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世界はやがてジャパネスクの時代を迎える(非公式)

大雪でも高級天ぷらを貪る総理――日本の未来は大丈夫なのか?

2014-02-26 | 気象・地震・天文・地学

皆様、こんにちは。原田武夫です。

西日本から東日本にかけて大雪であったあの日、安倍晋三総理大臣は支持者らと共に高級天ぷらを食していたのでした。
「不謹慎である」
いや、ただそれだけではないのです。
米国のケリー国務長官はその時、とある大演説を行いました。
それとの比較で、「リーダーシップ」とは何か、しかも付け焼刃のそれや、MBAスクールで学ぶそれではない、本当のリーダーシップとは何かを体得しているのはどちらかが分かるのです。

その理由は??
「結局は米欧の方がリーダーシップを発揮するから」・・・??
いえいえ、全く違います。

その「本当の答え」を知りたい方は・・・是非、こちらをご覧ください。
つい先ほど(26日朝)、アップロードして頂いたものです。

どうぞ宜しくお願いいたします☆
(※いつものとおり・・・「誠」の画面上で「いいね!」を是非押して頂ければと思います!!)

http://bizmakoto.jp/makoto/articles/1402/25/news007.html

 

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安倍総理が2月16日に行った「会食」がやり玉に挙がっている。関東・甲信で大雪が降ったにもかかわらず、総理は東京の高級天ぷら店で舌鼓を打っていた。こうした行動に批判の声が挙がっているが、筆者の原田氏は違う角度で見ている。それは……。

2014年02月26日 08時00分 更新
[原田武夫,Business Media 誠]

 安倍晋三総理大臣が2月16日に行った「会食」がやり玉に挙がっている。関東では14日から降り始めた大雪のため、山間部を中心に食糧供給すらままならない異常事態が発生した。「雪に弱い大国ニッポン」の実態が露呈したわけだが、その対策のため陣頭指揮を執るべき安倍総理はというと東京・赤坂の高級天ぷら料理店にて支持者と舌鼓を打っていたのである。「危機意識の欠如」「不謹慎」といった批判がインターネット上で飛び交い、マスメディアがこれに追随する展開になっている。

 私はこうした論調に追随し、この場で安倍批判をしたり、さらには「アベノミクス」糾弾をしようというわけではない。しかし今回の出来事を踏まえて、まったく違う危惧を抱かざるを得なかったのである。それは「この国における政治上のリーダーシップの選び方は本当にこのままでよいのだろうか」という根本的な疑念にもつながるものだ。

気候変動は脅威

 安倍総理が天ぷらを楽しんだ直後、米国のケリー国務長官はインドネシアで演説を行った。彼はその場でこう言い放ったのである。

 「気候変動はテロリズム、貧困、そして大量破壊兵器(WMD)にも匹敵するほどの脅威だ」

 米国政府は気候変動問題に対処するための追加的な施策について、国際社会に対して具体的な提案を行った。その立役者がケリー国務長官であるのは言うまでもない。

 「また何か怪しげなビジネスモデルを米国は作り上げつつあるのではないか。最後に日本に請求書が回ってきてカネを巻き上げられるだけなのではないか」

 このように感じる人が多いかもしれないが、それは違う。なぜならケリー国務長官の発言は、2016年に実施される大統領選挙に出馬する上での、「選挙戦略」の一部であると考えるべきだからだ。

 
大雪が降る中、日本の総理大臣は……(写真はイメージです)

 次回の米大統領選挙ではヒラリー・クリントン前国務長官が出馬し、「初の女性大統領が生まれる」と考えている人が多いように感じる。だが、ホワイトハウスの内部では全く違う動きがあることを指摘しておかなければならない。

 「ケリー=Mr.X=ケネディ」

 米国による現在の対日関係はこの三極構造で動いている。私が見る限り、日本の外務省はこのことに気付いていない。「Mr.X」は米国通であれば誰しもが知っている人物で、前回の大統領選挙で共和党から出馬し、オバマ大統領に敗北したロムニー候補とも深い関係にある。すなわちこの「三極構造」による動きは、次回の大統領選挙が「民主党VS. 共和党」といった通常の選挙ではなく、まさに「オール・アメリカ」が結集しなければならない選挙であることを物語るのだ。

 ところが日本はというと、こうした「三極構造」を全く知らない者たちが政治・経済のリーダーになっているので、完全に流れから取り残されている。最近、にわかに高まってきた「ケネディ駐日大使バッシング」がその良い例である。2013年の秋、Mr.Xからこのように言われた。

 「ケネディ大使との関係構築に、日本のリーダーたちは励んでもらいたい。なぜなら彼女の息子がケリー国務長官の下で働いており、そのケリー国務長官がこのまま行くと次期大統領になるからだ。ケネディ大使に尽くすことはイコール、次の合衆国大統領に対して先行投資していることになるのだ」

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リーダシップに必要な条件

 話を元に戻す。ケリー国務長官の発言は、全て「現職の国務長官」としてはではなく、「次期大統領候補」として行っていると考えなければならない。すなわちその発言に一切、無駄なことはなく、全てが「合衆国大統領になるため」であることを踏まえておくべきなのだ。

 そう考えた時、今回の突然の「気候変動は大量破壊兵器に匹敵する」との発言が気になって仕方がないのである。この問題に立ち向かう者だけが、大統領の座に就くことができるのではないだろうか。

 確かに米国の大統領は民主主義のルールに従い、「選挙」によって決められる。かつて孟子はこう言った。

 「天の時は地の利に如かず、地の利は人の和に如かず」

 ここで確認してもらいたいのは、選挙においてもよく語られるこの言葉が“天の時”から始まっているということである。そう、単に「時」ではなく、「天の時」なのであって、自然環境、そして宇宙が織り成す全ての外部環境の中で与えられた絶好の時こそが全ての出発点なのである。

 そして目先の「天」は気候変動である。気候の行方を誰よりも早く知り、そのことを利用して地の利、すなわち最適地を一番に獲得し、人の和を創っていく者こそが、今後、リーダーに選ばれるというわけなのだ。そして現代的な用語で語ってはいるものの、ケリー国務長官による今回の決然とした言葉はそうした世の東西を問わず、古くから伝えられてきた本当のリーダーシップの要諦を踏まえたものである。

日本が抱えている本当の危機

 翻って日本はどうか。この国には「陰陽道」という伝統があった。陰陽師・安倍晴明の活躍を描いた小説が映画化されているので、どこかでこの言葉を聞いたことがある人も多いだろう。

 「陰陽道」とは、現代の言葉で言うと「天文学」と「地学」である。すなわち「天の利」と「地の利」を見ることであり、そのトレーニングを受け、時の天皇に仕えたのが「陰陽師」と呼ばれる職業集団であった。いや、もっと言えばリーダーそのものである歴代の天皇自身が「陰陽道」の達人であったという記録すらある。すなわち日本において、「天の利」を理解できるリーダーが最大かつ絶対的な条件である、といった伝統があるのだ。

 ところが、これは明治維新によって明らかに断絶した。その後、「デモクラシー」が導入され、リーダーとは大衆による人気投票で決められるべきものとなってしまった。そしてそこではルックス(外見)や弁論術などが問われ、本来ならば伝統的にリーダーの絶対的な資質とされてきた「天の利」を理解できる能力は一切考慮されてこなかったのである。

 そしてその行く末が「大雪で危機になっているのにもかかわらず、これを“天の利”と察知することのできない総理大臣」なのだ。「愛国」「国防」などと弁論で熱く語ったとしても、それは本来、日本のリーダーシップにとって二の次のことだ。もっといえば、そうした国が抱えるリーダーを巡る状況は米国などグローバルな水準からいっても、およそリーダーシップの本旨から見て悲惨なものであると言わざるを得ない。

 地球の気候変動は、今後も続くかもしれない。そうした中で日本が問われることは何か。それは誰しもが「リーダーを選ぶ方法としては当たり前」と信じてきた民主主義のルールではなく、本当のリーダーが違うやり方で選ばれるかもしれない、ということだ。そしてそのことを海の向こうでは次のリーダーシップがいち早く気付き、言葉と行動に移していることが、大雪が見舞われる中で日本が抱えている危機の本質なのだ。

 

http://bizmakoto.jp/makoto/articles/1402/25/news007.html


 

トヨタが愛知県内の4工場の操業を停止

http://blog.goo.ne.jp/nobody-loves-you/e/3655f6ae9052906aa0bb8e4143374d03


ウクライナ危機の真相 「核利権」の闇とユーロ暴落というシナリオ

2014-02-26 | 外交・諜報・非公然活動

おはようございます。原田武夫です。

一気に情勢が転換したウクライナ。
「民主主義革命」「自由主義革命」といったレッテルが貼られつつあります。

しかし・・・実態は全く違う。
そもそも考えてもみてください。
平和なデモ隊、なはずが、なぜ皆、武装してるのでしょうか??
おかしいとは思いませんか??

今回の「デモ」の中心勢力は、ネオナチ類似の組織であることが既に判明しています。
Svobodaといいます。
彼らが政権の中枢になった時・・・どうなるのか。

G20が「成長目標」を数値で示すなど、出来るわけもないことをなぜ約束するのかといえば、「デフレ縮小化」だからです。
その中で死に絶えていくのは金融資本主義であり、それを維持するのはヴォラティリティである以上、こうした右翼勢力が支持されるというわけなのです。彼らは・・・また必ず巻き返しにあうので。

本当にこれで良いのか?
良くはない、であれば・・・どうすれば良いのか??
私たち日本人に解の提示が求められています。
Pax Japonicaへの道、です。今日午前8時にヤフーニュースにてアップします。

それまで・・・まずはこれで予習を。

http://www.ibtimes.com/euromaidan-dark-shadows-far-right-ukraine-protests-1556654

 

https://www.facebook.com/iisia.jp/posts/10202910599509049?stream_ref=10


 

こんにちは、皆様。原田武夫です。

先ほど事前告知?致しましたとおり、今朝方=午前8時にYahoo!ニュース(個人)でウクライナ情勢に関する卑見をアップ致しました。

ウクライナの本当の問題・・・・ご存じですか??
「きれいごと」ではないのです??
では何が??

・・・どうぞご覧ください!!
そして・・・同画面上で「いいね!」を教えて下さいませ!!
どうぞ宜しくお願い申し上げます。

http://bylines.news.yahoo.co.jp/haradatakeo/20140224-00032920/

 

https://www.facebook.com/iisia.jp/posts/10202912259990560?stream_ref=10


 
2014年2月24日 8時0分

内戦に突入したウクライナはどうなるのか?(出典:Global Research)

再び激化し始めたウクライナ情勢を読み解く「3つの本当のカギ」

今、ウクライナ情勢が再び急激に悪化している。23日(キエフ時間)、ウクライナの国会である「最高会議」はヤヌコヴィッチ大統領の罷免を決議した。同大統領はロシアへと出国しようとしたが、当局によって阻まれたという情報もある。そもそもウクライナではここに来て反体制デモに対し、治安当局が発砲し、事実上の「内戦」が勃発。既に60名以上の死者が発生している。いわゆる「途上国」において政変が発生し、「内戦」になるというのであればまだしも、ウクライナは旧ソ連の構成国であり、かつ欧州にも隣接した大国である。それが「内戦」「体制崩壊」にまで陥ってしまったというのであるから尋常ではないのだ。

もっとも我が国に暮らす私たちにとって、「ウクライナ」がやや遠い存在であることも率直に言うと事実である。隣国であるロシアならまだしも、「ウクライナ」と聞くと首都キエフの名前や名物の「キエフ・カツ」を思い起こすのがせいぜいという方も多いのではないのだろうか。そのため、一体なぜ今、よりによって「ウクライナ」で”激しい内戦”なのか、全くもって理解出来ないと感じている方も大勢いるのではないかと思う。

混迷を続けるウクライナ情勢。その真相を知るカギは全部で3つある。「ウクライナが核利権の本拠地であったということ」「耐えざる軍需の創出が米欧における至上命題であること」そして「ウクライナにおける”発火”が欧州においてユーロ危機を招くこと」の3つだ。

「ウクライナ核利権」という巨大な闇

旧ソ連時代、ウクライナは核開発の本拠地であった。その中心となっていたのが現在も存続している「キエフ原子力研究所(Kiev Institute for Nuclear Research)」だ。ウクライナと原子力・核というと、一般に「旧ソ連時代に核兵器を大量に配備された国の一つ」ということばかりが語られることが多い。1991年12月1日に「独立宣言」を行ったウクライナはその後、1994年1月14日に米ロの両大国と共に「三カ国宣言」を発表し、核兵器の廃棄を行っていく意向を明らかにした。米国からは資金援助すら行われて進められたこうした「核廃棄」により、ウクライナの核問題はあたかも終わってしまったかのように考えられがちである。

だが、これは大きな誤りなのである。米欧のインテリジェンス機関における「常識」をまとめて書くならばこうなる:

 

●「ウクライナの核問題」における本当の焦点は廃絶されている「核兵器」そのものではなく、旧ソ連時代から延々と続けけられてきたその研究を担う研究者たちという”人財”の存在である。これを米ロで奪い合っているというのが隠された実態なのである

●外側から見るとそうした実態が見えないのは、ウクライナには2つのグループから成るいわゆる「マフィア」が存在しており、このマフィア同士の抗争と米ロ間の「核研究人財の奪い合い」が連動しているからである

