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インテリアコーディネーターのブログ。
住まいのこと。インテリアのこと。仕事のこと。子どものこと。。。

5月30日 前振り

2006-05-30 | 美術館・展覧会
前回のブログは今日の投稿のための、前振りのようなものになってしまいますが・・・。
ある種のフラストレーションを感じた私は、はるばる行ってきました。


サントリーミュージアムへ。

4月29日(土・祝)~6月25日(日)までサントリーミュージアム[天保山]愛の旅人 シャガール展が開催中です。

それにしても遠い・・・。
JR京都駅から、大阪へ。それから環状線に乗り換えて弁天町で下車。
地下鉄中央線大阪港から徒歩約5分のところにあるサントリーミュージアム。

自宅を出たところからカウントすると、たっぷり1時間半かかりました。各所で階段を上ったり、下りたり・・・。到着までに十分疲れました。

自動ドアをくぐると、なんとなく嫌な予感・・・。
え?!まさかチケットの購入に列が!!!

はるばる来ても、やはり京都駅と何ら変わらず満員の館内。
しかも、なぜだか満員の時ってみんな(そんなに近くじゃかえって見難いやろう?)というくらい絵に近付いて見ます。
数歩離れた場所から鑑賞したい私は、限られた隙間から覗くように見なければなりませんでした。

数年前、エミールガレ展が行われたときも、訪れましたが、ここで行われる企画はスケールが大きいという印象がありました。今回もやはりその期待を裏切ることはなく、5つのテーマで構成されており、たくさんの作品を鑑賞することができました。

シャガール好きには、納得のいく内容ではないでしょうか。

ただ、私が探している絵には、ここでも会えず・・・。
それだけが、心残りです。

それから、ミュージアムショップで2冊の本を購入しました。

1冊目は、この企画の作品集です。
日頃、この手の書籍は購入することがありません。
なぜなら、好きな作品群というのは、シャガールの中でも限られているので、興味のないページもたくさんあるからです。
珍しく、この本に惹かれたのは、書籍自体の美しさです。表紙・裏表紙のデザインもさることながら、中の誌面構成もとてもキレイだったので、ついつい手にとってしまいました。

2冊目は、「ダフニスとクロエ」
日本語訳によって出版されていたことを初めて知りました。

シャガール展というと、「愛」をテーマにされるのが一般的です。その中で必ず目にするのが「ダフニスとクロエ」に使われた版画。古代ギリシャの小説の挿絵として使われた作品は、恋人たちの姿にシャガール自身と最愛の妻ベラの姿が反映されている。とも言われています。

ミュージアムショップでは、その特装版として、立派なハードカバー様式のものもあり、かなり悩みました。結局、帰り道の遠さと実際に読むことには適さない大袈裟なつくりを諦め、普及版を購入することにしました。
じっくり読んで、良かったら、次は特装版を購入しようと思います。

5月27日 シャガールを求めて

2006-05-27 | 美術館・展覧会
現在、大丸京都店6F大丸ミュージアムで開催中の「パリを愛した画家たち」を訪れました。

「パリを愛した・・・」といえば、そう、シャガールでしょ?

シャガールの描いた絵の中で一番好きな絵「窓から見たパリ」のコピーを購入したことはこれまでにも触れたことがあります。
でも、ちょうどその日、その絵を購入した日の展覧会で、すごく鮮烈な黄色が印象的な絵に出会ってしまったのです!!!
自宅にある美術書にも、これまでに集めたポストカードでも、美術館の出口で販売されるグッズの中でも見当たらない絵。その日初めて見たその絵は、それから時間が経つほどに私の中で存在感を増し、タイトルすら思い出せないことにイライラ・・・。
そんな時に目にしたのがこの展覧会。

パンフレットだって、シャガールを前面的に押し出しているわけだし、きっときっとここで見つかるかも・・・。

入場すると、知らない絵がたくさん見えてきました。
そう、あくまでも「パリを愛した画家たち」。
私が知らないだけで、パリを愛する画家はたくさんいるわけです。ゆったりと鑑賞されている方々を尻目に、どんどん歩みをすすめると、光輝く絵が1枚。
え?!1枚???

「母と子」
それって、パンフレットに使われた作品じゃない?!

