北海道で発掘されるアンモナイトは、保存状態がとてもよく、形がきれいに残っています。その秘密は、ノジュールとよばれる固い岩のような塊にあります。
❻ 友人のアンモナイトコレクターからタイピンに加工したものをもらっもの。小さいが完全形で美しい姿です。厚0.4↑cm(加工済)、1.2×1.6cm、重さ;1.5g↑
化石になる確率~地球上の生物の死骸は、細菌によって分解され、跡形もなくなっていくのが普通です。ですから、恐竜でも、貝でも、木の葉でも化石になる=なれる確率は大変低いことになります。ある学者の文献では、例えば、デスモスチルス(中新世に生息していた半海棲のカバのような哺乳類=北海道足寄町でも発見;1976年)の化石が1体見つかったとすると、そこには2万頭住んでいたという。実に、2万分の1の確率です。それに、化石は、地表や地表近 くで発見されるのですから、人間の前に現れる確率は更に低いことになります。
➐これも上記のコレクターがクリーニングしたものをもらったものです。完全形で美しく宝石のようです。厚0.6↑cm(加工済)、1.9×2.0cm。
ノジュールのこと~アンモナイトなどの生物が死ぬと、死がいは分解され、アンモニアが放出されます。アンモニアは、アルカリ性ですから、そこに水にとけていた炭酸カルシウムが集まって、化石をおおうように固まります。この炭酸カルシウムが化石を包むように固まり硬い殻を作ります。そのため、その化石に上に土砂が積もったり、ある程度の周りからの圧力にも耐えるようになり、生息していたような美形のアンモナイトが残るという考えが一般的です。当時の海は、このノジュールのできる海底の条件も整っていたことになります。