南方単車亭日乗

奄美大島にIターンした中年単車乗りが、てげてげに綴ります。
はじめての方は、最初に《ごあいさつ》をお読みください。

オイル交換・倍俣その後

2007年05月28日 00時23分34秒 | 南方単車日乗
2007年5月25日、奄美大島の名瀬測候所は、最高気温32.6度を記録し、今年最初の真夏日となりました。
ちなみに2006年は5月10日、2005年は5月1日、2004年は5月4日、2003年は5月6日で、ちょっと遅めの夏到来でしょうか。
ちなみにこの10年でいちばん真夏日が遅かったのが2001年で、6月5日にいきなり33度を記録しています。
んで、その翌日、26日に気象庁から『梅雨入り宣言』が出されたのですが、湿度のせいか、なんとなく靄が掛かったような一日でしたが、雨らしい雨もなく(まったく降らなかったわけではないらしい)午前9時に気温が25度を超えて蒸し暑い一日でありました。

そんな蒸し暑い中、午後からちょっと北大島に行ってみようかとバイクに跨ってみたのですが、エンジン音が何となく不機嫌そうに聞こえます。
「そういや、ずいぶん長くオイルを換えてなかったっけ」と、急遽オイル交換。
ドレン・ボルトを抜いて出てきたオイルは、完全な泥水色。
半端に残っていたオイルを流し込んでエンジン内部を洗ってやり、あらためて新しいオイルを入れて、炎天下で汗だくになりましたが、1時間ほどで作業終了。

さて、午後も遅くなりかけていたので北大島行きは取りやめて、先週に引き続き、ふたたび倍俣へと行ってみました。



砂防ダムの全景です。
堰堤までの距離は、80メートルくらいです。
しゃがんで撮っているので、ちょっと目線が低くなっています。



林道脇の水溜りでは、たくさんのオタマジャクシが泳いでいます。



全長で2センチほどでしょうか。



森の奥から沁み出した水流(防災工事の関係で沢を埋めたのかな?)の中を泳ぎまわっています。
コンクリートの路面上の浅い水の上でぴちゃぴちゃやってるのもいます。
森の手前を歩き回ってみたら、緑色の小さな(3センチ以下?)カエルが目の前を跳び去りました。
観光ガイドに電話で聞いてみたら、「たぶんハロウェルアマガエルでしょう」とのこと。
こちらはIUCN(国際自然保護連合)のレッド・リストでは、LC(軽度懸念)に分類されています。
それほど少なくはないが、生息地域が限定されている(喜界島~沖縄島北部、西表島の一部)ので、ちょっと注意したほうがいい、ということでしょうか。



林道を越えた水は、防災ダムの作る池に流れ込みます。
二つ上の写真を撮った位置からそのまま回れ右すると、コイが悠然と泳ぎ回っています。
雨が沢水を増やせば、水溜りからオタマジャクシが流れ出し、それをコイが狙っている、という図式になるようです。

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生態系への重大な脅威?

2007年05月20日 01時06分23秒 | お知らせ・宣伝
似合わないのはじゅうじゅう承知の上で、ちょっとマジメな話をしましょうか。
多少、肩の凝る話になるかもしれませんが、最後まで、できればコメント(いろいろな意見をお待ちしています)までお付き合いください。

奄美市(旧・名瀬市)と龍郷町の境い目あたりに《倍又》という小さな集落があります。
行政区分は龍郷町戸口(とぐち)で、住所としては字(あざ)になるようです。
その倍又では、現在、防災工事の一環として林道の開削工事が行われているのですが、その林道のすぐ脇に砂防ダムが築かれています。
この砂防ダムの手前までは、当BLOGの《奄美のフツーの生き物たち》の写真を撮るために何度か訪れているのですが、昨日、久しぶりに行ってみたところ、砂防ダムが作った池にたくさんの鯉を見つけてしまいました。



