2009年8月に巣箱の利用が始まった博物館テラスのニホンミツバチ。
昨年の夏はハチミツのたまりが悪く、採取は断念しましたが、今年は巣箱が持ち上がらないほど重たくなっていました。
そこでモモンガクラブのメンバーに呼びかけ、このハチミツを採取する様子を観察するイベントを実施しました。
実は私、過去に2回の取材経験はありますが、実際にハチミツを採る技術はもっていません・・・そこで地元面河で30年以上の養蜂キャリアをもつ、NさんとKさんにお願いしました。
町内外から24名が参加。
お二人の作業の様子を参加者に説明するのに必死で、細かな行程の分かる記録写真は撮れず。
かなり端折りながらではありますが紹介したいと思います。
いきなり分かりにくいですが、巣箱を裏返し、上に同じような形の木の箱を被せたところ。
巣箱の底には板がないため、裏返すと中が丸見えになります。
そこに蓋をするように箱を被せると、巣箱の中にいる女王と働きバチが上にのぼってきます。
つまり、これはハチミツの入った巣とハチを分ける作業です。
このとき、巣箱の下のほうを棒でコンコン叩くとより早く移動してくれます。
5分ほどコンコンして箱をのけると、見事にハチの大半が巣箱の中から姿を消しています。
これでハチにあまりストレスを与えることなく、そして安全にハチミツを採取できます。
といっても周りにはここまでの作業で巣箱から出てきたハチがぶんぶん飛び回っていますので、作業している私たちは防虫ネットとゴム手袋で完全防備。
しかし、不思議と攻撃してくるものはいません。
中にはハチミツがぎっしり。
巣は板状で、天井から何枚もが並んでぶら下がっています。
これらすべてにハチミツが詰まっているわけではなく、幼虫や蛹がいる部分もあります。
それを避け、今回はハチミツがたくさん詰まった巣板を3枚だけ取り外しました。
取り外した巣板を不織布を敷いたザルの上に並べ、滴り落ちてくるハチミツを清潔なバケツで受けます。
これぐらい巣を残してやると、越冬にはあまり影響しないはずです。
そもそもハチミツはコロニーの構成員すべてのエネルギー源であり、秋以降は花のない冬を乗り切るための保存食でもあります。
すべてのハチミツを採取することは、コロニーの全滅を意味します。
通常は夏から秋にかけ、巣の6割ほどを採取し、冬までに越冬の準備(つまりハチミツをためる)ができるようにします。
今回の目的はハチミツをよりたくさん採取することではありませんので、参加者の皆さんが味見をし、少しお土産で持って帰れるだけの量をいただきました。
最後に元の位置に戻した巣箱にハチたちを戻します。
このとき素早く女王を見つけ出し、巣箱の中に入れてやると、働きバチもジワジワと移動してくれます。
巣板とハチミツです。
一緒に口に入れ、くちゃくちゃ噛んでハチミツだけを飲み込み、ガムのように残った巣は吐き出します。
思った以上にサラサラとした粘度で、じゅわーと一気に喉に入ってきます。
量が多いと甘みが強烈でむせるむせる!
ちょっとづつ食べると優しい甘さ。
とてもフルーティーな香りがあります。
ザルで濾したハチミツです。
250mlぐらいのビンに3本取れました。
ほとんどをお土産として持って帰ってもらいましたので、たいした量ではありません。
昼食はハチミツを塗ったフランスパン。
パンによく染み込んでとてもおいしかったです。
来年もよろしく!