釜石の日々

岩手県釜石市に移り住んで16年8ヶ月が過ぎ、三陸沿岸部の自然の豊かさに感動する毎日。

韓国の歴史ドラマ

2014-02-25 19:21:46 | 文化
今朝は昨日ほどではなかったが、それでも-3度であった。日中は6、7度まで上がって、周囲の雪も少しずつ融けていた。職場の裏山には今日はゴイサギの姿がなかった。この裏山には鹿や熊、リス、その他の野鳥がやって来る。それほど山の自然が市街地と隣接している。西から東の太平洋に注ぎ込む甲子川を挟んで南北に山が迫る釜石はとても狭いが、海がすぐそばにある関係か、あまり閉塞感はない。むしろ、海も山も川も自然が溢れていて、市街地にいながらそれらを楽しめるすばらしい街だと思う。その素晴らしさを地元の人たちが気付いていないことがむしろ残念だ。 以前から特に冬場は、休日には中国や韓国の歴史ドラマを見ることが多くなった。すべてレンタルのDVDで見るのだが、かっての韓流ブームとかで、韓国の作品が多く出ているので、韓国の歴史ドラマが多くなっている。その大部分は朝鮮半島の三国時代が舞台となっている。中国漢の武帝によって紀元前108年に古朝鮮が滅亡した後の朝鮮半島では、紀元前1世紀、日本の弥生時代に新羅、高句麗、百済の国々が次々に建国されて行く。これら三国は7世紀半ばに新羅と中国唐の連合軍によって、まず百済が、次いで高句麗が滅亡させられる。百済は660年に、高句麗は668年にそれぞれ滅亡した。同じ新羅と唐の連合軍により日本の倭国も663年に朝鮮半島西岸の白村江(はくすきのえ)の戦いで敗れ、倭国は衰退して行く。676年には新羅が唐を半島から退け、三国を統一する。朝鮮半島南端にあった百済は倭国との関係が深く、九州とも近い。倭国は北部九州を中心とした九州王朝の国であり、白村江の戦いで敗れた後、君主は唐に連れ去られ、弱体化し、近畿王朝に取って代わられる。百済と新羅を扱ったドラマでは百済の王子が聖徳太子との繋がりで倭国を訪れたりしている。こうしたドラマのロケで使われた朝鮮半島の風景はとても日本の風景に酷似する。まるで日本で撮影しているかのような錯覚すら覚えることがある。何故これほど朝鮮半島の自然風景が日本と似ているのか、不思議であった。と同時に、日本列島の形成過程を考えた。日本列島は糸魚川静岡構造線によって二つに分かれていたが、いずれも大陸から遊離したものであり、現在のロシアの沿海州から朝鮮半島にかけての地域と、もともと結合していた。もっとも日本列島はそれだけではなく太平洋の海底部分がプレートの動きのため日本列島にかなり付加されて形成されている。地質的には従って日本列島は大陸ほど単純ではない。しかし、植生的には大陸と結合していた時代の影響が大半を占めているはずであり、朝鮮半島の植生と日本列島の植生が酷似していてもおかしくはない。日本には約5,500種の植物が、朝鮮半島には4000種前後の植物が分布すると言われ、朝鮮半島の植物の9割以上は日本など周辺地域と共通だと言う。ちなみに、現在日本で消費される松茸の9割以上が輸入品だが、松茸のDNA分析ではやはり韓国産の松茸が日本の松茸に最も近く、輸入ものでは最も高価である。次いで、中国の東北地方である黒龍省、吉林省のものがDNA的に近く、中国南部の四川省、雲南省のものはむしろ西のブータンの松茸とDNA的に一致している。日本列島の大陸側には火山地帯が並ぶが、同様に大陸の沿海州から朝鮮半島にかけても火山が並んでいる。朝鮮半島の白頭山は渤海王国を滅ぼしたと言われるほどの、世界的にも過去2000年間で類を見ないと言われる巨大な噴火を起こしている。植生の影響も当然あるが渓谷の風景などもとても日本に似ている。同じアジアでも中国の歴史ドラマで見られる自然風景とはまったく異なる。やはり、中国の自然風景はかなり日本とは異なっている。日本の歴史では7世紀以前を知る史書が古事記や日本書紀が中心となる。しかし、それらは近畿王朝が作為的に著したいわゆる一種の偽書であり、7世紀以前を知ることは難しい。そのため7世紀以前の日本の文化がどうしても遅れた形で捉えられがちだ。むろん、あくまでドラマであるからかなり差し引いて見なければならないが、それでも7世紀以前の韓国の歴史ドラマを通じて、わずかでも日本の文化程度を推察することは出来るのではないか、と考えながらドラマを見ている。7世紀以前の九州王朝の史書や九州王朝をの事蹟を書いたものなどは8世紀に近畿王朝によって抹殺されてしまった。そのため、文字の伝来や仏教の伝来などの史実が定かでないところが残された。日本の弥生時代の韓国や中国のドラマでは文字が使われている。偽造説もあるが、紀元58年の「漢委奴国王」と書かれた九州志賀島の金印はすでにこの時代に日本でも文字が伝わっていたことをうかがわせる。弥生時代や古墳時代の服装なども実際はもっと違っていたのではないかと思われたりする。
マガモの羽ばたき