を1ℓ当たり8000万ベクレルと公表していたが、実際は最大で約10倍の8億ベクレルに上る可能性もあるとしている。漏えいした汚染水は土壌に染み込んだほか、一部は近くの排水溝から直接海に流れ出たとみられている。昨年9月7日、アルゼンチンのブエノスアイレスで2020年夏季オリンピックの開催地決定のための国際オリンピック委員会(IOC)総会が開かれた。安倍首相は東京に誘致するために、世界から注目されていた福島第一原発事故による汚染状況への不安を払拭するためのスピーチを行なった。汚染水は「under control」状態であると。このスピーチ以来、政府は汚染水対策に積極的になったが、原発を推進して来た経済産業省と歳出を抑えたい財務省との間でせめぎ合いとなった。東京電力は極力政府からの干渉を受けずに、政府に汚染水の処理費用だけを負担させようと各方面に働きかけた。汚染水の処理費用は国が負担しても、東京電力が負担しても国民が負担することには変わりがない。東京電力が負担するとなれば、電力料金の仕組みから、費用はすべて電気料金に上乗せされる。結局、東京電力のあまりにもずさんな安全管理のつけがすべて国民に回されている。しかも、こうしたずさんな管理が放置されたまま安倍首相は原発の再稼働を目論んでいる。今月24日に明らかになった新たなエネルギー基本計画の政府案では、原発を「重要なベースロード電源」と位置づけ、安全性が確認された原発は「再稼働を進める」と明記された。原発事故は電力会社の体質を変えることなく、被曝と費用負担ばかりが国民に回されている。環境省は今年1月31日神奈川県内で出た汚泥2.9トンを、放射能に汚染された「指定廃棄物」に指定した。横浜市は昨年9月、市立小中学校など17校の雨水利用施設にたまっていた泥の指定を申請していた。指定廃棄物は原発事故で飛散した放射性セシウムを含むごみで1Kgあたり8000 ベクレルを超える。横浜市は福島第一原発から250Kmも離れている。京都大学や福島医科大学が福島県で行なった被曝調査も外部被曝に限られ、チェルノブイリ原発事故で報告された内部被曝は無視されてしまっている。昨今の日本では民主主義などと言う言葉はとても虚しく聞こえて来る。
水をすくう白鳥

頭をもたげて水を流し込む白鳥

日本の四季

2014-02-26 19:17:12 | 自然
今朝は-2度であまり寒さを感じなかった。日中も10度近くまで上がり、天気が良く、春霞のような天候だった。庭にもところどころ土が顔を出して来た。風も穏やかで、雪がなければまるで春が到来したかのような錯覚を覚えた。それでも雪はまだ残っているため、市街地ではほとんど花を見かけることはない。来月に入れば、少しずつ花が開き始めて来るだろう。北海道に住んでいた頃、地元の人が、北海道は四季がはっきりしている、と言ったので少し驚いたことがある。四国で生まれ育ったので、四国では四季の花がそれぞれ決った時期に咲いていた。それが北海道では初夏に四国の春の花も含めて一斉に咲くのだ。こちらにしてみると、むしろ北海道では四季がはっきりしないと思っていた。四季を区別する花の基準が曖昧なのだ。後で、考えてみると、北海道の冬は厳しい寒さがあり、夏はごくわずかだが30度前後の気温になることもある。確かに夏と冬の気温差は大きい。そう思うと、四国のように夏と冬の気温差が少ない方が四季がはっきりしない、と言う言い方も出来るのかも知れない。全国何か所も住んで来たが、関東から南はほぼ四季の花の咲く時期は変わらない。釜石へ来る前に住んでいた愛知県もほぼ四国と同じ時期に決った花が咲いていた。しかし、釜石へ来てみると、釜石は関東以南と北海道のちょうど中間的な四季の在り方になっていた。地理的にもそうなのだから、当然と言えば当然なのだが。どこに住んでいても、そこに長く住んでいる人にとっての四季はそこでの四季が基準になる。春になると桜が咲くが、その桜は毎年桜前線と言う言葉があるように、南から3月から5月にかけて次第に北へ移動して行く。桜だけではなく、他の花たちも基本的にはこの桜前線と同じ動きで花を開かせて行くのだろう。南北に長い日本列島であればこれも当然のことだろう。しかし、花に最適な温度と言うものがあるようで、関東以南の花の咲く時期や期間を基準にすると、北へ行くほど時期は遅くなり、期間は長くなっている。ただ、北海道は夏でもさほど気温が高くないせいか、東北ほどは花の咲く期間が長くない。これまでも何度か触れて来たように、やはり花に最も適した気温が維持されているのは東北のようだ。そして、花に適しているだけではなく、東北は植物一般に最適な場所のように思われる。山の木々も豊富で、落葉樹中心に木の実が実り、それを食べる動物たちや、野鳥も多い。四国ではかなり山奥に行かなければ見られない雉などが東北では市街地に隣接する山裾で見ることが出来る。もっとも、雉は愛知県でも人里で見かけたことがあったが。四季は動物たち生態も変化させている。冬の渡り鳥や夏の渡り鳥などはその典型だし、蛇や熊の冬眠もその一つだ。北海道ほどの気温の下がりはないものの、東北の冬は関東以南より寒く、東北の多くの地域で雪が積もる。冬の東北で花たちが影をひそめ、春に一斉に咲き始める様は、まさに待ちわびた春の到来と言う感動を与えてくれる。釜石へ来てみて、はじめて、「北国の春」の喜びを味合うことが出来た。冬の厳しさがあってこそ、春の喜びがあることに気付いた。北海道は東北よりさらに冬が厳しいが、その厳しさは花にとっても厳し過ぎて、雪が融けても、すぐには花は咲かず、しばらく咲くのに時間がかかる。冬が去ってもすぐには春の花が咲いて来ない。そこが東北とは違っていて、冬が去って、春が来た喜びをすぐには味合えない。味合いは吸った空気と目に入る風景による。自然環境に生活が左右された縄文時代の集落遺跡が東北に多く見られることも、この東北の四季と大いに関係があるのだろう。動植物に最適な自然環境が東北にはあるのだろう。
葉裏で西日を受ける八つ手の葉

