第10話、Aパートからの続きです。
比呂美は自分が置かれた状況をリセットすべく純に会いに。一人暮らしが決まったからには、残っているしがらみは、純とのかりそめの恋人ごっこ。
比呂美から切り出された瞬間の純、”畏れていた事態になってしまった”という感じが出てますね。
バイクの修理代を払うという比呂美に、中古のバイクで何とかなるという純。これ、修理代と恋人ごっこをバーターされては困るという感覚ですね。だから、修理代のことは無しにして、あくまでも、比呂美を恋人ごっこに縛り付けておかなくてはならない。
いよいよ切羽詰まってます。そして比呂美は、純の本当の気持ちに気づいているけど、この段階ではまだ言わない。それは11話で。
※比呂美は、店の看板を見上げても、腕を捕まれても、可愛いなぁ(笑)
この缶コーヒーを、ぐるぐる廻す比呂美さんの可愛さは、かなりキテます。
そういえば、このあと11話で、ガリンコ君をグルグル廻したりしているので、彼女の癖でしょうか?可愛いですよね。
三代吉は眞一郎に、愛ちゃんと別れたということと、乃絵は良い奴という報告。
眞一郎は、やはり自分のせいかと自己嫌悪。
そして、なぜか乃絵のところに行ってしまう眞一郎。同士としての好きだから、逢いやすいのかもしれないけど、今の乃絵は、眞一郎の本当の気持ちを知ってしまったから、ものすごい複雑。
踊りの稽古に誘う眞一郎に、「今日は私のために踊ってくれる?」という乃絵。
けじめというか、想い出作りのような感覚? 「おばあちゃん、これが最後にするから…」はそんな気持ちからの言葉。
そして相変わらずニブチンの眞一郎は、乃絵の気持ちにもまだ気づかない。
※比呂美派の私ですが、眞一郎の本当の気持ちに気づいた後の、恋に悩む乃絵、可愛くて好きです。true tearsは、気持ちの動きを丁寧に描いてくれるので、何気ない仕草も可愛くなる。
踊りの稽古場で、愛ちゃんと乃絵の接近遭遇。
愛ちゃんは乃絵のことを、眞一郎の彼女だと思っているわけですが、だまっておにぎりを食べているカットが、「私は彼女じゃない」という表現になってますね。やー、愛ちゃん、てっきり比呂美の気持ちのこと、知っていると思ってたんですが、知らなかったんですよね。比呂美が、それまでずっと、気持ちを隠し通していたのが、逆に解りますね。
※ここの愛ちゃんの最初のカット。眞一郎が来たときに、表情がほころんだ後、乃絵を見て「えっ?」っていう表情に変わってる。細かいな―。
「呪いなんてものがあったら私が…」
これもまたtrue tears得意の正解が複数ある台詞。
「乃絵が、乃絵自身に呪いをかける」でも正解だし、「乃絵が、比呂美に呪いをかける」もあり得る。さらには、「乃絵が、眞一郎に呪いをかける」ですら、成立する。まあ、感じとしては、乃絵が乃絵自身に呪いをかけるというのが近いかな。
眞一郎の踊りに拍手して、階段を降りた乃絵。階段の踊り場で、ちょっとだけ立ち止まる演出がいい。
これが最後なんだ、っていう気持ちを実感した瞬間かと。
愛ちゃんは、解りやすい。
「眞一郎を卒業する」と明快に言う。彼女らいしサバサバした感じ。逆に、眞一郎には気持ちが軽くなったかも。
愛ちゃんはやっぱり、お姉さんキャラだった。普通に考えたら、愛ちゃんで、メロメロでもいいと思うのですが、眞一郎も小さい頃から比呂美一筋だったんだろうなぁ。
そして、帰宅した眞一郎の部屋を尋ねる比呂美。
ピンクのセーターと白いスカートの組み合わせ。勝負服ですよ!気が付けよ眞一郎(苦笑)
「(仲上家を)出ることに決めた」という比呂美。それに対して、
「一人暮らしは物騒だし」と、一般論を言う眞一郎。まだ、自分の本心を隠してる。
比呂美はそういう台詞を期待していないから、それには触れずに、眞一郎の絵本へ。
その絵本は、もう、誰が見ても比呂美がモデルだとわかるし、比呂美は絶対に気がついている。だから本当なら、ここで比呂美は思いとどまって良いはずなのに、逆走癖が発揮されちゃう(苦笑)
しかも、眞一郎の「一人暮らしなんて良くないよ」は、まだ、本心を言わない。
比呂美は眞一郎に言ってもらわないと満足できないんですよね。もう、欲張りさん。
そして、確かに、一緒に暮らしているからこそ、わからなかったという事実が、やはり一人暮らしへと駆り立てる。
眞一郎の「考え直すことできないのか?」に対して「決めたの、そうするって」という比呂美。眞一郎は、比呂美に言われると、そのまま受けちゃうんですよね…。優しいんだけど、今の比呂美はそれを求めてない。