私は、シャガールの赤や黄の鮮烈な色彩が好きなので、深いブルーの色彩は、どちらかというとスルーされる部類なのです。
「母と子」は、ブルーが美しい作品なわけで・・・。
とっても欲求不満な私。
出口で1枚だけポストカードを購入して、その場を後にしました。

「パリを愛した画家たち」
大丸京都店 6F大丸ミュージアム 6月5日(月)まで開催中です。

5月26日 人脈

2006-05-26 | インテリア/建築

最近、取引先の方々と長い時間ご一緒するチャンスに恵まれ、いろいろなところでいろいろな話を聞くことができ、頭の中に情報が山盛りです。

例えば、先日は6月中旬から下旬頃には発表予定(少し遅れております。ごめんなさい・・・)のモデルハウスの家具を選びに家具屋さんへ行って来ました。
「限られた予算ではあるものの、良いものを探したい。」と考えた時、一見さんで立ち寄ることに不安を覚えた私は、顧客という立場を利用(?)し、以前に夏のボーナスを全てつぎ込んで購入したことのある家具屋さんを思い出しました。

早速次の日、お店に電話を掛け、社長の所在を伺い、直接お話しすることにしました。
わが家の家具の大半がそこでお世話になっていることと、たまたま全ての購入に社長が担当してくださったこともあり、私は、社長のことを良く知っていました。
しかし、社長にとってはたくさんの顧客の中の一人で、購入してからもう何年も経っているのですから、あつかましい話です。
もちろん、全く覚えていらっしゃらなかったのですが、本当に丁寧に接して下さいました。そして、それ以上にいろいろなお話を聞くことができたのが、大変勉強になりました。

社長は毎朝5:30に起床し、ご近所を約1時間半かけて散歩されるそうです。そうすると車ではわからない、住宅の細かい部分が良く見えてくるのだとか。
「継続は力なり」という言葉は有名ですが、会社を背負って立つ「社長」は、やはり何かが違う。と感じました。行動力とか勉強熱心とか、なんだか言葉にするとありきたりになってしまいますが、自分の未熟さに改めて気付く出会いでした。

その次の日に訪問したのが、とあるカーテンのショールームです。
こちらも、モデルハウスのカーテンの相談に行って来ました。
こちらには、私がカーテンのスタイル名すらろくに知らない時代からお世話になっている店長さんがおられます。
「その後、深く関わることになる人との最初の出会いは、明確に覚えているものだ。」というのは、過去にもブログの中でもお話ししていますが、この店長さんもその一人で、今でもその時のことはハッキリと思い出します。

カーテンの提案をしたい。と思ったとき、まずはカーテンの見本帳をどうやって入手するのか?ということが問題になりました。ご覧になられたことのある方は察しがつくと思いますが、カーテンの見本帳ってとても立派なものなのです。
手当たり次第電話をすると「2万円の有償になります」とさらりと言われたことも。
メーカーさんに聞いても「販売店を通してくれ」の一点張り。
「では、販売店を紹介して下さい」
そうしたやりとりの後、コンタクトを取ることができたのが、その店長さんでした。

それから数日後、その販売店の事務所を伺うことになりました。
一夜漬けで、カーテンのスタイルを叩き込み、ある程度の会話が成立できるだけの情報を頭の中に詰め込みました。

事務所に向かうバスの中、ものすごくどきどきした気持ちは、今思い返すととても新鮮です。

会う度にいろいろな話を聞かせて頂けますが、先日の中で一番印象に残っているのが、「貸している方が楽なのですよ。」という言葉と「自分で自分を褒めるな。」という言葉。

重たい言葉だと思いませんか。

昨日の晩は、某設備メーカーの営業さんとプライベートで食事に出かけました。なかなか女性の方との出会いが少ない環境なので貴重な存在です。
遠めから見ているだけでも、スゴイ人だなぁ。と感じる人で、私はとても尊敬しています。

この方との出会いも、もう何年も前のことになります。
当時、情報量が少なく、情報の集め方もわからない私は、商品の提案をするのも一苦労でした。商品は定期的に移り変わるものの、その情報についていくことができていない私は、お客様に提案した後になって、廃盤を知る。なんてこともしばしば・・・。