画像からは判り難いかとも思いますが、大きく見える個体は推定で全長80cm前後、横に小さく見える固体でも30cm以上はあるようです。



いちばん多く見えたものがこちら程度のサイズの個体で、近くに浮かぶ落ち葉(葉の中心部の長さで10cm弱でしょうか)からみて、60cmほどのサイズがあるようです。
このくらいのやつらが岸辺からアバウトに数えて15尾ほど。
濁った水中に見えないのや砂防ダムの壁面近くにいるだろうというのを推測すれば、30尾ほどが泳ぎ回っているようです。

なんでこんな話を持ち出すかというと、鯉というのは『口に入るものならたいていなんでも食べるほどの悪食』(Wikipedia コイより引用)で、近年では『生物多様性の観点からすれば、もともとコイがいない水域にコイを放流するのは有害』(引用・同上)という認識が、環境問題の専門家から提議されているのだそうです。

昨年の夏、この倍又の砂防ダム付近で、リュウキュウアカガエルを見つけ、撮影しました。


リュウキュウアカガエル

リュウキュウアカガエルは、砂防ダム内よりは流れ込む沢や付近の水溜りなどに産卵するもののようですが、オタマジャクシの状態で砂防ダム内まで入り込めば、かなりの確率でコイに捕食されてしまうのではないでしょうか。
また他にもテナガエビ等がコイの捕食対象として考えられるでしょう。
砂防ダムが築かれた川には小さな沢がたくさん流れ込み、両生類や水棲の昆虫にとってたいへん好適な環境であると思われます。
小さなダムの僅かなコイではありますが、このまま放置していいのでしょうか?

蛇足1 リュウキュウアカガエルは、環境省のレッドリストに《準絶滅危惧》として掲載されています。
蛇足2 倍又砂防ダム付近へは、普通乗用車では行けないと思います。また、クロカン4WD車では、袋小路でUターンが困難と思われます。

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今年の初キノボリトカゲ

2007年05月15日 00時39分23秒 | 南方単車日乗
怒涛の民謡大賞の週末が終わりました。
単に見てるだけのオレなのに、なんで毎年こんなにたいへんなんだろう?
最後の最後、昨夜の飲み屋では、オレの右側では《山下聖子ばんざいおめでとうありがとう本人は別なお店で祝勝会だけどそんなこと気にせずぱーっとやろうぜあんたも飲みなよ今夜はパーティ!》左側では《この一年あんなに頑張って練習したのになんで入賞もできないのよ審査員のばか師匠になんて言い訳すればいいのよ築地さんなんか嫌い大嫌いあんたも飲んでよ今夜は残念会》が盛大に繰り広げられ、間に入ったオレは大変な思いをしたんですが、きっと誰も同情してくれないだろうなぁ。

さて、気象庁の観測によれば、5月に入って、一日の最低気温が15度をコンスタントに越えるようになり、季節は初夏と呼べるようになってきました。
そんな気温の上昇に誘われて、オレも、冬場はサボっていた昼休みの『おがみ山のぼり』と『帰宅前の山中散策』を再開することにしました。
連休明けからなかなか気持ちのいい日々が続いておりますが、とかく世の中ままならないもので、週間天気予報から予想すれば、今週末には梅雨入り宣言が出るはずです。



お久しぶりのキノボリトカゲくんです。
おがみ山の階段下の広場で昼飯を済ませて帰ろうとした下り坂で、目の前に揺れていました。
犬のおしっこみたいなポーズには、なにか意味があるのでしょうか?





カメムシ諸君も食欲旺盛です。
そういえば、去年のゴールデン・ウィークに撮った写真がきっかけで、カメムシ発見に嵌まってしまいました。
が、まだまだ臭いを愉しむところまではイっていません。

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平成19年度奄美民謡大賞

2007年05月14日 01時55分40秒 | お知らせ・宣伝
山下聖子さんが大賞と決定しました。


↑JABARAレーベル『ハルカナ』 JAB-22

山下聖子
1981年生
奄美大島・笠利町喜瀬(現 奄美市笠利町喜瀬)出身。
中学生より笠利(カサン)唄の重鎮・阿世知幸雄に師事。
過去数年間、若手の実力No.1と認められながら民謡コンクールでは目立った成績を残せずにいたが、ついに奄美民謡の最高峰である奄美民謡大賞を受賞した。

