南方単車亭日乗

奄美大島にIターンした中年単車乗りが、てげてげに綴ります。
はじめての方は、最初に《ごあいさつ》をお読みください。

本茶峠散歩 七

2008年11月30日 11時17分31秒 | 南方単車旅案内
本茶峠散歩 六よりつづく。

国道58号線の旧道である本茶峠を越える道は、最高点を過ぎ、龍郷町に入る。
ここから先は峠道の入口である龍郷町大勝まで、延々と下り坂が続く。
新民謡の歌碑を過ぎると、道の両脇の樹木が疎らになり、谷側の眺望が良くなる。



名瀬側と較べて、こころなしか舗装もスムーズなようだ。



眺望が良くなったものの、走りながら見える景色は名瀬側と較べていささか単調に感じる。
そこで、すこしスピードを緩めて、左の山肌に注意を向けることにした。





10月半ば(6枚目までの写真は'06年10月15日撮影)の奄美大島は、初秋というより晩夏である。





山肌を削って清水が流れ下り、涼しげな音を聞かせてくれる。



旧暦の初春を少し過ぎた頃から、この本茶峠の龍郷側は、花見の名所となる。



一年を通じて数少ない、この寂れた峠道が家族連れで賑わう季節である。





ヒカンザクラの花の蜜を求めてリュウキュウメジロが樹上を散策する。



旧正月の少し前から、奄美大島は本格的な冬に入り、強い北風と断続的な雨が人の気持ちを内向きにさせる。
そんな中に天気に恵まれた休日(ヒカンザクラ写真はすべて2007年2月12日に撮影)に眺める青空と刺激的な花の色は、春がそこまで来ていることを思い出させてくれる。



ところで、このヒカンザクラの葉が、秋には黄色に色付くことをご存知だろうか。



つい先日、この紅葉(黄葉というほうが正しいか?)を知って、この峠道を通過することがいっそう楽しくなった。

つづく


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まんこいプロジェクト、加計呂麻を往く pt.2

2008年11月23日 00時13分23秒 | リュウキュウアユの塩焼きで一杯やりたい
これは、まぁ言ってみれば『まんこいプロジェクト、加計呂麻を往く pt.1』の続編です。
しかしながら、ジューヨーなハナシは『--pt.1』で終えてしまったので、「オジサンふたりが夏真っ盛りの加計呂麻をウロチョロしたハナシ」とお考えいただければヨイでしょう。

そんなワケで、最近、自らに課している『文章控えめで生産性と読み易さを向上する』方針に則ってさっさとはじめましょう。



さて、マングローブの苗木採集を予定より少し早く終えたニイムラ氏とオレは、古仁屋のA-COOPで買ったお弁当を食べるべく、レンタカーを加計呂麻島最北端の集落・実久(さねく)へと走らせたのです。
写真は、その実久集落の中の道。
両脇の石垣は、死んだテーブル珊瑚を積み上げた、南西諸島独特のもの。
オレがはじめてこの集落を訪れた'95年頃には未だ舗装していなかったはずです。
当時に比べればいくらか魅力は減退しているとはいえ、奄美でもっとも好きな風景のひとつです。



昼メシを食べ終えて、ぶらぶらと集落内を散歩していると、用水路脇に生えたガジュマルの根本にカニが数匹うごめいています。
甲羅の幅で10cmほどでしょうか、決して小さいとはいえないサイズで、
「生け捕りにして持ち帰って、上海ガニみたいにして蒸して食べたら旨いだろうか?」
とか考えながらシャッターを押してたら、とんでもないヤツが現れました。



アカマタです。
沖縄で"アカマター"、奄美群島では"マッタブ"。
日本では比較的大型の部類に入る全長2m弱のヘビ。
毒はありませんが、性格は「凶暴」とのこと。
真夏でもコイツのツラつきを見ると背筋がひんやりします。



三浦(みうら)、伊子茂(いこも)、勝能(かちゆき)の小さなマングローブ群生地を経由しつつ、諸鈍(しょどん)で今回の陰の仕掛け人に連絡を試みるが、仕事中なのか、ケータイは呼び出し音を繰り返すばかりなり。



帰りのフェリーの時間まで1時間近くぶらぶらと歩き回って時間を潰します。
青空、小川、群れ泳ぐ小魚。
夏の午後はそよ風が素敵です。
なんて、似合わんよな、オレには。



