釜石の日々

岩手県釜石市に移り住んで16年8ヶ月が過ぎ、三陸沿岸部の自然の豊かさに感動する毎日。

日本の軍事力強化

2014-02-24 19:13:45 | 社会
今朝も-7度まで下がり、放射冷却で天気はよくなった。雲が少ない良く晴れた日で、釜石ブルーが広がった。昼休みには気温も7度まで上がり、もう日射しは春の日射しになっている。雪解けの水があちこちで流れていた。しかし、まだ職場周辺で見られる花は山茶花と薮椿くらいしかない。甲子川では相変わらず白鳥やその他の水鳥たちが群れていた。朝にはいた裏山のゴイサギも午前中のうちに飛び去っていた。ヒヨドリやシジュウカラなどのカラ類の声が聞こえて来た。八幡神社へ行ってみると、階段下にはまだ雪が積もったままだ。日陰になるので融けるのも遅いのだろう。 昨年4月15日、スウェーデンのシンクタンク、ストックホルム国際平和研究所(Stockholm International Peace Research Institute、SIPRI)は2012年の世界の軍事費の調査結果を発表した。2012年の世界全体の軍事支出は、前年比で1998年以降初めて減少に転じたが、それは西側諸国の予算削減が主な要因だった。中国やロシアなどでは2012年の軍事費は増加している。軍事費では世界のトップを行く米国は前年より6%減少し、その結果、世界全体の軍事支出に米国が占める割合はソ連崩壊以降初めて40%を切った。もっとも、米国は前年比6%減とは言っても、6820億ドル(約67兆円)が支出されている。2位は中国で1660億ドル(約16兆円)、3位はロシア907億ドル(約8.9兆円) 、日本は第5位で、4位の英国とほぼ同額の600億ドル(5.9兆円)となっている。日本とほぼ同額の英国は、しかし、米国同様軍事費の削減に取り組んでおり、2013年度はさらに低下するだろう。一方の日本は逆に増加する方向に進んでいる。日本の自衛隊員は約27万人が1960年代からほとんど変わっていなかった。しかし、安倍政権は隊員の増員と軍事費の増額を行なおうとしている。各国のGDP比で見ると、米国は4.4%、中国2.0%、ロシアは4.4%、日本は1.0%だ。これまでアジア諸国に対する配慮から日本は1%枠を設定して、中曽根内閣でその枠が撤廃されてもなお1%枠を維持していた。しかし、安倍首相は本年4月からの予算を2013年度比2.8%増となる4兆8,848億円に大幅に増額している。過去20年近くで最大の伸びとなる。F35戦闘機4機を683億円で購入し、護衛艦1隻を729億円で建造、また、P1哨戒機3機を594億円で、SH60K哨戒ヘリコプター4機を242億円で購入、潜水艦(2900トン)1隻を517億円で建造などを含む。尖閣島諸島などの東シナ海での奪われた島を奪還する想定で、米海兵隊に似た水陸機動団の創設し、テスト用水陸両用車2台を購入する費用17億円、水陸機動団訓練費用15億円なども計上されている。この他、無人偵察機と垂直離着陸輸送機(オスプレイ)の調査費として3億円も含まれている。2012年度で日本はすでに中国に次ぐアジアでは第2位の軍事費を支出しており、さらにそれを増加させようとしている。新防衛大綱・新中期防では5年間に24 兆 6,700 億円を予定している。昨年12月23日には南スーダンで国連平和維持活動(PKO)に従事している韓国軍に弾薬1万発を提供することが決められ、戦後初めて日本は外国軍に武器を提供することに踏み切っている。日本にはすでに数多くの軍需産業も成長しており、三菱重工業、川崎重工業、三菱電機、日本電気、石川島播磨重工業、東芝、小松製作所、富士重工業、富士通などが防衛省に装備を納入している。武器輸出三原則の緩和も行なわれようとしており、これらの企業からの与党への政治資金も増えて行くだろう。世界で「平和憲法」を持つのは日本と中米のコスタリカの二国しかないが、コスタリカはさらにまったく軍隊を持っていない。どこの国も建前は自国軍隊は自国の防衛のためにあるとする。世界で戦後も戦闘を繰り返して来た米国でさえ軍隊を統括する機関に「国防省」の名を付している。歴史を見れば、軍事力を強化したり、開戦に踏み切るきっかけは対立の増強をつくり出すことでもたらされている。今、まさに安倍首相はその手法をとっている。近隣国との緊張を緩和する外交ではなく、あえて緊張を高める策をとって軍事力を強化している。その先に見えて来るものは・・・・。
軒の雪解け