私見ですが、まだまだ伸びしろがある、底なしの器です。
さらなる活躍を期待いたします。

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平成19年度奄美民謡大賞・青年の部の結果

2007年05月13日 01時16分26秒 | お知らせ・宣伝


平成19年度奄美民謡大賞・青年の部の結果

最優秀賞 山下聖子
優秀賞  吉原まりか・米田みのり
(以下、順不同)
新人賞 安田博樹
敢闘賞 前山真吾
奨励賞 川畑さおり
特別賞 佐田ますみ
努力賞 上原典恵
入賞  松崎博文 大山結奈 岡美里 潤さつき 森岡結 永井陽子 松本良作 高城絵里奈 徳原大和 豊愛 内山五織 永井美香 赤塚直美 泉奈津紀 岩元梨恵 山元俊治(もう一人いるかもしれません)

なお、少年の部の最優秀賞は、里歩須

すみません、少年の部は、あたしゃ見てもいません。

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焼内湾彷徨 弐拾六

2007年05月08日 00時18分57秒 | 南方単車旅案内
焼内湾彷徨 弐拾伍よりつづく。

奄美大島の西北部、焼内湾を巡る旅は、久志(くし)集落を過ぎてついに最後の集落である宇検(うけん)に差し掛かった。



宇検集落の入口には、厳島神社が鎮座している。
バイクを停めて、境内に入ってみよう。
鳥居をくぐっておよそ10m、小さな祠が建てられた平坦な場所に出る。
祠のうしろから横を通って回り込む。



石塔に刻まれた年号は『天保四年』。1833年のことである。
この年の1月(旧暦)、薩摩藩の第8代藩主であった島津 重豪(しまづ しげひで)が没した。なお、藩主は第9代藩主の島津 斉宣をはさんで第10代藩主島津 斉興(しまづ なりおき)が継いでいる。同年、調所 広郷(ずしょ ひろさと)が家老に累進し、奄美大島と徳之島で生産される砂糖を薩摩藩の専売とした。
この専売から得られた利益が、後の明治維新における薩摩藩を動かす主要な資金のひとつとなっていくことになる。
天保年間は、所謂「幕末」が動き始めた時代といえよう。
また、日本史上に有名な《天保の大飢饉》は、前々年である天保二年にはじまったとされる。



石塔のひとつには、「辨才天(べんざいてん)」と刻まれている。
辨才天はインドでは川に住む(蓮の花に乗っている姿で描かれる)女神で、中国を経由して日本に渡り、民間で信仰されるうちに水の神様、そして海の神様へと変化していったようである。
ちなみに、本家の広島の厳島神社も弁才天を祀った(弁財天と合体した市杵島姫命を筆頭とする三柱の女神)神社である。



境内を出て、鳥居と祠の方へ軽く一礼する。
お邪魔しました、お騒がせしました、と。
県道を横切って海辺に立ち、宇検集落を眺める。
眺めながら、何かが頭の片隅をかすめたような気がしたが、それがなんなのかは判らなかった。
小さく息をつき、集落へとバイクを進めた。

つづく


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今年も潮干狩りに行ってきた

2007年05月04日 23時27分59秒 | 南方単車日乗
ゴールデン・ウィークです。連休です。
だが、哀しいかな、今年は暦とはまったく無関係にバイトが入り、連年続いた加計呂麻行きも断念せざるをえませんのです。
よおし、こうなったら飲んだくれてやんべぇ、と28日には肝ちゃんfrom福岡、29日にはyama42@喜瀬の二大酒飲み会をセッティングしてみたが、28日に飲みすぎて、29日は二日酔いから立ち直る頃には皆さんオヤスミナサイの時刻になっていたという馬鹿なオレです。

GWの奄美大島は隔年で天候が崩れるというジンクスが無情なほど見事に的中して、
28日『雨後曇』、
29日『曇』、
30日『雨時々曇』、
1日『曇時々雨』と続く天候に「もっと光を!」と叫んだら盗作呼ばわりされるんじゃないかと心配しつつ、それでも天気がよくなった3日と4日に、昨年同様、笠利町は喜瀬へと向かったのでありました。

