長野、病院に損害賠償求め
共同通信社 2015年7月9日(木) 配信
長野市の栗田病院で2013年12月、精神科に入院していた男性=当時(58)=が同室の患者から暴行を受け殺害されたのは病院側に過失があったためとして、男性の遺族が8日までに、病院長に3900万円余りの損害賠償を求めて長野地裁に提訴した。
訴状によると、病院側は患者が他の患者に危害を加えないよう隔離するなどの義務を負っているのに、2人を同室で生活させた上、監視や監督の義務を尽くさなかった過失があったとしている。
病院側の弁護士は「十分な管理をしており、事件は予見できなかった」と話している。
患者は長野県警に殺人容疑で逮捕されたが、刑事責任能力に問題があったとして不起訴処分になった。
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米1粒の寿司、いくつ握れる?
倉敷の病院、採用試験に
朝日新聞 2015年7月9日(木) 配信
米1粒の寿司(すし)を握り、15ミリ四方の紙で鶴を折る。15分でそれぞれいくつできるか――。岡山県倉敷市の倉敷中央病院が、8月の新卒研修医採用で一風変わった実技試験を導入する。
医学生からは「鶴が折れないと不採用!?」と戸惑いの声もあがるが、病院側は「出来栄えの優劣で評価するわけではありません」。
「集中力」や「諦めない心」をはかるのが目的。生き残りをかけ、多様な若手を求める地域の病院は、極小の折り鶴に大きな祈りを込める。(中村通子)
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「患者申し出療養」、安全性確保が焦点
運用基準の議論開始
朝日新聞 2015年7月9日(木) 配信
来年4月スタートの「患者申し出療養」の具体的な運用基準づくりが8日、厚生労働相の諮問機関・中央社会保険医療協議会(中医協)で始まった。未承認の抗がん剤といった保険が適用されない先端医療を身近な医療機関でも受けられるようになる一方、安全性の確保が焦点となりそうだ。
公的な保険による診療と保険が利かない自由診療を組み合わせる混合診療では、本来は保険が適用される診療も含めて全額自己負担になる。だが、安全性や効果が確認できたとする先端医療などを受診すると、例外的に保険適用の診療部分に保険が利く。患者申し出療養は、この例外の範囲を広げ、患者が利用しやすくする狙いがある。
診療の前例がない先端医療でも患者が望めば、高度医療の中心的な役割を担う「臨床研究中核病院」を通じて国に申請できる。いまは3~6カ月かかる審査は原則6週間になる。安全性や有効性に問題がないと判断されれば、申し出た先端医療を受けられる。
前例ができれば、臨床研究中核病院と連携する地域の身近な医療機関も申請できるようになる。この場合、審査期間は原則2週間と、さらに短くなる。
この日の中医協での議論では、健康保険組合連合会の白川修二副会長が審査期間について「安全性の確認という観点からいうと、ちょっと短すぎるのではないか」と指摘した。連合の花井圭子総合政策局長は「患者の申し出が起点だからと言って、(患者の健康被害などの)有害事象が発生した場合に患者に全て責任がいくことだけは絶対に避けて欲しい」と訴えた。
患者団体の評価は割れている。膵(すい)がん患者を支援するNPO「パンキャンジャパン」の真島喜幸理事長は、「膵がんの5年生存率は7%。一つでも多くの抗がん剤を使うことができるようになれば、患者の延命につながる」と期待を寄せる。一方、日本難病・疾病団体協議会の水谷幸司事務局長は「安全性、有効性が確認されないまま無謀な医療が行われることがあってはならない。慎重な議論が必要だ」と求めている。
こうした懸念を背景に、厚労省は健康被害が生じた場合の責任と補償の内容などを患者や家族から事前に同意を得て届け出に記載するといった対応を検討。製薬会社などから誘導されて患者が申し出ることのないよう、署名入りの申請書や患者と病院の面談記録などの添付を申請の要件にする案も示した。中医協は9月をめどに議論をまとめる予定。これを受け、厚労省が省令などで運用基準を定める。
(小泉浩樹)










































