今は、たくさんのメーカーさんが、わざわざ会社を訪れてくださり、新鮮な情報を届けてくださいますが、何もできないときや何も知らない時に助けて下さった初めての方でした。
当時の私も現在の私も、同じように対応してくださる本当にステキな方です。

そして今朝は、ハチセが施工をお願いしている工務店の専務に、現場を案内してもらいました。

このきっかけは、ある日仕様書を作成していた時のこと。
最近ハチセで頻繁に用いられている無垢のフローリングの仕上げについて疑問を感じた私は、専務の助言を仰ごうと電話をしました。たまたま、ハチセの物件ではない現場で、ウレタン艶消し仕上げをされた現場があると聞き、あつかましくも見学させて頂くことになりました。(しかも迎え付き♪)

専務とゆっくりお話しするのはこれが初めてで、とても勉強になりました。
「稔るほど頭の垂れる稲穂かな」
という名言をそのまま投影したような方で、ものすごく気をつかって頂くので、二人でペコペコペコペコし合っていました。
客観的に見るとかなり不思議な絵だと思います(笑)。

私が言うのも失礼ですが、特に話したことがなくても、その人格の素晴らしさは見てとれるものの、話してみて、「やっぱりね」。という感じです。
すごく人を大切にされる姿勢は、スタッフの方たちにもすっかり浸透していて、学ぶところがたくさんあります。

人脈。
何かの問題にぶつかると、一人で解決することのできない事柄の多さと、たくさんの人に助けてもらっているということに改めて気付くことができます。

本当に良い人に恵まれて、良い人と出会うことができて・・・。
なんとなく、そんな幸せにしみじみ浸っている今日このごろです。

5月20日 ニチベイ展示会レポート

2006-05-20 | イベントレポート

5月18日(木)パルスプラザ(京都市伏見区竹田)で行われたニチベイの新商品展示会へ行ってきました。

会場に入場すると、なにやらロールスクリーンが上がったり下がったり・・・。
何かと思えば「音」がポイントだったようです。

あまりにも当たり前のように上下に動く静音電動スクリーン「サイレントソフィー」。従来の高出力モーターではできなかった35dB以下の抜群の静かさ。


35dB以下?と言われてもいまいちピンときませんが、簡単に言うと機械音はほとんど聞こえませんでした。なかなか電動のロールスクリーンが上げ下げされているのを見る機会がないかも知れませんが、従来のものは、モーター音が激しく「ジジジ~♪」という摩擦音のようなものが非常に耳障りでした。
特にご家庭の場合、ちょっとした音がすごく気になってしまうと思います。
これなら、安心して使えそうですね。

そこで問題になるのが価格。
「電動」=「高い」また、工事費がかかったり、工事に手間がかかるというイメージがありますが、従来に比べ25~40%以上もお得になりました。

通常のロールスクリーンの価格に電動部(19,000円)と、シングルリモコン(4,000円)をプラスするだけ。カタログ価格23,000円の追加で手動のロールスクリーンが電動に変わります。

取付は、本体にコントローラー、リモコン受光部を内蔵しているため、ドライバー1本で取付可能です。あとはコンセントに差し込むだけなので、特別な配線工事も不要です。


住宅の天井高がどんどん高くなる昨今、電動式が当たり前になる時代も近いのかも知れません。



アルペジオ「モアラップスタイル」

ポイントとなるのは、スペーサーコードがなくなったこと。

最近ではオフィスや店舗だけでなく住宅でも取り入れられることの多くなったバーチカル(=タテ型)ブラインド。スペーサーコードが絡まったり、なんとなく目障りだなぁ。と感じたことはありませんか?

この商品はルーバーの重なり幅が大きいので、スペーサーコードに頼らなくてもプライバシーが確保できます。

このほか、バランスウェイト部の仕様が4種類の中より選べます。

標準仕様



カバー仕様
グラスファイバー、遮光などの色柄用。



ミニマル仕様
スペーサーコードのない仕様。
ウェイトを三方縫製。



アジャスト仕様
標準仕様と同価格で変更が可能。
取付後もルーバー高さ(長さ)を微調整できる(±2cm)新仕様。

この他、デザイン・テクスチュア・カラーを選んで組み合わせるミックスルーバー「アソートメント」「アラカルト」のバーチカルブラインドや、ロールスクリーンのプルコードやトリムのデザインが斬新でした。

