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世界はやがてジャパネスクの時代を迎える(非公式)

(※拡散希望) 崩壊するネットメディアの晩鐘:今行うべきことは何か?

2014-07-14 | メディア

(※拡散希望)
おはようございます、原田武夫です。
「もう我慢ならない」ので書きました。
是非お読みください。
佳き週末を。

http://blog.goo.ne.jp/shiome/e/1c08f1a16e840604f30aee88d4b5361d

 

https://www.facebook.com/iisia.jp/posts/694137617324129


 

2014-07-13 06:12:17 | 原田武夫「真実を語る」(その他)

私の公式英語ブログでは書いてきたことなのであるが、ここに来て我が国のマスメディアは言うに及ばず、ネットメディアにおいてまで波及して来た忌むべきトレンドがある。率直に言うと、このまま放置すれば我が国のネットメディアそのものが崩壊しかねないと私は考えているので、ここにはっきりと何が問題であり、どうすれば良いのかを記しておくことにしたいと思う。

それは端的にいうと「確定された事実の後追いだけをする」という我が国のマスメディア特有の悪癖が、いよいよネットメディアにまで及んできたということである。もっともこれだけでは一体何が問題なのか皆目見当がつかないと思うので、まずは簡単に説明したい。

私たちがメディアを閲覧・視聴するのは、そもそも未来について「こうなるだろう」という目星を脳内でつけながらしか生きることが出来ないという人間としての特有の性質に基づいている。これを脳科学では「予測脳」と呼んでいる。つまり想定外のことが起きないように、思考の枠組みを毎日毎日リフレーミングしながら生きているのであって、そのために情報の摂取が必要なのである。これがここでの議論の大前提である。

つまりメディアたるもの、なぜ「過去」について語るのかといえばそれが「将来に対する気付き」につながるからなのである。単に「過去」について繰り言を言ったり、あるいは起きてしまった以上取り返しのつかないことについて延々と責任の擦り付け合いをするため、では元来ないのである。このことは我が国の憲法上、「言論の自由」がなぜ保障されているのかといえば、それが「国民主権」を適正に行使し、未来を最適化するためであると整理されていることからもはっきりしているのだ。

ところが我が国におけるマスメディアはとりわけ戦後、そうした意味での「メディアの本旨」を忘れてしまった。なぜそうなのかといえば、GHQ(という名前の米国)による強烈なリフレーミングが行われ、そして今でも行われ続けているからである。元来、いわゆる「ハイコンテキスト社会(=共通の了解が多い社会)」として知られる我が国では、このように外から与えられたものであれ、いったん枠組みが出来るとそこから逃れようとすることが禁忌とされる傾向が極めて強い。そのため我が国のマスメディアは単に起きてしまったこと、確定された出来事だけにフォーカスし、それをハイライトすることだけに専念するようになってしまったのである。なぜならばそうすることは「既存の与えられた枠組み」を超えることにはならないからだ。そしてその与えられた枠組みの中で愚直にも形だけの「言論」を繰り広げてきた。これが我が国のマスメディアの典型なのである。

これに対して、思考の枠組みを我が国においてですらリフレーミングすることが可能なのではないかと期待されたのが元来のネットメディアであった。上記の意味での戦後日本における「与えられた思考の枠組み」には入らない、あるいはそれに真っ向から反する指摘であっても、ネット空間だからこそ許されるという漠然とした共通認識があったからである。その結果、読者・視聴者は「本当のこと」「未来に向けて知るべきこと」を求めて、ネットメディアを閲覧し始めたというわけなのである。

ところが、だ。実際にネットメディアでの執筆を行ってきた肌感覚で言うと、今年(2014年)に入り、実に異様な展開が我が国のネットメディアでは続くようになっているのである。端的にいうとそれは我が国の戦後マスメディアが辿った道と全く同じであり、傾向としては次のようなものであると言うことが出来る:

 

●「既に起きたこと」、すなわち事実関係がはっきりとしていることを、後追いで書くことだけを論者に強く求めるようになった。少しでも事実関係が不明確なこと、あるいはそもそも将来に関することであって、全くもって事実関係が確定していないことについて、その展開可能性を中心に論ずることは禁忌とされるようにますますなって来ている

金融資本主義の本質に立ち入る議論を倦厭し、あくまでも戦後日本において用いられてきた既存の「思考の枠組み」で物事を論者に語らせようと強く求めるようになった。例えばTPPの議論は米国の累積債務問題と関連しており、そもそもなぜ後者が生じているのかといえば、世界秩序を破壊することで新しいシステムを創り出そうとする欧州勢の真意があるのだが、そういった話は書かないで欲しいとまで要求するようになっている。ネットメディア曰く、「読者がついて来れないから」なのであるが、これほど読者を愚弄した発言はないことになぜ気づかないのであろうか

