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南方単車亭日乗

奄美大島にIターンした中年単車乗りが、てげてげに綴ります。
はじめての方は、最初に《ごあいさつ》をお読みください。

大島海峡東岸紀行 九

2006年07月21日 00時22分28秒 | 南方単車旅案内
大島海峡東岸紀行 八よりつづく。

蘇刈(そかる)集落から嘉鉄(かてつorかてぃち)集落へは、小ぶりな峠をひとつ越えていく。
最高地点の標高は、70mほどだろうか。
エンジン付きの乗り物にとっては苦にもならぬ峠だが、人力移動では〔ちょっと一汗〕くらいにはなるだろう。
眺めは、蘇刈→嘉鉄方向がよい。
峠の頂上に伊須(いす)集落への分岐があり、奄美市の住用・名瀬方面への近道となる。



その上り坂の山側斜面を覆ったコンクリートの隙間に花を咲かせているのはタイワンヤマツツジか。



坂を下りきって嘉鉄へ。
県道の南側が集落の主たる部分だが、北側の農地のほうを少し回ってみよう。
瀬戸内町の営農支援センターと、それに付随する施設が目立つ。
緑が広がっているのは、畑が放置されているのではなく牧草を栽培しているようだ。
奄美地方では、近年、肉牛の繁殖が盛んになってきた。
奄美地域で生まれた仔牛が、三重県などに送られて肥育され、松坂牛などのブランド牛になるのだ。
沖縄では既に、〔沖縄産牛肉〕として販促活動を始める動きがあるのだという。



とくに湿り気があるとは思えないところで、チュウサギは虫でも獲っているのか。
バイクの上からカメラを突き出しても反応しなかったが、降りた途端に飛び去ってしまった。



集落に中を抜けて浜に出てみる。
日曜日、初夏の昼過ぎ、誰もいない。



微風の中、かすかにぶらんこが揺れている。
次の清水(せいすい)集落に向かう前に、しばし浜風に吹かれる。

つづく


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大島海峡東岸紀行 八

2006年07月18日 00時16分22秒 | 南方単車旅案内
大島海峡東岸紀行 七よりつづく。

蘇刈(そかる)集落の海岸沿いの小路を散策している。
潮騒、虫の音、初夏の太陽。





突然、陽光と木影を縫うように、ひらひらと舞い飛ぶ姿。



マダラガの仲間か、それともメイガの一種か。
7/30:こちらにて質問してみたところ、キオビエダシャクと判明しました。


バッタもいる。



まったく別な個体なのにほぼ同じ角度で葉に留まっているのはどういうわけか。
じつはもう一匹いたのだが、これも同じポーズをとっていた。
スズメが何羽も集まって鳴き騒いでいたり、蘇刈はまだまだオレを楽しませてくれそうなのだが、先を急ぐことにしよう。
次は、嘉鉄(かてつ)集落だ。

つづく


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大島海峡東岸紀行 七

2006年07月17日 00時37分19秒 | 南方単車旅案内
大島海峡東岸紀行 六よりつづく。

ヤドリ浜からつづく細い道がセンターラインのある県道に替わるところで左へ、蘇刈(そかる)集落の中へと入る。
少なくとも3ナンバー車は通行不能と思える細い道が蘇刈集落の中央を横切るメインストリートだ。
可能な限り速度を落とし、排気音をころして集落の中を進む。



だいたい集落の真ん中とおぼしきあたりで海へと向かう路地にバイクを停め、海沿いの小路を歩いてみる。



南国の初夏の、強い日差しが造る深い影。
虫の音が一瞬止まって不思議な静けさ。





草花の写真を撮ったら、帰宅して手許の図鑑で調べ、それで判らないモノは知人の観光ガイドにメールで質問する。
そろそろ判明したかと電話をしてみると
「あのさぁ、いくらなんでもポインセチアくらい判るでしょ
「ぽ…なんだって?
「ポインセチアだよ、ほらクリスマスの
「…カ、カタカナはよせ…