韓国の歴史ドラマ

2014-02-25 19:21:46 | 文化
今朝は昨日ほどではなかったが、それでも-3度であった。日中は6、7度まで上がって、周囲の雪も少しずつ融けていた。職場の裏山には今日はゴイサギの姿がなかった。この裏山には鹿や熊、リス、その他の野鳥がやって来る。それほど山の自然が市街地と隣接している。西から東の太平洋に注ぎ込む甲子川を挟んで南北に山が迫る釜石はとても狭いが、海がすぐそばにある関係か、あまり閉塞感はない。むしろ、海も山も川も自然が溢れていて、市街地にいながらそれらを楽しめるすばらしい街だと思う。その素晴らしさを地元の人たちが気付いていないことがむしろ残念だ。 以前から特に冬場は、休日には中国や韓国の歴史ドラマを見ることが多くなった。すべてレンタルのDVDで見るのだが、かっての韓流ブームとかで、韓国の作品が多く出ているので、韓国の歴史ドラマが多くなっている。その大部分は朝鮮半島の三国時代が舞台となっている。中国漢の武帝によって紀元前108年に古朝鮮が滅亡した後の朝鮮半島では、紀元前1世紀、日本の弥生時代に新羅、高句麗、百済の国々が次々に建国されて行く。これら三国は7世紀半ばに新羅と中国唐の連合軍によって、まず百済が、次いで高句麗が滅亡させられる。百済は660年に、高句麗は668年にそれぞれ滅亡した。同じ新羅と唐の連合軍により日本の倭国も663年に朝鮮半島西岸の白村江(はくすきのえ)の戦いで敗れ、倭国は衰退して行く。676年には新羅が唐を半島から退け、三国を統一する。朝鮮半島南端にあった百済は倭国との関係が深く、九州とも近い。倭国は北部九州を中心とした九州王朝の国であり、白村江の戦いで敗れた後、君主は唐に連れ去られ、弱体化し、近畿王朝に取って代わられる。百済と新羅を扱ったドラマでは百済の王子が聖徳太子との繋がりで倭国を訪れたりしている。こうしたドラマのロケで使われた朝鮮半島の風景はとても日本の風景に酷似する。まるで日本で撮影しているかのような錯覚すら覚えることがある。何故これほど朝鮮半島の自然風景が日本と似ているのか、不思議であった。と同時に、日本列島の形成過程を考えた。日本列島は糸魚川静岡構造線によって二つに分かれていたが、いずれも大陸から遊離したものであり、現在のロシアの沿海州から朝鮮半島にかけての地域と、もともと結合していた。もっとも日本列島はそれだけではなく太平洋の海底部分がプレートの動きのため日本列島にかなり付加されて形成されている。地質的には従って日本列島は大陸ほど単純ではない。しかし、植生的には大陸と結合していた時代の影響が大半を占めているはずであり、朝鮮半島の植生と日本列島の植生が酷似していてもおかしくはない。日本には約5,500種の植物が、朝鮮半島には4000種前後の植物が分布すると言われ、朝鮮半島の植物の9割以上は日本など周辺地域と共通だと言う。ちなみに、現在日本で消費される松茸の9割以上が輸入品だが、松茸のDNA分析ではやはり韓国産の松茸が日本の松茸に最も近く、輸入ものでは最も高価である。次いで、中国の東北地方である黒龍省、吉林省のものがDNA的に近く、中国南部の四川省、雲南省のものはむしろ西のブータンの松茸とDNA的に一致している。日本列島の大陸側には火山地帯が並ぶが、同様に大陸の沿海州から朝鮮半島にかけても火山が並んでいる。朝鮮半島の白頭山は渤海王国を滅ぼしたと言われるほどの、世界的にも過去2000年間で類を見ないと言われる巨大な噴火を起こしている。植生の影響も当然あるが渓谷の風景などもとても日本に似ている。同じアジアでも中国の歴史ドラマで見られる自然風景とはまったく異なる。やはり、中国の自然風景はかなり日本とは異なっている。日本の歴史では7世紀以前を知る史書が古事記や日本書紀が中心となる。しかし、それらは近畿王朝が作為的に著したいわゆる一種の偽書であり、7世紀以前を知ることは難しい。そのため7世紀以前の日本の文化がどうしても遅れた形で捉えられがちだ。むろん、あくまでドラマであるからかなり差し引いて見なければならないが、それでも7世紀以前の韓国の歴史ドラマを通じて、わずかでも日本の文化程度を推察することは出来るのではないか、と考えながらドラマを見ている。7世紀以前の九州王朝の史書や九州王朝をの事蹟を書いたものなどは8世紀に近畿王朝によって抹殺されてしまった。そのため、文字の伝来や仏教の伝来などの史実が定かでないところが残された。日本の弥生時代の韓国や中国のドラマでは文字が使われている。偽造説もあるが、紀元58年の「漢委奴国王」と書かれた九州志賀島の金印はすでにこの時代に日本でも文字が伝わっていたことをうかがわせる。弥生時代や古墳時代の服装なども実際はもっと違っていたのではないかと思われたりする。
マガモの羽ばたき