●更に事態を不透明にしているのは、この地域において米国のインテリジェンス機関からの委託を受けて動いているのがドイツの「CIA」に相当する「連邦諜報庁(BND)」であるという事実である。秘密の作戦行動である非公然活動(covert action)を行っているのは基本的にドイツなのであって、米国そのものではないことに留意する必要がある

 

確かに表向きは「ロシアのプーチン政権から支持され、強権政治を続けるヤヌコヴィッチ政権」と「これに対して市民の自由を掲げ、抵抗するウクライナ国民たち」という構図がマスメディアによって描かれてはいる。だが、真相は「核利権の奪い合い」なのであって、これが決着しない限り、ウクライナは今後とも繰り返し「内戦」に陥る構造を抱え続けるというわけなのだ。

実は2010年に「ウクライナ内戦」で合意していた米英独

ウクライナ情勢の緊迫が続く中、俄かに注目を集め始めた米国の研究機関の手によるシナリオがある。2010年にニューヨーク大学グローバル・アフェアーズ・センターが行った「2020年のウクライナ(Ukraine 2020)」である。なぜこのシナリオが注目されているのかというと、今回の「内戦」が始まる4年前に執筆されたものでありながら、そこには概要次のような三つの展開可能性がウクライナについて書いてあったからだ

 

《シナリオ1》

●ヤヌコヴィッチ政権は権威主義的な統治を試みるがこれに失敗。経済立て直しを求める反体制派による動きが強まる中、ついに同政権は崩壊し、地方の政治リーダーたちもヤヌコヴィッチ大統領から距離を置く

《シナリオ2》

●経済危機の中、ヤヌコヴィッチ政権に対する反体制派が糾合し、これに大企業家たちが加わることで、改革志向の新しい政権が樹立されるに至る

《シナリオ3》

●ヤヌコヴィッチ大統領は反体制派が未だ弱体であることを理由に戦略的な権威主義体制の構築に成功。エリートたちの指示を得る中、10年近くにわたって政権を維持することに成功する

 

そしてこの「未来のウクライナに関するシナリオ作成プロジェクト」には、中心となったニューヨーク大学、すなわち「米国」のみならず、英国の王立国際問題研究所(チャタム・ハウス)や、ドイツの政権与党であるキリスト教民主党(CDU)の政治財団である「コンラート・アデナウアー研究所」が、ウクライナ人研究者と並んで出席していたのである。つまり米国だけではなく、英国、そしてドイツは実に4年前の段階で「ウクライナのヤヌコヴィッチ政権を崩壊させるというシナリオ」について合意していたというわけなのだ。

「そこまで言うのは大袈裟なのではないか。単にウクライナ研究者たちが寄り集い、”あり得べき可能性”を議論し、ペーパーにまとめたに過ぎないはずだ」

もし仮にそう思われたとすれば、「米欧のインテリジェンス機関における常識」を学び直した方が良い。なぜならばこれらシンクタンクはいずれも各国の政府、さらにはその諜報機関(インテリジェンス機関)と連動した動きをしているのであって、正にここで「米英独合意」が実質的に持たれた上でその後、一連のストーリーが実行に移されたと見るべきだからだ。一方、このシナリオ作成プロジェクトにロシアは参画していない。だがこのシナリオが公表された段階でロシア側も米英独のそうした”意向”を感じ取っていたことは間違いない。そのため、現在進行形である「ウクライナ内戦」については自らに対する米英独からの密やかな圧力であることを前提に、ロシア側も防戦に入ると共に、それ以外の局面で反撃に出ていると見るべきなのである。

2008年夏のロシア・グルジア戦争における「ユーロ暴落」を思い起こす

もっとも、「ウクライナ崩壊シナリオ」の実現は単に米欧とロシアとのパワー・バランスの再調整のためであると考えてしまうのは早計だ。なぜならば「内戦」の長期化とヤヌコヴィッチ政権の崩壊は、他ならぬ米欧、特に欧州各国にとっては経済的に大打撃となる危険性を孕んでいるからである。

2008年秋に発生したリーマン・ショックにより大いに動揺したのが中東欧に位置するエマージング・マーケット各国であった。これに対処するため、欧州各国の銀行は欧州復興開発銀行(EBRD)や国際通貨基金(IMF)と共に「ウィーン・イニシアティヴ」と呼ばれる支援プログラムを開始。その後、明らかに足りなかった第一弾を補うものとして第二弾が開始され、これに2012年7月9日からウクライナもあらためて参加する旨、その中央銀行が発表した経緯があるのである。

円ユーロ・レートの推移(過去10年間)

円ユーロ・レートの推移(過去10年間)

確かに目先では、米欧にとって第1のターゲットであるロシアの通貨「ルーブル」の対ユーロ・レートが今回のウクライナ危機を踏まえて崩落し始めており、「対ロシア作戦」という色彩が強い感は否めない。だが、仮にウィーン・イニシアティヴによって大量の資金供与をとりわけ欧州側から行われたウクライナがその返済もままならないという状況になるのだとすれば、その影響はウィーン・イニシアティヴに参加するそれ以外の中東欧各国にも及び、「経済不安をバックにした体制変動の危険性」が叫ばれる中、ただでさえ信用不安への警告が出されたばかりのその情勢が一気に悪化する危険性があるのだ。

その結果、ユーロの為替レートは「ウクライナ内戦の激化」を直接的な理由として大暴落に陥ることになる。2008年秋に発生したリーマン・ショックの直前に開戦となったロシア・グルジア戦争の際、戦闘行為に直接は巻き込まれなかった欧州の共通通貨「ユーロ」がなぜか大暴落したことを考えれば、これから起き得ることは自ずから明らかであるというべきなのだ。

いよいよ行き詰まる金融資本主義と米欧ロの真意

もっともこの様に劇的な展開を見せる中、ロシアが「防戦」一方であると考えるべきではない。確かに表向きは上述のとおり、そうした装いが続くはずだが、米欧のみならず、ロシアにとっても「ウクライナ内戦の激化」は軍需を高め、軍事関連産業を潤わせることは間違いないのである。つまり、金融メルトダウンがいよいよ究極の段階を迎えつつある中、”餌食”にされたウクライナを尻目に米欧、そしてそれと密やかに連携しているロシアはシリアに続き、この「内戦」を用いた景気復興策を何とか行おうと躍起になっているというべきなのである。

「異次元緩和」を柱とするアベノミクスによって強烈なインフレ誘導を行う我が国とは異なり、日に日に「デフレ縮小化」へと進む中、何とかそこから脱却しようともがき始めた米欧、そしてロシア。このニュース・コラム、そして私の研究所の公式メールマガジン(無料)公式ブログで、その「最後のあがき」が果たしていかなる影響を私たち日本人に及ぼすことになるのかを、引き続き追って行きたい。


原田武夫

株式会社原田武夫国際戦略情報研究所(IISIA)代表取締役

http://bylines.news.yahoo.co.jp/haradatakeo/20140224-00032920/


 

ウクライナ危機の真相 「核利権」の闇とユーロ暴落というシナリオ(連載「パックス・ジャポニカへの道」)

http://blog.goo.ne.jp/shiome/e/c747139ecde76336f15d8664d411ce3b


世界を救うのは誰? “右脳系日本人”に期待する

2014-02-26 | 変革・イノヴェーション

皆様、こんにちは! 原田武夫です。

今朝8時に、また一つ、新連載を開始させて頂きました。ビジネスメディア「誠」様における連載です:

新連載・グローバルエリートから見た世界:
世界を救うのは誰? “右脳系日本人”に期待する

http://bizmakoto.jp/makoto/articles/1312/17/news004.html

これまではどちらかというと「分析」ものの多い私のコラムでしたが、今回の連載はグローバル・エリートから見た場合のビジネス・モデルや、ビジネス・スキルについて分かりやすく描いていくものです。

どうぞご期待下さい!!
(※twitterにおける「つぶやき」やfacebookにおける「いいね!」ボタン、どうぞ宜しくお願い致します!!)

 

https://www.facebook.com/iisia.jp/posts/585933228144569


 

2012年12月以降、日本は「アベノミクス」をスタートさせた。「中央銀行がマネーを刷り増しているのだから、これから起きるのはインフレだろう」などと思ってしまうかもしれないが、世界の流れは違う。これから襲って来るのは……。

2013年12月17日 08時01分 更新
[原田武夫,Business Media 誠]

 「世界はこれからデフレ化していく。そのスピードは加速する一方であり、何をしてももう止まらない」――。

 2012年12月以降、日本は「アベノミクス」をスタートさせた。そんな日本で漫然と暮らしていると「中央銀行がマネーを刷り増しているのだから、これから起きるのはインフレだろう」などと思ってしまう。だがそれは大きな間違いだ。これから世界を襲うのは強烈なデフレ、すなわちとめどもないモノ・サービスの値段の下落なのである。

 その理由はこれまで欧米が中心になって「インフレ拡大化」をやり過ぎてしまったということに尽きる。マーケットというとどうしてもやれ金利だ、統計だと小難しく語る人が多いが、実のところそんなことを考えることは二の次とすべきなのだ。大切なことはもっと別のところに1つだけある。

 欧米を仕切る“グローバルエリート”たちが常に注目している原理原則。それが「ル・シャトリエの原理」――またの名を「復元力の原則」と呼ぶ。要するに「上げは下げのためであって、下げは上げのためである」ということだ。マーケットだけではなく、森羅万象、この世にある全てのものは基本的に「平衡」を旨としている。だからこそ一方から力が加わると、必ずその分だけ今後は逆に力が跳ね返されるようになっているのである。

 つまり「もうかるから」といってマネーを刷りまくり、インフレを起こし続けた結果、今度は逆に何をやってもデフレスパイラルが続く時代がやって来たというわけなのである。そしてデフレなわけであるから、何をつくってもこれまでのように高く売ることはできない。しかもかつてとは違い、人件費の安いエマージングマーケットの諸国(中南米、東南アジア、中国、インド、東欧、ロシアなど)がプレイヤーとして加わっているので、事態をさらに悪くする。モノやサービスの差別化が難しくなり、一般的に価格が安くなる……いわゆる「コモディティ化」だ。

「右脳」が支配する世界

 こうした流れの中、例えば米国を代表する世界的なIT関連企業である某社は今、ソフトウェア開発会社のM&Aを盛んに行ってきている。無論、そこに秘められている目論見は対外公表されていないが、内部関係者によると「最も強い関心を持ってフォローし、買収してきているのは人工知能(AI)を開発する企業である」のだという。「秤(はかり)」から始まり、「ホストコンピューター」の世界で一斉を風靡(ふうび)したこの巨大企業は、いよいよ人間の脳をも凌駕(りょうが)する人工知能の世界でリーディングカンパニーとなろうと躍起になっているのである。

 従って、やれ「アベノミクスによる株高だ」「円安転換だ」などと騒いでいる暇は本当のところ、私たち日本人にはないのである。なぜならばこの米系巨大企業が満を持してマーケットへと間もなく送り出すはずの人工知能が支配的な状況になってしまった場合、ただでさえ論理的な思考能力(ロジカルシンキング)が苦手な私たち日本人は本当に打つ手がなくなってしまう危険性がある。これこそが、日本経済の抱えている本当の危機なのだ。

 日本を代表する企業の最高幹部にこの話をすると、このように尋ねられる。「では一体どうすればよいのか。何をすれば日本人は生き残ることができるのか」と。そしてそのたびに私はこう答えることにしている。

 「人工知能が突き詰めることのできるのは、結局のところ私たち人間が左脳で行っている世界です。“気づき”や“発想”、そして“アイデア”を担う右脳の世界ではまだまだ人間のほうが勝ることになるはず。そして本当は私たち日本人が世界的に優れているのはこの『右脳』が支配的な世界なのです」

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日本人は「アベノミクスによる株高だ」「円安転換だ」などと騒いでいる暇はない(写真はイメージです)

ニッポン人はワケが分からない

 
日本人は“タコつぼ”に安住していてはいけない(写真はイメージです)

 私たち日本人は欧米のグローバルエリートたちから見ると全くもって不可解な存在である。話をしていても一切、返事をすることがない。やたらとニコニコとうなずきながら聞いているので「これはもう同意したのだな」と話を切り上げようとすると、突然、ものすごい勢いで懐から出したメモを英語で読み上げ始める。しかもその内容はこれまで行った話を必ずしも踏まえたものではなく、あらかじめ書いて持ってきたもの。「ニッポン人は全くワケが分からない」……そういまだに思われているのである(きっと多くの読者の皆さんがグローバルな現場で多かれ少なかれ経験していることと思う)。

 なぜこのようになるのかには、たくさんの理由がある。中でも決定的なのは、私たちが共通の了解が比較的多い社会に暮らしているということだ。こうした社会のことを「ハイコンテキストな社会」と呼ぶのだが、そこでは共通の了解があるため、論理(ロジック)をもって話し相手を説得する必要が生じない。話の結論は常にあらかじめ存在する「共通の了解」から導かれるのであって、議論は一切必要ないのだ。

 従って言葉巧みに話すことが訓練されない代わりに「想う」ことについては本来、日本人は非常に長けている。「茶道」「華道」「柔道」という時の「道」とは、それぞれの分野での小手先の技術や知識を学ぶことに意味があるのではない。黙って「想う」ことを通じて、自然、そして宇宙と一体化することにその本質があるのであって、まさに「右脳の世界」に属するのがこれら「道」なのである。