つづく


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大島海峡東岸紀行 六

2006年07月16日 01時48分06秒 | 南方単車旅案内
大島海峡東岸紀行 伍よりつづく。

ホノホシ海岸を後にして、とりあえずは一番近い集落、蘇刈(そかる)へ向う。
鏡のように静かな湾を大きく回って進んでいく。



季節は初夏、アダンが色づきはじめた。



木立を透かし見れば、蘇鉄の雄花がみょうに自己主張をしている。



蘇刈集落に着く手前、華やかな一叢に気付く。



濃緑の葉にピンクの花が美しい。
ところがこの花、帰ってから調べたのだが、まったく判らない。



朱に交われば、ということか、隣のハイビスカスもピンク色に染まっている。

つづく


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大島海峡東岸紀行 伍

2006年07月14日 00時28分35秒 | 南方単車旅案内
大島海峡東岸紀行 四よりつづく。

ホノホシ海岸の波打ち際まで降りてみる。
浜は大小の丸石で埋め尽くされ、波が寄せては返すたびにガラガラと音をたてる。



ホノホシ海岸の語源のひとつに、
「太平洋側から大島海峡へ(またはその反対)陸上を運んで船を移動させる場所」という意味の
"舟越し(ふぬくぅし)"から転訛したという説がある。
大和村を往く 弐拾弐にて紹介した宇検村の船越(ふのしorふぬぅし)海岸も、同じ転訛らしい。
たしかに、太平洋と大島海峡を行き来するには、その出入り口となる皆津崎を回り込まねばならないので、距離も長くなれば危険も増大する。
しかし、この海岸で上陸できるかぁ? というのがシロートの正直な感想。



波の浸食が創り出した不思議な岩塊の数々。
下の空間は、人間がしゃがんで入れる高さで、干潮時には亭(あずまや)がわりになる。



風がないこの日はゆっくり海岸を散策したが、風が強い日は全身に波しぶきを浴びることになる。



海岸からバイクを停めた駐車場に戻る途中、小高いところに展望台らしき物を発見。
近づいてみたが、生い茂ったアダンに階段が覆われ、登ってみることはできなかった。

つづく


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大島海峡東岸紀行 四

2006年07月13日 00時50分21秒 | 南方単車旅案内
大島海峡東岸紀行 参よりつづく。

ホノホシ海岸は、奄美大島の観光ガイドブックに必ず掲載される有名な観光地である。
通常、「観光地は意図的にスルー」を心掛けている南方単車旅案内でも、ここは避けて通る訳にはいかない。



海岸と駐車場の間には、広々とした空間。
お弁当を用意して、ピクニックというのも悪くないだろう。
ペットを連れてきて運動させる人もいる。





海岸の風景は、荒々しい。
海中からそそり立つ奇岩、波濤に叩かれ、すっかり角の磨り減った大小の石。



岩肌を駆け下る清冽な水流。
石の間に沁みとおり、海へと溶けこんでゆく。

つづく


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大島海峡東岸紀行 参

2006年07月12日 00時35分19秒 | 南方単車旅案内
大島海峡東岸紀行 弐よりつづく。

初夏のある日、ヤドリ浜を起点にして、大島海峡の東岸を北上する途についた。
10歳近くになるSUZUKI DR-250Rを走らせること300m、左手に小さな桟橋を見つけ、走り出した途端に寄り道することになった。



入り江の上をチュウサギが飛んでいるのが肉眼ではわかっても、カメラが切り取った画像では白い点に過ぎない。



どうせ停まったのだからと、桟橋のたもとから海岸沿いを歩いてみる。
澄んだ鳴き声に足を止め、声の主を探すと、リュウキュウメジロのつがいが互いに呼び交わしている。



5月の加計呂麻につづき、こちらでも見つけた小さな黄色の花、ハママンネングサ



壊れた桟橋の支柱だけが海中に続く。
なお、この入り江はシュノーケリングなどで潜れば、小さな魚が無数に泳いでいる。



ヒメクマヤナギ? だとしたら食べられる。
と知っていれば食べたかも。
浜辺に無数にいるカニやヤドカリを相手にゆっくり遊びたいところだが、今日中に回りたいところはまだまだたくさんある。
次なる目的地は、500mほど離れたホノホシ海岸である。

つづく


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大島海峡東岸紀行 弐

2006年07月11日 02時04分08秒 | 南方単車旅案内
大島海峡東岸紀行 壱よりつづく。

浜辺をひととおり散策したら、ヤドリ浜キャンプ場を歩いてみよう。
一面に芝の張られたこのキャンプ場は、地元自治体が管理し、日中は委託を受けた管理人が管理棟に詰めている。
炊事場、休憩所、トイレ、シャワー(冷水)が利用でき、島内の学校が〔体験キャンプ〕などの行事を行わない限り満員になることはない。
リゾートホテル『マリンステイション奄美』、トレーラーハウス民宿『海音フィールド蘇鉄』、レストラン『いそしぎ』が隣接するこのキャンプ場は、
その気になれば1日3食のすべてを外食で済ませることができる。
『海音フィールド蘇鉄』、『いそしぎ』が建てられたあたりは、10年程前までは小さな沼地であった。