日本の軍事力強化

2014-02-24 19:13:45 | 社会
今朝も-7度まで下がり、放射冷却で天気はよくなった。雲が少ない良く晴れた日で、釜石ブルーが広がった。昼休みには気温も7度まで上がり、もう日射しは春の日射しになっている。雪解けの水があちこちで流れていた。しかし、まだ職場周辺で見られる花は山茶花と薮椿くらいしかない。甲子川では相変わらず白鳥やその他の水鳥たちが群れていた。朝にはいた裏山のゴイサギも午前中のうちに飛び去っていた。ヒヨドリやシジュウカラなどのカラ類の声が聞こえて来た。八幡神社へ行ってみると、階段下にはまだ雪が積もったままだ。日陰になるので融けるのも遅いのだろう。 昨年4月15日、スウェーデンのシンクタンク、ストックホルム国際平和研究所(Stockholm International Peace Research Institute、SIPRI)は2012年の世界の軍事費の調査結果を発表した。2012年の世界全体の軍事支出は、前年比で1998年以降初めて減少に転じたが、それは西側諸国の予算削減が主な要因だった。中国やロシアなどでは2012年の軍事費は増加している。軍事費では世界のトップを行く米国は前年より6%減少し、その結果、世界全体の軍事支出に米国が占める割合はソ連崩壊以降初めて40%を切った。もっとも、米国は前年比6%減とは言っても、6820億ドル(約67兆円)が支出されている。2位は中国で1660億ドル(約16兆円)、3位はロシア907億ドル(約8.9兆円) 、日本は第5位で、4位の英国とほぼ同額の600億ドル(5.9兆円)となっている。日本とほぼ同額の英国は、しかし、米国同様軍事費の削減に取り組んでおり、2013年度はさらに低下するだろう。一方の日本は逆に増加する方向に進んでいる。日本の自衛隊員は約27万人が1960年代からほとんど変わっていなかった。しかし、安倍政権は隊員の増員と軍事費の増額を行なおうとしている。各国のGDP比で見ると、米国は4.4%、中国2.0%、ロシアは4.4%、日本は1.0%だ。これまでアジア諸国に対する配慮から日本は1%枠を設定して、中曽根内閣でその枠が撤廃されてもなお1%枠を維持していた。しかし、安倍首相は本年4月からの予算を2013年度比2.8%増となる4兆8,848億円に大幅に増額している。過去20年近くで最大の伸びとなる。F35戦闘機4機を683億円で購入し、護衛艦1隻を729億円で建造、また、P1哨戒機3機を594億円で、SH60K哨戒ヘリコプター4機を242億円で購入、潜水艦(2900トン)1隻を517億円で建造などを含む。尖閣島諸島などの東シナ海での奪われた島を奪還する想定で、米海兵隊に似た水陸機動団の創設し、テスト用水陸両用車2台を購入する費用17億円、水陸機動団訓練費用15億円なども計上されている。この他、無人偵察機と垂直離着陸輸送機(オスプレイ)の調査費として3億円も含まれている。2012年度で日本はすでに中国に次ぐアジアでは第2位の軍事費を支出しており、さらにそれを増加させようとしている。新防衛大綱・新中期防では5年間に24 兆 6,700 億円を予定している。昨年12月23日には南スーダンで国連平和維持活動(PKO)に従事している韓国軍に弾薬1万発を提供することが決められ、戦後初めて日本は外国軍に武器を提供することに踏み切っている。日本にはすでに数多くの軍需産業も成長しており、三菱重工業、川崎重工業、三菱電機、日本電気、石川島播磨重工業、東芝、小松製作所、富士重工業、富士通などが防衛省に装備を納入している。武器輸出三原則の緩和も行なわれようとしており、これらの企業からの与党への政治資金も増えて行くだろう。世界で「平和憲法」を持つのは日本と中米のコスタリカの二国しかないが、コスタリカはさらにまったく軍隊を持っていない。どこの国も建前は自国軍隊は自国の防衛のためにあるとする。世界で戦後も戦闘を繰り返して来た米国でさえ軍隊を統括する機関に「国防省」の名を付している。歴史を見れば、軍事力を強化したり、開戦に踏み切るきっかけは対立の増強をつくり出すことでもたらされている。今、まさに安倍首相はその手法をとっている。近隣国との緊張を緩和する外交ではなく、あえて緊張を高める策をとって軍事力を強化している。その先に見えて来るものは・・・・。
軒の雪解け

