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南方単車亭日乗

奄美大島にIターンした中年単車乗りが、てげてげに綴ります。
はじめての方は、最初に《ごあいさつ》をお読みください。

2月の嘉徳川

2010年02月24日 01時32分09秒 | リュウキュウアユの塩焼きで一杯やりたい
見てますか、ヴァンクーヴァー・オリンピック。
始まるまでは「あー、やるのね」とか思ってた程度のオレですが、始まったらやっぱり見ちゃいますね。
長野、トリノに続いて今回もミーハーにカーリングに嵌ってます。
ちょっとこれについては考えることもあるんで、オリンピックが終わる頃に御託を並べようと思いますが、今回は例によって砂と水の写真だけ並べるオハナシです。



撮影は2月20日午後2時40分頃。
干潮時刻まであと30分少々です。
旧暦では7日ですから、中潮か小潮ですね。
いささか細くは見えますが、河口は開いています。



汀まで50m。
水深は浅く、流れは強く。
満潮時には海水がたっぷり入ってくるようです。



河口に向かって少し歩くと、川底の岩の上に黒くオタマジャクシみたいに見えるのはナガノゴリ
さらに歩いたところに、居ました。
水面のすぐ下に、直径50cmほどの群れになって、流れと戯れるほぼ透明な、シラスウオみたいな小魚。
見た瞬間にコンデジで撮影できるモノじゃない、と諦めましたが、肉眼でははっきり見えました。
リュウキュウアユの稚魚です。



汀の砂の堆積にぶつかった川は、大きく蛇行して海へと向かいます。
この冬も(天気は良くないわりに)少雨の奄美ですが、11月に降った雨のおかげで川の流量は確保されているようです。
これで今月もひと安心。



帰路は住用経由で。
林道上にはあちこちにクロウサギの糞が落ちています。
市(いち)集落のはずれで桜を発見。



あぁ、今年はヒカンザクラの写真を撮らなかったな、と。

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告別 ディック・フランシス

2010年02月17日 01時45分03秒 | 本日の名セリフ
「続いている間は、すばらしい日々でした」私が軽い口調でいった。「何事も、それでいいのです」
「お互いに、すばらしい喜びを味わったな。たとえようもない楽しさを何度も」

ディック・フランシス 「利腕」



現地時間2月14日、カリブ海の英領ケイマン諸島にある自宅で、作家のディック・フランシス氏が亡くなりました。
89歳でした。
フランシス氏の略歴、作品リストに関しては、Wikipediaの記事をご覧ください。
短編集『出走』に収められた13作と41の長編作品(未出版の作品が1つあるという嬉しい噂がBBCのサイトにあるとか!)の全てが何らかの形で馬と競馬に関連した内容の一人称で書かれ、いずれも質の高いミステリー作品です。

オレが、この作家の作品を最初に読んでから20年ほど経つでしょうか。
すでに20作以上が文庫化されていましたから、次から次へと読み進めていったことを思い出します。
実を言うと生まれてこの方、競馬場へ行ったこともなければ馬券を買ったこともありませんが、それでもこの作家の作品を読むのに不自由を感じたことはありません。
主たる訳者の菊池 光さんの名訳もあるのでしょうが、やはり原作の質の高さに拠るところが大きいのだとも思います。
実際の競馬の描写は「次のレースに出走し、勝った」「はるか彼方に引き離されて2着」などと簡潔にして明瞭。
ごく稀にスタートからゴールまで綿密な描写がありますが、作品の中において必要な位置に必要なだけの分量で描かれていますし、乗馬の経験のないオレにも臨場感を味わわせてくれます。
いっぽう、競馬厩舎の日常などは、淡々としていながら手に取るように判りやすく描写されています。

2000年に、共著者といってもよさそうな妻のメアリさんが亡くなり、一度は断筆宣言も出たこともあります。
なので2006年の『再起』以降は、ある種「貰えなかったはずの贈り物を戴いている」ような気持ちでおりましたので、今回の訃報も「来るべきものが来た」と落ち着いて受け止めているつもりです。