 インスピレーションが出て来るのが右脳であり、それを相手に分かるように論理で再構成するのが左脳。そうである以上、このプロセスの「主人」は右脳なのであって、これにおいて比較的優位なのが日本人である以上、本来ならばこれからの世界は日本人が取り仕切るといっても過言ではないはずなのだ。

 ところがそうはなっていないことには1つの大きな理由がある。それは高度経済成長を終え、成熟した社会の時代を迎えた日本では社会のありとあらゆるところで縦割りが進み、その“タコつぼ”に安住するばかりで私たち日本人は外に出ようとはしないということである。

 しかし「インスピレーション」「アイデア」「発想」などはいずれも異なるものと触れあった時にだけ閃(ひらめ)くものであることは、さまざまな研究者が指摘している。そのため、日本人はせっかく持っている自らの優れた「右脳」をそのまま腐らせてしまっているといっても過言ではないのだ。

 だがそれで事が済むということでは全くない。「平成バブル不況」が20年ほど続いた中で、リストラにリストラを重ねた日本企業はもうこれ以上切り落とすべきところがない状況に至っているのだ。そこに輪をかけて襲ってきたのが世界全体の「デフレ縮小化」に伴うコモディティ化の嵐なのである。このままでは人件費のダンピング競争に負けるのは目に見えている。

 ここで最後の一手となるのが「本当に付加価値をもったモノづくり」、すなわち「イノベーション」なのだ。そしてこれを可能とするのが“閃き”であり、それを導き出すのは左脳ではなく、「右脳」なのである。したがって日本のモノづくり系を筆頭とした企業に勤めるビジネスパーソンに今、求められているのは社外にある異なるものに積極的に出会い、感じ、想いを抱くことなのだ。

 欧米のグローバルエリートたちが注目していることがある。それは「異なる日本人たちが集う場」をつくり上げる意思と能力をもった日本人のことだ。なぜならばそうした日本人がこれからの「右脳系優位の世界」を仕切る可能性があるからだ。その意味でニッポン、いや「デフレ縮小化」が止まらなくなる世界全体を救うのは「右脳系日本人」に他ならないのであって、まさに「まずは始めたものが勝ち」なのである。

 

http://bizmakoto.jp/makoto/articles/1312/17/news004.html


 

Unforgettable Axis among Backcasting, Synchronicity, Forecasting and Leadership


インテリジェンスから見た、がん秘密兵器説 ~甘利大臣はTPP交渉中、なぜ舞台を去ったのか(下)~

2014-02-26 | 外交・諜報・非公然活動

おはようございます。原田武夫です。

本日(17日)は外部媒体で2つコラムがアップされます。
まずは東洋経済オンラインにて、つい先ほど6時にアップロードされました。

「癌」は実は病気ではない。
”兵器”であったという真実。
米国自身がそのことを明かしているのです。ご存じでしたか??

医学とは一体何なのか?
そういった根本的な問いかけでもあります。

どうぞご覧ください!

・・皆様への心からのお願い・・
昨日同様、上記のコラムをお読みになる場合にはタイトル下のボタンを用いて:
twitterにてつぶやいて頂く
あるいは
facebookにて「いいね!」を教えて頂ければ、と思います。

皆様のご支援が大きな力となって我が国に「真実」を広げていきます!
どうぞ宜しくお願い致します!!

http://toyokeizai.net/articles/-/26429

 

https://www.facebook.com/iisia.jp/posts/585815718156320?stream_ref=10


 

原田 武夫:原田武夫国際戦略情報研究所(IISIA)代表取締役
2013年12月17日

自らが率いる委員会で、激しくCIAを糾弾したフランク・チャーチ上院議員(民主党、1924~1984)。59歳で死去した(AP/アフロ)
 
(上)のあらすじ~甘利明TPP担当相の「舌がん」報道に、「あまりにできすぎた話」だと感じた筆者。インテリジェンスの世界では、“都合の悪い相手国の政治家を病気にしてしまう”という工作活動が行われることは珍しくないという。甘利大臣の話はさておき、米国では少なくとも過去、CIA(中央情報局)によるさまざまな活動が行われてきた――。
 

「もし、日本の政治家ががんで非業の死を遂げた時、果たして外国の諜報機関の仕業である可能性があるのか」――この問いに対する答えを探す時、是非念頭において頂きたいことが一つある。

私の研究所が無料で発行している公式メールマガジンで常に書いていることなのだが、米欧のエリートたちが行っているのはグローバル・マクロ(国際的な資金循環)を滞りなく廻し、それによって世界史を動かしていくことである。そしてそのために彼らが留意しているのが「上げは下げのためであり、下げは上げのため」という復元力の原則(正式には「ルシャトリエの原理」)なのである。

しかしこうしたグローバル・マクロの絶えざる流れを妨げようとする向きが時折いる。そんな時、出番となるのがインテリジェンス機関なのだ。その際用いられる手段の一つが「暗殺」に他ならない。そしてその時に密かに語られる理由はただ一つ、「さもなければ世界史は廻らない」。そう、それだけのためにグローバル・エリートは、人を当然のようにあやめることもいとわないのである。

「もっともらしい大義名分だが、何かが根本的に誤っているのではないか」
 そうした声が上がってきて当然だ。事実、「張本人」とされている米国においてすら、インテリジェンス機関によるこうした非公然活動について、糾弾する動きがかつてあったことを読者はご存じだろうか。それが1975年1月27日に米連邦議会上院に設置された「情報活動調査特別委員会」、通称「チャーチ委員会」である。

1970年代初頭まで、実は米国の連邦議会議員たちの間においてすら、こうした非公然活動について詳しく知りたくもないし、知るべきでもないといった風潮が一般的であった。ところが1974年に、当時“調査報道記者”として知られていたセイモア・ハーシュがこうした活動について問題視し始めたことから火が付き始める。そして、「都合の悪い外国人リーダーたち」だけではなく、数千人もの米国人に対してもCIA(米中央情報局)は、さまざまな工作活動を展開していたことが知られるにつれ、ついに大きなうねりが生じ始めたのであった。

毒殺銃まで振りかざし、アピールしたチャーチ上院議員

この調査委員会において委員長を務め、メディアを相手に「CIAがいかに非道なことを行っているのか」を声高に糾弾したのがフランク・チャーチ上院議員(民主党所属)なのであった。「大統領選挙に出馬しようとしている」と囁かれていたチャーチ上院議員にとって、このテーマは自らを「真実を暴き出す、勇気ある政治家」としてアピールするには恰好のテーマであった。そしてこの委員会の冒頭において、「毒殺銃(poison gun)」を自ら振りかざし、メディアに対してアピールしたのである。

この時行われた議会証言に基づいて「毒殺銃」の全貌を描くとこうなる:

 

●ここで言う「毒殺銃」で装填されるのは貝毒である。数千人を毒殺することの出来る量の貝毒が米国国内に貯蔵されている

●この毒殺銃で発射された毒(冷凍されたダーツ状のもの)はターゲットとなった人物の血流にすぐさま溶け込み、心臓発作を起こす。発作が起きると、毒はすぐさま分解されてしまうため、その後の検査を行っても原因としては検出されない

●この暗殺銃で毒が発射されると、それは衣服を貫通するが、皮膚の上に極小の赤い点を残すだけである。したがってターゲットとなった人物は蚊に刺されたと感じるか、あるいは何も感じないかのどちらかである

 

こうした衝撃の「事実」を明らかにしたチャーチ委員会であったが、どういうわけか、その後尻すぼみとなってしまう。その時、表向きの理由にされたのは、先ほど触れたとおり委員長であるチャーチ上院議員が「実は自らの政治的な野心のため、インテリジェンス機関をスケープ・ゴートにしているのではないか」という、どこからともなく流された“うわさ”なのであった。

余談だが、フランク・チャーチ上院議員はこの時代にもう一つ「チャーチ委員会」と俗称された委員会の委員長にもなっている。1973年にチリのアジェンデ政権崩壊と共に連邦議会上院に設立された「多国籍企業小委員会」である。ここでもチャーチ上院議員はCIAによる非合法活動を派手に糾弾する一方、我が国における「ロッキード事件」との絡みではコーチャン同副社長(当時)を委員会の召喚し、質問攻めにしたことでも知られているのだ。

さて、話を元に戻す。――もっともチャーチ上院議員の政治家としての華はここまでであった。1980年代になると不運が続き、ついにはすい臓がんに罹患。1984年、59歳の若さで旅立って行った。そう、ここでもまたすい臓「がん」なのである。

都合が悪くなると国内外問わず、要人を殺害する

こうしたことを主張して、インターネット上で糾弾している米中央情報局の元女性職員がいる。Youtube上で公開されているそのメッセージで同人が証言している内容を簡単にまとめるとこうなる:

 

●当初、資料収集等の任にあたっていたが、ある時、上司より「使用後に分からないような、心臓発作を起こす毒を探すように」との指示を受け、これを探し出した。それを用いて開発された兵器(注:「毒殺銃」)から発射されるのは小さなダーツのようなものであり、ターゲットとなった人物は打たれたことに気付かないほどのものである

●その後、この兵器の威力を試すため、アジアのどこかの地域で婦女子を含む一般市民に対してそれが用いられたとの報告を読み、愕然とした。「罪もない婦女子まで殺害することには反対する」と強く抗議したが、上司はこれを結局、うやむやにしてしまった

 

この証言をベースにするならば「アジア」において「一般市民」に対してもこの毒殺銃は公然と使われたことがあるというわけなのである。このことはアジアに位置する我が国にとっても重大な指摘であることは言うまでもない。

さて、「チャーチ委員会」がCIAによる外国指導者たちの暗殺計画活動をやり玉に挙げたことを受け、世論は激昂した。事態を重く見たフォード政権(当時)は大統領令第11905号をもって「米政府機関が外国指導者を暗殺してはならない」と決定したのである。しかしこれは逆に言うと、それまでは全く野放しの形でこうした暗殺が堂々と行われていたことを意味していると、とれるのである。

だが、こうした表向きの「指示」にもかかわらず、1980年代以降も公然と暗殺が行われていたと証言する者もいる。そうしたリークを報ずるサイトによれば、2001年9月11日に発生した「同時多発テロ事件」の直後にもCIA直下の「暗殺部隊」が組織され、活動を開始した。そう、このことは過去の出来事ではなく、リアルタイムで動いている可能性がある話なのである。

シンガポールで行われたた環太平洋経済連携協定(TPP)閣僚会合に出席した米国のフロマン通商代表は、甘利TPP担当相が病気治療のため欠席したことについて「心よりお見舞い申し上げる。早期に完全復帰してほしい」と述べたのだという。

同代表は、ルール作りで対立する米国と、新興国の橋渡し役だった同大臣の不在が交渉の遅れにつながらないかと記者団から聞かれたのに対し、「米国の心配は甘利大臣の健康問題で、早い回復を期待するだけだ」と強調し、影響を否定したのだという。

一方、我が国がコメなど重要5項目の関税維持を求めている市場アクセスに関しては、言及を避けたとも言われている。

6日に上梓した小著最新刊『ジャパン・ラッシュ――「デフレ縮小化」で日本が世界の中心となる』で詳しく書いたとおり、「アベノミクス」そして「異次元緩和」を経て我が国が来年(2014年)に迎えるのは歴史的な資産バブル(「日本バブル」)だ。巨大な債務問題という時限爆弾を抱える米国が、ゴールド・ラッシュならぬ「ジャパン・ラッシュ」に沸くことになる我が国に目を付けないはずもないのである。

そしてこの時、彼ら米国人たち、そしてそれに負けじと押し寄せる欧州人たちは必死なのである。何せ自らの「母国」はデフレ縮小化の渦に巻き込まれてしまうのは明らかなのであって、最後の望みが我が国なのであるから。その様な中、「もはや手段は選べない」と考えるのも当然なのだ。

甘利TPP担当大臣の舌がん罹患を巡る「真相」は究極のところ、本人と診察した医療関係者以外はうかがい知れない。だが、少なくとも過去の“前科”がとりざたされる米国を、我が国の交渉団は相手にしているのである。そしてこうした“前科”は抑止力となり、我が国の物言いを交渉現場で封じることは十分にあり得るのである。

「食うか、食われるか」

明らかに始まった日本バブルの中、世界史の“最終決戦”の火ぶたが切って落とされている。

 

http://toyokeizai.net/articles/-/26429


 

インテリジェンスから見た、がん秘密兵器説 ~甘利大臣はTPP交渉中、なぜ舞台を去ったのか(上)~

http://blog.goo.ne.jp/nobody-loves-you/e/57f4e26bd1455a6a2808a3e7307d2208


インテリジェンスから見た、がん秘密兵器説 ~甘利大臣はTPP交渉中、なぜ舞台を去ったのか(上)~

2014-02-26 | 外交・諜報・非公然活動

皆様、おはようございます。原田武夫です。
週末いかがお過ごしになられたでしょうか?

さて。
早速ですが本日(16日)より2日間連続で、再び東洋経済オンラインにてコラムを掲載して頂きます。

題材は日本人ならば誰しもが「???」と思っている”あの件”について、です。
どうぞゆっくりとご覧ください!!

・・皆様への心からのお願い・・
東洋経済オンラインの上記コラムのタイトル下にあります「いいね!」ボタンを教えて頂くか、あるいはtwitterのボタンをクリックの上、シェアして頂けますでしょうか?

