焼内湾彷徨 拾よりつづく。
奄美大島の西北部、宇検村(うけんそん)の焼内湾の岸辺を巡る小さな旅は、四つ目の集落である佐念(さねん)へ辿り着いた。
奄美大島で『さねん』といえば思い起こされるのが、方言で「さねんばな」と呼ばれるゲットウだ。
佐念と「さねんばな」のあいだにナニか関連性があるのか不明にしてオレは知らない。
どなたか奇特な方がコメントしてくれることを期待して、とりあえず話題だけ振っておこうと思う。
門の如くそびえる二本のガジュマルの奥に建っているのは佐念の公民館。
公民館の裏手へ回り込むと、立派な屋根つきの土俵がある。
ビニールシートの上にアルミ製の脚立が置かれているのは、重石がわりか、それとも天井の蛍光灯を交換したのか。
そのまま真っ直ぐ振り返ったところに、「がしゅっがしゅっ」と音をたてて水が迸っている。
地下水なのか?
とりあえず手を洗い、ひとくち飲んでみた。
うん。なかなかのお味ですな。
佐念もまた、人家は集落の中央部に密集している。
その人家の途切れた個所の道を辿ってみたが、小さな川に沿って果樹園が尽きるところで行き止まりとなってしまった。
小さな赤い実も付けたこの花はなんというのか、強烈な色彩が佐念の記憶となって残った。
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奄美大島の西北部、宇検村(うけんそん)の焼内湾の岸辺を巡る小さな旅は、四つ目の集落である佐念(さねん)へ辿り着いた。
奄美大島で『さねん』といえば思い起こされるのが、方言で「さねんばな」と呼ばれるゲットウだ。
佐念と「さねんばな」のあいだにナニか関連性があるのか不明にしてオレは知らない。
どなたか奇特な方がコメントしてくれることを期待して、とりあえず話題だけ振っておこうと思う。
門の如くそびえる二本のガジュマルの奥に建っているのは佐念の公民館。
公民館の裏手へ回り込むと、立派な屋根つきの土俵がある。
ビニールシートの上にアルミ製の脚立が置かれているのは、重石がわりか、それとも天井の蛍光灯を交換したのか。
そのまま真っ直ぐ振り返ったところに、「がしゅっがしゅっ」と音をたてて水が迸っている。
地下水なのか?
とりあえず手を洗い、ひとくち飲んでみた。
うん。なかなかのお味ですな。
佐念もまた、人家は集落の中央部に密集している。
その人家の途切れた個所の道を辿ってみたが、小さな川に沿って果樹園が尽きるところで行き止まりとなってしまった。
小さな赤い実も付けたこの花はなんというのか、強烈な色彩が佐念の記憶となって残った。
つづく
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「さねん花」のさねんは「佐念」とはどうやら関係がないようです。
私も島ブルースの歌詞にでてくるサネン花は佐念のこととばかり思っていたのですが・・笑 調べたら違いました。でもそう思っててもいいですよね♪
今年の夏に佐念に帰りました。美しいガジュマルは残りつつも、村の人たちが年々少なくなっていてどこか寂しさも感じる旅になりました。
だけど奄美の素晴らしさは悠久です。
祖父母に会いにまた早く島にかえりたいです。