杉の木

2014-02-23 19:18:15 | 自然
今朝も-5度まで下がり、冬は暖かいはずの沿岸部の釜石も低い気温が続いている。庭に積もった雪もわずかずつは融けているのだろうが、目で見る限りはあまり変わっていない。セキレイやツグミの声は聞こえて来るが、今日は姿が見えない。市街地で買い出しに出た帰りに西の空を見ると、愛染山や周辺の山々に雪が白く積もった中で、雲間から幾筋かの帯状の光が射していた。こうした光は何か神秘的な雰囲気を醸し出す。一際、愛染山が神々しく見えた。道路の雪はほとんどなくなったが、どの家の庭にもまだまだ雪が残っている。何軒かでは凍った重い雪を取り除く光景が見られた。 我が家の庭には10本の杉の木と3本の松が植えられている。これほど多く杉が植えられていることが不思議だったが、ある時、その理由が釜石では人が亡くなった時に杉の木が風習として使われていたのだと人から言われた。それだけの理由でこれほど杉が植えられたとは思えない。恐らく防風林として植えられたのではないかと思う。風が強い時には近くの山から山鳴りが聞こえて来る。杉は2億5000年前から地球上に登場しており、日本の杉は日本固有の杉で大陸から日本列島が離れた200万年前から日本で独自に生育して来たようだ。戦中から戦後にかけて木材需要が急増したため、山に一気に植林が行なわれた。現在森林の4割は人工的に植えられたいわゆる人工林が占める。そのうち約半分が杉である。大々的に人工林が造られる以前は天然杉が利用されて来た。日本の各地にはその中でも特に良質な杉として知られるものがある。東北では秋田県の秋田杉、山形県の金山杉、岩手県の気仙杉などが知られ、他では静岡県の天竜杉、京都府の北山杉、奈良県の吉野杉、高知県の魚梁瀬杉、大分県の日田杉、熊本県の市房杉、鹿児島県の屋久杉などが有名だ。現在、屋久島の縄文杉が樹齢7000年と言われ、最古の杉だと言われているが、岩手県の大船渡市三陸町起喜来にも三陸大王杉と呼ばれているやはり樹齢7000年とされる杉がある。東北ではこの他にも青森県の樹齢1000年の関の甕杉、山形県鶴岡市の樹齢1500年の山五十川の玉杉などの古木がある。杉は殺菌作用もあり、酒造りで酒を腐敗から防ぐことでも利用されて来ており、酒屋では杉玉が下げられ、醸造の時期を知らした。また、魔除けとしても人々の間で使われて来た。しかし、近年では杉は花粉症をもたらすものとしてあまり歓迎されていない。国民の2人に1人は花粉症だと言われるほどになっている。この杉花粉の大部分は人工林が原因だ。天然林では足りなくなって、戦中から植えられて来た人工林が手入れもされずそのまま育った結果が花粉症を引き起こした。杉に問題があると言うよりは人に問題があったのだ。しかも、杉の葉のエキスは花粉症を抑える働きまである。中国では古くからそうした鼻炎症状に使われて来た。大々的に全国で杉の植林が行なわれて来たが、木材価格が低迷し、人手をかけても割が合わなくなり、手入れがされない植林された杉が急増した。この杉と花粉症の関係はまるで現代の自然と人との関係を象徴しているように見える。人が自らの都合で自然に手を加えたことが、人に被害をもたらしている。ペットして飼われた動物や魚が、飼い主の都合で捨てられて、川や池などの自然を大きく変えてしまったことも同じだ。自然が豊かな東北にはまだまだ人と自然の共生が生きている。それを人はこれからも残して行って欲しいものだ。
白鳥親子