皆様からのご支援が大きな力となり、我が国を変えていきます。

どうぞ宜しくお願い致します!!
(しかし・・・ビックリなお話、ですよ。これが世界の真実です)

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原田 武夫:原田武夫国際戦略情報研究所(IISIA)代表取締役
2013年12月16日

突然「表舞台」を一時的に降りた甘利大臣。筆者はただならぬものを感じた(撮影:尾形 文繁)

甘利明TPP担当大臣が、12月に入って(5日)、記者会見で自らが「早期の舌がん」であることを発表した。2週間ほどの入院治療とその後の1~2週間の自宅治療で職務に復帰できると診断されたのだという。

環太平洋経済連携協定(TPP)を巡る交渉は、特に日米間で大詰めを迎えている。その担当閣僚として激務をこなしていた甘利明TPP担当大臣の心労は、察してあまりある。当然のことながら、「激務によるがんか」と考えられた向きも多いのではないかと思う。

金融資本主義を維持しようという勢力

だが、私は違った。「またか」と思ったのである。無論、私は直接、甘利明TPP担当大臣に事の真相を質したわけではない。しかし「いよいよ交渉も大詰め」となり、言ってみれば政治家として一世一代の大勝負に出ることのできる瞬間に、「舞台から降りる」ということがあるのだろうか。しかも、結果的に断念されることになったものの、「年内妥結」に向け、あまりにも重要なタイミングで「疾患」が発見されたというわけなのである。「できすぎた話だ」とまず思ったのは、私だけではないはずだ。

米欧の「グローバル・エリート」たちは、グローバル・マクロ(国際的な資金循環)を廻し続け、それによって金融資本主義を維持しようとしている。当然、その行く手を遮るものが、突如として現れることはままあることだ。

そんな時、彼らはお手上げになってしまわないのである。そうではなくて、あくまでも自らに都合の良い「現実」を創り出すため、インテリジェンス機関(工作機関)を動かすのである。こうした活動のことを非公然活動(covert action)という。そして、こうした「非公然活動」の中に“都合の悪い相手国の政治家をがんにしてしまう”という工作活動が含まれていることは、実のところ、インテリジェンスの世界では「常識中の常識」になっているのだ。

実は、世界的に見ると、このことはすでに問題視されている。「事件」の現場となって来たのは、12月6日に上梓した小著最新刊『ジャパン・ラッシュ──『デフレ縮小化』で日本が世界の中心となる』(東洋経済新報社)でも指摘したとおり、私たち日本人からすると、どうしても縁遠く感じてしまう中南米諸国だ。

具体的にいうと、2012年2月27日付の英系有力紙「ガーディアン」が「がんは秘密兵器か?」と題して、次のような指摘をしているのである:

 

●中南米ではここに来て余りにも多くの指導者たち(下記)が「がん」に罹患し、多くの場合、命まで落としている。これはあまりにも不自然である。
―ネストル=キルチュネル・アルゼンチン大統領(結腸がん) 
―ジルマ=ルセフ・ブラジル大統領(リンパ腫がん) 
―ルイズ=イナチオ=ルラ=ダ=シルヴァ・ブラジル大統領(喉頭がん)
―フィデル=カストロ・キューバ国家評議会議長(胃がん) 
―エヴォ=モラレス・ボリヴィア大統領(鼻がん) 
―フェルナンド=ルゴ・パラグアイ大統領(リンパ腫がん)

●「反米の闘士」として知られていたが、最後は心臓発作によって今年(2013年)3月6日に命を落としたヴェネズエラのチャヴェス大統領は、2011年12月28日に軍に対して行った演説の中で次のように述べていた。

“彼ら(注:ここでは米国を指す)ががんを拡散するための技術を開発し、これを我々が今後50年間も知らないままとなるということが、それほど不思議なことだろうか。・・・(中略)・・・蓋然性というレヴェルでも、中南米勢の指導者たちに何が起きてきたのかを説明するのは極めて難しい。それは本当に最低限の不思議さの漂う出来事なのである。・・・(中略)・・・フィデル(同:カストロ・キューバ国家評議会議長)は私にいつもこう言っていた。『チャヴェス、気をつけたまえ。彼らは技術を開発済みだ。貴方はとても不注意だ。食べる物、そして彼らが貴方に差し出す食べ物に気をつけなさい。・・・ほんの小さな針で彼らは貴方が何も知らない間に刺すのだ』”

 

これだけでも十分ショッキングな記述なのであるが、「ガーディアン」紙の指摘はここで終わりではない。「実は米国こそ、こうした不可解な死亡事案の元凶なのだ」と次のような話を列挙して糾弾しているのである:

 

●情報公開サイト「ウィキリークス」が公開した米秘密公電によれば、2008年の段階で米中央情報局(CIA)は在パラグアイ米大使館に対して訓令を発出し、同国勢の大統領候補4名すべてのバイオメトリック・データ(DNAなど)を集めるよう指示していた

●1960年代の米国において「ブラック・パワー運動」のリーダーであったクワメ・トゥアは1998年57歳に前立腺がんで亡くなったが、生前に「自分(クワメ)は米中央情報局(CIA)によって毒を盛られた」と語っていた。少なくとも1970年代後半より同人は飲酒や喫煙をしておらず、健康には人一倍気を使う人物であったと証言されている

●ジャマイカのレゲエ歌手であり、現地における宗教的思想運動である“ラスタファリ運動”の旗手としても知られていたボブ・マーリーは1981年に36歳で亡くなった。同人はがんに罹患する前、1977年にサッカーに興じている最中につま先を負傷し、その後、治癒することが無かったことで知られている。一部の証言によれば、同人はサッカーをプレイする際、後に米中央情報局(CIA)長官となるウィリアム・コルビーの息子カール・コルビーより渡されたブーツを履いていたが、その中に発がん性物質によってコーティングされた銅線が仕込まれていた

●在トリニダード=ドバゴ・キューバ大使館のウンベルト・リヴェロ大使は、カストロ前国家評議会議長が米中央情報局(CIA)及び亡命キューバ人たちから600回にわたって暗殺を企てられたことがあると述べた。同大使によれば、その1回においては猛毒性のタリウム塩が同前議長の靴の中に仕込まれていた

 

このように「米国が――その他の国々もだが――、そのインテリジェンス機関を用いて“都合の悪い外国人リーダー”をがんや別の病気に罹患させ、この世から消してしまう」という情報は、国際世論においては決して珍しくはないのである。率直に言うと、この問題について我が国の大手メディアは、一切口をつぐんでいる。その代りにこうした“グローバル・スタンダード”の議論をすると、やれ「陰謀論」だ」と十把一絡げにし、真実を明らかにしようとはして来なかったのである。そうするのは、ただ一重に超大国である米国に対する、えもいえぬ恐怖心を抱いているがゆえなのだ。

だが、時代は変わった。――2014年1月に行う恒例の「2014年 年頭記念講演会」においても詳しくお話したいと思っているのだが、これまでの「金融資本主義」というシステムそのものが音を立てて変わり始めているのである。

そしてそこで最も矢面に立たされているのが、ほかならぬ米国なのだ。そうである以上、我が国のこうした大手メディアによる「気遣い」はもはや無用の長物なのである。いや、もっと正確にいうと、インテリジェンス機関に関連したこのような「不都合な真実」について、米国自身が明らかにしようとかつて努力をしたことすらあるのである。だが不思議なことに、そこで明らかにされた事実は、ネット社会において完全に忘れ去られてしまっているのだ。(以下、(下)に続く→(下)を読む)。

 

http://toyokeizai.net/articles/-/26411


 

インテリジェンスから見た、がん秘密兵器説 ~甘利大臣はTPP交渉中、なぜ舞台を去ったのか(下)~

http://blog.goo.ne.jp/nobody-loves-you/e/87762ae5766c20801288e3fcadd3c277


仕掛けられた『ジャパン・ラッシュ』の真実(下) ~日経平均は1万9000円以上に吊り上げられる?~

2014-02-26 | 米欧・枠組み・金融資本主義

おはようございます。原田武夫です。

去る6日に上梓致しました拙著「ジャパン・ラッシュ」、おかげさまで好評です。心より感謝申し上げます。

本日も、先般に続き、東洋経済オンライン様にてコラムをアップさせて頂きました。どうぞご覧ください!

※この東洋経済オンラインのコラムの「タイトル」下にある「いいね!」ボタンを是非クリックして頂ければと思います。皆様のお支えが我が国を変える大きな力になります!

では。佳き一日を!!

http://toyokeizai.net/articles/-/25836

 

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原田 武夫:原田武夫国際戦略情報研究所(IISIA)代表取締役
2013年12月9日
 
(上)のあらすじ~「外国人投資家が、日本マーケットに殺到している。それは今後、一段と強い流れになる」。流れを確信した筆者が、6日に上梓した最新刊こそが「ジャパン・ラッシュ」(小社刊)だ。
すでに外務省勤務時代の2003年、筆者は、以下のことを聞いた。「これから2015年までの間に起きる一連の出来事によって、日本が世界の中心になる可能性が高い。だが同時に、それらの出来事で、真っ先に潰されるのが日本となる可能性も同じくらい高い」。
あれから約10年。いま、日本の株式市場は息を吹き返し、確かに世界の中心となろうとしている。このあと、日本に何が起きるというのか――。(上を読む

「これから世界が変わる。まずはわが国で史上空前のバブルが起きる」

そう言うと、必ずこう返す人たちがいる。「それでは米国の覇権がついに終わるのですね。米ドルが『崩壊』するのですね」。

2005年に自らの意思で外務省を辞め、「これから一体何が起きるのか」という一点だけに絞って研究を始めたばかりの私も最初はそう考えていた。恥ずかしながら、その直後の私の著作のタイトルを見て頂ければそのことがすぐにわかると思う。

米国は、ダミーに過ぎない

だが、12月6日に上梓したばかりの小著『ジャパン・ラッシュ』に至る私の一連の著作の中で詳しく書いて来たとおり、事はそんな単純なことでは全くないのである。詳しくは是非とも拙著(特に第1章)を読んでいただきたいが、かいつまんで言うならばこういうことになる:

 

●米欧が前々から感づいていたのは、これからの世界がある時を境にして「デフレ縮小化」するということだ。人類史上、稀に見る暖かさに恵まれた20世紀を通じ、米欧はその暖かさが故に活発に動くようになった人々に対し、マネーを次々に刷っては渡し、経済活動を拡大させてきた。つまり「インフレ拡大化」を続けてきたわけであるが、やがてそれが限界に達することに気づいたのである

●その「インフレ拡大経済」の中心に陣取り、指揮をとっていたのは常に英国ロンドンの金融街「シティ」(以下「ロンドン・シティ」)であった。いや、正確にいうと「ロンドン・シティ」に辿りつき、その繁栄を築き上げてきた“セファラディ”と呼ばれるユダヤ人集団であった。元来の「ユダヤ人」であり、同時にその一部が中世にイタリアへと移ってから、ポルトガル、スペイン、オランダへと辿りついた“セファラディ”たちはロンドン・シティから恰好の「ファンド国家」を操作してきたのである。これが米国の正体に他ならない

●したがって米国はいわば「ダミー」であり、「何かあった時に身を守るための盾」のようなものに過ぎないのであって、それ以上でもそれ以下でもないことをきっちりと認識しておく必要がある。もっと言えば「ロンドン・シティ」(表面的にはそれを覆い包む英国)が主体なのであって、米国はその従属変数に過ぎないのだ

●世界がこれから「デフレ縮小化」していくことに真っ先に気が付いたのもこの”セファラディ“たちであった。そして今から10年前の2003年には「その後に起きること」の大半を思い描き、準備し始めたのである。そしてその時、”セファラディ“たちが目を付けたのがわが国、しかもそこで「起死回生」の一手を講じるかもしれない「団塊ジュニア世代」(1973年前後生まれ)だったのである。そして”セファラディ“たちは、わが国の「団塊ジュニア世代」に対して密かにアプローチを開始した

なぜ「団塊ジュニア世代」は目を付けられたのか

●わが国が目をつけられたのには訳がある。莫大な富を持っており、しかも同じく国富に富んでいる共産主義国家「中国」とは異なり、自由主義国家だからだ。それまでのインフレ拡大経済がターニング・ポイントを迎え、一気に「デフレ縮小化」が進む中、最も有利なのは金満な勢力である。なぜならばモノの値段が安くなる(=デフレ)中で好きなものをどれだけでも買いあさることが出来るからだ。自由にモノが買え、その上、莫大な富を抱えているとなればわが国がそうした立場に躍り出ることは十分に考えられたわけであり、ここで“セファラディ”たちは二つの選択肢を迫られることになる

●一つは、仮に私たち日本人がこの様な、F1レースで言えば「ポール・ポジション」に自らがいることにつき何かの拍子に覚醒し、自らの意思で動き始めた場合に備え、準備しておくことだ。この時、わが国は怒涛の如く世界中を買い始め、圧倒的な力を誇示していくことになる。

しかも「平成バブル」の大失敗を踏まえているだけに、それなりに巧みに動き回る可能性が高い。そんな私たち日本人が覚醒する前に、ある程度関係性を持っておき、いざという時に「日本を助けているのは私たちである」というポジションを確保しておくという選択肢がまずあり得る(PLAN A)