帰りのフェリー加計呂麻は生間(いけんま)港から乗船。
小さなヨットが似合う港です。



盆栽か、とツッコミを入れたくなりませんか?
オレだけですかそうですか。



何度となく乗っているフェリー加計呂麻ですが、離岸するとどうしても写真に残したくなります。
おかげさまで、PCには似たような画像がたくさん残されてます。



『まんこいプロジェクト、加計呂麻を往く』は、以上です。
来春、皆さんが忘れた頃を見計らって『まんこいプロジェクト 宇検村編』が密やかに挙行される予定です。

では、堂々と胸を張ってリュウキュウアユの塩焼きを喰う日が来る日を祈って、
おやすみなさい。

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踊りの季節・壱 笠利町笠利 前編

2008年11月20日 01時52分46秒 | デキゴト
毎年、夏の終わりから秋にかけて、奄美の各集落はそれぞれ各種の行事に膨大な時間とエネルギーを費やします。
以前、ご紹介した運動会が昼間の行事の代表なら、夜の行事(誰だ、ヘンな想像してるのは?)の代表は、いろんな呼び方があるのですが、ヒトコトで括れば《踊り》です。
毎年、この『踊り』行事をぽちぽちと追い掛けてきたのですが、今年は初見参の2箇所を含めて計4箇所の《踊り》を見物(僅かながら『参加』)してきたので、その報告も兼ねて、例によって不定期に(たぶん)10回前後のシリーズでご紹介いたしましょう。



壱回目の今回は、奄美市笠利町笠利。
9月10日にお邪魔しました。
こちらでは、奄美でももっとも伝統的な《踊り》行事のスタイルが頑なに貫かれています。



詳しい話は《笠利町笠利 後編》に、と言って先送りしたまま忘れるパターンになるかな?



笠利は通称『大笠利』と言われるだけあって、笠利町でも大きな集落です。
《踊り》行事は集落を、さらに[里]、[金久]、[城前田]の3つの区域に分けて行われます。



毎年、TVの取材や大学その他の民俗学研究グループが訪れて取材をしています。
近所のホテルも、泊り客のオプション・ツアーとして薦めている模様です。



そのおかげか、外来者も参加しやすく、オレもほぼ毎年見学させていただいてます。
え? 踊らないのかって?



踊りましたよ、今年は。
そのせいで例年に比べて写真の数が減ったくらいです。
去年はデジカメが壊れてたんでアレですが、一昨年は140枚近く撮ってるんです。
それが今年は60枚弱。
そのうち気が向いたら一昨年の写真も、ナニかの形で発表しましょうかね。
とりあえず、前編は大笠利集落の八月踊りについて軽く触れてみました。
後編を期待せずにお待ちください。

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まんこいプロジェクト、加計呂麻を往く pt.1

2008年11月07日 00時12分03秒 | リュウキュウアユの塩焼きで一杯やりたい
これは、まぁ言ってみれば『まんこいプロジェクト、控えめにはじまります』の続編です。

で、その前編に当たる『まんこい--』が7月26日の公開で、何で3ヶ月以上も経っての続編かというのは、出来れば黙ってスルーしていただきたい、と切に願う次第であります。

さて、『文章控えめで生産性と読み易さを向上する』という前回の誓いを守ってさっさとはじめましょう。



午前9時半頃に住用の新村(しんむら)にて《まんこいプロジェクト》の親玉・新村(ニイムラ)氏と合流し、10時20分古仁屋発のフェリー加計呂麻にて瀬相港に渡ります。
新村(しんむら)から古仁屋への移動中にざっと雨に降られますが、その他は誠に申し訳ないほどの上天気。



あえて名を伏す某所に到着。
加計呂麻に詳しい人は、すぐにどこだか判ると思いますけどね。
ちなみにこちらからの情報提供により場所が確定したとのコト。



アダンも色付く季節です。



蟹のハサミの一部を発見。
ちなみに一緒に写ってるオレの足は、少しデカい部類に入ります。
こんなのに泥の中から襲って来られたらタイヘンだ、と思っていたら、新村(ニイムラ)氏イワク
「けっこう人間も負けそうになるよ」とのこと。
ちょっとビビリます。



これがマングローブの若木です。
こいつを数十本集めて、瀬戸内町の樹木医さん(この人かな?)に託して育て、来春、宇検村の川内川河口域に植樹します。

40分ほどの採集作業で若木が30本ほど採れました。
最初は「えー、どこどこ?」とやってたオレも10本くらいは採ったかな?