比呂美の決断を否定して欲しいのです。で、ここのやりとりが、実は13話のプロポーズでの「付き合おう」「いや」へ繋がるという。
やっぱすげーわ、true tears。
ここね、演出として、比呂美の表情を見せないんですよ。眞一郎が引き下がっちゃったから、比呂美はたぶん、もの凄く寂しい表情をしているはず。止めて欲しいのに。
その後、「日曜日、引越」という比呂美に「手伝うよ…」という眞一郎。
優しいんだけど、そうじゃないんだ(苦笑)
だからこそ、
その後の比呂美の「うん」の声が、もの凄く哀しげ。
名塚さん、上手いなぁ…。
いよいよ引越当日。
がらんとした部屋で佇む比呂美。「あまり良い想い出無いよなぁ」と言う眞一郎に、「時々は嬉しいこともあったわ…」
これ、単なる愛想で言ってるわけじゃなさそうなので、どんなシーンを想い出しているかと。
朝食を食べる時に互いの指が触れあったような、ささいな事とか。
ケータイの待受画像にした眞一郎の歯磨き粉間違え事件とか。
比呂美を守ろうと、眞一郎の母親に食ってかかろうとしてくれたこととか。
そして、一緒にお酒を配達に行ったこととか。
その時は、嘘をついてしまったけど、だからこそ、小さい頃のお祭りのことを今、話す比呂美。
さらに、自分が辛い思いをしてまでも、仲上家に来たのは眞一郎がいるからだと…。
ここまで言われて、気がつかないようでは、もう鈍感を越えて、人間失格です(笑)
さすがの眞一郎も、比呂美の気持ちにようやく気がついたのですが、比呂美はもう諦めてしまったのでしょうか…?
「行くわ…」
この前で、「それはもう望んじゃいけないことだから…」とも言っているのは、やっぱり、引き留めて欲しかったのでしょうね。
でも、眞一郎は引き留めなかった…。
引越の車中で、比呂美の瞳から、自然に流れる涙。
自分で決めたこととはいえ、眞一郎から離れるのは辛いんでしょうね。そして、引き留めてくれない眞一郎に対しての涙。
しかも見送りにすら来ないという。
ここの段階までは、優柔不断の駄目人間な眞一郎ですが、ここから起死回生の行動に出てくれます。
ここからのシーンは、ニコニコ動画で何故か生き残っている、
【MAD】 true tears × オーバー 【第10話】
を見てもらってもいいかもです。私は通勤電車の中でずっとコレ見てます。
チャリンコで比呂美を追いかける!
純のようにバイクを持っているわけでもない。このチャリンコってあたりが、眞一郎らしいです。
しかも、どうも気持ちを口に出しちゃってるので、通りすがりの女子高生に「何、アレ?」って感じで見られてるし。
比呂美も、当然未練があるわけで、車の中でずっとサイドミラーを見てるわけですが、そのことが眞一郎に気がつくという伏線。
素晴らしい!
車の窓からの比呂美の表情の変化、髪の流れ、凄すぎ。
そして車を降りて走るシーン。道路が凍結していますから、普通には走れないので、ちょっと力が入った感じで走っている雰囲気が出てるのが凄い。
で、何よりいいのは、名塚さんの走る時の息づかいが、最初は単に「はぁはぁ」なのが、だんだん感極まった感じがフェードインしてくるんですよね。素晴らしい!
見ているこっちも泣いてしまうよ。
ここの比呂美の涙が、ハート型なのは、もう伝説にしていいと思います。NHKの「アニメ夜話」で特集してくれ。
さらに、二人に単純に抱擁させないで、比呂美にコケさせる、眞一郎は受け止めきれないっていうのも、その後のお話への伏線を暗示しているという。特に、眞一郎が「比呂美を受け止め切れていない」という部分は重要かと。
比呂美にとっての障害は、この段階で、乃絵のみになっているのに対して、眞一郎には、まだまだいっぱい壁があるんですよね。
自立して完全に「ちゃんとしている」比呂美に比べて、踊りも絵本も「ちゃんとしている」とは言い難い状況な自分。客観的に見て、格の違いって実感しますよね。特に男は。比呂美の完璧超人ぶりは、実は眞一郎にもプレッシャーをかけている感じがします。比呂美からしたら、そんなことどうして気にするの?ってなもんだと思いますが、男ってそういうのを気にしますよね…。
どんな感動的なシーンでも、ちゃんとお色気を忘れない比呂美さん。
今回は、長めのスカートで普通は隠れている御脚が、チラリズムでチラチラ見えてしまうカット。こうして1カットだけ取り出すと、けっこうギリギリのところまで見えてますね(笑)
true tears vol.6 (Amazon)