●これに対して、米欧がデフレ縮小化へと真っ逆さまに転落していくにもかかわらず、わが国が、有り余る富をもって傍若無人に振舞うのは耐えられないと考えるのであれば、真逆の手段をあらかじめ講じるしかない。徹底して富を日本から奪い、私たち日本人が気づかない間にその牙を抜いておくのである。無論、「危機の時代」となる2015年前後に日本社会で働き盛りとなる「団塊ジュニア世代」は徹底して無視されるように仕向けなければならない(PLAN B。事実、この世代は不思議とわが国のメディアによって無視され続けてきた)

●以上のような2つの「選択肢」の大前提として“セファラディ”たちが目を付けたのは、何といってもわが国が抱える、いびつな人口ピラミッドだ。「団塊の世代」(1948年~50年生まれ)がダントツに多い我が国が危機に瀕することになるのは、この世代が65歳となる2012年頃からである。なぜならばこの世代がいよいよ基礎年金を受け取り始めるからであり、2015年にこの世代の全てが年金受給者となった段階で、わが国の国家財政は究極の危機の時代を迎えることになる(現在までの推移を踏まえると、公的債務残高は2015年度末までに対国内総生産(GDP)比で270パーセント以上になる)

 

にっちもさっちもいかなくなったところで、果たして日本人は「覚醒」するか否か。いやもっと言えば国民経済を立派に担う人数と能力を持った「団塊ジュニア世代」が覚醒し、動き出すか否かが焦点となってくる――。

”セファラディ“たちが創り上げた金融資本主義の中心、それがロンドン・シティだ。もっとも私が知る限り、少なくとも今年の初夏くらいまで彼らはわが国へと殺到する勢いを表向き見せてはいなかった。実際、ロンドン・シティの内奥を知る人物たちと会話をしても、「アベノミクス?まぁせいぜい日本株が久々に上がる程度だろう」と軽口をたたいていたのである。

しかし私が知る限り、こうした流れがいきなり変わったのは今年の9月終わり頃だ。ロンドン・シティからは「12月頃」を目途に人が直接、東京に出向いてくることがいきなり決まり始め、それと同時に新しい金融商品の組成が提案され始めた。しかも聞くところによるとそうした金融商品で提示されている条件が買い手である私たち日本人にとって余りにも良すぎるのである。そうした状況を垣間見るにつけ、私はこう思ったものである。

「ロンドン・シティは間もなく我が国に殺到し始める。この“ジャパン・ラッシュ”を控え、懸命に私たち日本人と関係性を構築しようとしている」

だがこうした流れに「それ」として気づいたエリートたちは、わが国の政官財の中で皆無だった。特にわが国の金融セクターは悲劇的な状況であり、ロンドン・シティから吹き始めたこうした「風」を全く感じていなかった。政治においては明らかに米国を意識した国家安全保障会議(NSC)の設置が喧しく議論されたものの、それとロンドン・シティ、そしてそれを支える“セファラディ”たちの文明史的な動きとをリンケージさせて論じる向きは皆無だった。外交・防衛の世界では、着々と「日英同盟の復活」が密かに語られ始めているというのに、である。

そうである以上、わが国の株式マーケットで、私たち日本人の「個人」が目の前の株高を見て半信半疑であり、さらには大量の株式をむしろ売却してしまったとしても致し方ないことなのである。なぜならば日本を仕切るいわゆる「エリート」たちの間であっても、“今”と“これから”に関する認識はそれ程度のものであるのだから。日本の「個人」と「機関投資家」はこぞってわが国へと殺到するガイジンたちをマーケットで間のあたりにしながらも動いてはこなかったのである。

日経平均は1万9000円以上にまで吊り上げられる?

「このままでは非常にまずいと思います。『いつものパターン』が繰り返されてしまいます」

わが国屈指の人口知能(AI)を操るパートナー氏の最近の口癖がこれだ。「平成バブル」とその終焉をマーケットの当事者として目の当りにしてきたパートナー氏には、「これから何が起きるのか」がありありと分かるのである。それは端的に言えば、追い詰められた我が国の「個人」がガイジンたちによって十二分なほど高値に釣り上げられた日本株に在る時から怒涛のごとく押し寄せ、買い占めていく姿である。

何せ11月上旬に平均株価ベースでいうと1万5000円以下で、ガイジンたちは大量の日本株を購入しているのだ。短期であれ、3割は利益を得ることを彼らはターゲットにするのが常であることを考えると、実に1万9000円以上にまで平均株価を釣り上げることを目標にしている可能性がある。無論、それに目のくらんだ「個人」がある時から我先に殺到し始める。

その一方でガイジンたちはといえば、予定どおり高値で次々と売り抜けていく。そして哀れな「個人」が気づいた時には「そして誰もいなくなった」というわけなのである。転売先を失った「個人」の間で激しい殴り合い、化かし合いが行われ、最後は不運な弱者たちが富を奪われて終わる。――そう、あのいつものパターンである。

来年(2014年)1月に行う恒例の年頭記念講演会において、「これから」に関しじっくりとお話をさせていただく際にも繰り返し申し上げたいのだが、私が外務省を飛び出してまでも読者の皆さん、そして全ての同胞・日本人に対して訴えたいのは正にこの点なのである。「皆さん、本当にこのままで良いのですか」ということなのだ。

米欧が行きすぎた「インフレ拡大化」の反動で激しい「デフレ縮小化」へと欧州から順番に追い込まれていく中、遅ればせながらインフレ誘導を、しかも「異次元」とまで言われるレヴェルで始めたのがわが国なのである。しかも財政危機が2015年に頂点を迎えることもわが国でわかっており、政府・日銀は「焼石に水」とわかっていても、自らの公的資金で「官製相場」を演出しつつ、他方で政府保有資産(国有地、政府保有株)を大量かつ高値で売却し、歳入を稼ごうと必死になる。

デフレになり、ヴォラティリティが徐々に無くなり始めた米欧を尻目に、他に行き場所がなくなった「外国人」たちが一縷の望みをかけているのがわが国におけるこうした自作自演のバブル、すなわち「日本バブル」なのである。本来であればイランの「核問題」に関する7か国協議の「合意」を不服と考えたイスラエルがサウジアラビアを誘ってイランに対して攻撃を加え、これによって「中東大戦争」が12月始まるというシナリオも、米欧の中では、思い描かれていたはずだ。

結果的にこれは先送りされ、少なくとも14年春までは「猶予」が見られるようになっている。ということはそれまでの間、「外国人」たちは出遅れたニッポンのインフレから少しでも利益を得ようと、わが国に殺到するのは目に見えているのだ。――そうこれが今、正に始まった「ジャパン・ラッシュ」の真相なのである。

バブルに酔いしれていると、たたき潰される

しかし表向きはマネーの乱舞する「日本バブル」に酔いしれているかのように見えるガイジンたちの向こう側には、10年越しでわが国、そして私たち日本人を見つめてきた“セファラディ”たちがいることを忘れてはならない。

なぜならば、仮にこの千載一遇のチャンスが持つ「意味」について、私たち日本人が覚醒しなければ、彼らは「PLAN B」へと速やかに移り、2020年、いやそれを待つことなくわが国を叩き潰してしまうに違いないからだ。

これこそが、私が今回、ありったけの声を振り絞るように上梓することにした小著『ジャパン・ラッシュ』でお伝えしたいことなのである。そしてその意味でわが国の現状は「もはや外交どころではない」のであって、真っ先に解くべき課題はいつまでも気づかず、感じず、だからこそ動かない私たち自身の「頭の中」に転がっているのだ。

「問題は私たち日本人が覚醒するか否か。それ以上でもそれ以下でもない。そして答えを出すのは私たち自身だ」

2014年という「日本バブル」の年を迎える直前だからこそ、今、そのことを、声を大にしてここに書いておきたいと思う。――その意味で「最後の審判」はもうすぐそこ、なのだ。

 

http://toyokeizai.net/articles/-/25836


 

仕掛けられた『ジャパン・ラッシュ』の真実(上) ~「デフレ縮小化」で日本が世界の中心となる~

http://blog.goo.ne.jp/nobody-loves-you/e/9f3a7dfb573cf94da8dace7802b9079f


仕掛けられた『ジャパン・ラッシュ』の真実(上) ~「デフレ縮小化」で日本が世界の中心となる~

2014-02-26 | 米欧・枠組み・金融資本主義

おはようございます。原田武夫です。

今日=6日、いよいよ拙著最新刊「ジャパン・ラッシュ」が発売開始です。
それにあわせ、東洋経済オンライン様にて、合計4回の特別コラムをアップさせて頂きます。

本日はつい先ほどアップされました。
どうぞご覧ください。
なぜ、私がIISIAを設立したのか。そしてなぜ今、”情報リテラシー”の国民的な普及を図るべく活動を展開しているのか。さらにはこれから何が起きるのか・・・。

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原田 武夫:原田武夫国際戦略情報研究所(IISIA)代表取締役
2013年12月6日

「これは大変なことになりそうですね・・・」

私の研究所は、マーケットとそれを取り巻く国内外情勢を分析するにあたって、わが国屈指のデータ分析プログラムを開発した「パートナー氏」とコラボレーションしている。パートナー氏はこの「人工知能(AI)」にありとあらゆるマーケットのデータを入力し、実に精緻な数値分析を行う。対する私は、インターネット上の公開情報を分析する。そして、これらの二つの分析結果をパートナー氏と突き合わせるのだ。

ゴールド・ラッシュのように、日本に殺到する外国人

そうした作業を日々淡々と重ねていく中で11月中旬頃からパートナー氏が語り始めた言葉。それが冒頭に書いた言葉だった。

何が一体“大変”なのか。――要するに「外国人」たちが日本マーケットに文字どおり“殺到”しており、その様子が尋常ではないというのだ。その様子は例えて言うならばかつて米国のカリフォルニアで起きた「ゴールド・ラッシュ(gold rush)」のようなものなのだという。

6日に上梓したばかりの小著最新刊『ジャパン・ラッシュ――「デフレ縮小化」で日本が世界の中心となる』(小社刊)は、その名のとおり「なぜこれからわが国のマーケットに世界中からマネーと人々が殺到するのか」について記したものである。そこにも詳しく書いたとおり、私は遅くとも今年(2013年)12月には外国人たちが日本マーケットに殺到する「ジャパン・ラッシュ」とでもいうべき事態が生じると、前々から考えていた。一方、この本の草稿を書いたのは10月後半。その後、半月ほどして、目の前でそれが現実になり始めたということになる。

なぜ今、起き始めていることが“大変”なのか。その理由を簡単にいうとこうなる:

 

●11月12日から日本株マーケットでまず仕掛けはじめたのは、欧州系年金基金ファンドであった。この時、平均株価で見ると明らかに強気なラインで彼らは買い始めた。これが全てのストーリーの始まりたった

●これに慌てふためいたのがそれまで「日本売り」を仕掛けてきていた米系ヘッジファンドたちだ。ロスカットのラインを超えて悠然と買いを入れていく欧州系年金基金ファンドたちを見て、仰天する。そして慌てて売りポジションを畳み、今度は猛然と買い戻し始めたというわけなのである

●こうした「日本マーケットで異変」というサインを次に巧みに嗅ぎ取ったのが米欧のグローバル・マクロ系ヘッジファンドたちだ。1000億円を越えるマネーを瞬間移動させ、わが国マーケットへと投げ込み始めた。日本株は一気に息を吹き返したように動き出し、瞬く間に平均株価は1万5000円を越えた

●ちなみに2013年初夏頃より、日本株マーケットでは一つの暗黙のルールがあった。機関投資家たちが行うことの出来る取引の一つに「裁定取引」がある。それによって現物買が積もり重なり、いわゆる「裁定残」が25億株を超えると今度は現物売り・先物買いが始まるというパターンが繰り返されていたのである。ところが11月中旬からは「裁定残」の膨れ上がり方はとどまることを知らず、瞬く間に25億株を超えた。もう間もなく30億株になるといった勢いを早々から見せ始めたのである

 

こうした動きをマーケットで創り出したのは私たち日本人ではない。そのことはマーケットで示される様々なデータから明らかだ。端的に言うと「外国人が殺到、日本人は半信半疑でむしろ売り続ける」という流れが顕著だったのである。つまり「ゴールド・ラッシュ」ならぬ「ジャパン・ラッシュ」を創り上げ、そこで日々利益を上げてきたのは我が国に住む日本人ではなく、外国人たちであったというわけなのだ。

だが今や「25億株」という「矩」を越え、未体験ゾーンへと押し出された日本株マーケットなのである。そこに加えてドイツでは大連立政権樹立に向けた合意が成立となり、ユーロ価が上昇。反射的効果として日本円は下がり、一気に「円安」へとなり始めた。そう、またしても欧州が先行して動いたというわけなのである。「ジャパン・ラッシュ」を確信的に演出しようとする確固たる意思が、はっきりと見え始めているのだ。

「インターネット上で無数に流されている公開情報をまずは拾い、そこから正しい意味を読み解く。それだけではなく、その『意味』を未来に向けて照射することによって自分自身のロードマップ(予測分析シナリオ)を創っていく」―――これが私の研究所がかねてから研究・開発し、教育・研修してきている“情報リテラシー(information literacy)”である。しかしこれに対して、残念ながらこうコメントしてくる方がいまだに後を絶たない。

