重松清さんの『その日のまえに』を読みました
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“その日”というのは、命の灯火が消える日のことです。
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僕たちは「その日」に向かって生きてきた――。
昨日までの暮らしが、明日からも続くはずだった。
それを不意に断ち切る、愛するひとの死。
消えゆく命を前にして、いったい何ができるのだろうか……。
死にゆく妻を静かに見送る父と子らを中心に、それぞれのなかにある生と死。
生と死と、幸せの意味を見つめる連作短編集。
これらの短編が、表題作『その日のまえに』に少しずつ繋がり、ひとつの物語となっています。
『ひこうき雲』
小学生の子供を持つ父親が、思い出の場所に立ち寄り、亡くなった小学時代の同級生のことを回想するお話。
『朝日のあたる家』
夫を病気で亡くした高校教師が、思わぬ形で昔の教え子と再会するお話。
『潮騒』
余命を宣告された男性が、幼少時代を過ごした街へ行き、同級生と再会するお話。
『ヒア・カムズ・ザ・サン』
母ひとり子ひとりの家族。その母親が癌であることを息子が知るまでのお話。
『その日のまえに』
夫と息子2人と幸せに暮らしていた妻が病気を告知され、余命を宣告された。
新婚当時に住んでいた町(スタートライン)に向かった夫婦が、これまでのことを振り返り、
ここからまた新たなスタートを切ろうとするお話。
『その日』
『その日のまえに』の妻が、亡くなってしまう日のお話。
『その日のあとで』
『その日』から3ヶ月が経った、残された夫と息子たちのお話。
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亡くなった妻が生前、亡くなって3ヶ月経ってから夫に届けてもらうように頼んでいた手紙の中身
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そこに書かれていたのは、たった一言、
“忘れてもいいよ”でした。
私だったら・・・そう考えずにはいられません
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もしも自分が、まだずっと先まで続くと思っていた人生に終わりを突きつけられたら。
その時に、残していきたくない家族、ちいさい子供がいたら。
私は彼らに、「忘れてもいいんばい」と言えるかなぁ・・・。
もしかしたら、たぶん、その反対で、「私のこと忘れんでね」なんて泣いてしまいそうです
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忘れるわけはないのに、それでも。
自分の人生がいつどうやって終わりを迎えるのか、ほとんどの人はわからない。
だからこそ、間違いなく与えられている“今”を大切に過ごさなくてはいけないんだなぁと思いました
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後で悔やまなくていいように、大切な人やものを当たり前に大切にしなくてはいけないんだなぁ・・・。
色々なことを考えさせられる、心に訴えかけられる一冊でした
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母ちゃんがいて、俺がいれば、世界中どこでも「わが家」になるのかもしれない。
――たとえそこが、病室であっても。