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ノーブル・ノーズの花の穴

麗しき本音のつぶや記
~月に1度ブログ~

NO USE FOR リビングニーズ

2008-10-02 13:11:00 | Weblog


ホスピスに入った父親は、肝臓がんで、
その娘は、6月に挙式を控えていた。

「医学的にも厳しい。」と説明する医師の言葉は、優しくも辛らつで、
うなずく父親は、朦朧として痩せた顔とは不釣合いにも、
腹には腹水、脚は象のように腫らしていた。
肝臓に腫瘍があると、リンパの流れが悪くなるそうだ。

介護士は家族に、「写真だけ先に撮ったらどうか。」とアドバイスする。
でも、それを告げる事は、
「あなたはその日まで生きられない。」と宣言するに等しい。

曖昧な笑顔のその人は、
「挙式にも出られたらいいんだけど…。」と付け加えながらも、
残酷な提案を、家族の代わりにサポートする。
そして父親はただ、無表情に涙を流して、静かに言った。

「がんばります…。」

私が、TVを見ていて泣いたのは、
彼の命が、挙式までもたないからではない。
彼は「写真を撮る事」さえ、
「がんばる」と言わねばならない状態だったという事だ。
父親はせめて、「写真を撮る日」まで生きなければ、と思ったのだ。

先日、「保険料が高くなるわけじゃないから。」って、外交員が来て、
リビングニーズ特約つけたんだけど、あまり意味ない気もする。

先日、亡くなった知人もそうだけど、
闘病する間もなく、死んでしまう人もいるし、
余命半年なんて診断された時に、本当にお金を有効に使えるのかな。
結局、治療や介護の為の何かに充てるのが、
関の山なんじゃないのか。

体が動くうちに、お金を使おう。

私は、上越行きを決意した。

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