現在でも沼地の痕跡はいくらか残り、春から秋にかけては蛙や虫が歌い騒ぐ。
梅雨の真っ只中、晴れ間を見つけて訪れた時は、半ば溢れた排水溝は、ボタンウキクサ(ウォーターレタス)に覆い隠されていた。



浜辺に向かう途中に咲いていたオガサワラハマユウ



花弁にはハナムグリが群がっていた。





どちらもカメムシの仲間、それもツノカメムシの一種であることは間違いないが、どうにも判らなかった。
次回より、ヤドリ浜を後にして大島海峡の東岸を北へと進むことにする。

つづく


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大島海峡東岸紀行 壱

2006年07月10日 00時14分31秒 | 南方単車旅案内
本日より《南方単車旅案内》は、かなり長期の予定で「大島海峡東岸紀行」と題してお送りします。
今回、取り上げるエリアは奄美大島本島と加計呂麻島の間に横たわる大島海峡の東側、大島郡瀬戸内町の蘇刈(そかる)集落から西古見(にしこみ)集落までの区間です。
その区間距離は、およそ40km。いくらか寄り道するので60kmをすこし越えるほどでしょうか。
1日3kmと呼ばれる《旅案内》の速度からすれば20日間の行程になるはずですが、今回は、さらに速度を落とし、約50日掛けてのんびり行く予定です。

それでは、短く長い旅に出かけることにしましょう。



今回の起点は、ヤドリ浜キャンプ場。
奄美大島最南端の集落である大島郡瀬戸内町蘇刈(そかる)集落からおよそ3km弱、大島海峡に面したヤドリ浜海水浴場に隣接する美しいキャンプ場である。



奄美大島には、キャンプ旅のライダーが利用できるキャンプ場は2ヶ所ある。
奄美市名瀬の大浜海浜公園に隣接する小浜キャンプ場と、このヤドリ浜キャンプ場である。
この他に大和村の奄美フォレストポリス内にもキャンプ場はあるが、こちらはオートキャンプ専用と考えていい。
また、〔キャンプ場〕以外にも野営可能な場所(水道とトイレ設備がある)は、全島で数箇所ある。



ヤドリ浜海水浴場は、波静かな大島海峡に面し、さらにサンゴ礁によって幾重にも守られた穏やかなビーチである。
波打ち際は白い砂が広がるが、すこし離れれば岩礁の間に色とりどりの熱帯魚やヒトデ、イソギンチャクなどが見られる、自然の海である。
また、浜から見て左右にそれぞれある岩場は良い釣り場であるらしい。





季節は6月。浜の近くにはゲットウが咲き誇る。

つづく


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初夏の加計呂麻を行く 弐拾伍(完結編)

2006年06月16日 02時32分28秒 | 南方単車旅案内
初夏の加計呂麻を行く 弐拾四よりつづく。

5月16日から「だいたい30回くらいの予定」ではじめた《初夏の加計呂麻》ですが、
途中でペースアップした効果もあって、今回が最後です。
今回のシリーズで紹介できなかった個所に関しては、いずれ「真夏の加計呂麻」、「秋の加計呂麻」とでも題して紹介する予定です。
と、前置きはここまで。

於斉(おさい)からは、野営地である実久(さねく)に帰ることとする。
日はすでに大きく西に傾き、加計呂麻(かけろま)島の北東海岸を走る県道に出れば、
太陽は山の向こうに沈んでしまっている。



於斉を後にした時点では、そのまま実久へと戻るつもりだったのだが、三浦(みうら)へ至ったところで知之浦(ちのうら)へ向かってみることにした。
瀬相(せそう)から俵(ひょう)を経由して北へと向かう県道は、三浦の手前で短い下り坂になる。
坂を下りきったところで県道は西へと屈曲し、そこから東へと分岐する町道が知之浦へと向かう。
分岐した町道はいったん未舗装路となるが、これはおそらく、コンクリート舗装からタールマック(アスファルト)舗装へと張り替えるための工事の途中なのだろう。
真珠養殖の筏が浮かぶ深い入り江を右手に見ながら進む。
大きなカーブが緩い上り坂になったと思ったら、深い緑の入り江が、今度は左手に現れ、知之浦集落に辿り着いた。



