奈良県生駒市上町に長弓寺(ちょうきゅうじ)があります。
真弓山長弓寺は真言律宗のお寺です。長弓寺縁起によると奈良時代に聖武天皇が鳥見郷の豪族・真弓長弓(まゆみたけゆみ)の案内で狩りをしました。その時、あやまって息子・長麻呂の流れ矢に当たって長弓が死んだため哀れに思った聖武天皇が僧・行基に開かせたといわれています。
延暦年間(782-806)に藤原良継(よしつぐ)が堂塔を再興し、盛時には20もの塔頭があったようです。現在は円生院(えんしょういん)、宝光院、法華院、薬師院の4坊が残り、長弓寺本寺には住職がいないため、輪番制で本堂を護持しています。
弘安2年(1279)、真言律宗の祖・叡尊(1201-1290)によって本堂が再建され、現在まで続いています。文明5年(1473)、山名宗全の落人に寺宝などを破壊され、天正5年(1577)には織田信長によって寺領を没収されたりしました。
境内には国宝に指定された本堂と塔頭4坊、神仏混交の名残りの伊弉諾神社があります。かつては鎌倉時代建立の三重塔がありましたが、門、鐘楼とともにザ・プリンス さくらタワー東京、グランドプリンスホテル高輪、グランドプリンスホテル新高輪の3つホテルを包みこむように広がる日本庭園・高輪日本庭園に移築されています。また、黒漆厨子、木造十一面観音立像は国の重要文化財に指定されています。
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