とはいえ、フランシス氏に関しては折に触れ、何度も読み返した作品ばかりですから、簡単に纏めようとするほど「あのことも、このことも」記したくなります。

雨の休日だとか、予定が流れてしまった日だとか、電車で長い距離を移動するとか、半日以上なにもすることがない日に、書店や図書館で見掛けたら読んでみてください。
お酒が好きな人なら『証拠』がいいでしょう。
カメラ(フィルム)が好きな人なら『反射』がいいでしょう。
飛行機(プロペラ)が好きな人なら『混戦』『烈風』がいいでしょう。
電車に乗るときは『横断』がいいでしょう。
映画が好きなら『煙幕』『告解』がいいでしょう。
絵が好きなら『追込』『不屈』がいいでしょう。

オレは文庫でしか読まないので、まだ3作(4作?)が残されています(『祝宴』をまだ買ってない)。
次の土曜日には、家にあるどれかひとつかふたつを選んで楽しむことにします。
フランシスさん、ありがとう。

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フツーの海・番外編 加計呂麻伐採問題を考える

2010年02月07日 19時57分00秒 | 奄美のフツーの海
あいかわらずテキトーにやってます。
たくさん溜まってんのは自覚してますが、先日、仕事上の問題のひとつが片付いた(解決したんじゃなくて、オレの手から比較的悪くない形で離れつつある)んで、小さな開放感を満喫してたんですが。
満喫って、要は釣りに行ってたんですがね。
そんな安穏な日々の中に、今じゃとっくに皆さまご存知の、タイトルにもあります『加計呂麻山林伐採問題』がよっこらしょとお出ましになった、と。
最初に、『徒然なる奄美:加計呂麻島、激震!!木材チップ工場建設へ!島の半分がハゲ山に!!』で知ったんですが、ちょいと信じられませんでしたね。
加計呂麻といえば、これまで通算100日ほどもお世話になってる、オレにとっても特別な土地です。
あわててリュウキュウアユの件で世話になってる瀬戸内町役場の隠密に電話してみました。



オレ 新聞に出てる加計呂麻の伐採って、どんなになってるワケ?
隠密 3、4年前から「やりたいやりたい」って言っててヨ、最初は本島側で計画してたみたいだったのが、いきなり加計呂麻でやるって計画書出してヨ、ビックリしとるのヨ、役場も。
オレ 計画書出すまで、役場に対して具体的なことはなかった、と。
隠密 担当がいちばんビックリしとるんじゃない? 金曜日に出してヨ、エライ人が土日に休んどる間に進めようチいうんじゃないかい。
オレ 役場と会社が裏でコソコソやってるんじゃないかって疑う人もいるかもヨ。
隠密 えー それはないない。
オレ 他の申請なんかも全然ないワケ?
隠密 ないねー。役場でも新聞見てビックリしてるもん。
オレ 既成事実だけ作って、ナシ崩しに進めるつもりかね。
隠密 そんな感じよね。
オレ なんか、通るモンも通らなくなりそうな感じ。

(電話中にメモ取ってたわけじゃないんで、一部に不正確な表記が混じってます)



さて、伐採を計画してる木材チップとはなんでしょう?
答えは簡単、紙の原料です。
それを木を切ることで作って、製紙会社に売る、というのが木材チップ製造業ですね。
儲かるんでしょうか?
てことでこれこれ
グラフを見る限り、見事なまでの横這い、つーかジリ貧ですな。
ついでにここを読むと、製紙業界も不況のあおりを受けて減産中で、入荷を制限してる状態が続いてるそうです。
そんなんで、新しく工場ひとつ作って、操業して行けんのかよ、と。