「原田さんは要するに、投資顧問になりたかったのですね。金融マーケットに関心が向いたので外務省を辞めたのでしょう?」

欧米によって、押しつぶされてしまうという危機感

せっかくの機会なのでこの場ではっきり申し上げておく。私が古巣である外務省を自らの意思で飛び出し、わが国でたった一つの独立系シンクタンクを創ったのは自ら金融マーケットの参加者になろうとしたからでは断じてない。そうではなくて、12年間ではあったけれども、皇室外交から北朝鮮、そしてホワイトハウスから総理官邸まで、わが国と世界の現場で外交官としての経験を重ねれば重ねるほど、強く想ったことが一つあったからなのだ。

それは「このままいくと、わが国は米欧によって押しつぶされてしまう」という強烈な危惧だった。そして何よりも「そのこと」について私たち日本人が余りにも無自覚であることについて強烈な焦りを覚えた。

「何をきっかけにそう思うようになったのか」

私はしばしばこう聞かれることがある。その度に「対北朝鮮外交を担当し、実際に平壌に乗り込む中で米国の真意を知ったことから全てが始まったのです」と答えることにしている。

外務省でキャリアの外交官であった私には、当時、実に様々な人物たちが寄ってきたものだ。その中でもとりわけ目を引いたのが、アメリカの「本当の権力」へと連なっている人脈に属する人々だった。そして私はアメリカ人でありながら完璧な日本語を操り、下手をすると、日本人である私以上に、日本のことに詳しい彼・彼女らを見て気づいたのである。

「外交や安全保障は、そのものとして存在しているわけではない。全ては金融資本主義を動かすための、道具立てに過ぎない」

「米欧を本当に統治している集団は、互いにつながっている。そして彼・彼女らにとって大事なのは“血統”であり、他方でこの集団はインテリジェンス機関、そして金融マーケットを縦横矛盾に動き回る“越境する投資主体”と切っても切れない関係にある」

「インテリジェンス機関による非公然活動(covert action)で公然とマスメディアを操作しているのも彼・彼女らである。その触手は今やインターネットにまで及んでおり、全ての個人情報にアクセスすることが出来る」

来年(2014年)1月に行う恒例の年頭記念講演会でも詳しくお話ししたいと思っているが、実はもう一つ、当時(2003年頃)の私がはっきりと気づいたことがある。いやもっと正確にいうと、彼・彼女らにこう言われたのである。

「これから2015年までの間に起きる一連の出来事によって、日本が世界の中心になる可能性が高い。だが同時に、それらの出来事によって、真っ先に潰されるのが日本となる可能性も同じくらい高い。いずれにせよ、決着は2020年までにはつくはずだ」

これを聞いて、当時の私は一体何が何だかわからなかった。しかしこの言葉を聞いてからというもの、私は自分を押し出す風のようなものを、日々感じるようになった。そして2005年3月末、「なぜわざわざキャリアの外交官という立場を自分の意思で捨てるのか」と多くの人々に言われる中、私は外務省を去った。そうしないといけない、もっと自由な立場にならなければこの謎のメッセージに対して、日本人である自分なりの答えが出せないと強く想ったからだ。

あれから実に8年以上の月日が経った。そしてようやく今、つかむことの出来た「答え」を広く知らしめるために書いた本。それが小著『ジャパン・ラッシュ』というわけなのである。以下、(下)に続く。

 

http://toyokeizai.net/articles/-/25748


 

仕掛けられた『ジャパン・ラッシュ』の真実(下) ~日経平均は1万9000円以上に吊り上げられる?~

http://blog.goo.ne.jp/nobody-loves-you/e/d9b2951cc9e4624b516a5c5476c92598


すでに「通貨戦争」の対日宣戦布告が発せられた? 円安に沸く日本が気付かぬリスキー・ゲームの内実

2014-02-26 | グローバル・マクロ
2013年2月26日 原田武夫

アベノミクスへの期待から、顕著な円安・株高傾向が続き、金融マーケットは活気を取り戻している。しかし、外交官として日本と諸外国との駆け引きの現場を見続けてきた原田武夫・原田武夫国際戦略情報研究所CEOは、円安に沸く日本に警鐘を鳴らす。現在の円安トレンドは、欧米が仕掛ける「通貨戦争」の前哨戦であり、日本は円高反転を狙うリスクの高いゲームに巻き込まれてしまいかねないというのだ。日本経済復活への期待を抱く企業や投資家は多いと思うが、現在起きている状況を多角的に分析し、バランス感覚をもって今後の戦略を練ることも必要だ。原田氏の持論に耳を傾けてみよう。


「知る者は言わず、言う者は知らず」
円安・株高で浮かれてばかりでいいのか

原田武夫(はらだ・たけお)
株式会社原田武夫国際戦略情報研究所(IISIA)代表取締役(CEO)。東京大学法学部在学中に外交官試験に合格、外務公務員�種職員として入省。12年間奉職し、アジア大洋州局北東アジア課課長補佐(北朝鮮班長)を最後に自主退職。情報リテラシー教育を多方面に向けて展開。自ら調査・分析レポートを執筆すると共に、国内大手企業などに対するグローバル人財研修事業を全国で展開。学生を対象に次世代人材の育成を目的とする「グローバル人財プレップ・スクール」を無償で開講。著書に『ジャパン・シフト 仕掛けられたバブルが日本を襲う』(徳間書店)などがある。


「知る者は言わず、言う者は知らず」

 先日、東京・芝にある芝大神宮を参拝したときに境内で見つけた言葉だ。マーケットと外交、そして国内外情勢の狭間を歩いている私からすると、まさに「そうだ」と大きく頷いてしまう言葉だと思った。

 だが哀しいかな、忙しい日常を過ごしているとどうしてもこのことを忘れてしまう。そして「その発言者が学者として有名だから」「マスメディアが皆、その発言者を取り上げているから」といった理由で、世の中で大勢を占めている議論を鵜呑みにしてしまう。

 特に欲に駆られているときが一番危ない。やれアベノミクスだ、株高だ、円安だなどと大騒ぎしているときこそ、危険なのである。

 一見すると非常に複雑に見える金融マーケットと国際情勢。これら2つに多くの日本人が苦手意識を持つ共通の理由がある。それはどちらも「イロハのイ」を学校で習うことはないという点である。

 そのため、どうしても安易に「専門家」と称する人たちの言葉に頼ってしまう。そうすることによって、失敗してしまってからでは遅いのである。大切なことは、金融マーケットにしろ国際情勢にしろ、「己の頭」で考えること、これしかない。

 しかもマネーは、経済大国・日本にとって基本中の基本であるし、島国ニッポンにとって国際情勢を踏まえないわけにはいかないのだ。

 もっとも「己の頭」で考えると言っても、何も複雑なことをいきなり詰め込めば良いというわけではない。まずは「基本中の基本」を押さえること、これをすべきだ。

 今をときめく「リフレ派」と呼ばれるアカデミズムの住人からは、「とんでもない床屋談義」と言われるかもしれないが、マーケットは閉じられた条件の下で温室培養された実験室ではない。まずは誰しもが肯定しない、しかしそれでいて否定することもできない「事実」から考え始めること。ここから私たちのリテラシー磨きの第一歩が始まる。

知っていそうでよく知らない
為替マーケットの「イロハ」

 たとえば為替レート。第二次安倍晋三政権が成立してから「円安、円安!」とかまびすしい。渋る日本銀行を抑え込んで、いよいよ量的緩和に我が国が踏み込んだから円安になり、インフレになり、全ての問題が解決するような楽観論がメディアを席巻している。

 しかし、そうしたユーフォリア(熱狂的陶酔感)の中だからこそ、「いや待てよ……」と考えることが必要なのだ。

 まず為替マーケットにおける「イロハのイ」を列挙してみる。するとこうなる。

 

●為替マーケットにインサイダー規制はない

 とても単純なことだが、為替マーケットにインサイダー規制は存在しないのである。この点は商品マーケットについても同じだ。「為替マーケットでインサイダー? いったい何のこと?」と思われるかもしれない。この場合のインサイダーとは、金融・通貨政策を決定する政府当局及び中央銀行と密接な関係にある者たちのことを指している。

 たとえば、政策金利について考えてみよう。政策金利とは、その名のとおり政策的な配慮から設定されている金利のことであり、これを引き上げるとその国の国債が買われ、当該国債を買うためにその国の通貨が買われていく。「高金利国の通貨は買われる」という原理原則だ。

 ということは、政策金利の引き上げ・引き下げが間もなく行われることを知っている人物(=インサイダー)は為替マーケットで予め仕込んでおくことが可能なのだ。しかもそうしたとしても、一切インサイダー規制には引っかからない。これが株式とは全く違うところだ。

 

●金融メルトダウンからの脱出のため
主要国全てが輸出増進を図っている

 私は先月、香港で行われたアジア金融フォーラム(AFF)に出席したが、その際、ランチで基調講演をしたローレンス・サマーズ元米財務長官が語ったこんな言葉が忘れられない。

「米国、欧州、そして日本に中国。全ての主要国が今、輸出主導で景気を良くしようとしている。しかしいったい誰が買うのでしょうか、それだけのたくさんの輸出品を?」

 

今や世界中が使いたくて
仕方がない「伝家の宝刀」

 至極単純な事実なのだが、私たちがどうしても忘れてしまうことが1つある。それは「富」とは結局のところ、開放経済の下においては国内でつくったものを国外で売り、国外から得て来るものだということだ。

 だからこそ、政府は貿易政策を決めて物を盛んに輸出しようとする。あるいは関税政策を決めて、逆に富が外に出ていかないようにする。攻める側からすればそうした壁をつくられては困るので、「自由貿易論」を展開する。守る側はそれでは困るので、関税引き下げには応じつつも、事実上の壁である「非関税障壁」を密かに築き上げる。

 すると、攻める側はこれを「規制だ、構造だ」と騒ぎ始め、「構造改革こそ善」という議論を展開する。その繰り返しなのである。

 輸出で有利な立場に立つためには色々な手段があるが、最も典型的なのが自国の通貨を相手国の通貨との関係で切り下げてしまうことだ。いわゆる「近隣窮乏化策」というものである。今や世界中が「この伝家の宝刀を使いたくてたまらないと」いった衝動に駆られている。

 最も安易な手段だからなのであるが、通貨切り下げ競争が始まるとこれを防ぐ側との間で「自由貿易体制」が崩れてしまい、しまいにはヒト・モノ・カネの国境をまたいだ移動はまかりならんということにまでなってしまう。これでは「戦争」の一歩手前なのであって、これは絶対に避けなければならない――。

米欧間で激しく通貨切り下げ競争が行なわれてきたことがわかる
(C)SBIサーチナ株式会社
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 そんなわけで、2010年11月に行われたG20ソウル・サミットの「首脳宣言」では、こうした競争的な通貨切り下げを行わないという約束が明文化されているのだ。

キャリア外交官時代に見た
外国に従い易い日本人の性

「これをやってはいけない」と外国に言われ、ルールが決まってしまうと素直に国内法を整備し、これに従うのが日本人の性(さが)だ。私はキャリア外交官として、外交の現場でそんな哀しい性(さが)を何度となく見てきた。

 逆に言えば、我が国がそうして決まった金科玉条であるはずの国際ルールを真正面から破るというとき、我が国はかなり追い詰められているはずなのだ。まさに「不退転の決意」であって、もはや逃げ道がないから正面突破だ、ということになる。

 しかし米欧は全く違う。何が違うのかと言うと、ルールをつくりながら平然とそれを破るのだ。むろん、表向き政府当局は「ルールの遵守」を謳い、実際そう行動する。だがそのルールにとって「想定外」の出来事の発生をあえて招き、それによる反射的効果によってルールが破られてしまうような事態を創り上げるのだ。

 このとき、米欧諸国はいずれもこう言うはずだ。――「私たちこそ被害者だ。ルールを守りたかったが、想定外の出来事が生じてしまった。遺憾だが致し方ない」

ルールを守った者だけが馬鹿を見る?
「円バラマキ論」に納得してしまう日本人

 結果、ルールを墨守してきた我が国だけが馬鹿を見ることになる。国際ルールを押しつけられた政府当局は、独りだけでその責任を負いたくはないので、都合の良い「アカデミズムの大家」を持ち出す。

「円バラマキ論」をテーマとした「リフレ派」と呼ばれる識者たちが、政府による「円安誘導」のときに駆り出されるのはそのせいだ。

 そして私たちは、新聞やラジオ、そしてテレビ、雑誌や書籍でこうした「エライ先生方」の議論を毎日のように目にし、耳にするので、ついつい何も考えずに思ってしまうのである。「確かにそうだな」と。

 仮にこれが塗炭の苦しみを私たち国民に強いるものであっても、全くもって同じなのである。結果、私たち日本人の富は海の向こうへと次々に流れ出すのだ。そしてまた新たなゲームが米欧によって始められ、我が国がカジノに誘い込まれていく……。

 この2つの、誰も否定することのできない「事実」を重ね合わせたとき、いったいどんな近未来が見えて来るのだろうか。

 昨年暮れ、民主党の野田佳彦前総理大臣が衆院解散総選挙を宣言し、安倍晋三総裁の率いる自民党の優位が報じられるにつれて、為替レートが円安・ドル高/ユーロ高へとぶれて行ったことは記憶に新しい。

 安倍晋三総裁は「安倍晋三総理大臣」となり、そこでの政権公約であったデフレ脱却のため、量的緩和を強力に推し進める政策を実際に執行し始めた。為替レートがますます円安へとぶれていったことは、読者もご承知のとおりである。

