第17回信州岩波講座2015プログラム
《基本テーマ》:未来へ人間らしくー「戦後70年」からの出発
今年は第二次世界大戦終結から70年。日本にとっては敗戦70年の節目の年に当たります。「戦後70年」は戦争への深い反省とともにあり、新しい憲法のもとでの「平和主義」「民主主義」による希望の歩みでした。しかし今、「戦後レジームからの脱却」をめざし政府のもとで、その構図が大きく崩されようとしています。
日本と同じように敗戦国として出発したドイツのワイツゼッカ―元大統領は、「過去に眼を閉ざす者は結局、現在にも盲目となる」という有名な言葉によって歴史に真摯に向き合うことの大切さを訴えました。日本では、過去の過ちを直視することを「自虐史観」とし、不都合な歴史をなかったことにしようとする「歴史修正主義」が勢いを増してきています。夏に出される予定の総理大臣談話が、アジアの隣国だけでなく欧米諸国からも注目されているのは、日本政府の歴史認識に対する懸念や不信の表れではないでしょうか。
戦後、経済成長路線をひた走り、「豊かな社会」を実現する一方で、さまざまな歪みやほころびを生じさせてきたことは周知のとおりです。そうしたなかで発生したのが2011年3月11日の東日本大震災と東京電力福島第一原子力発電所の事故でした。この惨事は日本社会にかつてないほどの衝撃を与え、自らの生き方とともに社会のあり方を見直そうという機運も高まりました。あれから4年余り。福島原発では依然として放射能汚染水が漏れ続け、制御できない状態が続いています。ドイツやイタリアは、「フクシマ」の教訓から脱原発に踏み切りました。しかし当時国の日本では、事故の責任もあいまいにされたまま、脱原発の世論を無視し、「経済成長」を理由に政財界が一体となって原発の再稼働に驀進しています。そして、「成長」の恩恵をひとにぎりの層に集中し、格差の拡大、貧困化の進行は深刻さを増すばかりです。また、東京一極集中が進み、地方では高齢化と人口の減少で自治体としての存続すら危ぶまれるところも出てきています。
戦後生まれが総人口のおよそ8割となり、戦争体験世代は確実に少数になっています。はかりしれない犠牲の上に成り立った戦後の平和と民主主義。「戦後70年」を単まる歴史の通過点とすることなく、未来への展望を切り拓く足掛かりにしたいものです。
【講座Ⅰ】 8月9日(日)13:30~16:30須坂市メセナホール
(1)講演「“希望”を守る旅」・澤地久枝氏(ノンフィクション作家)
(2)会場からの質問に答えて
【講座Ⅱ】 8月29日(土)13:30~17:00須坂市メセナホール
(1)講演「戦後70年、日本の女性は幸せになったか?」・上野千鶴子氏(社会学者)
(2)講演「アベノミクスと地域創生は何をもたらすのか」・金子勝氏(慶応義塾大学教授)
(3)対談・上野千鶴子氏/金子勝氏
【講座Ⅲ】 9月12日(土)13:30~16:40須坂市メセナホール
(1)講演「80年を生きて」・山田太一氏(脚本家、作家)
(2)会場からの質問に答えて
【同時開催】 第9回NPO.999古本市場
[主催]信州岩波講座実行委員会(須坂市/須坂市教育委員会/須坂市文化振興事業団/岩波書店/信濃毎日新聞社/信毎文化事業財団/NPO法人ふおらむ集団999)
[後援]須坂商工会議所/須坂市高等学校校長会/上高井教育会/須坂市PTA連合会/上高井郡市PTA連合会/須坂新聞社/諏訪市立信州風樹文庫/須坂青年会議所
[協賛]㈱桜井甘精堂/オリオン機械㈱/STⅤ須高ケーブルテレビ㈱/㈱アスク
[協力]草月流小林幸子教室/長電バス㈱/須坂市観光協会ほか
*チケットは、県内有名プレイガイドで好評発売中(前売り1講座券1000円、3講座綴り券2500円)
《基本テーマ》:未来へ人間らしくー「戦後70年」からの出発