アベノミックスの真実

2014-02-22 19:15:16 | 経済
今朝は-7度まで下がった、寒い朝となった。釜石へ来てからの冬ではこの冬が最も気温の低い日が多く、雪も最も多い。どこに温暖化があるのか不思議に思えて来る。比較的雲の多い晴れた日になった。午前中日が射す庭の雪の上を山鳩が何かを啄みながら歩いていた。雪と言っても、積もった雪は気温が低いせいで、氷になってしまっている。歩くと日中は表面が融けているので滑りやすく、歩きづらい。その後、先日やって来たツグミもまた姿を現したが、今日はすぐに飛び去って行った。立春が過ぎているので真っ暗だった午後の5時もかなり明るくなって来た。それだけでも気分が違って来る。 アベノミックスの三本の矢とは、大胆な金融緩和、機動的な財政出動、民間投資を喚起する成長戦略だ。前二者が中心であり、成長戦略ではめぼしい政策は見られない。円安もアベノミックス以前から見られており、強いて言えばせいぜい一時的な株高をもたらしたに過ぎないのがアベノミックスだ。株高も単なる期待感がもたらした一時的なものである。実体経済の本格的な回復はまったく見られていない。公共投資により巨額な国の借金が積み増された。世界の経済構造が大きく変化しているにもかかわらず、旧態依然とした政策しか打ち出さず、まるで打ち出の小鎚を打ち出したかのようにメディアがはやし立てたが、底が知れているために、失速状態になって来ている。従来の自動車や家電製品から脱して新たな産業を興さなければならない大きな転換点に至っていることが認識されず、ただただ、旧来の輸出産業と言われて来た産業を保護するために円安を一層加速させて、輸出産業だけに収益をもたらしたが、それらの産業も輸出量が増えて収益が上がったのではなく、円安による収益でしかない。もはやそれらの産業は世界的に見れば日本の優位性は失われてしまったのだ。輸出産業のみを保護し、収益を上げさせた円安は、燃料費の高騰を招き、生活を直撃し始めている。本来、その国の通貨は高く評価されることはその国の経済にとって、むしろ良いことである。それをあえて低く評価させる円安を加速させたのだ。目先の保護産業のための政策しかやっていないのだ。国全体の経済にとって円安は不利益しかもたらさない。貿易赤字の増大もその一端を示している。平成23年から厚生労働省の出す『国民生活基礎調査』では「相対的貧困率」の表現が消されてしまった。その前年まで増え続けていた相対的貧困率をあえて伏せてしまった。実際には国民の平均所得の半分しか収入がない相対的貧困者は増え続けており、特に子供の貧困は深刻になって来ている。経済協力開発機構OECDも何年か前にそれを指摘している。失業率が多少回復しても、その中身は単に正規雇用が減って非正規雇用が増加しているに過ぎない。国民の所得が増加して初めて景気が回復したと言えるのだ。しかし、現実はむしろ逆であり、国民の所得はますます減少している。19日、米紙ウォール・ストリート・ジャーナルは安倍首相の側近である本田悦朗内閣官房参与が同紙のインタビューでアベノミクスの目的について「より強力な軍隊を持って中国に対峙(たいじ)できるようにするためだ」と述べたと報じた。これに対して、翌日、20日、本田参与は「あまりにもバランスを欠いた記事だ」と電話で抗議している。菅義偉内閣官房長官も同紙を発行するダウ・ジョーンズ社から、内容を修正する用意があるとの回答があったと説明している。しかし、21日の時事通信は同紙が「記事の内容は正確だと確信している」と主張した上で、「修正をする用意があると申し出た事実もない」と菅長官の発言を否定していると伝えている。これまでも安倍首相が送り込んだNHK会長や二人の経営委員を含む安倍首相と同じく軍事力の増強と拡大、同じ歴史認識に立つ人々が「失言」と言う形で本音を洩して来た。米紙ウォール・ストリート・ジャーナルのような欧米紙は日本のメディアと異なり、報道に厳密さがあり、圧力で簡単には屈することはない。事実をしっかり掴んでいるからだ。特に米国は訴訟社会と言われる。訴訟にも耐えるいわば証拠をしっかり持っているからこそ、それに基づいた報道が可能となっている。日本のメディアのようなただ検証もなく政官から直接得た情報をそのまま伝えるものとは異質なのだ。アベノミックスは表の顔とは異なり、裏では本田参与が述べた本音が潜んでいるのだ。「防衛費(軍事費)」の増大が行なわれれば、また、保護産業さえ利益を上げられれば、その役割は果たせているのだ。ちなみに、防衛庁を防衛省に昇格させたのも第一次安倍内閣である。軍国日本は着実に出来上がりつつある。
雪に氷着したモミジの枯葉