ログ解析に基づくデジタル・マーケティングにとらわれるばかりに「炎上」を恐れ、そもそもポレーミッシュ(論争的)なテーマは、戦後日本で繰り返し用いられてきた「思考の枠組み」に沿わない限り(つまりはその上で「予定調和」が分かっていない限り)、取り扱われないようになってきた。「炎上」するとこれをクリーンナップするのに多額の資金がかかるからである。しかし、そもそも既存の「思考の枠組みの外」を指摘する(Think Outside the Box)のがイノベーションの本質であり、閉塞状況に陥った我が国において最も必要なことなのであるが、これこそ正にこうした「思考の枠組み」に反するため、ネットメディアはしらみつぶしにそうした指摘を抹殺し始めている

 

繰り返し述べたいのだが、我が国のネットメディアがとりわけ今年(2014年)になって露骨に見せ始めたこうした傾向は、当のネットメディアにとって「自殺行為」に等しいものである。事実、以上の3つの傾向を見せ始めた我が国のネットメディアはその規模の大小を問わずして、(1)後追いで事実関係を云々するだけの記事だらけとなり、(2)人目を引く画像(とりわけ「芸(能)人」のイメージ)によって商業的な拡散をもっぱら行うようになり、(3)その代りに金融資本主義がいよいよ最終段階に入り始め、それが故に不確実性とヴォラティリティが高まる中、「未来は一体どうなるのか」ということについて一切沈黙を通し、(4)もっといえば「思考の枠組みの外側」を指摘することによってイノベーションを起こし、この未曽有の難局を乗り切ろうとする努力を黙殺するようになっている

具体的に、行動する言論人としての私・原田武夫について言うならば、(1)外務省を自主退職してから9年もの月日が経つというのに未だに「外交」評論家という枠組みに当てはめようとし、(2)「元素転換という最新の技術をもって福島第一原発から流出し続けるトリチウム汚染水の処理を行うという画期的な試み」をリアルタイムで伝え、我が国と国際社会の全体にとってのその意味を問い続けるという言論を封殺し、(3)あるいはディスインフレーション政策により、激しいヴォラティリティに襲われ続け、ついには再度の「資産バブル崩壊」の土俵際に追い詰められている国際金融マーケットの真実とその展開可能性を伝え、もって我が国の「個人」が持つ資産防衛を促すという試みをも封殺する、といった出来事がここに来て連続している。だが、これらは全くもって容認できないものであると私自身は考えている。その理由は次のとおりだ:

 

●多くの論者(例えば「東京大学i.school」の関係者たち)が語るように、今最も求められているのは「過去の延長線上において定量分析を行い、一つの結論を導き出す」という意味でも予測(forecast)ではなく、「右脳を駆使し、時には目の前にある事実関係から飛躍してでも仮説を導き出し(アブダクション)、複数の展開可能性を描き出す」という意味での予見(foresight)である。なぜならばリーマン・ショック(2008年)や東日本大震災(2011年)が私たちに教えてくれたように、ここに来て未来は明らかに非連続的であり破壊的(disruptive)だからである。その意味で単なる論理的思考(logical thinking)を教え込めば良いという時代は我が国において終わりを告げたのであって、間断なきイノベーションを促す人材の育成と、それを可能にする場づくりがあらゆる側面において求められているのである。言論と情報のプラットフォームである「ネットメディア」が我が国において特に求められているのはその意味での場づくりに他ならない

●その際、最も重要なのは「未来について最終的に判断するのは読者である個人本人であり、それ以外ではあり得ない」という意味でのリテラシーを普及させることである。なぜならばイノベーションを可能にする上記のような思考(予見(foresight))はまだ起きていない出来事(「未来」)を取り扱う以上、自ずから確定的な事実関係だけを取り扱うわけではなく、蓋然性に過ぎない出来事も取り上げなければならないからだ。他方でネットメディアがマスメディア同様、「既に起きた出来事」だけを取り扱おうとするのは、メディアが元来持つ「権威づけ(authorization)」という役割上、そこで取り上げられるとたちまち「事実である」と盲信してしまう読者・視聴者たちが後を絶たないからである。ところがそれが未来において現実に発生する出来事と少しでも違うとやれ「責任問題」だと騒がれることになる。ネットメディアも所詮は民間経済主体に過ぎない(そう、単なる一企業に過ぎないのである)以上、これは困るのであって、だからこそ「予見」を語る論者を徹底して排除してきているのだ。だが、これは本末転倒なのであり、本来なすべきは上記の意味でのリテラシーの普及をマスメディアであれ、ネットメディアであれ図ることなのである。さもないと時代の要請から総じてメディアは取り残され、やがては誰も本気では見ない・読まない存在となり、生命線であるはずの広告主からも見放されることになるはずだ

 

こうした中、実はジリ貧に陥っているネットメディアの側の抵抗はすさまじいものがある。「連載打ち切り」を鞭に使い、あるいは逆に「ネットメディアのフロント画面での大大的な露出」を飴として用い、自らにとって不都合な「予見」を語る者たちを懐柔し、従わない場合には追放しようと躍起になっている。だが、実のところこうした企ては無駄なことである。