読み進むほどに不安になる話ばかりなんですけど、まだ続きます。
昭和30年代から50年代に掛けての話だそうですが、奄美の山林は、いちどハゲ山になってます。
オレも昔、「山の中に巨木と呼べる木がないのはなんでかいな?」と疑問に思って、周りの人に聞いてみたことがあります。
なかには変わった人もいて、「そういうことは話題にすべきじゃない」とか言われたこともあるんですけどね。
こいつアホだと思って相手にしませんでしたが。
呑み屋の大将なんかが教えてくれたんですけど、「後がタイヘンだったね」と。
高度経済成長時代の話です。
伐採を計画してる会社によれば、「30年以上経っているから伐ってもいい。むしろ山林更新のためには伐るべきだ」そうなんですが。



目論見どおりに儲かれば、植林の費用も出るんでしょうが、木なんて伐るより植える方が手間も費用も掛かるのは子供でも判る理屈です。



じっさい、加計呂麻に行った人、住んでる人は皆さまご存知でしょうが、加計呂麻の樹木は、ほとんどが広葉樹です。
縦に伸びるよりも横に拡がる成長の方が早い樹ばかりです。
だから。
伐採したら、枝を切り取らないとトラックには載せられない。
1本伐った時にできる空間が、針葉樹(杉、檜など)に較べて大きくなりこそすれ小さくなることはない。
つまり、例えば100t分の原木を伐ってできる空地は針葉樹に較べて大きくなるし、出来た空地は原木処理のために暫らくにしても放置されることになるでしょう。



現在、奄美・加計呂麻島なんでもありBLOGさんが、1月29日に行われた住民説明会の模様をテープ起こししてくれてまして、それを読みつつ記述してるんですが、シロートのオレの目でも支離滅裂な話に終始してますね。
会社の、質問に答える役の人も、いったいドコまで判ってるんだろう?



例えば、チップ工場を作ろうとしてる会社の副社長さんのインタビュー記事がここにあるんですけど、最後に近い方で、
「中国からパルプを日本に運んでる」とおっしゃってます。
あ、木材チップてのは、そのまま紙になるんじゃなくて、いちどパルプになるんです。
それを中国から輸入してるんです。
オレからすると、ここで中国が出てくるのががイチバン怖い。



木材チップを国内の会社に売り込むんだったら、不買運動的なキャンペーンを立ち上げれば、今、どんな会社でもイチバン怖いのが消費者運動と環境問題ですから、チップ買取を阻止できるんですね。



でも、中国の会社にそんなことしたって通じるわけがない。
『帝国主義的なんとかかんとか』て言い出すか無視するか。



統計的な資料がないんですが、中国は、紙の消費量が爆発的に増えてるハズなんです。
もちろん、日本も増えてるし、世界的にも増えてます。
今のところ、日本は、原木チップの輸出国にはなってませんが、先ほどご覧いただいた輸入チップと国産チップの価格差を見れば、いつ輸出国になっても不思議がない。



東アジア、つまり日本・韓国・北朝鮮・中国・台湾の中で、人口あたりの森林面積がいちばん小さいのがたぶん中国です。
ここ30年ほどで必死に増やしてるのがよく判る資料(PDF)があるんですけど、台湾まで含めてるのがご愛嬌。
台湾の分を取っ払うと、森林面積は日本の4倍経です。
国土の面積は日本の26倍あるんですけど。



樹木の半数近くが伐採するにはまだ早い樹齢のようですし(資料自体が古いんで、そこらへんは考慮する必要アリですね)、防風林・防砂林といった《伐れない》森林がどんだけあるかも判らないんですが、いつ紙不足に陥っても不思議ない感じです。



「話が逸れてる」て思う人も居るかもしれませんが、目先のコトだけで完結してちゃダメなのよね。



さて、噂によれば名瀬でも反対の署名運動をはじめた人がいるそうなので、明日にでも行ってみようかな。



なんとか短くまとめたかったけど、やっぱし長くなったなー。
はぁ。
お疲れ、オレ。

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