シロ猫ピッピの「おいら物語」

生死をさまようガン闘病中に人間の言葉がわかるようになったシロ猫ピッピの物語。ニュージーランドからお送りしています!

Vol.0275■真夜中の出来事Ⅱ

2007-07-29 | ガン闘病記
「メルマガが止まると本当に心臓に悪いのでお忙しいとは思いますが、なるべく更新願います」 
ってメールが来たけど、更新してもワルいかもな。
なんせガンだからね、いろんなことが起きるよ。
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「ピッピ、ピッピ、大丈夫?」
「ピッピがどうした?」

いつもは静かな真夜中に、アイツと連れ合いのデカい声。
アニキもとっくに起きてて、そばでハーってやってる。
なんだかわかんないけど、コワいんだ。 

おいらだって、コワいさ。
目が覚めたらノドがくっついてる感じなんだからさ。
デカくなってるガンはおいらのノドをどんどん押してくる。
なんか喰うたびに、ごっくん、ごっくんって感じだからね。
でも、こんな風にくっつく感じは初めてだった。

おいらの背中をなでてたアイツは、おいらをひょいと抱いた。
上に向いたらもっと吐けない。
吐けても、吐いたもんがノドに戻ってちまうじゃないか。 

でも、いつもの横抱き。
毎日毎日、こうやって抱っこのおいら。
アイツのデカい顔が目の前なのも、いつものとおり。そのデカい顔が言う。
「ピッピ、大丈夫?ママが見える?」

見えるさ。
苦しいのはノドだけ。目は関係ない。グェェェってやってるから声も出てる。
抱っこされてからもグェェェ、グェェェってからだを固くしてるうちに、
ちょっとラクになった。下を向いてるより上を向いた方がよかったのかもな。
苦しさが減って、ピッタリくっついてたノドがちょっとは広がった感じだった。

助かった・・・
アイツはおいらの目をジーっと見てる。
おいらもアイツの目をジーっと見てる。
コワかった。
あいつも、おいらも。

アイツの目は泣いて濡れてた。
おいらの目も苦しくて濡れてた。
濡れた目と濡れた目で、ジーっと見た。

これから何度もこういうことが起きるかもね。
でも、一緒にがんばろう。


あんときばかりは、アイツの頭のテレビがはっきりしてたよ。
自分で考えてんじゃなくて、おいらにそう伝えたんだ。
そうだ、これから何度もこういうことが起きるかもしんないな。

(さすがにビックリしたよ、あんときは→)

(つづく)