水沢司法書士・行政書士事務所

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確定日付の活用

2012年05月09日 | Weblog
公証人法によれば、公証人の取り扱う業務に、私製証書の認証だとか、確定日付の押印なんて業があります。

司法書士が関係するものとして、定款の認証や強制執行認諾付公正証書だとか公正証書遺言なんてものがメジャーだと思いますが、たまにこの確定日付の押印なんてものが出てきたりします。(公正証書遺言が司法書士業務にあたるかどうかの問題は別)

確定日付とは、その日現在における文書の存在が明らかとなる日付のことをいう、と説明されています。
要は、文書の「作成日につき」完全な証拠力を有するものであるため、後日問題となる様な重要な契約書に打つことが後日の争いを予防することになるというわけです。

たとえば、株券不発行会社の株式譲渡なんてどうしたらいいでしょう。
株券が発行されていれば特に気にはしませんが、株券不発行であれば株主名簿の記載・記録が会社その他の第三者の対抗要件となる、と(会社法130条)。

まあ父ちゃん母ちゃんが役員・株主になっている同族会社なら何の問題もないですが、売買代金数千万円が動く第三者間の株式譲渡だったら?
株式の二重売買にどうやって対策したらよいでしょう。株主名簿を備え付けている中小企業って少数ですから。

そんな状況のときに、株主名簿やら株主名簿名義書換請求書に、確定日付を打つのが役立つと思います。

まあ、株式譲渡契約書を公正証書にする、という方法もありますが、買主側の依頼であればわざわざ強制執行認諾文言を入れることはどうなのかなあと思いますし。公正証書にする意味もあんまりないんじゃないかな、と。
確定日付で十分でしょう、ということで先日実際にこれをしました。

あ、ちなみに、司法書士がこれやるとアウトですかね。
行政書士がセーフというのも正直違和感を覚えますが。

ちなみに、民法施行法5条において、確定日付として、
・公正証書の日付
・登記所または公証役場において私製証書に押捺した日付
・官庁または公署において私製証書に記載した日付
等とされています。

え?登記所?
調べてみると、どうやら不動産登記の受付で押してもらえるらしいです。
ま、まあ契約締結場の近くに公証役場がなければ選択肢としてあるかも知れませんね。

ここの所、商事法務の依頼が多く、あれこれ頭を悩ましますが、やってて楽しいです。

ま、八王子に移ってきて以来の長年の懸念事案が終了したので、気分的にずいぶん楽になりました!誰かが引き継ぐんでしょうが・・。