詳しくは、ニチベイのホームページでご確認ください。↓
http://www.nichi-bei.co.jp/index.html

5月18日 松下電工の新商品発表会へ行って来ました。

2006-05-18 | イベントレポート
5月12日(木)、大阪ビジネスパークで行われた新商品発表会へ行って来ました。
照明だけでなく、インターホンやエアコン、火災報知器、電球などの展示がありました。
帰りにナショナルセンターとパナソニックセンターも見学したので、キッチンや照明、ユニットバス、建具の他液晶(プラズマ)テレビも見ることができました。

その中で特に照明器具についてレポートしたいと思います。

まず目についたのが、このスポットライトです。
 

最近、HALOPIN(ハロゲン電球)を利用した器具が随分たくさん出てきましたが、これもその一つ。ハロピンの採用によって器具を大幅にコンパクトにすることができています。
灯具サイズはφ70。一般的なものはφ100以上なので30mm以上小さくなっています。これは、なかなか数字で説明してもピンとこないかもしれません。
私もカタログを見ていても、素通りしてしまっていました。これはぜひ現物を確認してほしいです。

詳しくは、松下電工のホームページをご確認ください↓
http://biz.national.jp/Ebox/HomeArchi/products/products6-2.html

私のお気に入りがこちら。


「草灯」と題された器具たちです。
陶器でつくられたペンダントとスポットライト。それから庭園灯の3種類。
このような商品は、カタログで感激しても実際の商品を見ると落胆することもあるのですが、これはとても良かったです。
しっかりとした素材感があり、黒の灯具も白の灯具もとてもキレイでした。
ハチセで大流行中の「リ・ストック住宅京町家」にはピッタリの商品だと思います。


Ishicolo(イシコロ)

おや?!どこかで見たような商品・・・。
こんな表現をするとどちらのメーカーさんからも怒られてしまいそうですが、どちらもまぁるくて、ころんとした感じがとてもかわいくて、存在感のある商品です。

これ、シリコンでできてるんです。
だからとってもやわらかな質感。特に直接手を触れる機会のあるフロアライトなんかは、この手触りがこの器具のかわいさを更に惹きたててるような感じがしました。


LEDを利用してスマートなあかり
しっかりとした機能と空間に一体化するスリムな器具は、余計な主張がなく、しっかりと馴染んでくれます。それでいてしっかりとした存在感はあるのだからスゴイ。
なんだか、とても矛盾したことばを連ねていますが、存在感を消すことも、その存在を主張することも、両方できてしまう。そんな器具でした。

詳しくはこちらでご確認ください↓
http://biz.national.jp/Ebox/HomeArchi/products/products24.html

5月10日 甲子園球場へ行って来ました。

2006-05-10 | ひとりごと
5月3日(水・祝)、私にとってはすごくひさしぶりの甲子園球場へ行って来ました。
とにかく、めちゃくちゃ楽しかったです。

実は私・・・
阪神ファンなのです♪

まぁ、関西では驚かれることはないと思いますが、中学2年生くらいの時に亀山選手の高校野球を見ているかのような、熱いプレーにすっかりはまってしまいました。
もともと、プロ野球より夏の甲子園が大好きだったのですが、そのことがきっかけでプロ野球を見るようになりました。
 学校のともだちの間でも、当時は新庄選手や仲田投手を中心に野球に関する話題で盛り上がっていました。
少しでも近くで見たいからと、球場に足を運ぶ機会も増えました。
 その後3年生になり、高校受験のシーズンを迎えるわけですが、当時半強制的に行われていた学校主催の模擬試験を欠席してまで球場へ出掛けたくらいです。
 亀山選手の姿は、私の進路にもめちゃくちゃ影響し、それが私の高校生活と深く結びついています。
 亀山選手が引退された後は、あまり積極的に見ることはなくなりましたが、それから数年が経ち、星野監督に出会ってしまうのです・・・。

これまためちゃくちゃ熱くって・・・。もちろん一瞬で大好きになりました。
同時に、また野球を見るようになりました。
しかし、球場に赴くことはありませんでした。
なぜなら、中学時代の私は、少しでも亀山選手に近いところを・・・。ということでライトスタンドのチケットを買い、攻撃中は立ちっぱなしで応援し、あらかじめ用意した紙ふぶきを撒いたり、メガホンをたたいたりの大忙し。
そのことを振り返ると、テレビの方が解説付きでゆっくり見られていいかなぁ~。なんて思ったからです。
大好きな星野監督の顔もハッキリ見ることができますからね。

でも、全然違いました!
やっぱり「生」は面白いです!!!