 むろん、安倍政権のお歴々は鼻高々といった感じである。だが、そのことに大いなる不安を感じるのは私だけだろうか。

 なぜならば、国際ルールを押しつけられ、ギリギリまで追い詰められた我が国がいきなり逆襲に出るとき、外交の現場で米欧がいつもとる手があるからだ。それは「まずは我が国に勝たせる」というやり方だ。

緒戦はわざと勝たせるものの……
太平洋戦争を「通貨戦争」に当てはめる

 このことが一番わかりやすいのが、太平洋戦争の緒戦であった「真珠湾攻撃」である。1941年12月8日に行われたこの攻撃によって、旧日本軍は大勝。国内世論は「勝った!勝った!」と色めき立った。

 だが、そのわずか半年後に行われた1942年6月初旬の「ミッドウェー海戦」で、我が国の連合艦隊は大敗北を喫することになる。様々なミスが重なった結果であったが、虎の子の空母を数多く撃沈された我が国は、制空権・制海権を共に失い、その後3年間にわたり苦しい戦いを強いられることになる。そして原爆2発を投下されるに至って、「敗戦の日」を迎えたのである。

 緒戦で勝利した旧日本軍がとった手段、それは機動部隊による奇襲戦法だった。つまり、空からの戦いで我が国は勝利したわけであるが、ミッドウェー海戦ではまさにその「空からの戦い」で大敗北を喫したのである。同じやり方を今度は米軍からされて、日本は負けたといっても過言ではない。

 このことを、現在進行中の我が国を取り巻く「通貨戦争」に当てはめてみるとどうなるか。安倍政権はいわば猛烈な口先介入を行い、円安誘導を行った。政府関係者はこれを「デフレ脱却のための措置を講じ、その意思を表明しただけで、為替操作には当たらない」と繰り返している。

 だが、こうした詭弁が厳しい国際場裏で一切通用しないことは、その後の、とりわけ欧州要人たちの発言からも明らかだ。1月に開催された世界経済フォーラム(ダボス会議)で、メルケル独首相は「円安に対する懸念」を表明。続いて2月には欧州議会の場でオランド仏大統領が「欧州も為替政策を執行していくべきだ」と発言。

 これに続けて欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁も、「急激なユーロ高進行をウォッチしている」と言い出したのである。これで何も起きない、起こされないと考えるのがおかしい。

G20の共同声明による縛り
ほくそ笑む米欧の「次の一手」

 外交の現場感覚から言ってまず考えられるのが、2月15日にモスクワで開かれた、G20財務大臣・中央銀行総裁会合の「共同声明」による縛りだ。

「円安展開は日本も為替操作によるものではないと説明している。疑わしいが、しかし一応は信頼しよう。いずれにせよ、G20ソウル・サミットの首脳宣言に立ち返って、競争的な通貨切り下げは止めることをお互い確認しよう」と話し合いが行われ、ホッとした我が国は二つ返事でこれに応じた感がある。

 だが、これを見てほくそ笑む米欧には、「次の一手」がある。何らかの「市場外」「想定外」の出来事が発生するのを看過し、それが延焼していくのを慌てふためいたふりをして事実上放置するのである。

 この「市場外」でありかつ「想定外」の出来事はむろん、ドル安・ユーロ安へと為替レートを反転させる。急激な円高展開を前にして、これまでの凱旋気分から我が国の状況は一変。「いったい何が起きているのかわからない」と阿鼻叫喚の事態に陥るはずだ。

 ここで言う「市場外」「想定外」の出来事が何になるのかが、1つにはカギを握って来る。中東における本格開戦なのか、イタリアなど南欧諸国のデフォルト・リスク拡大なのか、はたまた米国債の格下げ騒動なのか、あるいはこれら全部なのか。想像は尽きず、予め決め打ちすることは不可能だ。

 とりわけ気になるのが、今週27日から始まる、2002年にデフォルトとなったアルゼンチン国債の取り扱いを巡るニューヨーク控訴審裁判所での公判の行方だ。その債務交換を拒むヘッジファンドによる提訴を受けての公判だが、仮にこれでアルゼンチン政府が敗訴となれば、そのデフォルトへの急転換が現実味を帯びてくる。

 なぜこれが重要なのかというと、かつての「メキシコ債務危機」と構図がよく重なるからだ。アメリカの強力な後押しで経済開発協力機構(OECD)に加盟したメキシコには当時、「新興国」として投資が殺到した。しかし1994年になって、同政府発表の主要な経済データが何と虚偽であったことが判明。怒涛の勢いで資本の逃避が始まり、12月には「メキシコ債務危機」となった。

 市場ではこれを受けて、ドル安へと急展開した。なぜならば、「メキシコが危機ならばアメリカに飛び火する」と考えられたからである。やや遅れて発生したこの急激な円高は「テキーラ効果」と呼ばれたが、1995年4月19日に「1ドル=79円75銭」にまで到達。当時の自社さ政権は大混乱に陥った。

 日本政府は武村正義大蔵大臣(当時)をワシントンに急遽派遣した。「何とか円安に戻してほしい」と懇願する武村蔵相を出迎えたロバート・ルービン米財務長官(当時)は、涼しい顔で「我々には何もできない」と言い切ったのである。その結果、円高局面は持続した。かの有名な「慇懃なる無視」(ビナイン・ネグレクト)政策である。

メキシコの先進国クラブ入りは早い
でも、アメリカの圧力だから……。

 一連の出来事を「単なる偶然だ」と思われるかもしれない。しかし私は入省したての1993年当時、OECDを担当する国際機関第2課に所属し、「メキシコ加盟」のプロセスをつぶさに見ることのできる立場にいた。

 そこで省内関係者たちは、異口同音に「メキシコを先進国クラブ入りさせるのは早過ぎるのではないか。だがアメリカからの圧力だから……」と述べていたことを、今でもはっきりと覚えている。その後起きたことに、アメリカの密やかだが強烈な国家意思を感じた我が国政府関係者は、私1人だけではなかったと思う。

 ここで浮かび上がる「構図」を、今のアルゼンチンに当てはめてみるとどうなるか。つい10年ほど前にデフォルトになったはずのアルゼンチンは、今や「G20」の一国として処遇されている。当然、そこにはアメリカを中心とする西側諸国が盛んに投資しているが、その一方でこの2月には国際通貨基金(IMF)より消費者物価指数を巡る改竄疑惑を指摘され、データの再提出を命じられているのだ。

 そこに来て、ニューヨークにおける訴訟騒動なのである。しかも厄介なのは、かつてデフォルトになったアルゼンチン国債を大量に持っていると考えられるのが、歴史的にも同国と関係性の強いイタリア人たちだということだ。

 そのため、仮にアルゼンチンが再度デフォルトとなれば、アメリカだけではなくイタリアにも「飛び火」するのである。まさに「ドル安・ユーロ安」のダブル・ショックへの導火線だ。

 仮にそうなった場合、ダンディな出で立ちで先のG20会合に登場し、メディアの注目を集めた麻生太郎財務大臣が、米欧に急派されるはずだ。しかし、そこで米欧のカウンターパートたちはこう言い切るかもしれない。――「G20モスクワ会合での合意を踏まえれば、残念だが人為的に円安への誘導はできない」。

 そうなれば、まさにビナイン・ネグレクトの再来だ。今度は「タンゴ効果」とでも呼ばれる中、強烈な円高が事実上放置されることになる。

すでに金融マーケットにおいて
「対日宣戦布告」が発せられた

 だからこそ、「疑いようのない2つの事実」に立ち返る必要がある。そして歴史的に、米欧が我が国をどう処遇してきたのかを振り返ってもらいたい。

 そうすれば、こうした米欧による無言の大戦略を知り、あるいは察したインサイダーたちが今、為替マーケットで「円安の続伸」ではなく「円高への急転換」にこそビッドしていることを悟るはずなのだ。そして気付くのである。「2月15日にG20の場で、金融マーケットにおける対日宣戦布告が発せられたのだ」と。

 むろん、予算委員会もたけなわの今、急転直下の展開に慌てふためくであろう安倍政権は、さらなる緩和措置を講じ、それが歴史的なバブルへとつながっていくはずだ。

 そう、この「日本バブル」への自らの追い込みこそ、米欧の狙いなのだとすれば、輸出主導による景気回復の宛先人が一体誰なのかも、すぐにわかるのである。間違いなくそれは我が国であり、だからこそアメリカは環太平洋経済連携協定(TPP)への安倍政権のコミットメントを強く求めているわけだ。

「知る者は言わず、言う者は知らず」――私たち日本人1人1人が「言わずとも知る者」にようやくなったとき、この「日本ゲーム」には終わりが訪れるのかもしれない。

 

http://diamond.jp/articles/-/32507


中国外務次官が訪朝直後に異例の訪韓へ

2014-02-23 | 北朝鮮

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 【2】IISIA代表・原田武夫からの〈メッセージ〉:「今日の焦点!」
   ~これを読めばマーケットとそれを取り巻く国内外情勢の
    ツボが分かる~
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⇒“今日の焦点”はズバリ:

 「中国外務次官が訪朝直後に異例の訪韓へ」です。


⇒その理由は……:

 ─ノーブル・ライという言葉があります。
  「高貴な嘘」と訳されます。

 ─本当の構造は一般には知らせることなく事態を進ませるということです。
  統治エリートが用いる典型的な手段です。

 ─それともう一つ。
  「嘘も余りにも大きすぎると“真実”になる」ということ。

 ─これも不思議なことで真実です。
  奇想天外な出来事でも、ある度合いを越すと「本当かも」となるのです。

北朝鮮が中国を操り始めました。
北朝鮮は中国の「属国」であると考えている向きには想定外の出来事です。

しかし仮に「逆」であったとすればどうでしょうか。
すなわちランクから言えば現在の北朝鮮こそレヴァーを握っている。

そうであるならば中国は北朝鮮のために喜んで動くはずです。
そのことが今回の「南北仲介」に現れているというわけなのです。

それではそうした北朝鮮は単独の意思で動いているのでしょうか。
それとも全く違うところに更に本当の「レヴァー」はあるのでしょうか。

・・・いよいよ「本当の構図」がこれから現れてきます。
ただただ驚愕するのではなく、落ち着いて対応して行きたいものです。

 

(メールマガジン 2014年2月20日号 より)

http://archive.mag2.com/0000228369/index.html


年末に「北朝鮮核ミサイル発射」という衝撃 ~「イラン核問題合意」の裏で、密かに脹らむ危機~

2014-02-23 | 北朝鮮

皆様、おはようございます。原田武夫です。

いつも月末にアップロードして頂いている「東洋経済オンライン」ですが、今回はまず本日(2日)朝にアップして頂きました。

テーマは・・・北朝鮮。
妙に静かですが・・・本当でしょうか??

ワシントンD.C.で聞いたささやき声をお伝え致します。是非ご覧ください。
併せて・・・「いいね!」を東洋経済オンラインの画面上で押して頂けますと大変助かります。皆様のご支援が大きな力になります!!

そして・・・佳き一日を!
(※実は今月はこれもいれると「5回」も東洋経済オンラインにアップロードされる他、別途告知しますが「現代ビジネス」「誠」にもコラムデヴューするので・・・大変です!)

http://toyokeizai.net/articles/-/25283

 

https://www.facebook.com/iisia.jp/posts/578304528907439


 

こんにちは。原田武夫です。
今、伊丹空港から松山・道後へと飛び立つ直前です。

昨日、米国務省の副報道官が北朝鮮についてコメントしました。

・・・
北朝鮮に挑発自制要求 米「最悪の人権状況」

2013.12.14 07:54 [北朝鮮]


 米国務省のハーフ副報道官は13日の記者会見で、北朝鮮の張成沢(チャン・ソンタク)元国防副委員長が処刑されたことを受け、金正恩体制に「地域の安定を損なう挑発的な行動を取らないよう強く求める」と述べ、対外的挑発に転じないようけん制した。

 カーニー米大統領報道官は張氏処刑について「北朝鮮の体制が人命に価値を置いていないことを示し、人権状況は世界でおそらく最悪だ」と非難した。情報機関が北朝鮮内部の情勢分析を進めているが、内容は明かせないとした。

 ハーフ氏は、核放棄を最優先課題とする米政府の対北朝鮮政策に変更はないと説明。同時に、北朝鮮が体制内部の動揺を抑えて結束を図るために韓国などに対する軍事的挑発に出る可能性について「日ごろから懸念している」と語った。

 金正恩体制が「どこに向かうのか今後の展開を注視している」と述べた。(共同)

・・・
対外的挑発、に言及していることに注目下さい。
唐突、だとは思いませんか??国内での粛清人事がなぜいきなり「対外的挑発」なのでしょうか??

10月に私がワシントンDCで聞いた話と収斂し始めました。
是非、下記お読みください。
私が「こうなる前」の12月2日にアップロードしてもらったものです。

2014年は・・・すさまじい年になります。
あらかじめ知っている人と、そうではない人の間で完全に差がつきます。

既に始まっているのです。全ては。

http://toyokeizai.net/articles/-/25283

 

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原田 武夫:原田武夫国際戦略情報研究所(IISIA)代表取締役
2013年12月2日

建国65周年の軍事パレードを行う北朝鮮人民軍(13年9月9日)。水面下で、北朝鮮をめぐる情勢は緊迫している可能性がある(Xinhua/ZUMAPRESS/アフロ)

「北朝鮮を・・・何とかして動かさなければダメだ。そのためには非公然活動も止むを得ない」

この言葉を不意に聞かされて、私は顔面蒼白となった。なぜ北朝鮮なのか? どうして彼らをこれから動かさなくてはならないのか? しかもインテリジェンス機関による隠密行動である「非公然活動(covert action)」によって?