山鳩 (キジバト)

2014-02-21 19:16:33 | 自然
今朝は-2度で、最高気温も2度までしか上がらなかった。朝、出勤後に職場の裏山を見ると、今日も1羽のゴイサギが休んでいた。しかし、その後、午前中にはいなくなってしまった。代わりに、薮椿の枝に山鳩が止まっていた。昼休みにはまた甲子川へ出かけ、白鳥たちに餌をやった。6羽の親子が他の白鳥たちを寄せ付けないように、他の白鳥を追いかけて、羽根に噛み付く行動が激しくなって来ている。今日は逃げる成鳥の1羽が悲鳴を上げて逃げていた。生死のかかった食料の獲得では必死にならざるを得ないのかも知れない。 ハトは平和のシンボルでもあるが、日本には13種のハトが棲息すると言われる。世界では290種のハトがいる。普段目にするハトは以前伝書鳩として家庭でよく飼われていたハトだ。これはドバトとも言われているが、正式名はカワラバトで、1500年前に渡来したものと言われる。人にあまり警戒心を持たないため、家で飼われることが多かった。本来は名前の通り、川など岸辺に巣を作るハトだ。カワラバトについで見かけることがあるのが、キジバトで、通称は山鳩と言われる。古来から日本の山の中で棲息して来たハトで、食用とされて来たために、人に対しては非常に警戒心が強い。山中に棲息していたキジバトだが、1960年代に都市部での狩猟が禁じられるようになったため、次第に山裾から市街地へもやって来るようになった。愛知県の岡崎市に住んでいた頃、ネットの情報で、隣の安城市の公園にアオバトが来ていることを知り、初めてアオバトを見ることが出来た。アオバトとは言うが、黄緑の色をしたハトだ。実際に見たハトとしてはこの3種類だ。職場の裏には小高い山があり、そこには鹿や熊、様々の野鳥がやって来る。そこではカワラバトよりもやはりキジバトを見かけることの方が多い。7世紀の時代を詠んだ万葉集ではヒヨドリやオナガ、スズメなどとともに特定した名では登場しない。しかし、8世紀に書かれた古事記ではキジバトが登場している。木梨軽皇子が同母妹の軽大娘皇女(かるの おおいらつめ)を恋したため、廃太子され伊予国へ流される。この時に詠んだ、「天飛(あまだ)む 軽(かる)の嬢子(おとめ) いた泣かば 人知りぬべし 波佐(はさ)の山の 鳩の 下泣(したな)きに泣く 」波佐の山の鳩のように忍び泣くの意で、山の鳩が出ている。現代でも西条八十が作詞した舟木一夫の『絶唱』で「愛おしい 山鳩は 山こえて どこの空 名さえはかない 淡雪の娘よ なぜ死んだ ああ 小雪」と山鳩が歌われている。山鳩はその声にどこか物悲しさを感じさせるところがある。多くは聴く人の心によるのだろうが。古語ではカワラバトは「いへばと(鴿)」と呼ばれ、キジバトの「やまばと(鳩)」とは区別されていたようだ。キジバトの名は色合いが雉の雌に似ているところから呼ばれるようになったと言う。北海道ではキジバトは夏鳥であり、アイヌの人たちはクスイエプと呼んでいるが、トイタチカプ(畑を耕す鳥)とも呼ばれると言う。この鳥が鳴き始めると春なので畑を作ってもいい、とされた。本州のいくつかの地方でもキジバト、山鳩は食用とされる伝統があったようだ。鳩胸と言う言葉あるように、キジバトの胸肉は高級料理としても供された。現在も法的にはカワラバトは狩猟禁止となっているが、キジバトはその対象ではない。カワラバトは伝書鳩として飼われている場合があると言うことで、狩猟対象からは外されていると言う。日本に古来から棲息し続けて来た山鳩がかっては貴重な食用の対象であった。その頃は実際に名の通り、山の中でしか見られなかった。長い日本列島の歴史の中で変わることない種として生き延びて来た鳩だ。
キジバト(山鳩)