なぜならば今や時代は「トリプル・メディア・マーケティング」の時代だからだ。つまりGoogleが「Google analytics」というログ解析のための簡便なツールを提供しつつ、他方でその検索を行うのが私たちの日常のネットライフの大半を占めるようになっている以上、発信者が努めるべきは自分自身でコントロールが利き、かつ検索(retrieval)を通じ国境を越えてグローバル・コミュニティとも直結する(私の英語公式ブログがその一つの形だ。既に120か国以上から読者が集まっている)ことが出来る自らのメディア(owned media)の強化なのである。それをあくまでもベースにしつつ、その反響が拡散する場としてのearned mediaがあり、あるいは時にはカネを出して拡散する場としてのpaid mediaがあるという立てつけに今やなっているのである。この時、もっともジリ貧になるのは何を隠そう、我が国でいういわゆるネットメディアなのである。なぜならばpaid mediaというには伝統的なマスメディアと比べて影響力と「権威づけ」能力が弱すぎ、他方でearned mediaというにはsocial mediaのような読者の自然の反響ではなく、明らかに(大概の場合は余計な)「編集者」なるものの意図が入っているからだ。読者はそのことを既に見抜いている。

いずれにせよ上記の考え方に基づき、当研究所としては「予見(foresight)」、さらにはその発展形態としての「予測分析(forcasting analysis)」(=時に超越したトレンド転換についてイメージで語る「予見」に、冷静な定量分析としての「予測」を串刺しにし、かつそれを日々修正していくという作業)を論ずる場であり、かつowned mediaとしてのこの公式ブログを以後はメインに発信していくことにしたいと考えている。なぜならば「真実の時(moment of the truth)に向けて残された時間は少なく、その時に起き得ることに対しての心構え(prepared mind)を1人でも多くの同胞たちにもって頂く必要があると考え、かつそのために行動するのが当研究所だからである。

 

以上、断固たる決意を持って宣言する。

代表・原田武夫記す

(2014年7月13日)

 

崩壊するネットメディアの晩鐘:今行うべきことは何か? (連載「パックス・ジャポニカへの道」)

http://blog.goo.ne.jp/shiome/e/1c08f1a16e840604f30aee88d4b5361d


 

パックス・ジャポニカへの道 「綜合文化人」宣言(その1)

http://blog.goo.ne.jp/nobody-loves-you/e/39f4957454d5c227b8ce9e455c43e71c


パックス・ジャポニカへの道 「綜合文化人」宣言(その2)

http://blog.goo.ne.jp/nobody-loves-you/e/958b8975e94aa0843e95876f9db77494


パックス・ジャポニカへの道 「綜合文化人」宣言(その3)

http://blog.goo.ne.jp/nobody-loves-you/e/5b3bac0a647761c36470b1f253a358a1

 

世界を救うのは誰? “右脳系日本人”に期待する

http://blog.goo.ne.jp/nobody-loves-you/e/35ae5e3ab048180bc0c1c7444595aadf

 

日本経済を救うには? 「歴史学習」と「シンクロニシティ」が必要

http://blog.goo.ne.jp/nobody-loves-you/e/c29352677799461a7f68bf51ab48ce67

 

「大寒波」「デフレ」そして「人工知能」という米極秘戦略

http://blog.goo.ne.jp/nobody-loves-you/e/ac592c5d1ce6c8df1a7a9abd7007f39b

 

中途半端なグローバル教育に煽られて幼年期に英語を教えるよりも、しっかりとした"日本語脳"を育てるべきだ

http://blog.goo.ne.jp/nobody-loves-you/e/07d62459f50fcbf244d9e0906139f985

 

「2014年3月11日」に何が起きるのか? ふるい落とされないための「予測脳」

http://blog.goo.ne.jp/nobody-loves-you/e/7787e9d3822870e38696e101e2ea708e

 

ビッグ・データを越える人工知能(AI)が指し示す近未来 3月11日以降の世界はジグザグの展開に

http://blog.goo.ne.jp/nobody-loves-you/e/47bf90a6d3edb7c63cd44433e23e0c67

 

未来から今を見る 過去から今を考える

http://blog.goo.ne.jp/nobody-loves-you/e/2ad0c41cca7e2000fcf4ba0493e6552d

 

秒速の判断が必要な時代ほど、「未来」ではなく「過去」へ戻れ

http://blog.goo.ne.jp/nobody-loves-you/e/95d38c4eafc846b9e516baa95703dc9e

 

Yahoo! ニュース『個人』(原田武夫)

 

「東洋経済オンライン」編集長名による「お知らせ」について

http://blog.goo.ne.jp/nobody-loves-you/e/eab14dfd028309293dd3110d0daa94e5

 

インテリジェンスのプロ、原田武夫氏が開く近未来の扉(「東洋経済オンライン」)