確かに微妙なプレーとか、細かいところ、選手の表情はほとんど見えませんが、画面では伝わらない選手の白熱したプレーや球場の雰囲気にワクワクしました。
只今、次回いつに行こうか検討中です。

 
↑球場内で食べたお弁当


↑ラッキー7のジェット風船


↑ディズニーが流行中の私が出会ってしまったタイガース版ミッキー&ミニー(現在、私の愛車の中で揺れています 笑)

5月8日 FUNDERTWASSER展

2006-05-08 | 美術館・展覧会



2006年4月11日(火)から5月21日(日)まで京都国立近代美術館にて開催中の「フンデルトヴァッサー展」へ行って来ました。

ウィーンにあるゴミ焼却場とか美術館なんかは有名で、彼を知らない人でも、(あ~。何かの雑誌で見たことあるなぁ。)と思うのではないでしょうか。

ゴミ焼却場


美術館

フンデルトヴァッサーは、1928年ウィーンに生まれ、画家・建築家・思想家として2000年、その生涯を閉じました。
彼の特徴は、鮮烈な色彩と曲線。「直線は私たちの文明を没落へと導く」という名言を残しているほど、直線を嫌い、建築さえも曲線で表現しました。

私たちの固定概念では、考えられない豊かな発想と創造性。鮮烈でありながらも調和した色彩が見るものを惹きつけます。

ルーブル美術館展のときは、性別・年齢問わず幅広い層の人たちが観覧に押し寄せました。私の大好きなシャガールも、その展覧会の際にはたくさんの人の隙間から覗かなければなりません。

今回の展覧会は、ひさしぶりにゆったり観覧できました。
訪れていた人たちも個性的な雰囲気のある人が多かったように思います。

鮮烈な色彩と渦巻く線を駆使する画家として、また人と自然との共存を訴え続けたエコロジストとして日本にもなじみの深い、オーストリアを代表する美術家フリーデンスライヒ・フンデルトヴァッサー(1928-2000)の業績を回顧する展覧会を開催します。
フンデルトヴァッサーは、アンフォルメル運動など第二次大戦後の美術が華やかに展開し始めた1950年代中頃から、視るものを幻惑する強烈な色彩と「生と死を象徴する」渦巻く流線を用い、画面の中で樹木も建物も人間も全てが同化し、渾然一体になる絵画世界を創造して大きな注目を集めました。
彼の芸術の根底にあったのはヨーロッパ近代の合理主義に対する鮮烈な批判であり、また自然回帰の願望であったと言えます。彼は早くも1958年にオーストリアとドイツ各地で「カビ草宣言・建築に於ける合理主義に対して」と題する講演を行い、また1968年にウィーンでの「アドルフ・ロースからの脱出」の講演によって現代の不毛な建築学からの決別を宣言しました。その後も彼は絵画制作と平行して、合理主義が生み出してきた現代社会の環境破壊の危機を訴え続けました。いま振り返れば彼のこうした活動は、1968年前後から世界各地で先鋭的な建築家やデザイナーたちが提起した近代建築や近代デザインに対する異議申し立てと共鳴関係にあり、1980年代のポストモダン論議の核となった理念を先取りした、きわめて実践的な直接行動であったと理解することができます。
本展は彼の製作活動を包括的に回顧すると同時に彼が生涯を通じて取り組んだ環境保護活動の側面と、人と自然との理想的な関係構築を目指した「建築」に焦点を当てます。彼が理想とした人と自然との共生と調和を雄弁に語る大型の建築模型、絵画、環境保護活動の過程で制作されたポスター、版画、タペストリーなど100点の作品により、美術を通じて自分の理想を実現しようと挑戦を続けてきた、美術家であり思想家であり実践家であったフンデルトヴァッサーを、いま再び考えてみることの意義は少なくありません。
(パンフレットより引用)