今年は第二次世界大戦終結から70年。日本にとっては敗戦70年の節目の年に当たります。「戦後70年」は戦争への深い反省とともにあり、新しい憲法のもとでの「平和主義」「民主主義」による希望の歩みでした。しかし今、「戦後レジームからの脱却」をめざし政府のもとで、その構図が大きく崩されようとしています。
日本と同じように敗戦国として出発したドイツのワイツゼッカ―元大統領は、「過去に眼を閉ざす者は結局、現在にも盲目となる」という有名な言葉によって歴史に真摯に向き合うことの大切さを訴えました。日本では、過去の過ちを直視することを「自虐史観」とし、不都合な歴史をなかったことにしようとする「歴史修正主義」が勢いを増してきています。夏に出される予定の総理大臣談話が、アジアの隣国だけでなく欧米諸国からも注目されているのは、日本政府の歴史認識に対する懸念や不信の表れではないでしょうか。
戦後、経済成長路線をひた走り、「豊かな社会」を実現する一方で、さまざまな歪みやほころびを生じさせてきたことは周知のとおりです。そうしたなかで発生したのが2011年3月11日の東日本大震災と東京電力福島第一原子力発電所の事故でした。この惨事は日本社会にかつてないほどの衝撃を与え、自らの生き方とともに社会のあり方を見直そうという機運も高まりました。あれから4年余り。福島原発では依然として放射能汚染水が漏れ続け、制御できない状態が続いています。ドイツやイタリアは、「フクシマ」の教訓から脱原発に踏み切りました。しかし当時国の日本では、事故の責任もあいまいにされたまま、脱原発の世論を無視し、「経済成長」を理由に政財界が一体となって原発の再稼働に驀進しています。そして、「成長」の恩恵をひとにぎりの層に集中し、格差の拡大、貧困化の進行は深刻さを増すばかりです。また、東京一極集中が進み、地方では高齢化と人口の減少で自治体としての存続すら危ぶまれるところも出てきています。
戦後生まれが総人口のおよそ8割となり、戦争体験世代は確実に少数になっています。はかりしれない犠牲の上に成り立った戦後の平和と民主主義。「戦後70年」を単まる歴史の通過点とすることなく、未来への展望を切り拓く足掛かりにしたいものです。
【講座Ⅰ】 8月9日(日)13:30~16:30須坂市メセナホール
(1)講演「“希望”を守る旅」・澤地久枝氏(ノンフィクション作家)
(2)会場からの質問に答えて
【講座Ⅱ】 8月29日(土)13:30~17:00須坂市メセナホール
(1)講演「戦後70年、日本の女性は幸せになったか?」・上野千鶴子氏(社会学者)
(2)講演「アベノミクスと地域創生は何をもたらすのか」・金子勝氏(慶応義塾大学教授)
(3)対談・上野千鶴子氏/金子勝氏
【講座Ⅲ】 9月12日(土)13:30~16:40須坂市メセナホール
(1)講演「80年を生きて」・山田太一氏(脚本家、作家)
(2)会場からの質問に答えて
【同時開催】 第9回NPO.999古本市場
[主催]信州岩波講座実行委員会(須坂市/須坂市教育委員会/須坂市文化振興事業団/岩波書店/信濃毎日新聞社/信毎文化事業財団/NPO法人ふおらむ集団999)
[後援]須坂商工会議所/須坂市高等学校校長会/上高井教育会/須坂市PTA連合会/上高井郡市PTA連合会/須坂新聞社/諏訪市立信州風樹文庫/須坂青年会議所
[協賛]㈱桜井甘精堂/オリオン機械㈱/STⅤ須高ケーブルテレビ㈱/㈱アスク
[協力]草月流小林幸子教室/長電バス㈱/須坂市観光協会ほか
*チケットは、県内有名プレイガイドで好評発売中(前売り1講座券1000円、3講座綴り券2500円)
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