GAIA所員のひとり言

建築設計事務所の一所員の、建築はもちろん、社会の様々なことについてのひとり言。

製図試験、課題発表

2007-07-26 19:33:22 | Weblog
一級建築士の製図試験の課題が発表されました。
今年は「子育て支援施設のあるコミュニティーセンター」です。

製図試験は5時間半で課題文の読解・エスキス・作図を終わらせなければならず、極度のメンタル戦です。
また、ここ数年の課題文には数々の矛盾点がある(罠が仕掛けてある)ため、出題者の意図を読み取り、自分で優先順位を決めなければなりません。

しかも、試験当日に課題文を読んであっと驚く、「第3の要素」で合否が決まっているらしいです。
だから、資格学校へ通っただけじゃ合格しないとまでいわれています。

それにCAD作図が一般的なのに、試験はいまだに手描きで、何の意味があるのか・・・

製図試験対策の情報を集めると批判的な意見ばかり目に付きます。
しかし、この試験に合格しなければ一級建築士になれません。
どうやってこの試験を楽しむか。

「実は実務でもクライアントの要望と予算、納期、敷地条件、法的規制等のはざまでやりくりして、「課題文」を読み解いていますよね。」

という主旨のことを本で読んだとき、いつもどおりやればいいんだなと思ったら楽になりました。

また、CADの時代だからこそ、あえて手描きで作図するべきだと私は思います。

手描きのときは頭の中で図が描けていないと、線を引いたり、消したり、引いたり、消したり・・・を繰り返す羽目になります。

全体を把握しながら、細部に集中する作業の積み重ねで、CADとは違った醍醐味があります。

私は、描き込んでいくうちに手が覚えて、手で考えているような感覚になったことがあります。
そうしたら作図時間が短縮したし、図面の印象度が上がったように思います。

図面の印象度も合否判定基準の一つらしい?ですが、近年の受験生の作図力は落ちているそうです。
手描きの技を磨くのも合格への一歩かもしれません。

角番生も学科合格生も暑い夏を過ごして、ハッピーな冬を迎えられるようにお祈りしてます。

私はCADの技術を磨くと共に手描きの感性も磨いていきたいです。


hossy