館内を順路にしたがって進むと、スクリーンに映し出された彼の映像に出会います。
彼の日常を撮影したもののようですが、その中でこんなことを言っていました。

「屋根の上に草を生やすなんて、常識では考えられないと非難される。だから絵の中に描くことにした。絵なら誰も非難しない」(表現は少し違うと思います)


ものをつくる人が必ず感じるフラストレーションのような気がします。
これほど有名な人でさえ、いくつものフラストレーションと戦ってきたのだと思うとなんとなく安心できました。

「常識」とか「非常識」、「普通」とか「変わっている」とか。そういうことって誰によって決められるのでしょうか。

彼の映像を長い間、眺めていると、私が一番好きな絵本「星の王子さま」の中に散りばめられたたくさんのフレーズと重なりはじめました。


これ、何に見えますか?

星の王子さまを読んだことのある人なら、答えは簡単です。
この物語は、まずここから始まるのです。
そして、私はこれにかなりの衝撃を受けました。

正解はこれ。↓


「ウワバミに飲み込まれたゾウ」です。
(絵が見つからなかったので、ネット販売されているぬいぐるみの画像を使用しています。)

私が星の王子さまに出会ったのは、小学4年生くらいの頃。
当時、十分子どもだった私も、本の中の王子さまのピュアでキラキラした表現にハッとさせられました。

なんとなく、これらと重なるものを感じたのです。

フンデルトヴァッサー展。
直線的で四角い大人の世界に疲れているあなた・・・。
彼の作品に癒されるかも知れません。

FUNDERT WASSERについて調べているとこんなサイトに出会いました。
彼の作品が好きな方、必見です!!!
http://home.s02.itscom.net/hyakusui/favorites/hw/t_index.html

5月1日 春はわかれの季節

2006-05-01 | ひとりごと
数日前の夜、自宅に1本の電話がかかってきた。
電話の向こうは、私が3年前に購入した営業さんだった。

内容は「5月1日に転勤することになった」。というもの。
昨日に聞かされて、ご挨拶に伺うことができないという謝罪と、引継ぎはきちんとさせて頂きます。といった内容だった。

それから一、二言の会話を交わし、電話を切った。

今から4年前の夏、私はその営業さんに出会った。

自分の車を持ちたいと、半ば衝動的に思いつき中古車情報誌「Goo」を購入してから1週間と経たないある日のことだったと思う。
私が高3の頃から愛読しているファッション誌「Ogg」の中に新車の広告を見つけた。
8月に発表されるその車は、私の希望をほぼ100%叶えた車だった。
ただ一つ、価格を除いては・・・。

それから数日たったある日、これまた衝動的にその車の販売店を訪れた。
接客してくれたのがその人である。

その時の私は当然のことながら今より3歳若い。
どこからどう見ても、お金なんて持っていなさそうであった。
しかも、試乗することさえできないペーパードライバーだった。

そんな私を相手に、実に丁寧に接客してくれた。

ビシッとしたたたずまいと立ち居振る舞い。まさにディーラーらしい人だった。
それから1ヵ月後、当初予定していた金額の倍の契約書にサインをした。

衝動的に欲しいと思ってから、2ヶ月と経っていなかったと思う。

もしもあの時、偶然接客してくれたのが彼でなければ、今でもペーパードライバーだったかも知れない。

昨日4月30日、最後の日にちょっとしたプレゼントを持って、会いに行った。
聞けばこの数日間で690件。彼の全ての顧客に対し電話をかけたらしい。通常ならハガキを出すそうだが、彼のポリシーが許さなかったのだろう。

そしてその日も店内にある点検予約が記載されるホワイトボードの担当覧には、彼の名前がずらりと並んでいた。
私と歳は変わらないが、できる人は違うと思う。

今日からまた、新しい大きな舞台で更に活躍されることだろう。

そういえば、一昨日(4月29日)は某住宅メーカーのモデルハウスを訪れた。
学生だと言って中を案内してもらったが、そこでもあの日と同じように、どう見ても顧客になりそうもない私を相手にじっくりと案内してくださる営業さんに出会った。

私の働く会社にとっては商売敵になるその営業さんの接客と建物の素晴らしさに(いつか私が家を建てるときには、こちらの会社に・・・)なんてことを思ってしまった程だ。

帰り際に渡された名刺には「主任」の文字。
やはり、できる男は違う。