釜石の日々

岩手県釜石市に移り住んで16年8ヶ月が過ぎ、三陸沿岸部の自然の豊かさに感動する毎日。

「Debt Bomb(債務爆弾)」

2019-04-25 19:16:40 | 経済
昨夜から今朝にかけて小雨が降った。しばらく晴天が続いたので、昨夕に庭の山野草たちに水遣りをした後だった。午前中には小雨は止んだ。職場の裏山で、久しぶりにリスが跳ねているのを見かけた。初めて気が付いたが、裏山の1本の木の皮が剥がれている。恐らく鹿が食べたのだろう。絵の才能がないため、せめて写真で、自然の美しさを表現したいと思い、デジタルカメラの出始めの頃に写真を始めた。釜石へ来て以来、東北の花々をネットで調べて、多くの場所へ写真を撮りに出かけた。地元の人が情報を寄せてくれることもある。今では、地元の人以上に、多くのことを知ることが出来た。それでも、まだやはり知らない場所の花木がある。今朝も、そうした場所の一つを教えてもらった。この週末が楽しみだ。 今月2日、米国ワシントンの国際金融協会Institute of International Finance(IIF)は、2018年の世界の総債務を発表している。それによると、世界の総債務は243兆ドルを超えた。世界の国内総生産(GDP)の300%になる。2002年には200%であって、2015年には225%とであった。2016年10月の世界の総債務は152兆ドルである。この時点でも、すでにIMF(国際通貨基金)は警告を発していた。米国では現在の世界の総債務の状況を「Debt Bomb(債務爆弾)」と表現する人もいる。金融危機は世の中からマネーを消失させる。マネーが世の中に流れなければ経済は頓挫する。そこで、中央銀行がマネーを印刷して、市中銀行の貸し出しと言う形で、世の中にマネーを流す。2008年のリーマン・ショックの後、消失したマネーを補うために中国を含めた主要国の中央銀行は「非伝統的」・「異次元」と称する大量のマネーを印刷し、市中銀行を通じて貸し出した。これが現在の債務バブルとなった。超低金利の貸し出しのため、その債務は体力の弱い企業や投資家にまで至っている。ゾンビ企業の増加の所以である。歴史や現在でも経済小国などでは、通常は中央銀行が大量に通貨を発行すると、猛烈なインフレに見舞われる。現在のベネゼエラやトルコなどのように。1971年に通貨の裏付けとなっていたゴールドを放棄して以来、裏付けのない通貨は、本来であれば、大量に印刷すれば、一様にその通貨の価値を失う。しかし、経済大国である主要国が揃って、通貨を大量発行しても、ベネゼエラやトルコなどのように猛烈なインフレにはなっていない。国際的に見れば、ゴールドの裏付けを放棄して以来、通貨の信用は、その国の経済規模に依存するようになった。しかも、主要国は揃って、大量に通貨発行を行なった。まさに「赤信号、みんなで渡れば怖くない」である。本来ならば、大量に通貨発行を行えば、その通貨は価値を下げ、輸入物価の高騰になり、急激なインフレになる。しかし、主要国がともに通貨を大量発行しても、ともに通貨の実質価値が下がっていても、相対的には同じ価値を維持出来るために、為替は維持されているだけであり、実質的な通貨の価値の低下はいずれ表出して来るだろう。ゴールドの高騰と言う形で。中央銀行が通貨を大量に発行すると言うことは、その分だけ、世の中では借金、債務が増えると言うことだ。金融危機で世の中のマネーが失われたため、中央銀行が大量にマネーを発行したのはいいが、そのマネーはあくまでも借金という形でしか、世の中には流れない。借金と言う債務が政府と民間に積み上がれば、経済効率が悪くなるのは当然だ。主要国の経済成長率が低下しているのも避けられないことだ。競争力のない企業が生き残り、資源が無駄なところに配分されてしまう。富裕な個人や大企業は、超低金利を利用して、株式・債券や不動産などの金融資産を買い込み、それらをバブル化させている。債務で膨らんだ経済は、債務が巨大になればなるほど、一旦、金融危機が到来すれば、失われるマネー量は巨額になり、その影響は凄まじくなる。「債務爆弾」と言われる所以だ。昨年9月に、米国株式市場は史上最高値を達成した。恐らくそれが2008年以後の「景気拡大」のピークであり、現在はすでに景気後退に向かっている。景気後退は実際の景気後退始まりの後になってから、認識される。そして、その景気後退のどこかで、金融危機が到来する。
紅白の桃の花

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