釜石の日々

岩手県釜石市に移り住んで16年8ヶ月が過ぎ、三陸沿岸部の自然の豊かさに感動する毎日。

秋刀魚も円も高い

2010-09-03 13:43:44 | 経済
職場の匠の方の話だとこの異常気象のため三陸の海が暖かく、そのため秋刀魚が南下してこないので例年になく、秋刀魚の値段が高くなっているそうだ。言われてみれば昨年は今の時期は毎日のように釜石のうまい秋刀魚を食べていた。値段は見ていないが、釜石の郵便局でも秋刀魚の全国宅配をやっていたが、きっと高い値段になっているのだろう。2008年のリーマンショック以来1ドル=100円以下のいわゆる円高が持続して、現在85円を切って来ている。日本は産業構造を輸出主体に築いて来たため、円高はもろに輸出産業に大きな痛手となる。外国から物を買う、つまり、輸入するには円高は有り難いが、物を外国に売るには円高は売値を高くし、競争に不利となる。輸出が主体の自動車産業中心の大企業は当然円高になれば国に円安方向へ政策をとるよう要望する。日銀は為替市場で円を売ってドルを買うことで円の価値を下げようとする。このため為替市場で買い込んだドルが貯まって来る。ドルをそのままにしておけば金利は付かないから、その貯まったドルで米国債を購入することになる。中国やインドは今や国民が金を購入できるよう政策を変更している。米国債を避けて金にシフトしようとしている。米国の思うように従ってくれる大国は日本だけである。その日本も自国の景気が回復していない状況ではあえて米国債を多く購入しようとはしない。とすれば、円高に誘導するしか、米国にとって手はない。先月FRB(連邦準備銀行)は米国債の購入による量的緩和を決定した。自国通貨を印刷し、印刷したドルで自国国債を購入する。ドルも国債もますます価値を下げて行こうとしている。日本は根本的に産業構造を内需中心に変えて行かなければいつまで経ってももっと自立的な経済運営をやって行けないだろう。

泡立草(あわだちそう) 原産地は米国で、戦後急速に全国に広がった