軍国主義に変貌する日本

2014-02-20 19:17:42 | 社会
今朝は-7度まで下がった。遠野では-12度だったようだ。日中は4度まで上がって、晴れてはいたが比較的雲の多い日となった。朝、出勤後に職場の裏山にゴイサギが1羽いたが、午前中のうちに飛び去ってしまった。昼休みに、甲子川の雪の残る河川敷まで行ってみると、白鳥の数がさらに増えていた。全部で13羽いた。まだ白くない子白鳥が4羽に成鳥の白い白鳥が9羽になっていた。4羽の成鳥が増えていた。餌となるパンを投げ与えると、かなり近くまで寄って来る。6羽の親子が近くを陣取り、周りから寄って来る後からやって来た白鳥たちの羽根を咬んで追い払おうとする。特に、子白鳥たちは執拗に追い立てていた。 現在の政権は日本をとても危険な状態に持ち込んでいる。そう言う危機意識があまりにも欠如していることに危惧を覚える。特に、そこでメディアの果たす役割は重要なのだが、そのメディアにこそ危機意識が見られない。これまでもメディアが社会の監視役を果たしていなかったが、現在のメディアの状況は最悪とさえ言える。安倍首相は2006年から2007年にかけての第一次安倍内閣の時から一貫して戦前への回帰を目指して来た。そして、それを達成するために強硬な姿勢をとり続けている。基本的に太平洋戦争の日本の侵略を否定する歴史認識に立っており、国家のための人材養成を教育の支柱とするように変更し、軍備を拡大し、武器輸出を緩和することで軍需産業を一層育成しようとしており、特定秘密保護法により、軍事活動に関係した情報が開示されないように下地を作り、韓国、中国との緊張をあえて煽っている。憲法改正をしなければ、集団的自衛権の行使は出来ないとする、1983年以来の政府見解を容易に覆し、憲法の解釈変更により集団的自衛権の行使は可能とし、今月12日の衆議院予算委員会では「最高の責任者は私だ」と強弁して、最高責任者は憲法解釈を自由に変えられるとの意を表明した。さらには、3日の同委員会でも立憲主義について「王権が絶対権力を持っていた時代の主流的考えだ」として、あたかも時代遅れの考えでもあるかのように言い切っている。首相の認識では議会制民主主義はすでに存在していない。こうした一連の首相の動きと認識をほとんどメディアは危機的に捉えておらず、国民もそれ故に十分な情報を与えられていない。まさに状況は太平洋戦争当時に回帰している。同盟国として見て来た米国でさえ、「失望」を表した。英国のフィナンシャルタイムスFTや国営放送BBCはいち早く、この日本の危険性を報じている。先月、22日から25日までスイスのダボスで開催された世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)で首相が基調講演を行なった際に、現在の日中関係を第1次大戦前の英独関係に擬えて、日中の軍事衝突の可能性を否定しなかったことをFTは伝えている。アジア近隣諸国だけでなく、欧米までもが現在の日本の状況を危険視しているにもかかわらず、メディアはそれすらも国民に伝えようとはしない。2015年には国連の安全保障理事会の理事国選挙があり、首相は理事国に選ばれるための活動をすでに行なっている。発展途上国を直接訪れ、ODAなどによる海外援助で金をばらまき、票獲得の下地を作った。2016年の7月に衆参両院の選挙があり、その前に中国と武力衝突を引き起こす可能性が高いと見る人もいる。中国は2010年に国内総生産GDPで日本を追い越した。それがわずか3年後の2013年には日本の2倍となった。現在より3年も経てば、3倍にはなる。時期が遅くなるほど日本と中国の国力の差は大きくなって行く。それを見据えて、安倍政権は任期中の2年後に衝突を考えている可能性があるとされる。日本向け中国時事の通信社Record Chinaは先月25日、マカオ国際軍事学会の黄東会長(ホアン・ドン)の分析した日本と中国の軍事力比較記事を載せた。軍用機と戦艦の数の比較では中国が日本を上回るが、「指揮官や兵士の能力では、米軍と長期の軍事演習を経験した日本軍がはるかに上だ」と述べている。「対潜水艦戦においても日本の実力は米国に匹敵する。空軍による支援も加わり、中国に勝ち目はない」と分析し、「中国海軍が追い付くには少なくとも10年かかる」とし、航空戦についても「現時点では日本が勝利するだろう」と指摘しており、「中国が優位性を持つのは、戦略ミサイル部隊・第二砲兵部隊だ」と述べている。すなわち、軍事力で日本が勝てるのは今のうちだということになる。恐らく、首相も防衛省からこのあたりの情報を得た上で、今のうちであれば軍事衝突で勝利出来る確信をもっていると思われる。米国紙クリスチャン・サイエンス・モニターThe Christian Science Monitorは昨年12月11日、「数だけ見ると、日本の職業軍人数は中国の10分の1、戦闘機の数は5分の1、艦船の総トン数は半分でしかない。 」が、「訓練の質と技術力」では「日本は中国をはるかに上回っている。」として、「アジア最大の軍事国家は、中国ではなく、日本である」と報じている。米国の外交学会が先ごろ発表した報告でも、中国の軍事科学技術と実力は米国に20年以上後れを取っていると言う。時が経てば、それが逆転する可能性があるからこそ、首相は在任中に日本の「強さ」を示そうとしている。これを何人かの評者は首相の「危険な遊び」と称しているが、「日本を取り戻す」どころか日本を崩壊に導いてしまうだろう。
つぶらな目の子白鳥














