土の音(食育のグリーンノート&土の音工房)

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「土の音工房」で、オカリナ製作販売・演奏・教室(初心者~)を主宰

グリーン・ケアの秘める力!

2016-04-04 | 食と健康
グリーン・ケアの秘める力!

日本綜合医学会会報の連載記事でお馴染みの 兼坂さくら氏と、近藤まなみ氏の共著「グリーン・ケアの秘める力」(創森社・2008.6.18) を石川県立図書館で見つけました。

実務的実践で多くの成果をあげている 近藤まなみ氏の記述と、真摯な取材内容と気持ちのこもった報告が、立体的な理解をもたらし惹き込まれます。

〈著者略歴〉
○兼坂さくら
東京都生まれ。現在、国際農業ジャーナリスト協会会員、日本綜合医学会会員及び食養指導士、‥(略)‥ 全国農業改良普及支援協会海外事情相談員、スイス・ドルナッハ在住。

○近藤まなみ
千葉県生まれ。ドイツに農業研修留学。特定非営利活動法人日本園芸福祉普及協会認定講師などを務める。‥(略)‥ 園芸福祉、園芸療法の指導、研究、実践を通して、園芸の福祉的活用に努めている。


〈参考〉
◎兼坂さくら氏が連載する「スイス通信」を「月刊 綜合医学」(日本綜合医学会 発行 No.333)より抜粋。

《秋になりますと、平地の圃場にキャベツ畑が広がります。朝露に濡れた大きいキャベツを収穫している様子は秋の風情の一つです。
畑の近くには、たいていサワークラウト工場があります。‥(略)‥

一年に二日だけ、保存食を自分の手で作りたい市民のために工場を解放してくれます。その工場は、キャベツ生産者で営まれており、農家が早朝に収穫したキャベツを生産者が運んできます。‥(略)‥

買ったキャベツと香辛料をすぐに自宅に持って帰るグループと工場内に設けられた漬物用のスペースでサワークラウトを漬けるグループに別れます。
大きな甕(かめ)にカットされたキャベツをぎゅうぎゅう押している白髪のマルコ氏。

「すごい力仕事です。でも、自分で漬けたのが一番おいしいですよ。どこかで買ってくると、砂糖や化学調味料がはいっていて、まったく味も歯ごたえも違います。毎年、ここで12kgのキャベツを手に入れて妻と 冬のあいだ美味しく食べます。毎日、地下室に行って様子を見るのが楽しみなのですよ」

‥(略)‥生キャベツより消化しやすくなります。発酵プロセスでは、善玉菌が大量に増殖しますし、火も加えず、加工もしない「生きている」善玉菌食品です。ビタミンをたっぷり含んだサワークラウトは、人間の体内に直に速やかに働きかけます。

人体の免疫や神経システムに良い影響を与え、タンパク質の消化を促(うなが)し、慢性疾患やウイルス・有害なバクテリアから人間を守ってくれるプロバイオティクス(Probiotics )食品です。》

等々、生のスムージーとして摂取することも含め《キャベツの効用については、一冊の本が書けるほどたくさんの情報があります》と記されている。

スイスの 兼坂さくら氏とはメールで交信させて頂きつつ、アルプホルンやヨーデルの響きを想像し、サワークラウト作りの風景も脳裏に描いていた。

そんな折り、昨年 ドイツ在住の音楽家ファミリーの主である友人から、知人が本を出版したと連絡があった。
“キャベツと健康”の内容にピンときて、図書館にリクエストしたら電子書籍なので取り寄せはムリだと(苦笑)。

〈実践体験談〉
●「キャベツで花粉症がウソのように治る!: 厄介な下痢や、いまいましい花粉症から 一刻も早く、簡単に逃れる方法」 ( 川崎 英一郎 著、Japan Verlag 2015/9/28 )

(Amazon 紹介欄より):慢性の下痢、重症の花粉症に長年悩まされ、果ては仕事中に突然意識を失うほど。そんな身体でいったいいつまで今の生活、仕事を続けられるのか…著者はあることを知り、ものは試し、善は急げとばかりに試してみたのです。するとどうでしょう。それまで20年以上も悩まされてきたあのひどい下痢が嘘のように…

…上記のように、キャベツの成分も効用も応用範囲も素晴らしいものです。


ご存じの通り、植物の“根”が腐るとその生命が失われるように、“根”に匹敵するヒトの“腸”の状態は、健康と病気を左右する根本的な要因です。

大航海時代の船乗りたちの腸内細菌叢(フローラ)のバランスは壊れ、有用なビフィズス菌の割合など、考えるまでもなく悲惨な状態であったに相違ありません。

さて、雑草という名前の植物が存在しないように、乳酸菌という名の菌はない (人体では ビフィズス菌類が主) ことから、一般的総称の乳酸菌という呼称を理解した上で考えます。

壊血病はビタミンCの欠乏に起因すると云われますが、乳酸菌もビタミンCを微量ながら生成し、野菜や果物を摂れない遊牧民が飲んでいる 乳酸発酵された馬乳酒にはビタミンCが100mlあたり8-11mg含まれています。

また、正常な母乳栄養児のフローラはビフィズス菌が極めて優勢で、善玉菌として腸内の環境を整え、花粉症などアレルギー症状の緩和に貢献していること、ビフィズス菌が、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンK、その他ビタミンB群を生成することもわかっています(Wiki‥等)。