釜石の日々

岩手県釜石市に移り住んで16年8ヶ月が過ぎ、三陸沿岸部の自然の豊かさに感動する毎日。

東京都知事選挙

2014-02-10 19:17:13 | 社会
昨日の雪は関東・甲信越、東北と広い範囲に大雪をもたらしていた。東京は観測史上3番目の雪だったようだ。今朝の通勤は2倍の時間がかかってしまった。どこも20~30Kmのノロノロ運転で渋滞気味になっていた。釜石はほとんど冬場も雪が積もらないので、除雪体制が遠野ほど整っていないので、いざ雪が積もると大変になる。今朝は気温も-9度まで下がり、この冬の最低気温になった。昨日は雪かきで腰を痛めて疲れたが、除雪をしておいてよかった。今朝車を動かすにも、それでも苦労させられた。わずか10mを動くのにも前後に何度も動かしてやっとその距離を移動出来た。日中は7度くらいまで上がったので、寒くはなく、路上も融けた雪でずいぶん濡れていた。夕方暗くなって家路につくと、朝より酷い渋滞で3倍の時間がかかった。路面も酷い状態だったからだ。 東京都の知事選挙は与党の支持を受けた舛添要一氏が選ばれた。景気の先行きが今ひとつ不透明なため、不安を感じて、政府と繋がりのある同氏を選択したのかも知れない。都民も国民も生活に不安を抱えている。原発も重要だが目先の生活がより重要との視点で投票されたのだろう。大雪とソチオリンピックが重なったせいか、投票率は前回選挙を16.45%も下回り、46.15%で、3番目の低さになった。毎日新聞が実施した出口調査では、「少子高齢化・福祉」を挙げた人が全体の3割以上を占めており、「原発・エネルギー問題」は約2割だった。福祉では親の介護に専念した舛添氏が注目されたのかも知れない。どうしても選挙の投票は中高年層が多くなるので、生活に密着した問題に関心が集まるのだろう。有権者の関心が次に集まったのが「景気と雇用」なので、やはり地方からより条件のいい職を求めて、東京へやって来た人たちも含めて、与党の支持を受けた同氏が有利であったのだろう。舛添氏は当選後、「原発依存体質を少しずつ減らすのは重要だが、国との調整も必要」と述べている。原発に関しては即時停止との考えではない。東京は今後急速に高齢化が進んで行く。都民はそれを十分意識しているようだ。それも福祉の充実を訴えた同氏に有利となっているようだ。今回の東京都の知事選挙に限らず、日本では選挙では多くが急激な変化を望まない。日本人の体質なのかも知れない。実際は仮にどんな候補者が当選しても極端な変化は起こりえないのだが。政府であれ、自治体であれ、規模が大きいほど官僚、役人の主導権が強いからだ。国や自治体を動かしているのは首長であるよりも役人であることが実体だろう。従って、その役人たちが好む政策を進める政治家は政策を実行し得るが、役人が好まない政策を進めようとすると多くの障害に出くわすことになる。役人の抵抗は様々な形で現れる。すべての情報は役人が握っており、政治家は交替しても役人は替わらない。日本は役人天国であり、それ故に役人への道の王道が東京大学法学部となっている。そこを目指して、小学校から熾烈な競争が展開されている。国民はその実体を無意識に心得ている。誰が首相になろうと、知事になろうと、大きな変化は起き得ないのだ。明治維新は天皇を掲げたが、実体は官僚制の完璧な構築にあり、それが現在まで引き継がれて来ている。表面は戦後の民主主義の体制をとってはいるものの、中身は決して変わっていない。そして、日本の数々の欠点と言われるものも、その官僚制に起因するものが多い。良く挙げられる島国日本の閉鎖性も役人の閉鎖性に起因している。情報公開は役人の都合次第だ。先に成立した特定秘密保護法も実際の運営は役人に任される形になる。役人に不都合な情報はすべて秘密とされるだろう。国家にしろ自治体にしろ役人の強みはすべての情報を握っていることにある。これまでも不都合な情報は秘匿されて来た。特定秘密保護法はそれを公然と認める形になった。一層、役人の情報独占を強めるものだ。国会すら太刀打ち出来なくなった。民主主義はいわば情報公開と同義である。情報が公開されなければ、民主主義など達成出来るものではない。アベノミックスが政策として実行出来たのも官僚に有利になるからである。中身の実効は官僚が行なう。天下り先が有利になるように国費が注ぎ込まれて行く。いくら批判が続いても天下りは絶えない。国と同じことが東京都でも行なわれている。東京オリンピックでは都の役人が実権を握る。やはり天下り先に有利に財源が注ぎ込まれて行くだろう。
雪の積もる甲子川周辺

釜石ブルーと職場の裏山

午後に3階にある職場の駐車場のそばの裏山に現れた鹿たち