超望遠レンズ

2014-02-19 19:19:55 | 文化
今朝は-5度まで下がった。晴れたせいで放射冷却を生じたのだろう。主要道路も路面は雪がなくなったが、道路脇には除かれた雪が積まれていて、まだ融けないで残っている。脇道では轍状に路面が見えている。家々の庭にはまだまだ雪が積もったままだ。我が家の庭も屋根から落ちて来た雪が積もったところでは腰の高さまでになっている。庭の雪が消えるにはまだ長くかかりそうだ。大人たちは降雪に悩まされているが、登下校の子供たちは楽しそうに積もった雪で遊んでいる。子供は身近なもので遊ぶ才をいつの時代も身に付けている。 冬が去って行くと東北では次々に花が咲いて行く。しかし、冬は咲く花も限られ、葉の落ちた木々にやって来る小鳥たちが目に付く。自然と冬の写真は鳥たちを撮ることが多くなる。しかし、白鳥のような大きな鳥であれば撮りやすいが、小鳥となると、比較的近くに偶然やって来てくれた時に、カメラを持っている状態でなければ撮るのが難しい。カメラのレンズはmm数が多くなるほど望遠が効くようになっている。通常の風景は24~70mmのズームレンズを使って撮っている。白鳥や小鳥たちは実質600mmほどの望遠レンズを使って撮る。それでも実際は距離があるために十分な大きさで撮ることが難しいことが多い。特に小鳥は小さいので、たとえその望遠レンズがあっても写真として良く見える大きさで撮るのは厳しいことがある。小鳥に近づいて撮ろうとすると警戒して、すぐに逃げられてしまう。毎日同じ場所にやって来る小鳥であっても来る時間は違って来る。よほどその場所に時間をかけているようにしなければ、狙った鳥を撮ることは出来ない。寒い中で何時間か小鳥を待つのも大変だ。現在のように気温が日中でも下がっているとよほど防寒具を身に付けていないと寒さに耐えられない。そのため、ほとんどは偶然近くにやって来た小鳥を撮ることになってしまう。しかし、それも、少しでも見やすく小鳥を大きく撮ろうとすると、もっと望遠の効くレンズが欲しくなってしまう。CANONには受注生産となる1200mmレンズがあるが、レンズの重量が16.5Kgもあって、価格も600万もしてしまう。NIKONにもやはり16Kgの重さになる1200-1700mmものズーム超望遠レンズがある。価格もCANONとほぼ同様で、やはり受注生産だ。仮にこれらのレンズの資金が調達できたにしても、とても持ち運びの簡単に出来るようなものではない。持ち出すことを考えるだけで、気持ちが萎えてしまうだろう。ところが一昨年あたりから各社がコンパクトな超望遠デジタルカメラを出すようになった。風景も撮ることが出来るように、24mm前後から倍率が50倍、60倍と言う1200mmまでの望遠をカバーするズームレンズカメラだ。それでいて価格は120分の1の価格ですむ。しかもレンズとカメラ本体の全重量がわずか0.6Kgにも満たない。持ち運びに苦労させられることはない。この3月発売予定のものを入れて、4社がこうしたカメラを出している。ただ、問題は画質だ。いくら望遠が可能であっても画質が悪ければ意味がない。現代のデジタルカメラの時代では、レンズとカメラ内部にある画像処理エンジンと呼ばれるコンピュータチップに画質は左右される。高価な1200mmレンズは当然それなりの高画質で撮影することができるので、これらのコンパクトな超望遠カメラも少しずつは画質を向上させてはいる。しかし、高額なレンズとはやはり比較にならない。歳とともに体力も落ちて来るので、それを考えると持ち運びの便利なコンパクトな超望遠デジタルカメラを選択することも最近は考えている。画質の劣化が許容範囲であるかどうかだ。ネットの口コミなどを参考に今はいろいろ調べている。それぞれ実際に使うとなると一長一短がありそうで、とても簡単には決められそうにもない。来月末には新機種が予定されているが、その頃になると、小鳥たちを撮る期間も限られてしまう。最終的には現実的な判断が必要になるのだろう。
鉢植えの福寿草 マクロレンズと呼ばれる近接撮影用レンズを使用