焼内湾彷徨 九よりつづく。
奄美大島の西北部、宇検村(うけんそん)の焼内湾の岸辺を反時計回りに巡る短い旅を続けている。
寄り道的に工事中の平田林道(平成19年2月開通予定)を紹介したのが前回。
今回は、そこからわずかに先へと進む。

集落から少し離れると、道路のほとんどは海から急角度に切りたった斜面の中腹を通っている。
ガードレールのむこう、遥かな眼下に小さな砂浜を見つけては
「どこかに下りる道はないものか」
と右手首にかけた力を緩めてガードレールの途切れる個所を探しながら走る。

密漁禁止の看板の横に、分厚く雑草に覆われた道を発見。
じつを言えば数年前にここから浜へ下りたこともあるのだが、路面の状況は惨いほどに悪化している。
わずかに草の間に見える部分だけでもそうとうな荒れ様だ。
看板の文言にもいくらか威圧感を感じる。
以前、一緒に仕事をしていた男に「宇検村でだけは、(密漁と)疑われるようなことをするなよ」と《厳重注意》を言い渡されたことがある。
むかし潜水(ダイヴィングではない)を仕事としていた彼は、島内のどの漁協でも顔が知られた男だが、
「宇検でナニかしたら、オレでも庇いきれないからな」というのだ。
焼内湾という〔限定された〕海面を漁場としている宇検村漁協は、養殖漁業に大きな力を入れているのだろう。
とはいえ、ほとんど半魚人みたいな彼と、せいぜい潮干狩り程度のオレが同じ心配をすることもないだろうとは思うのだが。

さらに先へと進めば、道路脇に小ぶりな砂浜が広がる。
小さな入り江に面したそこは、波も静かだ。

さらに先に、大きく深い入り江の一角にあるのがタエン浜海水浴場だ。


海水浴場の浜をガードする堤防の突端に立ってみる。
反対側の堤防に釣り糸を垂れる人がいる。
「釣れますか?」呟いても聞こえるわけがない。
そよ風が海面を渡って行く。




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奄美大島の西北部、宇検村(うけんそん)の焼内湾の岸辺を反時計回りに巡る短い旅を続けている。
寄り道的に工事中の平田林道(平成19年2月開通予定)を紹介したのが前回。
今回は、そこからわずかに先へと進む。

集落から少し離れると、道路のほとんどは海から急角度に切りたった斜面の中腹を通っている。
ガードレールのむこう、遥かな眼下に小さな砂浜を見つけては
「どこかに下りる道はないものか」
と右手首にかけた力を緩めてガードレールの途切れる個所を探しながら走る。

密漁禁止の看板の横に、分厚く雑草に覆われた道を発見。
じつを言えば数年前にここから浜へ下りたこともあるのだが、路面の状況は惨いほどに悪化している。
わずかに草の間に見える部分だけでもそうとうな荒れ様だ。
看板の文言にもいくらか威圧感を感じる。
以前、一緒に仕事をしていた男に「宇検村でだけは、(密漁と)疑われるようなことをするなよ」と《厳重注意》を言い渡されたことがある。
むかし潜水(ダイヴィングではない)を仕事としていた彼は、島内のどの漁協でも顔が知られた男だが、
「宇検でナニかしたら、オレでも庇いきれないからな」というのだ。
焼内湾という〔限定された〕海面を漁場としている宇検村漁協は、養殖漁業に大きな力を入れているのだろう。
とはいえ、ほとんど半魚人みたいな彼と、せいぜい潮干狩り程度のオレが同じ心配をすることもないだろうとは思うのだが。

さらに先へと進めば、道路脇に小ぶりな砂浜が広がる。
小さな入り江に面したそこは、波も静かだ。

さらに先に、大きく深い入り江の一角にあるのがタエン浜海水浴場だ。


海水浴場の浜をガードする堤防の突端に立ってみる。
反対側の堤防に釣り糸を垂れる人がいる。
「釣れますか?」呟いても聞こえるわけがない。
そよ風が海面を渡って行く。
つづく




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