鎌倉には、早めに行った。
連れにごちそうになった、「ミルクホール」の温野菜ランチは、
よく煮込まれていて、体に優しい。
近くの席の、オタクカップルがうるさかった。
キャベツの芯に残っていた固いスジを、コッソリ吐き出す。
時間もあるし、
まだ日の落ちぬうちに、絵だけ見ておこうと、
境内を歩き始めた。
中に灯がともされると、又違って見えるのだ。
灯に透かされたぼんぼりは、
濃い色より淡い色で描かれた作品の方が、映えるのである。
「地球へ…」 「エヴァンゲリオン」
「これってオタクがマネして描いたのか?」と思っていたら、
それぞれ「竹宮恵子」「庵野秀明」、本人の作品だった。(笑)
和紙に描くのって難しいのか、そんなに上手く見えないんだよね。
「ぼんぼりうちわ」がデッカくて、
アレで扇ぐと涼しそうで、何だか欲しかったな。
全部回りきれないうちに、境内にアナウンスが流れた。
ぼんぼりは、あっという間に撤収された。
その時に降った小雨は、すぐに止んだが、
ぼんぼりが元に戻される事はなかったろう。
その後、ザッと降り出した。
早めに来たから、かろうじて見られたが、
知らずに夕方から来た人は、ガッカリしたにちがいない。
久しぶりに歩いた鎌倉は疲れた。
あまりいい散歩じゃなかったが、
その夜は、久しぶりに爆睡した。
何をしても、楽しくない。
私がいても、意味が無い。
私の灯が消えたら、
あなたは一瞬でも気にしてくれるのだろうか。
そんな事ばかり、考えているよ。