採集現場の全景です。
画像合成ソフトで2つの画像をつなげてます。

つづく


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運動会二題

2008年11月02日 21時44分05秒 | デキゴト
既に世は文化祭の季節に入っているというのに、今ごろ運動会の話を持ち出すオレに今さら腹を立てるひとも居ないだろうとは思いますが。

10月は、島では運動会の季節。
幼稚園は、この時期を外すところが多いようですが、小中高校は申し合わせたように(いや、確実に申し合わせてます)週替わりで運動会を開催します。
学校だけではない。
各自治体も、域内の学校の運動会を避けて《町民体育大会》といった名称で運動会を挙行しますし、独立性の強い地域では、集落内の地域対抗運動会が開催されます。
つまり、人によっては以下のようなスケジュールをこなす必要も出てくるのです。
9月第3週・集落運動会、第4週・中学校運動会、10月第1週・町民運動会、第2週・小学校運動会、第3週・市民体育大会、第4週・高校体育大会・・・。
なぜ町民運動会と市民体育大会が並立してしまうかというと、平成の大合併で奄美市に統合された旧笠利町と旧住用村の運動会は、奄美市の体育大会に併合されずに存続されているからです。
このことに関して友人の旧笠利町民は、「なんか市の体育大会の予選みたいになっちまった」と嘆いておりましたが、それはそれとして。
この他に複数の集落の対抗相撲大会、町民相撲大会が別途開催されたりなどして、オレのように名瀬市内のアパート暮らしという地域への関わり方が薄いものにとって事態は複雑怪奇というか収拾不能というか。
なお、これらの体育系行事に加えて、9月半ばの敬老の日の前後に敬老会を開催する集落が幾つもあり、さらに旧暦9月9日や15日等を中心とした『月おくれ盆』の行事を行う集落もありまして、それらの行事の進行役である青年団や壮年団の皆さんは準備やら片付けやら反省会やらと...(以下略)。

そうした事情とはさほど関わりあうこともなく、9月の終わりと10月のはじめの2つの運動会に、例によってこそこそと紛れ込んできました。



まずは旧名瀬市でも極め付けの郊外である崎原(さきばる)集落にある崎原小中学校。
名前だけでもじゅうぶん判る通り、小学校と中学校が同じ敷地内にあります。
校長先生は1人、たぶん先生方も小学校の授業の後は中学校の授業をつー感じでやっておられるんではないでしょうか。
生徒数は、ざっと10人と少し。もちろん、全9学年の総生徒数です。
今年は小学校1年生が居ないとか。
この崎原小中学校の運動会、もちろん生徒だけでやってたら面白くないだろうことは考えなくても判る。
冒頭にも記した奄美の運動会の不思議なほどの多さの一因は、それが学校行事の名を借りた地域の親睦行事でもあるということだ。
さらに今回の崎原小中学校にとって大切なのは、今年、設立100周年を迎えたということである。
「ここはひとつ賑やかに」という声があがったと見え、友人知人の伝手を辿って、オレみたいなのまで紛れ込むことができたのだ。
100年、ざっと4世代である。
昼食を摂りに学校の坂道を下っていく老人たちも、その親の世代からこの学校に通い、自分も通い、子供を通わせ、今は孫が通っているのではないか。



オレと同じ友人に呼ばれて《参加》した人の娘(小1)が急遽『かけっこ』に出ることになりましたが、釣り合う学年の児童が居ないため、幼稚園児ふたり、3歳児ひとりと一緒に走ります。



結果は、堂々の一位。
賞品はえんぴつ3本。



主役はもちろん、崎原小中学校の生徒たち。
蟹走りの正面には父兄の席。
気を抜くことはできません。





紅白の2組に分かれ、近い学年同士の組み合わせのリレー競技というのが生徒たちの参加競技です。





運動会といえば、応援合戦が欠かせませんね。



10人ちょっとの小中学生では、1日の運動会のプログラムは支えきれません。
父母、先生、地域の人々(即ちOB)、地域出身の人々(これもOB)、おじいちゃんおばあちゃんに加えてオレたち《臨時郷友会員》まで総出の《大運動会》は、綱引き、輪投げ、ゲートボール、フォークダンス、八月踊り(盆踊り)と盛り沢山の内容です。



不詳、オレも2種目と全員参加の綱引きに参加しました(被写体はオレじゃありません)。



崎原小中学校運動会の翌週は、名瀬小学校の運動会です。
こちらは明治5年(1872)の設立ですから、えーと...。



平成17年に児童数が607人だったそうですから、現在は600人を少し下回っているでしょうか。
それでも崎原小中学校と比べれば途轍もない児童の数に見えます。



こちらは1年生の男の子と女の子のカメラマンとして呼ばれて行きました(ギャラは当日の昼メシ食べ放題)。





さて、今回も長々とお付き合いいただきました。
次回からは少し短くしたいなと思ってはいるのですが。
ホントは2回に分けたかったんですがね

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