で、成果のほうは触れずに済ませますが、デジカメさんは昨年同様にそこそこの活躍をいたしまして、今年もこのような、ある意味キショクワルイ生き物の画像をお届けすることができます。
まずはヨカッタヨカッタ。<ドコがだ。
ちなみに、クリックするとフルサイズの画像が現れますので、併せてお楽しみください。


マンジュウヒトデ


シカクナマコ

えー、たっぷりとヒイていただけましたでしょうか?
「たまに連チャンで更新すると、こんなことしやがる!」というお怒りもありましょうが、干潟散策でたっぷりと脳を紫外線に当てた成果とお考えください。

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奄美ラジオ《ディ!ウェイヴ》が開局したそうな

2007年05月03日 20時08分58秒 | 本日の名セリフ
あかん。ラジオ、がぴーばっかしや。ちっとも鳴らへん。

北村 想戯曲「寿歌」(ほぎうた)より



一昨日、奄美大島は奄美市にてローカルFMラジオ局《ディ!ウェイヴ》が開局した模様です。
電波管理行政においては「コミュニティFM」という位置付けになるそうで、市町村単位を聴取可能エリアとして運営されるんだとのこと。

なんでこんなに伝聞めいた記述になるかというと、まだホトンド聞いてない。いや、聴けないのである。
送信アンテナが建っているという名瀬クリーンセンターと我が棲家の間には名もない・低い・でも動かしようもない山がしっかりあるせいか、Panasonic製の小型ラジカセはまったく電波を捕えきれないのだ。
開局3日目を迎えた今日の時点において、オレの聴取時間の合計はおよそ2分間。
商店街で流れていたのを歩きながら聞いたのが全てだったりする。

たった2分で感想を言うのも変だが、なんとなく「よきアマチュア」という新鮮な感じがあってヨロシイのではないかと思う。
これまで、こちらで聞けるラジオというのは全国共通・NHK、鹿児島民放、沖縄民放の三者(局の数は当然、もっと多い)であって、要するに「他所のコトバ」が聞こえていたわけだ。
殊に鹿児島・沖縄の民放は他所から来たオレが言うのもなんだが、当地においては完全なる『他所の言葉』であり、ある程度以上の時間を聞き続けるには少なからぬ体力が必要で、そのおかげで我が家の目覚まし時計役を果たし続けている部分がなくもない。
現在、ジョン・ル・カレの小説ばかり読み返しているので、文章が妙に煩雑になっているかと思います。
他所から来たニンゲンにとって耳慣れぬ(NHKの無国籍日本語は、TV等によって慣らされている部分がある)コトバが、当地で生まれ育った人々にとっても幾許かの違和感を持って受け取られているであろうことは、新しいラジオの話題が出たら、既に聞いた者・早く聞いてみたいと思う者の会話に不思議な明るさが宿ることからも容易に察することができる。
「よきアマチュア」が、今後、どのような道を辿るのか、できるだけ期待しながら見ていこうと思う。

さて冒頭のセリフだが、実を言うと、本は実家に置きっぱなしなので、正確なセリフかどうか判りません。
ニュアンス的にはこんなモンだと思う。
少なくとも50回は繰り返し読んだ戯曲で、加藤健一の舞台を少なくとも2回、その他を(たぶん)2回くらいは観てるんで、あんまり外れてはないでしょう。

「寿歌」(ほぎうた)は、1980年に北村 想が主宰する名古屋の《TPO師★団》によって発表された舞台劇で、たぶん、その頃から関東のアングラ演劇の世界でも
「名古屋に北村 想あり」
とか言われてたんじゃないかと。
現代の如きインターネットなんぞという伝達手段もなく、大方は口コミと呼ばれる原始的な方法で噂は伝わっていたようで、関東の端っこのガッコーに通っていたオレがはじめて北村 想が書いた舞台(どこぞの大学の学内公演だったな)を観に行ったのが81年の秋であったことは三人くらいが知っている事実だったりします。

舞台の話や出ていた役者さんの話、当時のオレ自身の話なんぞに興味のある方がいるとは思えないので、今日はここまでとしましょう。
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