今日は、瀬尾まいこさんの『幸福な食卓』という本をご紹介します
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“大きなものをなくしても、まだあった、大切なもの”
とっても切なくて、ちょっとおかしくて、あったまる。
心にふわりと響く長編小説。
「父さんは今日で父さんをやめようと思う」
この本は、主人公・佐和子のお父さんのこの衝撃的な一言で始まります。
佐和子の中学から高校時代にかけての、4編の連作による構成。
佐和子の“少しヘン”な家族(父さんをやめた父さん、家出中なのに料理を持ち寄りにくる母さん、元天才児の兄(直ちゃん))、
そして佐和子のボーイフレンド(大浦くん)、兄のガールフレンド(ヨシコ)を中心に、
あたたかくて懐かしくてちょっと笑える、それなのに泣けてくる、
“優しすぎる”ストーリーが繰り広げられていきます。
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佐和子が失ったものに胸をしめつけられ、佐和子が得ていたものに感動して、
心がゆさぶられました
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人生は素晴らしいことばかりではない。けれど、悲しいことばかりでもない。
出会いが人生を変えることがあります、別れが人生を変えることもあります。
自らが選ぶ別れもあれば、自分ではどうしようもないまま引き裂かれる別れもある。
なかなか自分の思い通りにいかない人生だけれど、だからこそ誰かからもらう幸せが特別に思えるのでしょう。
人間の心の闇と光、脆さと強さ、残酷さと優しさ、すべてがここに共にありました。
私は今、自分が持っているものは闇と脆さと残酷さばかりのような気がしているけれど、
そんなことはないのかもしれない・・・ちょっと隅っこに置いてあるだけだったらいいなぁ
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少しだけ、そう思いたくなりました。
佐和子と一緒に私も、泣いたり笑ったりしながら読みましたよ
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「家族は作るのは大変だけど、その分、めったになくならないからさ。
あんたが努力しなくたって、そう簡単に切れたりしないじゃん。
だから、安心して甘えたらいいと思う。
だけど、大事だってことは知っておかないとやばいって思う」
「全然違うってわかってるんだよ。でも、他に方法がわからないんだ。
あんたがどうしたらいいかわかんないように、
私はもっとどうしたらあんたが元気になってくれるのかわかんないから……」
私は大きなものをなくしてしまったけど、完全に全てを失ったわけじゃない。
私の周りにはまだ大切なものがいくつかあって、ちゃんとつながっていくものがある。