知之浦のイメージを一言で表すなら、『隔絶』である。
とはいえ、ここにも人の日々の営みは息づいている。
桟橋には小さな漁船が並び、集落の中心部たる『みゃー』には土俵と、堅牢な鳥居。
隣接する公民館の壁にかけられた黒板には、先日の集落会の議題が記されている。



『鎮守』と額の掛けられた鳥居をくぐって、杜(もり)へと入ってみることにした。

広い参道は、鳥居の付近だけ。
とはいえ、坂道には登り易く段差が付けられ、丈夫な手摺が安心感を与えてくれる。



参道が行き着いたのは、松の根元の小さな祠。
おそらく、あの松の向こうには木の間隠れに知之浦の入り江が見えるのだろう。
この杜は、おそらく魚付き森であり、村の鎮守とは生活の糧を与えてくれる海なのだ。



松(これは、リュウキュウマツ)という植物は、厳しい土壌にも根を広く強く張り、逞しく枝を広げることでよく知られている。
しかし、幹と根の区別すらつかないこの状態にまで生育しているのは、さすがに珍しいのではないだろうか。

以上で、「初夏の加計呂麻を行く」を終わる。
目を閉じて思い浮かべれば、阿多地の老人のシマ唄が、エンジンを止めてヘルメットを取るたびに耳にしたアカショウビンの鳴き声が聴こえる。

この項、おわり

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初夏の加計呂麻を行く 弐拾四

2006年06月15日 01時21分10秒 | 南方単車旅案内
初夏の加計呂麻を行く 弐拾参よりつづく。

通常、ここで紹介する地名は、住居表示の「大字(おおあざ)」である。
前回で取り上げた佐知克(さちゆき)は、大字としては於斉(おさい)に含まれる。
ちなみに《初夏の加計呂麻を行く 拾九》、《弐拾》で取り上げた安脚場(あんきゃば)は、大字度連(どれん)に含まれる。



勢理(せり or しり)もまた、住居表示では大字於斉に属する集落である。
「防波堤」にも「テトラポット」にも縁のない、自然な海岸が美しい。
ここもまた、時間を作って遊びたい場所である。
半日の走行としては充分だろうと決め、海岸をぱぱっと撮影した後は、
浜を掘り返したり岩をひっくり返したりして遊んだ。



そうして、於斉に辿り着いた。
加計呂麻でも比較的人口が多い集落なので、細部もよく整備されている。
なお、ここも《寅さんシリーズ》最終作のロケ地となった。



県道の分岐表示には、たんに「於斉」としたものは少ない。
たいてい「於斉のガジュマル」と表記される。
諸鈍のデイゴ並木と並んで、大きな観光資源なのだ。

つづく

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初夏の加計呂麻を行く 弐拾参

2006年06月14日 01時46分55秒 | 南方単車旅案内
初夏の加計呂麻を行く 弐拾弐よりつづく。

加計呂麻島の西岸の集落を、徳浜(とくはま)から順に北上している。
秋徳(あきとく)から佐知克(さちゆき)へは、山越えのルートを選んだ。



集落同士の交通は、それほど多くはない。
ことに佐知克は、山越えルートとは反対の於斉(おさい)方面が主要な交通路になるためか、路面はけっこう荒れている。
この画像では、ホンモノよりもきれいに見えるが…。



奄美大島・加計呂麻島の他のすべての集落と同様、佐知克も入り江に面した集落である。
伊子茂(いこも)湾と呼ばれる、大きく外海に口をあけた湾の、入り口に当たる部分の入り江だ。
なお、伊子茂湾の南方5kmには、海上防波堤のようなかたちで請(うけ)島が浮かぶ。



佐知克は、西田製糖工場である。
5月は製糖工場の操業時季は終わっているので、むかーし撮った写真である。



糖分を搾り取られたキビ。
土に還るのか、乾燥して燃料に使われるのか。

つづく

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初夏の加計呂麻を行く 弐拾弐

2006年06月13日 01時50分01秒 | 南方単車旅案内
初夏の加計呂麻を行く 弐拾壱よりつづく。

野見山(のみやま)から秋徳(あきとく)へは、さほど高さのない坂道を上って大きなカーブを回り込めば、あとはだいたい真っ直ぐ下るだけである。
大きく入り組んだ海岸線と標高は低いが、起伏に富んだ地形を持つ加計呂麻(かけろま)島では、比較的近くにある集落同士だといえるだろう。
ところで今回、秋徳集落は、いったん通過する。



