釜石の日々

岩手県釜石市に移り住んで16年8ヶ月が過ぎ、三陸沿岸部の自然の豊かさに感動する毎日。

荒神と荒覇吐(あらはばき)神の由来

2010-09-04 12:51:39 | 歴史
九州ではかって黒潮に乗ってマッコウクジラがやってきた。古代、鯨は「イサナ」と呼ばれた。その「イサナ」は古代では人々の重要な栄養源であり、神として崇められた。それが「イサナ」ギであり、「イサナ」ミである。同様に、九州近海で獲れるクエ(ハタ科の魚)を九州地方では「アラ」ー大きな物は2m近くになるーと呼んでおり、それが神格化されて「アラ」神となった。従って「荒神」は九州で生まれ、縄文時代に九州から他地域へ広がり、天孫降臨ー弥生前期末ーにより追われた安日彦・長髄彦兄弟が津軽に渡って、それまで彼らが祀っていた「荒神」にさらに尊称を付けて荒覇吐神とした。広いという意味の「ハ」を重ねた言語(南方型)に、柵・城の「キ」をつけてアラハバキと称した。要は「アラ」の神である。また『日本書紀』で日本武尊(ヤマトタケル)が「吾は、現人神(アラヒトガミ)の子なり。」と言う時の、「現人神(アラヒトガミ)」も「アラヒト」が「アラ」と「ヒ」は太陽の日、「ト」は入り口・戸口の意味の「ト」から成ったもので「荒日戸」神が本来の意味である。縄文の「荒神」から弥生の天族により「荒日戸」神と変化させられたのかも知れない。

向日葵(ひまわり) 太陽の形をしているとして日輪草とも言われるそうだ