大川原有重 春夏秋冬

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神話の果てに 第11部 浪江・小高の汚点(中)欲望の痕跡

2014-01-04 13:01:05 | 原子力関係
河北新報



◎「工事受注の担保だ」/土木会社、計画地所有

<地元会社と共有>
 東北電力浪江・小高原発(計画中止)の用地取得をめぐり、中部地方の土木会社が巨額の裏工作資金を投入した痕跡は、今も計画地に残されている。
 福島県浪江町棚塩東原116番。山林644平方メートル。土木会社と地元で反対派地権者の土地買収を担った不動産会社(浪江町)の経営者の家族がともに所有者として、登記簿に名を連ねている。
 土地は原子炉建屋の建設が計画された場所の近く。同原発の計画地はほぼ東北電が買収済みなのに、そこだけ穴が開いたように未買収のままだ。
 土地登記によると、この土地は不動産会社が反対派から取得し、1998年7月に土木会社の現地担当者に転売された。さらに翌99年には、不動産会社の経営者家族が、その二分の一を譲り受けるといった複雑な経過をたどっている。
 土木会社の元幹部は「あの土地がなければ原発は建てられない。工事の受注を確実にするための担保だった」と証言する。
 所有権は昨年4月、現地担当者の退職に伴い、土木会社の本社に移った。登記簿には、所有権移転の原因として「真正な登記名義の回復」と記されている。

<登記簿に「功績」>
 一方、この土地を共有する不動産会社にも、用地買収に協力した痕跡を残しておきたい理由があった。
 経営者の家族は「反対派の土地をまとめたことで、東北電にはとても感謝された。社員の人から、関連事業所が必ず進出するからと、周辺の土地を買っておくように勧められ、警備業者が買い取りそうな場所を購入した」と振り返る。
 同社が2002年に購入した土地は、原発計画地につながる最も大きな道路に接する約5200平方メートル。道路は原発へのアクセス道として東北電の費用負担で整備された町道だ。
 原子炉建屋近くの土地を土木会社と共有し続けた背景には、将来、こうした土地の売買で東北電から有利な取り計らいが期待できるとの思惑があったとみられる。
 644平方メートルの山林は今でも、東北電に対し、反対派地権者を裏工作で切り崩した両社の「功績」を見せつけているかのようだ。

<「回答は控える」>
 東北電広報・地域交流部は、この山林をめぐる経過について「第三者間の取引なので承知していない」と回答。未買収のままになっている理由については「個別事案の回答は差し控える」と説明を拒否している。
 反対派の土地買収を担った不動産会社に周辺の土地取得を勧めたことについては「そのような事実はない」と否定している。


2014年01月04日土曜日

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