集落の南の端には小川が流れ、そこに架かる橋を渡れば、海沿いのダートコースである。
路面は、ほぼフラットで、低回転の扱いに優れたバイクならば、オンロード車でも通行可能だ。



こちらのアダンは、すでに色づいている。



ダートを進むこと1kmほど、静かな入り江に面した無人の浜に出る。
じゅうぶんな準備をして、数人のグループでのんびり過ごすにはいい浜ではないだろうか。
浜は諸鈍(しょどん)湾と呼ばれる大きな湾の口の部分に緩やかな入り江を成しており、陸地から見る限りは透明度が高いように見える。

この浜を通過すると、佐知克(さちゆき)に至る未舗装の《林道神の子線》に入るのだが、今回はパスする。
この林道は、佐知克までの真ん中あたりに位置する採石場のための道路である。
採石場じたいが現時点で運用されているかどうかは判らないが、路面の荒れ方は酷く、「通過した」という達成感以上のものを得られないルートだ。



秋徳集落に戻り、山越えで佐知克を目指す。
集落の北部、諸鈍側の端を折れて、秋徳小学校(休校中?)の横を通っていくのだが、
その小学校の向かい側に神社がある…ように見える。
”見捨てられた神社”というよりは、過疎化と高齢化、なにより植物の成長速度が速い亜熱帯の気候というのが正解だろう。
別な季節にここを通ったことは何度もあるが、鳥居の下には細いがちゃんとした道があることを保証する。



これは、亜熱帯植物の旺盛な成長を表す一例。
鳥居の前に立ち、少し左に目を転じれば、この緑の塊が見られる。
ツタに埋もれたこの木の形、種類を言い当てられる人は、どれほどいるだろうか。

つづく

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初夏の加計呂麻を行く 弐拾壱

2006年06月12日 00時43分40秒 | 南方単車旅案内
初夏の加計呂麻を行く 弐拾よりつづく。

徳浜(とくはま)より、諸鈍(しょどん)を素通りして山道を辿る。
野見山(のみやま)を経由して秋徳(あきとく)へと向かう道だ。



鬱蒼とした木々に囲まれた山道を登りつめると、突然、視界が開ける。
手前に見える入り江が野見山、そのむこうが秋徳である。



野見山は、深い入り江を抱く集落である。



下り坂の途中に見つけた島バナナの木。
実は、もちろん取り尽くされている。



野見山の入り江は深く、波も静かである。
時間を作ってのんびりしたい集落のひとつである。

つづく

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初夏の加計呂麻を行く 弐拾

2006年06月10日 00時59分55秒 | 南方単車旅案内
初夏の加計呂麻を行く 拾九よりつづく。

加計呂麻(かけろま)島の南東端の集落である安脚場(あんきゃば)が磯遊びの適地であることを確認した後は、低い峠を越えて徳浜へと向かう。

ところで、この「徳浜」という地名は、大和村にもある。>大和村の徳浜は、こちら
奄美群島内での知名度は、雄大な奇観で大和村の徳浜がリードするようだが、全国的な知名度では、《寅さんシリーズ》最終作のロケ地となったことで加計呂麻の徳浜に軍配があがるようだ。



写真には写っていないが、徳浜ロケに関して説明を記したプレートが設置されている。



コンクリート製の鳥居には、龍神宮の額が掛かる。
取り立てて由緒はなさそうだが歴史はありそうな神社である。
漁業の安全と大漁を祈願して建立されたと思しき神社で、シロート考えだが、現在は集落の真ん中に鎮座しているが、徳浜の別な場所から遷されてきたのではないか。
鳥居も、小さな祠も頑丈一点張りに造られている。
太平洋の風と波をもろに受けるこの集落では、ちゃちな作りでは長持ちしないのだ。



フタホシテントウムシを撮ったつもりだったが、なんだかよく判らない写真になってしまった。



龍神宮の脇には、ガジュマルの古木がそびえ立つ。
徳浜からは、諸鈍(しょどん)を経由して秋徳(あきとく)に向かう。

つづく

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