なぜ米国のキーパーソンは、北朝鮮に言及したのか

今年(2013年)10月初旬。私は米国の首都ワシントンD.C.にいた。毎年恒例の「世界一周出張」の帰り道、いつものとおり選んだ停泊地がそこだった。ワシントンD.C.はあいにくの雨で、私を迎えてくれた。

私がこの街を訪れたのには訳がある。若い友人であるM君を介して、米国の「対日利権グループ(ジャパン・ハンズ)」を代表する老翁と会うためだ。日程調整を出発直前から始めたのだが、二転三転を経て「それでは30分だけ」ということで、アポイントメントを取り付けることができた。

だが実際に会ってみると、全くもって話が止まらない。日米関係の今とこれからからに始まり、ありとあらゆる問題について話を聞いて、私はふと腕時計を見た。会話が始まってから、あっという間に1時間が経っている。「そろそろ次のアポイントメントがありましたよね・・・」と席を立ちかけた私を制するように、老翁は手をこちらに向け、早口で言葉を継いだ。その時言われたのが冒頭の衝撃的なメッセージだったのだ。

12月6日に上梓する最新の小著『ジャパン・ラッシュ――『デフレ縮小化』の中で日本が世界の中心となる』(小社刊)の「はじめに」で登場するのがこの老翁だ。海の向こう側で戦後、綿々と続いてきた二つの「対日利権グループ」の内、現政権に近いグループのトップを務める人物である。表面的にはアカデミズムの住人だが、決して絶やさないその笑顔に浮かぶ眼光の鋭さから、本来、権勢の人であることがよくわかる。

突然の発言に面食らっている私のことなどお構いなし、といった調子で、老翁はこうも語った。「インテリジェンス機関による非公然活動・・・そうですね、北朝鮮には例えばサイバー攻撃など仕掛けると有効なのかもしれない」

私は正直唖然とした。北朝鮮をなぜこれから動かさなければならないのか、老翁は全く語らなかった。だがその決然とした語調からは明らかにこのメッセージが単に思い付きなどではなく、米国を動かすエスタブリッシュメントたちの総意であることがうかがわれたのである。

この時、老翁と話した内容についてはその大部分を小著『ジャパン・ラッシュ』の「はじめに」の中で記しておいた。だが、そこで語られた内容のうち、3つのメッセージだけはあえて“その時”が来るまで公表するのを控えてきた経緯がある。その一つがこの北朝鮮に対する、米系インテリジェンス機関による非公然活動の開始なのだ。

2013年の北朝鮮軍事パレードの「衝撃」とは

雨の降りしきる肌寒いワシントンD.C.におけるこの会話の後、私はずっとこのメッセージの真意を探り続けてきた。そしてそれから約1か月が経った11月4日。米国を代表する高等研究機関であるジョンズ・ホプキンス大学米韓研究所(USKI)が運営するサイト「38ノース」が突然、こんな分析記事を掲載したのである。概要はこうだ。

「北朝鮮が2012年に平壌で行った軍事パレードで陳列した“弾道ミサイル”と、今年(2013年)に陳列したそれとの間には明確な違いがあった。その理由を最もシンプルに説明するならば、要するに可動式の発射台による弾道ミサイルを北朝鮮は新たに開発した可能性が高いということになる」

実にさらりと書いてある分析だが、私はかつて我が国の外務省で北朝鮮班長を務めた者としてこれを見て仰天した。なぜならばこれが事実であるなら、北朝鮮の弾道ミサイル発射はかなり巧妙にその直前まで隠ぺいされることになるからである。

北朝鮮はこれまで弾道ミサイルを地下に創り上げたサイト(ミサイル基地)から発射してきた。だが如何に地下とはいえ、発射よりやや前から液体燃料をミサイルに注入しなければならず、そうすると白煙が立ち上ることになる。そのため、必ず事前に発射の兆候を掴むことが出来たのである。

だが「可動式の発射台」となると訳が違う。北朝鮮はこれを好きな時に移動させ、そして好きな時に発射することが可能になってくるのである。人工衛星を使ってウォッチする方は正に神出鬼没の「可動式ミサイル」に翻弄され、当然、発射の兆候をつかむことも難しいのだ。――私はこの分析記事を読んでなぜ米国がこのタイミングであえてこのことを公言するのかが、気になって仕方がなかった。

この謎が私の頭の中で氷解したのは、11月24日(日本時間)であった。この日、スイス・ジュネーヴで4日間にわたり行われてきたイランの核問題に関する7か国協議がようやく最初の合意に到達。イランによる核開発が事実上、米国などによって認められることが決まったのである。

「そんなはずはない。イランは2か所の核関連施設に対して国際原子力機関(IAEA)が毎日査察を行うことを認めたではないか。またプルトニウムが製造されてしまう危険性があったアラク実験用重水炉についても建設中止を認めた。それなのになぜ『イランによる核開発が事実上認められた』などと断言できるのか」

無論、こう言うのには理由がある。第一に、最も問題視されていたパルチンにある核関連施設が査察の対象とされなかった。第二に、高度な技術と重大な実験を伴う核兵器は造れなくとも、イランは核関連物質を通常兵器で撒き散らすという意味での「ダーティ爆弾」を造ることは可能なのである。そのため、今回の合意をもってして決められたことはただ一つ、「イランによる事実上の核保有国化」であったといっても過言ではないのだ。

あらかじめ「握っていた」米国とイラン

こうなってくると「なぜ米国など参加各国はそうした危険なカードをイランに譲り渡してしまったのか」と読者は疑問に思うに違いない。私が想うに、この疑問を解くカギは一つだけある。

それは今回の「合意」成立の直後、米国務省関係者から行われたこんなリークだ。「米国とイランは数年前から交渉を開始しており、特に今年(2013年)2月からは湾岸諸国の一つ、オマーンで極秘接触を始め、今回の合意にまで辿りついた」。

要するに、この「合意」は何も一朝一夕に決まったものではないということなのだ。そうではなくてむしろ数年越しに米国とイランとが考え抜き、「今この瞬間だ」と判断したタイミングで世の中に喧伝した代物であった、というわけなのである。それではなぜ「今この瞬間」にこの合意を国際社会に対して喧伝しなければならなかったのか。「木を見て森を見ない」ではなく、「木を見ないで森を見る」ようにしてみると、マーケットとそれを取り巻く国内外情勢を巡る次のような構図が浮かび上がって来る。

 

欧米を襲うデフレ・スパイラル

●米国と欧州は、共に強烈なデフレ・スパイラルに入り始めている。大規模な量的緩和を続け、大量のマネーをマーケットに投げ込んできたが、インフレが進まず、むしろデフレへ、デフレへと落ち込んでしまっている

●デフレに突入すると、とりわけ金融マーケットではちょっとやそっとでは動きが生じなくなる。しかしその結果、ヴォラティリティ(変動率)が発生しなくなると金融商品で投資家たちが利益を上げることが出来なくなってしまう

●そのため、マーケットを動かし、ヴォラティリティを発生させるために巨大なリスクの炸裂が必要となってくるのだ。そこで利用されるリスクは人々が想像すらつかないものであり、したがってその炸裂がサプライズになるものである必要がある

●そこでまず画策されてきたのが「イランの事実上の核保有国化」である。米国がこれを率先して認めることにより、中東諸国の間では衝撃が走る。特に「アラブの盟主」であるサウジアラビアはこうした展開を絶対に認められないはずだ

●そうした流れになることを見越して、米国と密かにシナリオをすり合わせたイスラエルが対イラン攻撃にサウジアラビアをおびき出す。サウジアラビアは空軍基地を貸し出すことでイスラエルに協力し、イランが「大国化」する前に叩こうとする

●これに対してイラン(イスラム教シーア派が多数)が猛烈に反撃を行い、サウジアラビア国内にいるシーア派少数派住民に一斉蜂起を呼びかける。その結果、かえってサウジアラビアの方が大混乱に陥ってしまう。無論、世界最大の産油国であるサウジアラビアが大混乱に陥ることにより、原油価格が急騰。世界中の株式マーケットで大暴落が発生し、マネーの逆回転がいよいよ始まることになる

 

「壮大な謀略」に気づいた、サウジアラビア

ところが、である。どうやらこうした「隠されたシナリオ」にサウジアラビアが気づいたようなのである。先ほどの「合意」が生じてから1日以上も経ってからサウジアラビア政府は公式見解を発表。非常に用心深い言い回しを使いながら、この「合意」を支持するとした。

中東における地政学リスクの炸裂は確かに大仕掛けであり、これが発生した場合の効果は金融マーケットにおけるヴォラティリティの演出という意味では絶大だ。だが、何といってもこれに関わる利害関係国が多すぎるところに最大の問題がある。

マーケットを飛び回るヘッジファンドや投資銀行たちが織り成すポジションを見ていると、総じて今年(2013年)の8月後半以降、この「中東開戦リスク」に賭けてきていたことがよくわかる。「すわ開戦」という山場がこれまで何度も何度も訪れ、その度にマーケットは乱高下してきた。

だが賢明なるアラブの盟主は明らかに「罠」に気づいているのである。米国、イスラエル、そしてイランやフランスなどが大立ち回りを演じても、静かにそれを見守っている。その結果、このままでは金融マーケットでヴォラティリティが発生せず、実体経済はデフレ縮小化へと突入してしまうのである。米欧からすればこれは実にまずい、まず過ぎるのだ。

「北朝鮮カード」は、「中東カード」と表裏の関係

そこで今度は、中東とカードの「裏表」の関係にある北朝鮮の出番ということになってくる。―――先月(11月)22日、米国務省は突然、85歳になる元米軍兵士が10月より北朝鮮当局に拘束されていることを発表した。その直前にサンノゼの地方紙にどういうわけか記事が掲載され、それを追認したのだ。

その直後の同月25日、今度はデービス米北朝鮮問題担当大使が訪日。我が国に対して「北朝鮮の核・ミサイル開発の進展阻止を目指し、日米韓に加えて中国と連携して圧力を強める方針」を確認させたのである。要するにかつての小泉訪朝(2002年)の時のように、「日本だけが抜け駆けをするのは許さない」というわけなのである。

北朝鮮が望んでいるのは、米国との二国間協議だ。そのためにこれまでも繰り返し仕掛けをしては米国をおびき出そうと躍起になってきた。しかし対する米国は全く乗ろうとする気配を見せていない。無論、時折「民間人」を派遣して様子をうかがうが、あくまでもそれは形式的なものであり、北朝鮮が望んでいるような、米国との「名誉ある大団円」には程遠いレヴェルにとどまってきたのだ。

「ならば日本と手を組むぞ」と脅しをかけるために平壌へ招いたのがアントニオ猪木・参議院議員だったと考えれば、一連の顛末にも納得がいく。無論、羽交い絞めにされた日本が今、米国を裏切ってまでも北朝鮮カードを切ることなどできず、不発に終わった。

事ここに至ると、問題は果たして北朝鮮が米国の“真意”をくみ取り、動き出すか否かなのだ。それはすなわち、「デフレの恐怖」に怯える米国、そして欧州のために、核弾頭が搭載可能なミサイルという大きな“花火”を打ち上げ、それによって金融マーケットでマネーをものの見事に逆回転させることだ。

日中のいさかいは、いわば「フェイク」

1970年代後半から米国が軍・CIAを挙げて取り組んだ「遠隔透視(remote viewing)」研究プログラムである“スターゲート・プロジェクト”の生き証人の一人にエド・デームズ元陸軍少佐がいる。同元少佐は自らの「遠隔透視」の成果であるとして、2003年から世界中にこんな警告を発していることで知られている。

「これから5つの重大な出来事が地球を襲う。その2番目が日本で大地震が発生し、チェルノブイリ級の原発事故が発生することだ。そしてその次に起きるのが北朝鮮による核ミサイルの発射である」

1番目として語った「アフリカにおける穀物の伝染病発生」と共に2番目まではその後に発生した事実と完全に合致してきている。そのため、今度は3番目である「北朝鮮による核ミサイル発射」が一体いつ起きるのかに注目が集まりつつある。

中東で仕掛けが発動しなければ、追い込まれるのは北朝鮮なのである。いや、仮に中東でそれが発動したとしても、同時に北朝鮮もまた突き動かされるはずなのだ。まさに「想定外の事態」の連続となることは間違いない。

来年(2014年)1月に行う恒例の年頭講演会(「2014年 年頭記念講演会」)では、そうした中、「それでは我が国は、マーケットは、そして世界はこれかどうなるのか」について、私なりの考えをご説明できればと考えている。

ワシントンD.C.の老翁は私に一言たりとも「中国が問題だ」とは語らなかった。“防空識別圏”を巡る大騒動で、にわかに緊迫し始めた日中間のいさかいこそが、米欧を中心としたグローバル・マクロの流れからすれば壮大なフェイクであることを噛みしめつつ、私たち日本人は今こそ「本当の未来」に備えなければならない。

 

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